法令名 特定債権等に係る事業の規制に関する法律
法令番号 (平成四年六月五日法律第七十七号)
施行年月日 平成五年六月一日
最終改正 平成七年五月一二日法律第九一号
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 特定債権等の譲渡等
 第一節 特定債権等の譲渡(第三条―第十一条)
 第二節 指定調査機関(第十二条―第二十九条)
第三章 特定債権等譲受業
 第一節 許可(第三十条―第四十二条)
 第二節 業務(第四十三条―第四十五条)
 第三節 監督(第四十六条―第五十一条)
第四章 小口債権販売業
 第一節 許可(第五十二条―第五十四条)
 第二節 業務(第五十五条―第六十四条)
 第三節 監督(第六十五条)
第五章 雑則(第六十六条―第七十四条)
第六章 罰則(第七十五条―第八十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
 この法律は、特定債権等に係る譲渡及び譲受けの事業並びに特定債権等に係る小口債権の販売の事業を営む者について許可その他の必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営を確保し、もって特定債権等に係るこれらの事業を公正かつ円滑にするとともに、投資者の保護を図ることを目的とする。
(定義)
第二条
1 この法律において「特定債権」とは、次に掲げるものをいう。
一 機械類その他の物品を使用させる契約であってその使用させる期間(以下「使用期間」という。)が一年を超えるものであり、かつ、使用期間の開始の日(以下「使用開始日」という。)以後又は使用開始日から一定期間を経過した後当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないものに基づいて、当該物品を使用させることの対価としての金銭の支払を目的とする債権(以下「金銭債権」という。)
二 それと引換えに、又はそれを提示して特定の販売業者から商品を購入することができる証票その他の物(以下「証票等」という。)をこれにより商品を購入しようとする者(以下「利用者」という。)に交付し、当該利用者がその証票等と引換えに、又はそれを提示して特定の販売業者から商品を購入した場合において、その代金に相当する金額を当該販売業者に交付し、当該利用者から、二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して当該金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権
三 証票等を利用することなく、特定の販売業者が行う購入者への商品の販売を条件として、その代金の全部又は一部に相当する金額を当該販売業者に交付し、当該購入者から、二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して当該金額を受領することを約する契約に基づいて、当該購入者に対し生ずる金銭債権
四 証票等を利用者に交付し、当該利用者がその証票等と引換えに、又はそれを提示して特定の販売業者から商品を購入した場合において、その代金に相当する金額を当該販売業者に交付し、当該利用者からあらかじめ定められた時期ごとに、その代金の合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権
五 前各号に規定する契約に類する契約として政令で定めるものに基づいて生ずる金銭債権
2 この法律において「特定債権等」とは、特定債権又は前項第一号に規定する契約に基づいて使用される物品(以下「特定物品」という。)をいう。
3 この法律において「特定事業者」とは、第一項各号に規定する契約の締結を行う事業(以下「特定事業」という。)を営む者をいう。
4 この法律において「特定債権等譲受業」とは、次に掲げる行為を行う営業をいう。
一 その譲受けの対価として当該特定債権等を譲渡した特定事業者に生ずる金銭債権(以下「基本債権」という。)を分割して顧客に対し販売させることを目的として特定債権等を譲り受けること(信託の引受けに該当するものを除く。)。
二 次に掲げる契約に基づいて、特定債権等を譲り受けること。  イ 当事者の一方が相手方の営業のために出資を行い、相手方が営業としてその出資された財産を特定債権等の取得及び行使(特定物品にあっては、その譲渡又は賃貸をいう。以下同じ。)により運用し、,当該運用から生ずる利益の分配及び当該出資の価額(当該出資が損失によって減少した場合にあっては、その残額)の返還(以下「利益の分配等」という。)を行うことを約する契約  ロ 各当事者が出資を行い、業務の執行を委任された者が共同の事業としてその出資された財産を特定債権等の取得及び行使により運用し、当該運用から生ずる収益の分配及び当該出資の価額に応じて分割された残余財産の価額の返還(以下「収益の分配等」という。)を行うことを約する契約  ハ イ又はロに掲げるもののほか、特定債権等に係る譲受けの事業の公正及び投資者の保護を確保することが必要な契約として政令で定めるもの
5 この法律において「特定債権等譲受業者」とは、第三十条の許可を受けて特定債権等譲受業を営む者をいう。
6 この法律において「小口債権」とは、次に掲げる権利(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券に表示され、又は表示されるべき権利を除く。)をいう。
一 特定債権等譲受業者に対する基本債権を分割した債権
二 第四項第二号イ又はロに掲げる契約(以下「特定債権等組合契約」という。)に係る利益の分配等又は収益の分配等を受ける権利
三 第四項第二号ハに掲げる契約に係る権利であって、特定債権等に係る小口債権の販売の事業の公正及び投資者の保護を確保することが必要なものとして政令で定めるもの
四 特定債権等の信託の収益の分配及び元本の返還を受ける権利
五 外国の法令に準拠して設立された法人(以下「外国法人」という。)に対する権利であって、前各号に掲げるものに類するもの
7 この法律において「小口債権販売業」とは、次に掲げる行為を行う営業をいう。
一 小口債権の販売を内容とする契約(以下「小口債権販売契約」という。)の締結又はその代理若しくは媒介(以下「締結等」という。)
二 特定債権等組合契約の締結の代理又は媒介
8 この法律において「小口債権販売業者」とは、第五十二条の許可を受けて小口債権販売業を営む者をいう。
第二章 特定債権等の譲渡等
 第一節 特定債権等の譲渡
(届出)
第三条
 特定債権等譲受業者にその特定債権等を譲渡しようとする特定事業者(特定事業者の特定債権等を譲り受けた者を含む。以下「特定事業者等」という。)及び当該特定債権等譲受業者は、通商産業省令で定めるところにより、当該譲渡及び譲受けの計画を通商産業大臣に届け出なければならない。当該計画の変更(通商産業省令で定める軽微なものを除く。)をしようとするときも、同様とする。
(特定債権等の譲渡の制限等)
第四条
1 前条の規定による届出をした特定事業者等及び特定債権等譲受業者は、通商産業大臣が当該届出を受理した日から起算して六十日を経過する日までは、当該届出に係る特定債権等を譲渡し、及び譲り受けてはならない。ただし、通商産業大臣は、当該届出に係る計画の内容その他からみて特に支障がないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。
