育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成3年[1991年]5月15日 法律第76号)
第一章 総則
(目的)
第一条
この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため勤務時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 育児休業 労働者(日々雇用される者及び期間を定めて雇用される者を除く。以下この条、次章、第三章、第十七条及び第十八条において同じ。)が、次章に定めるところにより、その一歳に満たない子を養育するためにする休業をいう。
二 介護休業 労働者が、第三章に定めるところにより、その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業をいう。
三 要介護状態 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。
四 対象家族 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号及び第五十二条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)において同じ。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。
五 家族 対象家族その他労働省令で定める親族をいう。
(基本的理念)
第三条
この法律の規定による子の養育又は家族の介護を行う労働者等の福祉の増進は、これらの者がそれぞれ職業生活の全期間を通じてその能力を有効に発揮して充実した職業生活を営むとともに、育児又は介護について家族の一員としての役割を円滑に果たすことができるようにすることをその本旨とする。
2 子の養育又は家族の介護を行うための休業をする労働者は、その休業後における就業を円滑に行うことができるよう必要な努力をするようにしなければならない。
(関係者の責務)
第四条
事業主並びに国及び地方公共団体は、前条に規定する基本的理念に従って、子の養育又は家族の介護を行う労働者(第五章において「対象労働者」という。)等の福祉を増進するように努めなければならない。
第二章 育児休業
(育児休業の申出)
第五条
労働者は、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、育児休業をしたことがある労働者は、当該育児休業を開始した日に養育していた子については、労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、当該申出をすることができない。
2 前項本文の規定による申出(以下「育児休業申出」という。)は、労働省令で定めるところにより、その期間中は育児休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。
(育児休業申出があった場合における事業主の義務等)
第六条
事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 労働者の配偶者で当該育児休業申出に係る子の親であるものが、常態として当該子を養育することができるものとして労働省令で定める者に該当する場合における当該労働者
三 前二号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として労働省令で定めるもの
2 前項ただし書の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条第一項本文の規定にかかわらず、育児休業をすることができない。
3 事業主は、労働者からの育児休業申出があった場合において、当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該育児休業申出があった日の翌日から起算して一月を経過する日(以下この項において「一月経過日」という。)前の日であるときは、労働省令で定めるところにより、当該育児休業開始予定日とされた日から当該一月経過日(当該育児休業申出があった日までに、出産予定日前に子が出生したことその他の労働省令で定める事由が生じた場合にあっては、当該一月経過日前の日で労働省令で定める日)までの間のいずれかの日を当該育児休業開始予定日として指定することができる。
(育児休業開始予定日の変更の申出等)
第七条
育児休業申出をした労働者は、その後当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日(前条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。以下この項において同じ。)の前日までに、同条第三項の労働省令で定める事由が生じた場合には、その事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日を一回に限り当該育児休業開始予定日とされた日前の日に変更することができる。
2 事業主は、前項の規定による労働者からの申出があった場合において、当該申出に係る変更後の育児休業開始予定日とされた日が当該申出があった日の翌日から起算して一月を超えない範囲内で労働省令で定める期間を経過する日(以下この項において「期間経過日」という。)前の日であるときは、労働省令で定めるところにより、当該申出に係る変更後の育児休業開始予定日とされた日から当該期間経過日(その日が当該申出に係る変更前の育児休業開始予定日とされていた日(前条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。以下この項において同じ。)以後の日である場合にあっては、当該申出に係る変更前の育児休業開始予定日とされていた日)までの間のいずれかの日を当該労働者に係る育児休業開始予定日として指定することができる。
3 育児休業申出をした労働者は、労働省令で定める日までにその事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業終了予定日を一回に限り当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。
(育児休業申出の撤回等)
第八条
育児休業申出をした労働者は、当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日(第六条第三項又は前条第二項の規定による事業主の指定があった場合にあっては当該事業主の指定した日、同条第一項の規定により育児休業開始予定日が変更された場合にあってはその変更後の育児休業開始予定日とされた日。第三項及び次条第一項において同じ。)の前日までは、当該育児休業申出を撤回することができる。
2 前項の規定により育児休業申出を撤回した労働者は、当該育児休業申出に係る子については、労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、第五条第一項本文の規定にかかわらず、育児休業申出をすることができない。
