- 法令名 特許法
- 法令番号 (昭和三十四年四月十三日法律第百二十一号)
- 施行年月日 昭和三十五年四月一日
- 最終改正 平成八年六月二六日法律第一一〇号
- 目次
- 第一章 総則(第一条―第二十八条)
- 第二章 特許及び特許出願(第二十九条―第四十六条)
- 第三章 審査(第四十七条―第六十三条)
- 第三章の二 出願公開(第六十四条・第六十五条)
- 第四章 特許権
- 第一節 特許権(第六十六条―第九十九条)
- 第二節 権利侵害(第百条―第百六条)
- 第三節 特許料(第百七条―第百十二条の三)
- 第五章 特許異議の申立て(第百十三条―第百二十条の六)
- 第六章 審判(第百二十一条―第百七十条)
- 第七章 再審(第百七十一条―百七十七条)
- 第八章 訴訟(第百七十八条―第百八十四条の二)
- 第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例(第百八十四条の三―第百八十四条の二十)
- 第十章 雑則(第百八十五条―第百九十五条の四)
- 第十一章 罰則(第百九十六条―第二百四条)
- 附則
- 第一章 総則
- (目的)
- 第一条
- この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。
- (定義)
- 第二条
- 1 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
- 2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
- 3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
- 一 物の発明にあつては、その物を生産し、使用し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為
- 二 方法の発明にあつては、その方法を使用する行為
- 三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物を使用し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
- (期間の計算)
- 第三条
- 1 この法律又はこの法律に基く命令の規定による期間の計算は、次の規定による。
- 一 期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
- 二 期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。月又は年の始から期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
- 2 特許出願、請求その他特許に関する手続(以下単に「手続」という。)についての期間の末日が行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日に当たるときは、その日の翌日をもつてその期間の末日とする。
- (期間の延長等)
- 第四条
- 特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、第百八条第一項、第百二十一条第一項又は第百七十三条第一項に規定する期間を延長することができる。
- 第五条
- 1 特許庁長官、審判長又は審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求により又は職権で、その期間を延長することができる。
- 2 審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求により又は職権で、その期日を変更することができる。
- (法人でない社団等の手続をする能力)
- 第六条
- 1 法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において次に掲げる手続をすることができる。
- 一 出願審査の請求をすること。
- 二 特許異議の申立てをすること。
- 三 第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判を請求すること。
- 四 第百七十一条第一項の規定により第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判の確定審決に対する再審を請求すること。
- 2 法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。
- (未成年者、禁治産者等の手続をする能力)
- 第七条
- 1 未成年者及び禁治産者は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。
- 2 準禁治産者が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。
- 3 法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。
- 4 準禁治産者又は法定代理人が、その特許権に係る特許異議の申立て又は相手方が請求した審判若しくは再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。
- (在外者の特許管理人)
- 第八条
- 1 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
- 2 特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。
- (代理権の範囲)
- 第九条
- 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有する者であつて手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なければ、特許出願の変更、放棄若しくは取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請若しくは申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張若しくはその取下げ、第百二十一条第一項の審判の請求、特許権の放棄又は復代理人の選任をすることができない。
- (削除)
- 第十条
- 削除
- (代理権の不消滅)
- 第十一条
- 手続をする者の委任による代理人の代理権は、本人の死亡若しくは本人である法人の合併による消滅、本人である受託者の信託の任務終了又は法定代理人の死亡若しくはその代理権の変更若しくは消滅によつては、消滅しない。
- (代理人の個別代理)
- 第十二条
- 手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。
- (代理人の改任等)
- 第十三条
- 1 特許庁長官又は審判長は、手続をする者がその手続をするのに適当でないと認めるときは、代理人により手続をすべきことを命ずることができる。
- 2 特許庁長官又は審判長は、手続をする者の代理人がその手続をするのに適当でないと認めるときは、その改任を命ずることができる。
- 3 特許庁長官又は審判長は、前二項の場合において、弁理士を代理人とすべきことを命ずることができる。
- 4 特許庁長官又は審判長は、第一項又は第二項の規定による命令をした後に第一項の手続をする者又は第二項の代理人が特許庁に対してした手続を却下することができる。
- (複数当事者の相互代表)
- 第十四条
- 二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ並びに第百二十一条第一項の審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。
- (在外者の裁判籍)
- 第十五条
- 在外者の特許権その他特許に関する権利については、特許管理人があるときはその住所又は居所をもつて、特許管理人がないときは特許庁の所在地をもつて民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第五条第四号の財産の所在地とみなす。
- (手続をする能力がない場合の追認)
- 第十六条