2 通商産業大臣は、前条の規定による届出に係る特定債権等の譲渡及び譲受けが行われる場合には、その特定債権についての債務の弁済が円滑に行われないおそれがあるとき、その特定債権等に係る小口債権についての債務の弁済を担保するための措置が不十分であるとき、その他投資者の利益を害するおそれがあると認められるときに限り、当該特定事業者等及び特定債権等譲受業者に対し、当該届出を受理した日から六十日以内に限り、当該計画を変更すべきことを命ずることができる。
(特定債権等の譲渡に係る対抗要件)
第五条
 特定事業者等は、特定債権等譲受業者に特定債権等を譲渡したときは、遅滞なく、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百七十八条又は第四百六十七条の規定その他法令で定めるところにより、当該特定債権等に係る権利の移転をもって第三者に対抗するために必要な行為をしなければならない。
(特定債権の譲渡に係る計画の確認)
第六条
 特定事業者は、一年以内において通商産業省令で定める期間ごとに、通商産業省令で定めるところにより、当該期間の特定債権の譲渡に係る計画を通商産業大臣に提出して、その計画が次の各号に適合する旨の確認を受けることができる。当該確認を受けた特定債権の譲渡の総額の変更(特定債権の譲渡の総額の増加に係るものに限る。)をしようとするときも、同様とする。
一 その特定債権の譲渡の総額が当該特定事業の実施のために必要な限度を超えるものでないこと。
二 その特定債権の譲渡の総額が当該特定事業者の財産の状況に照らして過大なものでないこと。
三 その特定事業者が譲渡しようとする当該特定債権の取立てについて、当該特定債権等譲受業者から委託を受けていること。
(特定債権の譲渡の公告等)
第七条
1 前条の規定により特定債権の譲渡に係る計画について確認を受けた特定事業者は、当該計画に従って特定債権等譲受業者に特定債権を譲渡したときは、通商産業省令で定めるところにより、その旨の公告をすることができる。
2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)がされたときは、当該特定債権の債務者に対して民法第四百六十七条の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもって確定日付とする。
(特定債権に関する書面の閲覧)
第八条
1 特定事業者は、第六条の規定により確認を受けた計画に従って特定債権を譲渡した場合において、公告をしようとするときは、当該特定債権に関する事項であって通商産業省令で定めるものについて記載した書面を通商産業大臣に提出しなければならない。
2 特定債権の債務者、特定事業者から特定債権を譲り受ける者又は特定事業者の債権者は、通商産業大臣に対し、利害関係のある部分に限り、前項の書面の閲覧を請求することができる。
3 前項の規定による請求は、請求事由その他通商産業省令で定める事項を明らかにしてしなければならない。
4 通商産業大臣は、第二項の規定による請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
(取立てを委託する契約の解除の禁止等)
第九条
1 特定事業者又は特定債権等譲受業者は、その譲渡し、又は譲り受けた特定債権について公告により対抗要件が備えられたときは、当該特定債権について当該特定事業者に取立てを委託する契約の解除を行うことができない。ただし、正当な理由がある場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、特定債権等譲受業者は、取立てを委託する契約の解除による当該特定事業者の弁済受領の権限の消滅をもって当該特定債権の債務者に対抗することができない。ただし、当該債務者がその弁済受領の権限の消滅を知り、又は過失により知らなかったときは、この限りでない。
(報告の徴収等)
第十条
1 通商産業大臣は、特定事業者等及び特定債権等譲受業者に対し、第三条の規定による届出に係る計画又は第六条の規定により確認を受けた計画(第三条又は第六条の規定による変更の届出又は変更の確認があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施状況について報告を求めることができる。
2 通商産業大臣は、第六条の規定により確認を受けた計画が同条各号に適合しなくなったと認めるときは、その確認を取り消さなければならない。
3 前項の規定により確認が取り消された場合において、その確認を受けた計画に従って譲渡された特定債権に係る公告は、当該確認が取り消された後も、なおその効力を有する。
(準用規定)
第十一条
 この節の規定は、信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。以下同じ。)に特定債権等を信託する特定事業者等及び当該信託会社について準用する。この場合において、第三条中「特定債権等譲受業者に」とあるのは「信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。以下同じ。)に」と、「以下「特定事業者等」という。)及び当該特定債権等譲受業者」とあるのは「以下「特定事業者等」という。)」と、同条及び第六条第三号中「譲渡しよう」とあるのは「信託しよう」と、第三条及び第四条第二項中「譲渡及び譲受け」とあるのは「信託」と、同条及び前条第一項中「特定事業者等及び特定債権等譲受業者」とあるのは「特定事業者等」と、第四条第一項中「譲渡し、及び譲り受けてはならない」とあるのは「信託してはならない」と、第五条、第六条第三号、第七条第一項及び第九条中「特定債権等譲受業者」とあるのは「信託会社」と、第五条、第七条第一項及び第八条第一項中「譲渡した」とあるのは「信託した」と、第六条及び第七条第一項中「特定債権の譲渡」とあるのは「特定債権の信託」と、第八条第二項中「特定債権を譲り受ける者」とあるのは「特定債権の信託を受ける信託会社」と、第九条第一項中「譲渡し、又は譲り受けた」とあるのは「信託し、又は信託を受けた」と、前条第三項中「譲渡された」とあるのは「信託された」と読み替えるものとする。
 第二節 指定調査機関
(指定調査機関の指定等)
第十二条
1 通商産業大臣は、通商産業省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定調査機関」という。)に、第三条の規定による届出に係る特定債権等及び当該特定債権等に係る小口債権についての債務の弁済に関する必要な調査並びに第六条の規定による確認に必要な調査(同条第一号及び第二号に掲げるものに限る。)のうち特定事業者の事業及び財産の状況に関するものであって政令で定めるもの(以下「調査業務」という。)を行わせることができる。
2 前項の指定は、通商産業省令で定めるところにより、調査業務を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第十三条
 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の指定を受けることができない。