3 育児休業申出がされた後育児休業開始予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が当該育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として労働省令で定める事由が生じたときは、当該育児休業申出は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。
(育児休業期間)
第九条
育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(次項、第十五条第三項第二号及び第十六条の二第四項第三号において「育児休業期間」という。)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(第七条第三項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日。次項において同じ。)までの間とする。
2 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、前項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。
一 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として労働省令で定める事由が生じたこと。
二 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が一歳に達したこと。
三 育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、第十五条第一項に規定する介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。
3 前条第三項後段の規定は、前項第一号の労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。
(解雇の制限)
第十条
事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者を解雇することができない。
第三章 介護休業
(介護休業の申出)
第十一条
労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。ただし、介護休業をしたことがある労働者は、当該介護休業を開始した日に介護していた対象家族については、労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、当該申出をすることができない。
2 前項本文の規定による申出(以下「介護休業申出」という。)は、労働省令で定めるところにより、介護休業申出に係る対象家族が要介護状態にあることを明らかにし、かつ、その期間中は当該対象家族に係る介護休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「介護休業開始予定日」という。)及び末日(以下「介護休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。
(介護休業申出があった場合における事業主の義務等)
第十二条
事業主は、労働者からの介護休業申出があったときは、当該介護休業申出を拒むことができない。
2 第六条第一項ただし書(第二号を除く。)及び第二項の規定は、労働者からの介護休業申出があった場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項ただし書」とあるのは「第十二条第二項において準用する第六条第一項ただし書」と、「前条第一項本文」とあるのは「第十一条第一項本文」と読み替えるものとする。
3 事業主は、労働者からの介護休業申出があった場合において、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日が当該介護休業申出があった日の翌日から起算して二週間を経過する日(以下この項において「二週間経過日」という。)前の日であるときは、労働省令で定めるところにより、当該介護休業開始予定日とされた日から当該二週間経過日までの間のいずれかの日を当該介護休業開始予定日として指定することができる。
(介護休業終了予定日の変更の申出)
第十三条
第七条第三項の規定は、介護休業終了予定日の変更の申出について準用する。
(介護休業申出の撤回等)
第十四条
介護休業申出をした労働者は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日(第十二条第三項の規定による事業主の指定があった場合にあっては、当該事業主の指定した日。第三項において準用する第八条第三項、次条第一項及び第十九条第二項において同じ。)の前日までは、当該介護休業申出を撤回することができる。
2 前項の規定による介護休業申出の撤回がなされた場合において、当該撤回に係る対象家族についての介護休業申出については、当該撤回後になされる最初の介護休業申出を除き、事業主は、第十二条第一項の規定にかかわらず、これを拒むことができる。
3 第八条第三項の規定は、介護休業申出について準用する。この場合において、同項中「子」とあるのは「対象家族」と、「養育」とあるのは「介護」と読み替えるものとする。
(介護休業期間)
第十五条
介護休業申出をした労働者がその期間中は介護休業をすることができる期間(第三項及び第十六条の二第四項第三号において「介護休業期間」という。)は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日から介護休業終了予定日とされた日(その日が当該介護休業開始予定日とされた日(次の各号のいずれかに該当する場合にあっては当該各号に定める日とし、当該各号のいずれにも該当する場合にあっては当該各号に定める日のいずれか早い日とする。)の翌日から起算して三月を経過する日より後の日であるときは、当該経過する日(以下この項において「三月経過日」という。)。第三項において同じ。)までの間とする。ただし、三月経過日が当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日より前の日であるときは、当該労働者は、第十一条第一項本文の規定にかかわらず、介護休業をすることができない。
一 当該労働者が、対象家族について第十一条第一項ただし書の労働省令で定める特別の事情のある場合に同条の規定により介護休業申出をする場合 当該対象家族について開始された最初の介護休業に係る介護休業開始予定日とされた日
二 当該労働者に関して当該介護休業申出に係る対象家族のために第十九条第二項の措置のうち勤務時間の短縮その他の措置であって労働省令で定めるものが既に講じられている場合 当該措置のうち最初に講じられた措置の初日