- 1 未成年者(独立して法律行為をすることができる者を除く。)又は禁治産者がした手続は、法定代理人(本人が手続をする能力を取得したときは、本人)が追認することができる。
- 2 代理権がない者がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができる。
- 3 準禁治産者が保佐人の同意を得ないでした手続は、準禁治産者が保佐人の同意を得て追認することができる。
- 4 後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができる。
- (手続の補正)
- 第十七条
- 1 手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、次条から第十七条の四までの規定により補正をすることができる場合を除き、願書に添付した明細書、図面若しくは要約書又は第百第百二十条の四第二項若しくは第百三十四条第二項の訂正若しくは第百二十六条第一項の審判の請求書に添付した訂正した明細書若しくは図面について補正をすることができない。
- 2 第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第一項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。
- 3 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
- 一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
- 二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
- 三 手続について第百九十五条第一項から第三項までの規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
- 4 手続の補正(手数料の納付を除く。)をするには、次条第二項に規定する場合を除き、手続補正書を提出しなければならない。
- (願書に添付した明細書又は図面の補正)
- 第十七条の二
- 1 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書又は図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。
- 一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
- 二 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
- 三 第百二十一条第一項の審判を請求する場合において、その審判の請求の日から三十日以内にするとき。
- 2 第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人が、誤訳の訂正を目的として、前項の規定により明細書又は図面について補正をするときは、その理由を記載した誤訳訂正書を提出しなければならない。
- 3 第一項の規定により明細書又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第四項の規定により明細書及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書若しくは図面))に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
- 4 前項に規定するもののほか、第一項第二号及び第三号に掲げる場合において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
- 一 第三十六条第五項に規定する請求項の削除
- 二 特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
- 三 誤記の訂正
- 四 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
- 5 第百二十六条第四項の規定は、前項第二号の場合に準用する。
- (要約書の補正)
- 第十七条の三
- 特許出願人は、特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C 4の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A 2 の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項、第四十三条第一項又は第四十三条の二第一項若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第六十四条第一項において同じ。)から一年三月以内に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
- (訂正に係る明細書又は図面の補正)
- 第十七条の四
- 1 特許権者は、第百二十条の四第一項及び同条第三項において準用する第百六十五条の規定により指定された期間内に限り、第百二十条の四第二項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書又は図面について補正をすることができる。
- 2 第百二十三条第一項の審判の被請求人は、第百三十四条第一項、同条第五項において準用する第百六十五条又は第百五十三条第二項の規定により指定された期間内に限り、第百三十四条第二項の訂正の請求書に添付した訂正した明細書又は図面について補正をすることができる。
- 3 第百二十六条第一項の審判の請求人は、第百五十六条第一項の規定による通知がある前(同条第二項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知がある前)に限り、第百二十六条第一項の審判の請求書に添付した訂正した明細書又は図面について補正をすることができる。
- (手続の却下)
- 第十八条
- 1 特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者が第百八条第一項に規定する期間内に特許料を納付しないときは、その手続を却下することができる。
- 2 特許庁長官は、第十七条第三項の規定により第百九十五条第三項の規定による手数料の納付をすべきことを命じた特許出願人が第十七条第三項の規定により指定した期間内にその手数料の納付をしないときは、当該特許出願を却下することができる。
- (不適法な手続の却下)
- 第十八条の二
- 1 特許庁長官は、不適法な手続であつて、その補正をすることができないものについては、その手続を却下するものとする。
- 2 前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出する機会を与えなければならない。
- (願書等の提出の効力発生時期)
- 第十九条
- 願書又はこの法律若しくはこの法律に基く命令の規定により特許庁に提出する書類その他の物件であつてその提出の期間が定められているものを郵便により提出した場合において、その願書又は物件を郵便局に差し出した日時を郵便物の受領証により証明したときはその日時に、その郵便物の通信日付印により表示された日時が明瞭であるときはその日時に、その郵便物の通信日付印により表示された日時のうち日のみが明瞭であつて時刻が明瞭でないときは表示された日の午後十二時に、その願書又は物件は、特許庁に到達したものとみなす。
- (手続の効力の承継)
- 第二十条
- 特許権その他特許に関する権利についてした手続の効力は、その特許権その他特許に関する権利の承継人にも、及ぶものとする。
- (手続の続行)
- 第二十一条
- 特許庁長官又は審判長は、特許庁に事件が係属している場合において、特許権その他特許に関する権利の移転があつたときは、特許権その他特許に関する権利の承継人に対し、その事件に関する手続を続行することができる。
- (手続の中断又は中止)
- 第二十二条
- 1 特許庁長官又は審判官は、決定、査定又は審決の謄本の送達後に中断した手続の受継の申立について、受継を許すかどうかの決定をしなければならない。
- 2 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。