一 この法律、信託業法(大正十一年法律第六十五号)、証券取引法、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)、割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)、外国証券業者に関する法律(昭和四十六年法律第五号)、特定商品等の預託等取引契約に関する法律(昭和六十一年法律第六十二号)、抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)若しくは商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成三年法律第六十六号)又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第二十五条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者イ 第一号に該当する者  ロ 第二十一条の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者
(指定の基準)
第十四条
 通商産業大臣は、第十二条第二項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 通商産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が調査業務を実施し、その数が通商産業省令で定める数以上であること。
二 調査業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
三 民法第三十四条の規定により設立された法人であって、その役員又は職員の構成が調査業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 調査業務以外の業務を行っているときは、その業務を行うことによって調査業務が不公正になるおそれがないものであること。
五 その指定をすることによって調査業務の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
(調査業務の実施義務等)
第十五条
1 指定調査機関は、通商産業大臣から調査業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、その調査業務を行わなければならない。
2 指定調査機関は、調査業務を行うときは、前条第一号に規定する者(以下「調査業務実施者」という。)に実施させなければならない。
(変更の届出)
第十六条
 指定調査機関は、その名称又は調査業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、通商産業大臣に届け出なければならない。
(業務規程)
第十七条
1 指定調査機関は、調査業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程で定めるべき事項は、通商産業省令で定める。
3 通商産業大臣は、第一項の認可をした業務規程が調査業務の公正な遂行上不適当となったと認めるときは、指定調査機関に対し、業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第十八条
 指定調査機関は、通商産業大臣の許可を受けなければ、調査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(事業計画等)
第十九条
1 指定調査機関は、毎事業年度開始前に(第十二条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定調査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。
(役員等の選任及び解任)
第二十条
 指定調査機関の役員(調査業務実施者を含む。次条において同じ。)の選任及び解任は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(解任命令)
第二十一条
 通商産業大臣は、指定調査機関の役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又は業務規程に違反したときは、その指定調査機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(秘密保持義務等)
第二十二条
1 指定調査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、調査業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 調査業務に従事する指定調査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(報告最び立入検査)
第二十三条
1 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定調査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、指定調査機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項に規定する立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(適合命令等)
第二十四条
1 通商産業大臣は、指定調査機関が第十四条第一号から第四号までに適合しなくなったと認めるときは、その指定調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 通商産業大臣は、前項に定めるもののほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定調査機関に対し、調査業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第二十五条
 通商産業大臣は、指定調査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて調査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この節の規定に違反したとき。
二 第十三条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
三 第十七条第一項の認可を受けた業務規程によらないで調査業務を行ったとき。
四 第十七条第三項、第二十一条又は前条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により指定を受けたとき。
(帳簿の記載)
第二十六条
1 指定調査機関は、帳簿を備え、調査業務に関し通商産業省令で定める事項を記載しなければならない。
2 前項の帳簿は、通商産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。
(聴聞の方法の特例)
第二十七条
1 第二十一条又は第二十五条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
2 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
(公示)
第二十八条
 通商産業大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第十二条第一項の指定をしたとき。
二 第十六条の規定による届出があったとき。
三 第十八条の許可をしたとき。
四 第二十五条の規定により指定を取り消し、又は調査業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