2 この条において、介護休業終了予定日とされた日とは、第十三条において準用する第七条第三項の規定により当該介護休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の介護休業終了予定日とされた日をいう。
3 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、介護休業期間は、第一項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第二号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。
一 介護休業終了予定日とされた日の前日までに、対象家族の死亡その他の労働者が介護休業申出に係る対象家族を介護しないこととなった事由として労働省令で定める事由が生じたこと。
二 介護休業終了予定日とされた日までに、介護休業申出をした労働者について、労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、育児休業期間又は新たな介護休業期間が始まったこと。
4 第八条第三項後段の規定は、前項第一号の労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。
(解雇の制限)
第十六条
第十条の規定は、介護休業申出及び介護休業について準用する。
第三章の二 深夜業の制限
第十六条の二
事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(日々雇用される者を除く。以下この章、第十九条及び第二十条において同じ。)であって次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合においては、午後十時から午前五時までの間(以下この条において「深夜」という。)において労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 当該請求に係る深夜において、常態として当該子を保育することができる当該子の同居の家族その他の労働省令で定める者がいる場合における当該労働者
三 前二号に掲げるもののほか、当該請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として労働省令で定めるもの
2 前項の規定による請求は、労働省令で定めるところにより、その期間中は深夜において労働させてはならないこととなる一の期間(一月以上六月以内の期間に限る。第四項において「制限期間」という。)について、その初日(以下この条において「制限開始予定日」という。)及び末日(第四項において「制限終了予定日」という。)とする日を明らかにして、制限開始予定日の一月前までにしなければならない。
3 第一項の規定による請求がされた後制限開始予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が当該請求に係る子の養育をしないこととなった事由として労働省令で定める事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなす。この場合において、労働者は、その事業主に対して、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。
4 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。
一 制限終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が第一項の規定による請求に係る子を養育しないこととなった事由として労働省令で定める事由が生じたこと。
二 制限終了予定日とされた日の前日までに、第一項の規定による請求に係る子が小学校就学の始期に達したこと。
三 制限終了予定日とされた日までに、第一項の規定による請求をした労働者について、労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、育児休業期間又は介護休業期間が始まったこと。
5 第三項後段の規定は、前項第一号の労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。
第十六条の三
前条(第四項第二号を除く。)の規定は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について準用する。この場合において、同条第一項中「当該子を養育する」とあるのは「当該対象家族を介護する」と、同項第二号中「子」とあるのは「対象家族」と、「保育」とあるのは「介護」と、同条第三項及び第四項第一号中「子」とあるのは「対象家族」と、「養育」とあるのは「介護」と読み替えるものとする。
第四章 事業主が講ずべき措置
(育児休業等に関する定めの周知等の措置)
第十七条
事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置を講ずるよう努めなければならない。
一 労働者の育児休業及び介護休業中における待遇に関する事項
二 育児休業及び介護休業後における賃金、配置その他の労働条件に関する事項
三 前二号に掲げるもののほか、労働省令で定める事項
2 事業主は、労働者が育児休業申出又は介護休業申出をしたときは、労働省令で定めるところにより、当該労働者に対し、前項各号に掲げる事項に関する当該労働者に係る取扱いを明示するよう努めなければならない。
(雇用管理等に関する措置)
第十八条
事業主は、育児休業申出及び介護休業申出並びに育児休業及び介護休業後における就業が円滑に行われるようにするため、育児休業又は介護休業をする労働者が雇用される事業所における労働者の配置その他の雇用管理、育児休業又は介護休業をしている労働者の職業能力の開発及び向上等に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(勤務時間の短縮等の措置)
第十九条
事業主は、その雇用する労働者のうち、その一歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしないものに関して、労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置を講じなければならない。
2 事業主は、その雇用する労働者のうち、その要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関して、労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく連続する三月の期間(当該労働者が、当該対象家族について介護休業をしたことがある場合にあっては、当該対象家族について開始された最初の介護休業に係る介護休業開始予定日とされた日から、同日の翌日から起算して三月を経過する日までの期間のうち当該労働者が介護休業をしない期間)以上の期間における勤務時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置を講じなければならない。