- 第二十三条
- 1 特許庁長官又は審判官は、中断した審査、特許異議の申立てについての審理及び決定、審判又は再審の手続を受け継ぐべき者が受継を怠つたときは、申立てにより又は職権で、相当の期間を指定して、受継を命じなければならない。
- 2 特許庁長官又は審判官は、前項の規定により指定した期間内に受継がないときは、その期間の経過の日に受継があつたものとみなすことができる。
- 3 特許庁長官又は審判長は、前項の規定により受継があつたものとみなしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
- 第二十四条
- 民事訴訟法第百二十四条(第一項第六号を除く。)、第百二十五条から第百二十七条まで、第百二十八条第一項、第百三十条、第百三十一条及び第百三十二条第二項(訴訟手続の中断及び中止)の規定は、審査、特許異議の申立てについての審理及び決定、審判又は再審の手続に準用する。この場合において、同法第百二十四条第二項中「訴訟代理人」とあるのは「審査、特許異議の申立てについての審理及び決定、審判又は再審の委任による代理人」と、同法第百二十七条中「裁判所」とあるのは「特許庁長官又は審判長」と、同法第百二十八条第一項及び第百三十一条中「裁判所」とあるのは「特許庁長官又は審判官」と、同法第百三十条中「裁判所」とあるのは「特許庁」と読み替えるものとする。
- (外国人の権利の享有)
- 第二十五条
- 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない外国人は、次の各号の一に該当する場合を除き、特許権その他特許に関する権利を享有することができない。
- 一 その者の属する国において、日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めているとき。
- 二 その者の属する国において、日本国がその国民に対し特許権その他特許に関する権利の享有を認める場合には日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めることとしているとき。
- 三 条約に別段の定があるとき。
- (条約の効力)
- 第二十六条
- 特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。
- (特許原簿への登録)
- 第二十七条
- 1 次に掲げる事項は、特許庁に備える特許原簿に登録する。
- 一 特許権の設定、存続期間の延長、移転、消滅、回復又は処分の制限
- 二 専用実施権又は通常実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限
- 三 特許権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限
- 2 特許原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
- 3 この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。
- (特許証の交付)
- 第二十八条
- 1 特許庁長官は、特許権の設定の登録があつたとき、又は願書に添付した明細書若しくは図面の訂正をすべき旨の決定若しくは審決が確定した場合において、その登録があつたときは、特許権者に対し、特許証を交付する。
- 2 特許証の再交付については、通商産業省令で定める。
- 第二章 特許及び特許出願
- (特許の要件)
- 第二十九条
- 1 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
- 一 特許出願前に日本国内において公然知られた発明
- 二 特許出願前に日本国内において公然実施をされた発明
- 三 特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明
- 2 特許出願前にその発明に属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
- 第二十九条の二
- 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
- (発明の新規性の喪失の例外)
- 第三十条
- 1 特許を受ける権利を有する者が試験を行い、刊行物に発表し、又は特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会において文書をもつて発表することにより、第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明について、その該当するに至つた日から六月以内にその者が特許出願をしたときは、その発明は、同項各号の一に該当するに至らなかつたものとみなす。
- 2 特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明について、その該当するに至つた日から六月以内にその者が特許出願をしたときも、前項と同様とする。
- 3 特許を受ける権利を有する者が政府若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官が指定するものに、パリ条約の同盟国若しくは世界貿易機関の加盟国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会に、又はパリ条約の同盟国若しくは世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会であつて特許庁長官が指定するものに出品することにより、第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明について、その該当するに至つた日から六月以内にその者が特許出願をしたときも、第一項と同様とする。
- 4 特許出願に係る発明について第一項又は前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、その特許出願に係る発明が第一項又は前項に規定する発明であることを証明する書面を特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。
- (削除)
- 第三十一条
- 削除
- (特許を受けることができない発明)
- 第三十二条
- 公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
- (特許を受ける権利)
- 第三十三条
- 1 特許を受ける権利は、移転することができる。
- 2 特許を受ける権利は、質権の目的とすることができない。
- 3 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない。
- 第三十四条
- 1 特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない。
- 2 同一の者から承継した同一の特許を受ける権利について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた者以外の者の承継は、第三者に対抗することができない。
- 3 同一の者から承継した同一の発明及び考案についての特許を受ける権利及び実用新案登録を受ける権利について同日に特許出願及び実用新案登録出願があつたときも、前項と同様とする。
- 4 特許出願後における特許を受ける権利の承継は、相続その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官に届け出なければ、その効力を生じない。
- 5 特許を受ける権利の相続その他の一般承継があつたときは、承継人は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
- 6 同一の者から承継した同一の特許を受ける権利の承継について同日に二以上の届出があつたときは、届出をした者の協議により定めた者以外の者の届出は、その効力を生じない。
- 7 第三十九条第七項及び第八項の規定は、第二項、第三項及び前項の場合に準用する。
- (職務発明)
- 第三十五条
- 1 使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。