(通商産業省令への委任)
第二十九条
 この節に規定するもののほか、指定調査機関の行う調査業務に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
第三章 特定債権等譲受業
 第一節 許可
(特定債権等譲受業者の許可)
第三十条
 特定債権等譲受業は、主務大臣の許可を受けた法人(外国法人については、国内に営業所を有するものに限る。)でなければ、営むことができない。ただし、その譲り受ける特定債権の債権額及び特定物品の価額の年間の合計額が政令で定める金額に満たない場合は、この限りでない。
(許可の条件)
第三十一条
1 主務大臣は、前条の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、公益又は投資者の保護のため必要な最小限度のものでなければならない。
(許可の申請)
第三十二条
1 第三十条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した許可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号又は名称及び住所
二 営業所の名称及び所在地
三 役員の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
四 資本の額又は出資の総額
五 業務の種類及び方法
六 他に事業を行っているときは、その事業の種類
七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
2 前項の許可申請書には、主務省令で定める書類を添付しなければならない。
(許可の基準)
第三十三条
1 主務大臣は、前条の規定による許可の申請があったときは、許可申請者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第三十条の許可をしなければならない。
一 資本の額又は出資の総額が投資者の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額以上の法人でない者
二 資産の合計額から負債の合計額を控除した額が資本又は出資の額の百分の九十に相当する額に満たない法人
三 第五十条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定により第三十条若しくは第五十二条の許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種の許可(当該許可に類する登録その他の行政処分を含む。以下「許可等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
四 第十三条第一号に掲げる法律又はこれらに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
五 役員又は政令で定める使用人のうちに次のいずれかに該当する者のある法人  イ 禁治産者若しくは準禁治産者又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者  ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者  ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者ニ 第十三条第一号に掲げる法律若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者  ホ 特定債権等譲受業者が第五十条の規定により第三十条の許可を取り消され、又は小口債権販売業者が第六十五条において準用する第五十条の規定により第五十二条の許可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該特定債権等譲受業者又は当該小口債権販売業者の役員又は政令で定める使用人であった者で当該取消しの日から三年を経過しないもの  ヘ この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種の許可等を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該許可等を取り消された法人の当該取消しの日前三十日以内に役員又は政令で定める使用人であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
六 業務の種類及び方法が投資者の保護のため必要なものとして主務省令で定める基準に適合しない法人
七 特定債権等譲受業を適確に遂行するに足りる財産的基礎及び人的構成を有しない法人
2 主務大臣は、第三十条の許可の申請があった場合において、不許可の処分をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
(許可の有効期間)
第三十四条
 第三十条の許可の有効期間は、許可の日から起算して三年とする。
(許可の有効期間の更新)
第三十五条
1 第三十条の許可の有効期間(この項の規定による有効期間の更新を受けた場合における当該有効期間の更新に係る同条の許可の有効期間を含む。以下同じ。)の満了の後引き続き当該許可に係る特定債権等譲受業を営もうとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣の行う有効期間の更新を受けなければならない。
2 第三十一条から第三十三条までの規定は、第三十条の許可の有効期間の更新について準用する。
3 第三十条の許可の有効期間の満了の日までに有効期間の更新の申請があった場合において、その申請について有効期間の更新の承認又は拒否の通知があるまでの間は、当該申請に係る同条の許可は、同条の許可の有効期間の満了後も、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、有効期間の更新が承認されたときは、当該有効期間の更新に係る第三十条の許可の有効期間は、従前のその許可の有効期間の満了する日の翌日から起算するものとする。
(変更の認可)
第三十六条
 特定債権等譲受業者は、第三十二条第一項第五号に掲げる事項を変更しようとするとき、又はその資本の額若しくは出資の総額を減少しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
(変更の届出)
第三十七条
 特定債権等譲受業者は、第三十二条第一項第一号から第三号まで、第六号若しくは第七号に掲げる事項に変更があったとき、又はその資本の額若しくは出資の総額を増加したときは、その日から二週間以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(特定債権等譲受業の譲渡及び譲受け並びに法人の合併)
第三十八条
1 特定債権等譲受業の全部又は一部の譲渡及び譲受けは、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 特定債権等譲受業者たる法人の合併は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第三十三条の規定は、前二項の認可について準用する。
(承継)
第三十九条
 特定債権等譲受業の全部の譲渡があり、又は特定債権等譲受業者について合併があったときは、特定債権等譲受業の全部を譲り受けた法人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その特定債権等譲受業者の地位を承継する。