(一歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置)
第二十条
事業主は、その雇用する労働者のうち、その一歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業の制度又は前条第一項に定める措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 事業主は、その雇用する労働者のうち、その家族を介護する労働者に関して、介護休業の制度又は前条第二項に定める措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(再雇用特別措置等)
第二十一条
事業主は、妊娠、出産、育児又は介護を理由として退職した者(以下「育児等退職者」という。)について、必要に応じ、再雇用特別措置(育児等退職者であって、その退職の際に、その就業が可能となったときに当該退職に係る事業の事業主に再び雇用されることの希望を有する旨の申出をしていたものについて、当該事業主が、労働者の募集又は採用に当たって特別の配慮をする措置をいう。第二十三条及び第三十一条第一項第一号において同じ。)その他これに準ずる措置を実施するよう努めなければならない。
(指針)
第二十二条
労働大臣は、第十七条から前条までの規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るための指針となるべき事項を定め、これを公表するものとする。
第五章 対象労働者等に対する支援措置
第一節 国等による援助
(事業主等に対する援助)
第二十三条
国は、対象労働者、子の養育又は家族の介護を行うこととなる労働者及び育児等退職者(以下「対象労働者等」という。)の雇用の継続、再就職の促進その他これらの者の福祉の増進を図るため、事業主、事業主の団体その他の関係者に対して、対象労働者及び子の養育又は家族の介護を行うこととなる労働者の雇用される事業所における雇用管理、再雇用特別措置その他の措置についての相談及び助言、給付金の支給その他の必要な援助を行うことができる。
(相談、講習等)
第二十四条
国は、対象労働者及び子の養育又は家族の介護を行うこととなる労働者に対して、これらの者の職業生活と家庭生活との両立の促進等に資するため、必要な指導、相談、講習その他の措置を講ずるものとする。
2 地方公共団体は、国が講ずる前項の措置に準じた措置を講ずるように努めなければならない。
(再就職の援助)
第二十五条
国は、育児等退職者に対して、その希望するときに再び雇用の機会が与えられるようにするため、職業指導、職業紹介、職業能力の再開発の措置その他の措置が効果的に関連して実施されるように配慮するとともに、育児等退職者の円滑な再就職を図るため必要な援助を行うものとする。
(勤労者家庭支援施設)
第二十六条
地方公共団体は、必要に応じ、勤労者家庭支援施設を設置するように努めなければならない。
2 勤労者家庭支援施設は、対象労働者等に対して、職業生活と家庭生活との両立に関し、各種の相談に応じ、及び必要な指導、講習、実習等を行い、並びに休養及びレクリエーションのための便宜を供与する等対象労働者等の福祉の増進を図るための事業を総合的に行うことを目的とする施設とする。
3 労働大臣は、勤労者家庭支援施設の設置及び運営についての望ましい基準を定めるものとする。
4 国は、地方公共団体に対して、勤労者家庭支援施設の設置及び運営に関し必要な助言、指導その他の援助を行うことができる。
(勤労者家庭支援施設指導員)
第二十七条
勤労者家庭支援施設には、対象労働者等に対する相談及び指導の業務を担当する職員(次項において「勤労者家庭支援施設指導員」という。)を置くように努めなければならない。
2 勤労者家庭支援施設指導員は、その業務について熱意と識見を有し、かつ、労働大臣が定める資格を有する者のうちから選任するものとする。
第二節 指定法人
(指定等)
第二十八条
労働大臣は、対象労働者等の福祉の増進を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、第三十条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、対象労働者等の福祉の増進に資すると認められること。
2 労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 指定法人は、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を労働大臣に届け出なければならない。
4 労働大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(指定の条件)
第二十九条
前条第一項の規定による指定には、条件を付け、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該指定に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
(業務)
第三十条
指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 対象労働者及び育児等退職者の職業生活及び家庭生活に関する調査研究を行うこと。
二 対象労働者及び育児等退職者の職業生活及び家庭生活に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに対象労働者等、事業主その他の関係者に対して提供すること。
三 次条第一項に規定する業務を行うこと。
四 前三号に掲げるもののほか、対象労働者等の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。
(指定法人による福祉関係業務の実施)
第三十一条
労働大臣は、指定法人を指定したときは、指定法人に第二十三条から第二十六条までに規定する国の行う業務のうち次の各号に掲げる業務(以下「福祉関係業務」という。)の全部又は一部を行わせるものとする。
一 対象労働者及び子の養育又は家族の介護を行うこととなる労働者の雇用管理及び再雇用特別措置に関する技術的事項について、事業主その他の関係者に対し、相談その他の援助を行うこと。
二 第二十三条の給付金であって労働省令で定めるものを支給すること。
三 対象労働者及び子の養育又は家族の介護を行うこととなる労働者に対し、これらの者の職業生活と家庭生活との両立に関して必要な相談、講習その他の援助を行うこと。
四 育児等退職者に対し、再就職のための援助を行うこと。
五 前各号に掲げるもののほか、対象労働者等の雇用の継続、再就職の促進その他これらの者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。
2 前項第二号の給付金の支給要件及び支給額は、労働省令で定めなければならない。