- 2 従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ又は使用者等のため専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定の条項は、無効とする。
- 3 従業者等は、契約、勤務規則その他の定により、職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する。
- 4 前項の対価の額は、その発明により使用者等が受けるべき利益の額及びその発明がされるについて使用者等が貢献した程度を考慮して定めなければならない。
- (特許出願)
- 第三十六条
- 1 特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 発明の名称
- 三 発明者の氏名及び住所又は居所
- 2 願書には、明細書、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。
- 3 前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
- 一 発明の名称
- 二 図面の簡単な説明
- 三 発明の詳細な説明
- 四 特許請求の範囲
- 4 前項第三号の発明の詳細な説明は、通商産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に、記載しなければならない。
- 5 第三項第四号の特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。この場合において、一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない。
- 6 第三項第四号の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
- 一 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
- 二 特許を受けようとする発明が明確であること。
- 三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
- 四 その他通商産業省令で定めるところにより記載されていること。
- 7 第二項の要約書には、明細書又は図面に記載した発明の概要その他通商産業省令で定める事項を記載しなければならない。
- 第三十六条の二
- 1 特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、必要な図面及び要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書に記載すべきものとされる事項を通商産業省令で定める外国語で記載した書面及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。
- 2 前項の規定により外国語書面及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日から二月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
- 3 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の同項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、取り下げられたものとみなす。
- 4 第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書及び図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
- 第三十七条
- 二以上の発明については、これらの発明が一の請求項に記載される発明(以下「特定発明」という。)とその特定発明に対し次に掲げる関係を有する発明であるときは、一の願書で特許出願をすることができる。
- 一 その特定発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である発明
- 二 その特定発明と産業上の利用分野及び請求項に記載する事項の主要部が同一である発明
- 三 その特定発明が物の発明である場合において、その物を生産する方法の発明、その物を使用する方法の発明、その物を取り扱う方法の発明、その物を生産する機械、器具、装置その他の物の発明、その物の特定の性質を専ら利用する物の発明又はその物を取り扱う物の発明
- 四 その特定発明が方法の発明である場合において、その方法の発明の実施に直接使用する機械、器具、装置その他の物の発明
- 五 その他政令で定める関係を有する発明
- (共同出願)
- 第三十八条
- 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない。
- (先願)
- 第三十九条
- 1 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
- 2 同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。
- 3 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。
- 4 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。
- 5 特許出願又は実用新案登録出願が取り下げられ、又は却下されたときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。
- 6 発明者又は考案者でない者であつて特許を受ける権利又は実用新案登録を受ける権利を承継しないものがした特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から第四項までの規定の適用については、特許出願又は実用新案登録出願でないものとみなす。
- 7 特許庁長官は、第二項又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。
- 8 特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。
- (削除)
- 第四十条
- 削除
- (特許出願等に基づく優先権主張)
- 第四十一条
- 1 特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。
- 一 その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合
- 二 先の出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願若しくは第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は実用新案法第十一条第一項において準用するこの法律第四十四条第一項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願若しくは実用新案法第十条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願である場合
- 三 先の出願が、その特許出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
- 四 先の出願について、その特許出願の際に、査定又は審決が確定している場合
- 五 先の出願について、その特許出願の際に、実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合