(廃業の届出等)
第四十条
1 特定債権等譲受業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
一 破産により解散したとき。 その破産管財人
二 合併及び破産以外の理由により解散したとき。 その清算入
三 特定債権等譲受業を廃止したとき。 特定債権等譲受業者であった法人を代表する役員
2 特定債権等譲受業者が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、当該特定債権等譲受業者の第三十条の許可は、その効力を失う。
(他業兼営の許可)
第四十一条
1 特定債権等譲受業者は、特定債権等譲受業以外の事業を営もうとするときは、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 主務大臣は、特定債権等譲受業音が特定債権等譲受業以外の事業を営むことにより投資者の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときでなければ、前項の許可をしてはならない。
(登録免許税及び手数料)
第四十二条
 第三十条の許可を受けようとする者は、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の定めるところにより登録免許税を、第三十五条第一項の有効期間の更新を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を、それぞれ納めなければならない。
 第二節 業務
(名義貸しの禁止)
第四十三条
 特定債権等譲受業者は、自己の名義をもって、他人に特定債権等譲受業を営ませてはならない。
(余裕金の運用)
第四十四条
 特定債権等譲受業者は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他主務大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行その他主務大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
三 信託会社への金銭信託であって、元本補てんの契約のあるもの
四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める方法
(書類の閲覧)
第四十五条
 特定債権等譲受業者は、主務省令で定めるところにより、その業務及び財産の状況を記載した書類を、営業所ごとに備え置き、当該特定債権等譲受業者に係る小口債権を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
 第三節 監督
(業務に関する帳薄書類)
第四十六条
 特定債権等譲受業者は、主務省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(事業報告書の提出)
第四十七条
 特定債権等譲受業者は、事業年度ごとに、主務省令で定める様式により、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを主務大臣に提出しなければならない。
(立入検査等)
第四十八条
1 主務大臣は、投資者の保護のため必要があると認めるときは、特定債権等譲受業者に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、特定債権等譲受業者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 主務大臣は、投資者の保護のため特に必要があると認めるときは、特定債権等譲受業者と取引する者に対し、当該特定債権等譲受業者の業務又は財産に関して報告又は資料の提出を命ずることができる。
3 第二十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による立入検査又は質問について準用する。
(業務改善命令)
第四十九条
 主務大臣は、特定債権等譲受業者の業務の運営に関し、投資者の利益を害する事実があると認めるときは、投資者の保護のため必要な限度において、当該特定債権等譲受業者に対し、業務の種類及び方法の変更、財産の供託その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(許可の取消し等)
第五十条
 主務大臣は、特定債権等譲受業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十条の許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三十三条第一項第一号から第五号まで(同項第三号については、第五十二条の許可の取消しに係る部分及びこの法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当することとなったとき。
二 不正の手段により第三十条の許可又は第三十五条第一項の有効期間の更新を受けたとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は第三十一条第一項に規定する許可に付した条件に違反したとき。
四 特定債権等譲受業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき。
(監督処分の公告)
第五十一条
 主務大臣は、前条の規定による処分をしたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第四章 小口債権販売業
 第一節 許可
(小口債権販売業者の許可)
第五十二条
 小口債権販売業は、主務大臣の許可を受けた法人(外国法人については、国内に営業所を有するものに限る。)でなければ、営むことができない。
(廃業の届出等)
第五十三条
1 小口債権販売業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
一 合併により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者
二 破産により解散したとき。 その破産管財人
三 合併及び破産以外の理由により解散したとき。 その清算人
四 小口債権販売業を廃止したとき。 小口債権販売業者であった法人を代表する役員
2 小口債権販売業者が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、当該小口債権販売業者の前条の許可は、その効力を失う。
(準用規定)
第五十四条
 第三十一条、第三十二条、第三十三条(第一項第二号を除く。)、第三十四条から第三十七条まで及び第四十二条の規定は、小口債権販売業者について準用する。この場合において、第三十一条第一項中「前条」とあり、並びに第三十二条第一項、第三十三条第一項各号列記以外の部分及び第二項、第三十四条、第三十五条並びに第四十二条の規定中「第三十条」とあるのは「第五十二条」と、同条中「第三十五条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第三十五条第一項」と読み替えるものとする。
 第二節 業務
(標識の掲示)
第五十五条