3 指定法人は、福祉関係業務の全部又は一部を開始する際、当該業務の種類ごとに、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地を労働大臣に届け出なければならない。指定法人が当該業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときも、同様とする。
4 労働大臣は、第一項の規定により指定法人に行わせる福祉関係業務の種類及び前項の規定による届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務規程の認可)
第三十二条
指定法人は、福祉関係業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 労働大臣は、前項の認可をした業務規程が福祉関係業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、労働省令で定める。
(福祉関係給付金の支給に係る労働大臣の認可)
第三十三条
指定法人は、福祉関係業務のうち第三十一条第一項第二号に係る業務(次条及び第四十条において「給付金業務」という。)を行う場合において、自ら同号の給付金の支給を受けようとするときは、労働省令で定めるところにより、労働大臣の認可を受けなければならない。
(報告)
第三十四条
指定法人は、給付金業務を行う場合において当該業務に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、必要な事項について報告を求めることができる。
(事業計画等)
第三十五条
指定法人は、毎事業年度、労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定法人は、労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
(区分経理)
第三十六条
指定法人は、福祉関係業務を行う場合には、福祉関係業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(交付金)
第三十七条
国は、予算の範囲内において、指定法人に対し、福祉関係業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。
(労働省令への委任)
第三十八条
この節に定めるもののほか、指定法人が福祉関係業務を行う場合における指定法人の財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(役員の選任及び解任)
第三十九条
指定法人の役員の選任及び解任は、労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 指定法人の役員が、この節の規定(当該規定に基づく命令及び処分を含む。)若しくは第三十二条第一項の規定により認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第三十条に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、労働大臣は、指定法人に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第四十条
給付金業務に従事する指定法人の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(報告及び検査)
第四十一条
労働大臣は、第三十条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、指定法人に対し、同条に規定する業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(監督命令)
第四十二条
労働大臣は、この節の規定を施行するために必要な限度において、指定法人に対し、第三十条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第四十三条
労働大臣は、指定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二十八条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて第三十条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三十条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があったとき。
三 この節の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
四 第二十九条第一項の条件に違反したとき。
五 第三十二条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで福祉関係業務を行ったとき。
2 労働大臣は、前項の規定により、指定を取り消し、又は第三十条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
(労働大臣による福祉関係業務の実施)
第四十四条
労働大臣は、前条第一項の規定により、指定を取り消し、若しくは福祉関係業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定法人が福祉関係業務を行うことが困難となった場合において必要があると認めるときは、当該福祉関係業務を自ら行うものとする。
2 労働大臣は、前項の規定により福祉関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている福祉関係業務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
3 労働大臣が、第一項の規定により福祉関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行っている福祉関係業務を行わないものとする場合における当該福祉関係業務の引継ぎその他の必要な事項は、労働省令で定める。
第六章 雑則
(育児休業等取得者の業務を処理するために必要な労働者の募集の特例)
第四十五条
認定中小企業団体の構成員たる中小企業者が、当該認定中小企業団体をして育児休業又は介護休業(これらに準ずる休業を含む。以下この項、第四十六条の二及び第四十六条の三において同じ。)をする労働者の当該育児休業又は介護休業をする期間について当該労働者の業務を処理するために必要な労働者の募集を行わせようとする場合において、当該認定中小企業団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十七条第一項の規定は、当該構成員たる中小企業者については、適用しない。
2 この条及び次条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 中小企業者 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)第二条第一項に規定する中小企業者をいう。