- 2 前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項若しくは第四十三条の二第一項若しくは第二項(同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)についての第二十九条、第二十九条の二本文、第三十条第一項から第三項まで、第三十九条第一項から第四項まで、第六十九条第二項第二号、第七十二条、第七十九条、第八十一条、第八十二条第一項、第百四条(第六十五条第五項(第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)及び第百二十六条第四項(第十七条の二第五項、第百二十条の四第三項及び第百三十四条第五項において準用する場合を含む。)、同法第七条第三項及び第十七条並びに意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第二十六条、第三十一条第二項及び第三十二条第二項の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。
- 3 第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(外国語書面出願にあつては、外国語書面)に記載された発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張又は第四十三条第一項若しくは第四十三条の二第一項若しくは第二項(同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)については、当該特許出願について特許掲載公報の発行又は出願公開がされた時に当該先の出願について出願公開又は実用新案掲載公報の発行がされたものとみなして、第二十九条の二本文又は同法第三条の二本文の規定を適用する。
- 4 第一項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
- (先の出願の取下げ等)
- 第四十二条
- 1 前条第一項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から一年三月を経過した時に取り下げたものとみなす。ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合又は当該先の出願に基づくすべての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。
- 2 前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願人は、先の出願の日から一年三月を経過した後は、その主張を取り下げることができない。
- 3 前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願が先の出願の日から一年三月以内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。
- (パリ条約による優先権主張の手続)
- 第四十三条
- 1 パリ条約第四条D 1 の規定により特許出願について優先権を主張しようとする者は、その旨並びに最初に出願をし若しくは同条C4 の規定により最初の出願とみなされた出願をし又は同条A 2の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
- 2 前項の規定による優先権の主張をした者は、最初に出願をし、若しくはパリ条約第四条C 4 の規定により最初の出願とみなされた出願をし、若しくは同条A 2 の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した書面、発明の明細書及び図面の謄本又はこれらと同様な内容を有する公報若しくは証明書であつてその同盟国の政府が発行したものを次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内に特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 当該最初の出願若しくはパリ条約第四条C 4 の規定により当該最初の出願とみなされた出願又は同条A 2 の規定により当該最初の出願と認められた出願の日
- 二 その特許出願が第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日
- 三 その特許出願が前項又は次条第一項若しくは第二項の規定による他の優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日
- 3 第一項の規定による優先権の主張をした者は、最初の出願若しくはパリ条約第四条C 4 の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A 2 の規定により最初の出願と認められた出願の番号を記載した書面を前項に規定する書類とともに特許庁長官に提出しなければならない。ただし、同項に規定する書類の提出前にその番号を知ることができないときは、当該書面に代えてその理由を記載した書面を提出し、かつ、その番号を知つたときは、遅滞なく、その番号を記載した書面を提出しなければならない。
- 4 第一項の規定による優先権の主張をした者が第二項に規定する期間内に同項に規定する書類を提出しないときは、当該優先権の主張は、その効力を失う。
- (パリ条約の例による優先権主張)
- 第四十三条の二
- 1 次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。 日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約の第三条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。次項において同じ。) 世界貿易機関の加盟国 世界貿易機関の加盟国の国民(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C第一条3に規定する加盟国の国民をいう。次項において同じ。) パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国
- 2 パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国(日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。以下この項において「特定国」という。)の国民がその特定国においてした出願に基づく優先権及び日本国民又はパリ条約の同盟国の国民若しくは世界貿易機関の加盟国の国民が特定国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。
- 3 前条の規定は、前二項の規定により優先権を主張する場合に準用する。
- (特許出願の分割)
- 第四十四条
- 1 特許出願人は、願書に添付した明細書又は図面について補正をすることができる期間内に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。
- 2 前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。ただし、新たな特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用並びに第三十条第四項、第三十六条の二第二項、第四十一条第四項並びに第四十三条第一項及び第二項(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この限りでない。
- (削除)
- 第四十五条
- 削除
- (出願の変更)
- 第四十六条
- 1 実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。
- 2 意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することができる。ただし、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後又はその意匠登録出願の日から七年を経過した後(その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三十日以内の期間を除く。)は、この限りでない。
- 3 前項ただし書に規定する三十日の期間は、意匠法第六十八条第一項において準用するこの法律第四条の規定により意匠法第四十六条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