1 小口債権販売業者は、営業所ごとに、公衆の見やすい場所に、主務省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
2 小口債権販売業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
(広告の規制)
第五十六条
 小口債権販売業者は、その行う小口債権販売業に関して広告をするときは、その者の信用、小口債権の支払の確実性その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
(小口債権販売契約等の成立前の書面の交付)
第五十七条
 小口債権販売業者は、小口債権販売契約の締結等又は特定債権等組合契約の締結の代理若しくは媒介をしようとするときは、顧客に対し、当該小口債権販売契約又は特定債権等組合契約(以下「小口債権販売契約等」という。)が成立するまでの間に、主務省令で定めるところにより、小口債権販売契約等並びに小口債権販売契約等に係る小口債権及び特定債権等(以下「小口債権販売契約・特定債権等」と総称する。)の内容及びその履行に関する事項であって主務省令で定めるものについて当該小口債権販売契約・特定債権等に係る概要を記載した書面を交付しなければならない。
(小口債権販売契約等の成立時の書面の交付)
第五十八条
 小口債権販売業者は、小口債権販売契約等が成立したときは、顧客に対し、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、当該小口債権販売契約・特定債権等の内容及びその履行に関する次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 小口債権の内容に関する事項
二 特定債権等の内容に関する事項
三 特定債権等譲受業者に関する事項
四 小口債権についての債務の弁済を担保するための措置の有無及び当該措置が講ぜられている場合にあっては、その内容
五 契約の解除に関する事項(次条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
六 損害賠償額の予定(違約金を含む。)に関する定めがあるときは、その内容
七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
(書面による解除)
第五十九条
1 小口債権販売業者と小口債権販売契約を締結した顧客(当該小口債権販売契約の締結前主務省令で定める期間内に、当該小口債権販売業者と同種の小口債権販売契約の締結をした者を除く。)は、前条の書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間、書面によりその契約の解除を行うことができる。
2 前項の契約の解除は、その契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 小口債権販売業者は、第一項の規定による契約の解除があった場合には、その契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 前三項の規定に反する特約で顧客に不利なものは、無効とする。
(金銭等の貸付け又はその媒介等の禁止)
第六十条
 小口債権販売業者は、その行う小口債権販売業に関して、顧客に対し金銭若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ若しくは代理をしてはならない。
(小口債権販売契約等の締結についての勧誘等)
第六十一条
1 小口債権販売業者は、小口債権販売契約等の締結又は更新について勧誘をするに際し、小口債権販売契約・特定債権等に関する事項であって、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
2 小口債権販売業者は、小口債権販売契約等の解除(特定債権等組合契約に係る組合からの脱退を含む。次条第一号及び第二号において同じ。)を妨げるため、小口債権販売契約・特定債権等に関する事項であって、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
(不当な勧誘等の禁止)
第六十二条
 小口債権販売業者又はその代理人、使用人その他の従業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 威迫する言動を交えて、小口債権販売契約等の締結若しくは更新についての勧誘をし、又は小口債権販売契約等の解除を妨げること。
二 小口債権販売契約等に基づく債務又は小口債権販売契約等の解除によって生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
三 前二号に掲げるもののほか、小口債権販売業に関する行為であって、投資者の保護に欠けるものとして主務省令で定めるもの。
(準用規定)
第六十三条
 第四十三条及び第四十五条の規定は、小口債権販売業者について準用する。この場合において、同条中「書類」とあるのは「書類並びに販売を行った小口債権に関する書類」と、「当該特定債権等譲受業者に係る小口債権を有する者」とあるのは「顧客」と読み替えるものとする。
(小口債権販売業者とみなす特定債権等譲受業者)
第六十四条
 特定債権等譲受業者が特定債権等組合契約の締結を行う場合においては、当該特定債権等譲受業者を小口債権販売業者とみなして、この節の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第五十八条第五号及び第五十九条第一項から第三項までの規定中「解除」とあるのは、「解除(特定債権等組合契約に係る組合からの脱退を含む。)」とする。
 第三節 監督
(準用規定)
第六十五条
 前章第三節の規定は、小口債権販売業者について準用する。この場合において、第五十条中「第三十条」とあるのは「第五十二条」と、同条第一号中「第三十三条第一項第一号から第五号まで」とあるのは「第五十四条において準用する第三十三条第一項第一号、第三号から第五号まで」と、「第五十二条」とあるのは「第三十条」と、同条第二号中「第三十五条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第三十五条第一項」と、同条第三号中「第三十一条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第三十一条第一項」と読み替えるものとする。
第五章 雑則
(許可の取消し等に伴う債務の履行)
第六十六条
 特定債権等譲受業者について、第三十条の許可の有効期間(第三十五条第三項に規定する場合にあっては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき、第四十条第二項の規定により第三十条の許可が効力を失ったとき、又は第五十条の規定により第三十条の許可が取り消されたときは、当該特定債権等譲受業者であった者は、当該特定債権等譲受業者に係る小口債権に関する取引を結了する目的の範囲内においては、なお特定債権等譲受業者とみなす。
(外国法人に対するこの法律の規定の適用に当たっての技術的読替え等)
第六十七条
 特定債権等譲受業者又は小口債権販売業者が外国法人である場合において、当該特定債権等譲受業者又は当該小口債権販売業者に対するこの法律の規定の適用に当たっての技術的読替えその他この法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定投資者に関する適用除外)
第六十八条