二 認定中小企業団体 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律第二条第二項に規定する事業協同組合等であって、その構成員たる中小企業者に対し、第十八条の事業主が講ずべき措置その他に関する相談及び援助を行うものとして、当該事業協同組合等の申請に基づき労働大臣がその定める基準により適当であると認定したものをいう。
3 労働大臣は、認定中小企業団体が前項第二号の相談及び援助を行うものとして適当でなくなったと認めるときは、同号の認定を取り消すことができる。
4 第一項の認定中小企業団体は、当該募集に従事しようとするときは、労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で労働省令で定めるものを労働大臣に届け出なければならない。
5 職業安定法第三十八条第二項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第四十条及び第四十一条の規定は同項の規定により労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第一項及び第五十条第一項の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第二項の規定は前項の規定の実施状況の調査について、同条第三項の規定はこの項において準用する同条第一項及び第二項に規定する職権を行う場合について準用する。この場合において、同法第三十八条第二項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第四十五条第四項の届出をして労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第四十一条中「第三十六条又は第三十七条第一項」とあるのは「育児・介護休業法第四十五条第四項」と、「同条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と読み替えるものとする。
6 前二項に定める労働大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。
7 労働大臣は、認定中小企業団体に対し、第二項第二号の相談及び援助の実施状況について報告を求めることができる。
第四十六条
公共職業安定所は、前条第四項の規定により労働者の募集に従事する認定中小企業団体に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき当該募集の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならない。
(育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例)
第四十六条の二
労働者が育児休業又は介護休業をする場合に当該労働者の業務について行われる労働者派遣事業(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第三号の労働者派遣事業をいい、労働者派遣法第五条第一項(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)第十一条の三の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の許可を受けて行われるもの及び労働者派遣法第十六条第一項(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第十一条の三の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する届出書を提出して行われるものを除く。)については、労働者派遣法第四条第二項、第五条第二項第四号及び第二十六条第二項の規定は適用せず、次の表の上欄に掲げる労働者派遣法の規定の同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。
第四条第一項業務のうち、次の各号のいずれかに該当する業務であつて、労働力の需要及び供給の迅速かつ的確な結合を図るためには、労働者派遣により派遣労働者に従事させることができるようにする必要があるものとして政令で定める業務(以下「適用対象業務」という。)業務(以下「育児・介護休業派遣適用対象業務」という。)
第四条第三項及び第四項、第五条第一項、第十六条第一項、第二十四条の二適用対象業務育児・介護休業派遣適用対象業務
第六条第一号この法律育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第四十六条の二の規定による読替え後のこの法律(以下「読替え後のこの法律」という。)
第七条第一項第一号事業対象業務育児・介護休業派遣適用対象業務
第十条第五項、第十一条第二項第五条第二項第五条第二項(第四号を除く。)
第十一条の見出し事業対象業務の種類等事業所の所在地
第十一条第一項同条第二項各号同条第二項各号(第四号を除く。)
第十一条第一項、第十九条第一項所在地又は事業対象業務の種類所在地
もの及び事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるものもの
第十一条第三項変更又は事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの変更
第十四条第一項第二号この法律(第三章第四節の規定を除く。)読替え後のこの法律(第三章第四節の規定を除く。第二十一条第二項、第四十八条、第五十条及び第五十一条において同じ。)、育児・介護休業法第四十六条の三
第十六条第一項第五条第二項各号第五条第二項各号(第四号を除く。)
第十九条第二項変更若しくは事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの変更
第二十一条第二項この法律(第三章第四節の規定を除く。)読替え後のこの法律、育児・介護休業法第四十六条の三
第二十五条この法律読替え後のこの法律及び育児・介護休業法第四十六条の三
第二十六条第三項前二項第一項
第三十七条第一項第七号、第四十二条第一項第六号その他育児・介護休業法第四十六条の三第一項各号に掲げる事項その他
第三十九条第二十六条第一項各号第二十六条第一項各号及び育児・介護休業法第四十六条の三第一項各号
第四十一条第一号イこの法律読替え後のこの法律、育児・介護休業法第四十六条の三
第四十八条第一項この法律(前章第四節の規定を除く。第五十条及び第五十一条において同じ。)読替え後のこの法律及び育児・介護休業法第四十六条の三の規定
第五十条、第五十一条第一項この法律読替え後のこの法律及び育児・介護休業法第四十六条の三の規定
第五十五条この法律読替え後のこの法律
第四十六条の三