- 4 第一項又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。
- 5 第四十四条第二項の規定は、第一項又は第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。
- 第三章 審査
- (審査官による審査)
- 第四十七条
- 1 特許庁長官は、審査官に特許出願を審査させなければならない。
- 2 審査官の資格は、政令で定める。
- (審査官の除斥)
- 第四十八条
- 第百三十九条第一号から第五号まで及び第七号の規定は、審査官に準用する。
- (特許出願の審査)
- 第四十八条の二
- 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。
- (出願審査の請求)
- 第四十八条の三
- 1 特許出願があつたときは、何人も、その日から七年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
- 2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願又は第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願については、前項の期間の経過後であつても、その特許出願の分割又は出願の変更の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
- 3 出願審査の請求は、取り下げることができない。
- 4 第一項又は第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。
- 第四十八条の四
- 出願審査の請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 出願審査の請求に係る特許出願の表示
- 第四十八条の五
- 1 特許庁長官は、出願公開前に出願審査の請求があつたときは出願公開の際又はその後遅滞なく、出願公開後に出願審査の請求があつたときはその後遅滞なく、その旨を特許公報に掲載しなければならない。
- 2 特許庁長官は、特許出願人でない者から出願審査の請求があつたときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。
- (優先審査)
- 第四十八条の六
- 特許庁長官は、出願公開後に特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合において必要があるときは、審査官にその特許出願を他の特許出願に優先して審査させることができる。
- (拒絶の査定)
- 第四十九条
- 審査官は、特許出願が次の各号の一に該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
- 一 その特許出願の願書に添付した明細書又は図面についてした補正が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていないとき。
- 二 その特許出願に係る発明が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定により特許をすることができないものであるとき。
- 三 その特許出願に係る発明が条約の規定により特許をすることができないものであるとき。
- 四 その特許出願が第三十六条第四項若しくは第六項又は第三十七条に規定する要件を満たしていないとき。
- 五 その特許出願が外国語書面出願である場合において、当該特許出願の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
- 六 その特許出願人が発明者でない場合において、その発明について特許を受ける権利を承継していないとき。
- (拒絶理由の通知)
- 第五十条
- 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第二号に掲げる場合において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。
- (特許査定)
- 第五十一条
- 審査官は、特許出願について拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の査定をしなければならない。
- (査定の方式)
- 第五十二条
- 1 査定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
- 2 特許庁長官は、査定があつたときは、査定の謄本を特許出願人に送達しなければならない。
- (補正の却下)
- 第五十三条
- 1 第十七条の二第一項第二号に掲げる場合において、願書に添付した明細書又は図面についてした補正が同条第三項から第五項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。
- 2 前項の規定による却下の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
- 3 第一項の規定による却下の決定に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、第百二十一条第一項の審判を請求した場合における審判においては、この限りでない。
- (訴訟との関係)
- 第五十四条
- 1 審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
- 2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
- (削除)
- 第五十五条
- 削除
- 第五十六条
- 削除
- 第五十七条
- 削除
- 第五十八条
- 削除
- 第五十九条
- 削除
- 第六十条
- 削除
- 第六十一条
- 削除
- (削除)
- 第六十二条
- 削除
- (削除)
- 第六十三条
- 削除
- 第三章の二 出願公開
- (出願公開)
- 第六十四条
- 1 特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。
- 2 出願公開は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。ただし、第四号から第六号までに掲げる事項については、当該事項を特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるときは、この限りでない。
- 一 特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許出願の番号及び年月日
- 三 発明者の氏名及び住所又は居所
- 四 願書に添付した明細書に記載した事項及び図面の内容
- 五 願書に添付した要約書に記載した事項
- 六 外国語書面出願にあつては、外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項
- 七 出願公告の番号及び年月日
- 八 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
- 3 特許庁長官は、願書に添付した要約書の記載が第三十六条第七項の規定に適合しないときその他必要があると認めるときは、前項第五号の要約書に記載した事項に代えて、自ら作成した事項を特許公報に掲載することができる。
- (出願公開の効果等)
- 第六十五条
- 1 特許出願人は、出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、特許権の設定の登録がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
- 2 前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができない。
- 3 第一項の規定による請求権の行使は、特許権の行使を妨げない。