 第三条から第五条までの規定は、これらの規定に規定する特定債権等に係る小口債権販売契約等の締結についての勧誘が資本の額が通商産業省令で定める金額以上の株式会社その他通商産業省令で定める者(以下「特定投資者」という。)のみに対して行われる場合であって、当該小口債権販売契約等に係る小口債権が当該小口債権販売契約等を締結した顧客から特定投資者以外の者に譲渡されるおそれが少ないものとして政令で定めるときは、適用しない。
(営業のために締結する小口債権販売契約等の適用除外)
第六十九条
 第五十七条から第六十二条までの規定は、小口債権販売契約等であって、小口債権販売業者(第六十四条の規定により小口債権販売業者とみなされる特定債権等譲受業者を含む。)が当該小口債権販売契約等の締結等をする場合における顧客(第五十七条、第五十八条、第六十一条及び第六十二条の規定については、特定投資者に限る。)が営業のために又は営業として締結し、又は締結しようとするものについては、適用しない。
(支払能力に関する情報の適正な使用)
第七十条
 特定債権等譲受業者は、特定債権の債務者の支払能力に関する情報を特定債権についての債務の弁済に関する調査以外の目的のために使用してはならない。
(銀行等の適用除外)
第七十一条
 前二章の規定は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)その他のこの法律以外の法律の規定であってこれにより特定債権等譲受業又は小口債権販売業の公正及び投資者の保護が確保されるものの適用を受ける者として政令で定めるものについては、適用しない。
(主務大臣等)
第七十二条
1 この法律における主務大臣は、政令で定めるところにより、大蔵大臣及び通商産業大臣とする。
2 この法律における主務省令は、政令で定めるところにより、大蔵大臣及び通商産業大臣の発する命令とする。
3 この法律による権限は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。
(主務省令への委任)
第七十三条
 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、主務省令で定める。
(経過措置)
第七十四条
 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に係る経過措置を含む。)を定めることができる。
第六章 罰則
第七十五条
 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三十条又は第五十二条の規定に違反して、許可を受けないで特定債権等譲受業又は小口債権販売業を営んだ者
二 不正の手段により第三十条若しくは第五十二条の許可又は第三十五条第一項(第五十四条において準用する場合を含む。)の規定による有効期間の更新を受けた者
三 第四十三条(第六十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、他人に特定債権等譲受業又は小口債権販売業を営ませた者
第七十六条
 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条(第十一条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第四条第一項(第十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
三 第四条第二項(第十一条において準用する場合を含む。)又は第五十条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
四 第三十一条第一項(第三十五条第二項(第五十四条において準用する場合を含む。)及び第五十四条において準用する場合を含む。)の規定により付した条件に違反した者
五 第三十六条(第五十四条において準用する場合を含む。)の認可を受けないで第三十二条第一項第五号(第五十四条において準用する場合を含む。)に掲げる事項を変更し、又は資本の額若しくは出資の総額を減少した者
六 第四十一条第一項の規定による許可を受けないで特定債権等譲受業以外の事業を営んだ者
七 第六十条の規定に違反して、顧客に対し金銭若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ若しくは代理をした者
八 第六十一条第一項の規定に違反して、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた者
九 第六十一条第二項の規定に違反して、不実のことを告げた者
第七十七条
 第二十二条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第七十八条
 第二十五条の規定による調査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第七十九条
 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三十二条(第三十五条第二項(第五十四条において準用する場合を含む。)及び第五十四条において準用する場合を含む。)の許可申請書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第五十六条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をした者
三 第五十七条又は第五十八条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する概要若しくは事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
第八十条
 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第五条(第十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二 不正の手段により第六条(第十一条において準用する場合を含む。)の規定による確認を受けた者
三 第六条(第十一条において準用する場合を含む。)の規定による確認を受けないで第七条第一項の規定による公告をした者
四 第八条第一項(第十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、書面を提出せず、又は虚偽の記載のある書面を提出した者
五 第十条第一項(第十一条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の届出した者
六 第三十七条(第五十四条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
七 第四十五条(第六十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは小口債権を有する者若しくは顧客の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは小口債権を有する者若しくは顧客に閲覧させた者
八 第四十六条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記載のある帳簿書類の作成をした者
九 第四十七条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載のある事業報告書を提出した者