前条の場合において、派遣元事業主(労働者派遣法第二十三条第一項の派遣元事業主をいう。次項において同じ。)及び派遣先(労働者派遣法第三十一条の派遣先をいう。次項において同じ。)は、労働者派遣契約(労働者派遣法第二十六条第一項の労働者派遣契約をいう。)の締結に際し、労働者派遣法第二十六条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 労働者派遣(労働者派遣法第二条第一号の労働者派遣をいう。次項において同じ。)に係る育児休業又は介護休業をする労働者の氏名及び業務
二 前号の労働者の育児休業又は介護休業をする期間
2 前条の場合において、派遣元事業主は、派遣先に対し、前項第二号に掲げる期間(その期間が一年を超えるときは、一年)を超える期間継続して同項第一号の労働者に係る労働者派遣を行ってはならない。
(調査等)
第四十七条
労働大臣は、対象労働者等の職業生活と家庭生活との両立の促進等に資するため、これらの者の雇用管理、職業能力の開発及び向上その他の事項に関し必要な調査研究を実施するものとする。
2 労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関の長に対して、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
3 労働大臣は、この法律の施行に関し、都道府県知事から必要な調査報告を求めることができる。
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第四十八条
労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
2 前項に定める労働大臣の権限は、労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県女性少年室長に委任することができる。
(政令で定める審議会への諮問)
第四十九条
労働大臣は、第二条第三号から第五号まで、第五条第一項、第六条第一項第二号及び第三号(第十二条第二項において準用する場合を含む。)並びに第三項、第七条第二項及び第三項(第十三条において準用する場合を含む。)、第八条第二項及び第三項(第十四条第三項において準用する場合を含む。)、第九条第二項第一号、第十一条第一項、第十二条第三項、第十五条第一項第二号及び第三項第一号、第十六条の二第一項第二号及び第三号、第三項並びに第四項第一号(第十六条の三において準用する場合を含む。)、第十九条並びに第三十一条第一項第二号及び第二項の労働省令の制定又は改正の立案をしようとするとき、第二十二条の指針を策定しようとするとき、その他この法律の施行に関する重要事項について決定しようとするときは、あらかじめ、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。
(労働省令への委任)
第五十条
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、労働省令で定める。
(船員に関する特例)
第五十一条
第二十八条から第四十六条の三まで及び第五十三条から第五十八条までの規定は、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員になろうとする者及び船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(次項において「船員等」という。)に関しては、適用しない。
2 船員等に関しては、第二条第三号から第五号まで、第五条、第六条第一項第二号及び第三号(第十二条第二項において準用する場合を含む。)並びに第三項、第七条(第十三条において準用する場合を含む。)、第八条第二項及び第三項(第十四条第三項において準用する場合を含む。)、第九条第二項第一号及び第三項、第十一条、第十二条第三項、第十五条第一項、第三項第一号及び第四項、第十六条の二第一項第二号及び第三号、第二項、第三項並びに第四項第一号(第十六条の三において準用する場合を含む。)、第十七条第一項第三号及び第二項、第十九条、第四十八条第二項並びに前条中「労働省令」とあるのは「運輸省令」と、第九条第二項第三号中「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する」とあるのは「船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項若しくは第二項の規定により作業に従事しない」と、第十五条第三項第二号中「労働基準法第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する」とあるのは「船員法第八十七条第一項若しくは第二項の規定により作業に従事しない」と、第二十二条及び第四十七条から第四十九条までの規定中「労働大臣」とあるのは「運輸大臣」と、第四十八条第二項中「都道府県女性少年室長」とあるのは「地方運輸局長(海運監理部長を含む。)」と、第四十九条中「、第十九条並びに第三十一条第一項第二号及び第二項の労働省令」とあるのは「並びに第十九条の運輸省令」と、「政令で定める審議会」とあるのは「船員中央労働委員会」とする。
(公務員に関する特例)
第五十二条
第二章から第四章まで、第二十三条、第四十五条から第四十六条の三まで、第四十八条、前条、次条、第五十四条及び第五十六条の規定は、国家公務員及び地方公務員に関しては、適用しない。
2 国家公務員及び地方公務員に関しては、第二十五条中「育児等退職者」とあるのは「育児等退職者(第二十一条に規定する育児等退職者をいう。以下同じ。)」と、第二十六条第二項中「対象労働者等」とあるのは「対象労働者等(第二十三条に規定する対象労働者等をいう。以下同じ。)」とする。
3 国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号。以下この条において「給特法」という。)の適用を受ける国家公務員(常時勤務することを要しない国家公務員を除く。以下この条において同じ。)は、給特法第四条に規定する主務大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「主務大臣等」という。)の承認を受けて、当該国家公務員の配偶者、父母、子又は配偶者の父母であって負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により第二条第三号の労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障があるもの(以下この条において「要介護家族」という。)の介護をするため、休業をすることができる。
4 前項の規定により休業をすることができる期間は、要介護家族の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態ごとに、連続する三月の期間内において必要と認められる期間とする。
5 主務大臣等は、第三項の規定による休業の承認を受けようとする国家公務員からその承認の請求があったときは、当該請求に係る期間のうち公務の運営に支障があると認められる日又は時間を除き、これを承認しなければならない。