- 4 出願公開後に特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したとき、第百十二条第六項の規定により特許権が初めから存在しなかつたものとみなされたとき(更に第百十二条の二第二項の規定により特許権が初めから存在していたものとみなされたときを除く。)、第百十四条第二項の取消決定が確定したとき、又は第百二十五条ただし書の場合を除き特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、第一項の請求権は、初めから生じなかつたものとみなす。
- 5 第百一条、第百四条及び第百五条並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条及び第七百二十四条(不法行為)の規定は、第一項の規定による請求権を行使する場合に準用する。この場合において、当該請求権を有する者が特許権の設定の登録前に当該特許出願に係る発明の実施の事実及びその実施をした者を知つたときは、同条中「被害者又ハ其法定代理人ガ損害及ビ加害者ヲ知リタル時」とあるのは、「特許権ノ設定ノ登録ノ日」と読み替えるものとする。
- 第四章 特許権
- 第一節 特許権
- (特許権の設定の登録)
- 第六十六条
- 1 特許権は、設定の登録により発生する。
- 2 第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。
- 3 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第五号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。
- 一 特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許出願の番号及び年月日
- 三 発明者の氏名及び住所又は居所
- 四 願書に添付した明細書に記載した事項及び図面の内容
- 五 願書に添付した要約書に記載した事項
- 六 特許番号及び設定の登録の年月日
- 七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
- 4 第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
- 5 特許庁長官は、特許掲載公報の発行の日から五月間、特許庁において出願書類及びその附属物件を公衆の縦覧に供しなければならない。
- (存続期間)
- 第六十七条
- 1 特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。
- 2 特許権の存続期間は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることが二年以上できなかつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。
- (存続期間の延長登録)
- 第六十七条の二
- 1 特許権の存続期間の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許番号
- 三 延長を求める期間(二年以上五年以下の期間に限る。)
- 四 前条第二項の政令で定める処分の内容
- 2 前項の願書には、通商産業省令で定めるところにより、延長の理由を記載した資料を添付しなければならない。
- 3 特許権の存続期間の延長登録の出願は、前条第二項の政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する特許権の存続期間の満了前六月以後は、することができない。
- 4 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができない。
- 5 特許権の存続期間の延長登録の出願があつたときは、存続期間は、延長されたものとみなす。ただし、その出願について拒絶をすべき旨の査定が確定し、又は特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、この限りでない。
- 6 特許権の存続期間の延長登録の出願があつたときは、第一項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
- 第六十七条の三
- 1 審査官は、特許権の存続期間の延長登録の出願が次の各号の一に該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
- 一 その特許発明の実施に第六十七条第二項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められないとき。
- 二 その特許権者又はその特許権についての専用実施権若しくは登録した通常実施権を有する者が第六十七条第二項の政令で定める処分を受けていないとき。
- 三 その特許発明の実施をすることがてきなかつた期間が二年に満たないとき。
- 四 その延長を求める期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
- 五 その出願をした者が当該特許権者でないとき。
- 六 その出願が前条第四項に規定する要件を満たしていないとき。
- 2 審査官は、特許権の存続期間の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。
- 3 前項の査定があつたときは、特許権の存続期間を延長した旨の登録をする。
- 4 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
- 一 特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許番号
- 三 延長登録の年月日
- 四 延長の期間
- 五 第六十七条第二項の政令で定める処分の内容
- 第六十七条の四
- 第四十七条第一項、第四十八条、第五十条及び第五十二条の規定は、特許権の存続期間の延長登録の出願の審査について準用する。
- (特許権の効力)
- 第六十八条
- 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
- (存続期間が延長された場合の特許権の効力)
- 第六十八条の二
- 特許権の存続期間が延長された場合(第六十七条の二第五項の規定により延長されたものとみなされた場合を含む。)の当該特許権の効力は、その延長登録の理由となつた第六十七条第二項の政令で定める処分の対象となつた物(その処分においてその物の使用される特定の用途が定められている場合にあつては、当該用途に使用されるその物)についての当該特許発明の実施以外の行為には、及ばない。
- (特許権の効力が及ばない範囲)
- 第六十九条
- 1 特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。
- 2 特許権の効力は、次に掲げる物には、及ばない。
- 一 単に日本国内を通過するに過ぎない船舶若しくは航空機又はこれらに使用する機械、器具、装置その他の物
- 二 特許出願の時から日本国内にある物
- 3 二以上の医薬(人の病気の診断、治療、処置又は予防のため使用する物をいう。以下この項において同じ。)を混合することにより製造されるべき医薬の発明又は二以上の医薬を混合して医薬を製造する方法の発明に係る特許権の効力は、医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する行為及び医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する医薬には、及ばない。
- (特許発明の技術的範囲)
- 第七十条
- 1 特許発明の技術的範囲は、願書に添附した明細書の特許請求の範囲の記載に基いて定めなければならない。
- 2 前項の場合においては、願書に添付した明細書の特許請求の範囲以外の部分の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。
- 3 前二項の場合においては、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない。
- 第七十一条
- 1 特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