十 第四十八条第一項又は第二項(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の記載のある資料の提出をした者
十一 第四十八条第一項(第六十五条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
十二 第四十九条(第六十五条において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
十三 第五十五条第一項の規定に違反して、主務省令で定める様式の標識を掲示しなかった者
十四 第五十五条第二項の規定に違反して、同条第一項の標識又はこれに類似する標識を掲示した者
第八十一条
 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定調査機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十八条の許可を受けないで調査業務の全部を廃止したとき。
二 第二十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
三 第二十六条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかったとき。
第八十二条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十五条、第七十六条、第七十九条又は第八十条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第八十三条
 次の各号の一に該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一 第四十条第一項又は第五十三条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第四十四条の規定に違反して業務上の余裕金を運用した者
附則
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条
1 この法律の施行の際現に特定債権等譲受業を営んでいる者は、この法律の施行の日から六月間(当該期間内に第三十三条第一項の規定に基づく不許可の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項の規定により特定債権等譲受業の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第三十条の規定にかかわらず、引き続き特定債権等譲受業を営むことができる。その者がその期間内に同条の許可の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。
2 前項の規定により引き続き特定債権等譲受業を営むことができる場合においては、その者を特定債権等譲受業者とみなして、第三条から第五条まで、第三十九条、第四十四条から第四十九条まで、第五十条(第一項第二号を除く。)、第六十四条及び第六十六条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第五十条第一項中「第三十条の許可を取り消し」とあるのは「特定債権等譲受業の廃止を命じ」と、「第三十三条第一項第一号から第五号まで」とあるのは「第三十三条第一項第三号から第五号まで」と、第六十四条中「この節」とあるのは「この節(第五十五条及び第六十三条において準用する第四十三条を除く。)」と、第六十六条中「第三十条の許可の有効期間(第三十五条第三項に規定する場合にあっては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき、第四十条第二項の規定により第三十条の許可が効力を失ったとき、又は第五十条第一項の規定により第三十条の許可が取り消されたときは」とあるのは「この法律の施行の日から六月を経過したとき、第三十三条第一項の規定による不許可の処分があったとき、第四十条第一項各号のいずれかに該当することとなったとき、又は附則第二条第二項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項の規定により特定債権等譲受業の廃止を命じられたときは」と、第七十五条第一号中「第三十条」とあるのは「附則第二条第二項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項の規定による特定債権等譲受業の廃止の命令に違反した者」とする。
3 前項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項の規定により特定債権等譲受業の廃止が命じられた場合における第三十三条第一項の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を第五十条第一項の規定により第三十条の許可を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を第五十条第一項の規定による第三十条の許可の取消しの日とみなす。
4 第一項及び前項の規定は、この法律の施行の際現に小口債権販売業を営んでいる者について準用する。この場合において、第一項及び前項中「第三十三条第一項」とあるのは「第五十四条において準用する第三十三条第一項」と、「第五十条第一項」とあるのは「第六十五条において準用する第五十条第一項」と、「第三十条」とあるのは「第五十二条」と、同項中「前項」とあるのは「次項」と読み替えるものとする。
5 前項の規定により引き続き小口債権販売業を営むことができる場合においては、その者を小口債権販売業者とみなして、第五十六条から第六十二条まで、第六十三条において準用する第四十五条並びに第六十五条において準用する第四十六条から第四十九条まで及び第五十条(第一項第二号を除く。)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第六十五条の規定により読み替えて準用される第五十条第一項中「第五十二条の許可を取り消し」とあるのは「小口債権販売業の廃止を命じ」と、「第三十三条第一項第一号、第三号から第五号まで」とあるのは「第三十三条第一項第三号から第五号まで」と、第七十五条第一号中「第三十条」とあるのは「附則第二条第五項の規定により読み替えて適用される第六十五条において準用する第五十条第一項の規定による小口債権販売業の廃止の命令に違反した者」とする。
第三条
 第五十八条及び第五十九条の規定は、この法律の施行前に締結された小口債権販売契約(第六十四条の規定により小口債権販売業者とみなされる特定債権等譲受業者が締結を行う特定債権等組合契約を含む。)については、適用しない。
附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条
 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十三条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条
 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
(政令への委任)
第十五条
 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