6 前三項の規定は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第四条第一項に規定する職員(非常勤職員を除く。)がその要介護家族の介護をするための休業について準用する。この場合において、第三項中「給特法第四条に規定する主務大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「主務大臣等」という。)」とあるのは「地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会。以下同じ。)」と、第五項中「主務大臣等」とあるのは「地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者」と読み替えるものとする。
7 主務大臣等は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する給特法の適用を受ける国家公務員であって第十六条の二第一項各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、同項に規定する深夜において勤務しないことを承認しなければならない。
8 前項の規定は、要介護家族を介護する給特法の適用を受ける国家公務員について準用する。この場合において、同項中「第十六条の二第一項各号」とあるのは「第十六条の三において準用する第十六条の二第一項各号」と、「当該子を養育する」とあるのは「当該要介護家族を介護する」と読み替えるものとする。
9 前二項の規定は、地方公務員法第四条第一項に規定する職員(非常勤職員を除く。)について準用する。この場合において、第七項中「主務大臣等」とあるのは、「地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会)」と読み替えるものとする。
(罰則)
第五十三条
第四十五条第五項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による業務の停止の命令に違反して、労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第五十四条
次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第四十五条第四項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者
二 第四十五条第五項において準用する職業安定法第三十八条第二項の規定による指示に従わなかった者
三 第四十五条第五項において準用する職業安定法第四十条又は第四十一条の規定に違反した者
第五十五条
次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第三十四条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第四十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第五十六条
第四十五条第五項において準用する職業安定法第四十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による臨検若しくは検査若しくは第四十五条第五項において準用する同法第四十九条第二項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、十万円以下の罰金に処する。
第五十七条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第五十八条
第三十三条の規定により労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした指定法人の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成四年四月一日から施行する。
(暫定措置)
第二条
この法律の施行の際常時三十人以下の労働者を雇用する事業所の労働者に関しては、平成七年三月三十一日までの間、第二条から第十条までの規定は、適用しない。この場合において、当該労働者に関する第十一条の規定の適用については、同条中「一歳から小学校就学」とあるのは、「小学校就学」とする。
(検討)
第三条
政府は、この法律の施行後適当な時期において、育児休業の制度の実施状況、育児休業中における待遇の状況その他のこの法律の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点からこの法律に規定する育児休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (平成七年六月九日法律第一〇七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成七年十月一日から施行する。ただし、第二条並びに附則第三条、第五条、第七条、第十一条、第十三条、第十四条、第十六条、第十八条、第二十条及び第二十二条の規定は、平成十一年四月一日から施行する。
(第二条の規定の施行前の措置)
第二条
事業主は、第二条の規定の施行前においても、可能な限り速やかに、同条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定の例による介護休業の制度を設けるとともに、同法第十九条第二項の規定の例による措置を講ずるよう努めなければならないものとする。
(検討)
第三条
政府は、第二条の規定の施行後適当な時期において、介護休業の制度の実施状況、介護休業中における待遇の状況その他の同条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行状況、公的介護サービスの状況等を総合的に勘案し、必要があると認めるときは、家族を介護する労働者の福祉の増進の観点から同法に規定する介護休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (平成八年六月一九日法律第九〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成九年六月一八日法律第九二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十一年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条(次号に掲げる改正規定を除く。)、第三条(次号に掲げる改正規定を除く。)、第五条、第六条、第七条(次号に掲げる改正規定を除く。)並びに附則第三条、第六条、第七条、第十条及び第十四条(次号に掲げる改正規定を除く。)の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
(罰則に関する経過措置)
第二条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一〇年一二月一八日法律第一四八号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。