- 2 特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
- 3 前項に規定するもののほか、判定に関する手続は、政令で定める。
- (他人の特許発明等との関係)
- 第七十二条
- 特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その特許発明がその特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明、登録実用新案若しくは登録意匠若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき、又はその特許権がその特許出願の日前の出願に係る他人の意匠権若しくは商標権と抵触するときは、業としてその特許発明の実施をすることができない。
- (共有に係る特許権)
- 第七十三条
- 1 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
- 2 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
- 3 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。
- (削除)
- 第七十四条
- 削除
- (削除)
- 第七十五条
- 削除
- (相続人がない場合の特許権の消滅)
- 第七十六条
- 特許権は、民法第九百五十八条の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、消滅する。
- (専用実施権)
- 第七十七条
- 1 特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができる。
- 2 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。
- 3 専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
- 4 専用実施権者は、特許権者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権について質権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができる。
- 5 第七十三条の規定は、専用実施権に準用する。
- (通常実施権)
- 第七十八条
- 1 特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。
- 2 通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を有する。
- (先使用による通常実施権)
- 第七十九条
- 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。
- (無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)
- 第八十条
- 1 次の各号の一に該当する者であつて、第百二十三条第一項の審判の請求の登録前に、特許が同項各号の一に規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
- 一 同一の発明についての二以上の特許のうち、その一を無効にした場合における原特許権者
- 二 特許を無効にして同一の発明について正当権利者に特許をした場合における原特許権者
- 三 前二号に掲げる場合において、第百二十三条第一項の審判の請求の登録の際現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての第九十九条第一項の効力を有する通常実施権を有する者
- 2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
- (意匠権の存続期間満了後の通常実施権)
- 第八十一条
- 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
- 第八十二条
- 1 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての意匠法第二十八条第三項において準用するこの法律第九十九条第一項の効力を有する通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
- 2 当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
- (不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)
- 第八十三条
- 1 特許発明の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その特許発明に係る特許出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。
- 2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
- (答弁書の提出)
- 第八十四条
- 特許庁長官は、前条第二項の裁定の請求があつたときは、請求書の副本をその請求に係る特許権者又は専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。
- (審議会の意見の聴取等)
- 第八十五条
- 1 特許庁長官は、第八十三条第二項の裁定をしようとするときは、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。
- 2 特許庁長官は、その特許発明の実施が適当にされていないことについて正当な理由があるときは、通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
- (裁定の方式)
- 第八十六条
- 1 第八十三条第二項の裁定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。
- 2 通常実施権を設定すべき旨の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一 通常実施権を設定すべき範囲
- 二 対価の額並びにその支払の方法及び時期
- (裁定の謄本の送達)
- 第八十七条
- 1 特許庁長官は、第八十三条第二項の裁定をしたときは、裁定の謄本を当事者及び当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するものに送達しなければならない。
- 2 当事者に対し前項の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定の謄本の送達があつたときは、裁定で定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。
- (対価の供託)
- 第八十八条
- 第八十六条第二項第二号の対価を支払うべき者は、次に掲げる場合は、その対価を供託しなければならない。
- 一 その対価を受けるべき者がその受領を拒んだとき、又はこれを受領することができないとき。
- 二 その対価について第百八十三条第一項の訴の提起があつたとき。
- 三 当該特許権又は専用実施権を目的とする質権が設定されているとき。ただし、質権者の承諾を得たときは、この限りでない。
- (裁定の失効)
- 第八十九条
- 通常実施権の設定を受けようとする者が第八十三条第二項の裁定で定める支払の時期までに対価(対価を定期に又は分割して支払うべきときは、その最初に支払うべき分)の支払又は供託をしないときは、通常実施権を設定すべき旨の裁定は、その効力を失う。
- (裁定の取消し)
- 第九十条
- 1 特許庁長官は、第八十三条第二項の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定をした後に、裁定の理由の消滅その他の事由により当該裁定を維持することが適当でなくなつたとき、又は通常実施権の設定を受けた者が適当にその特許発明の実施をしないときは、利害関係人の請求により又は職権で、裁定を取り消すことができる。
- 2 第八十四条、第八十五条第一項、第八十六条第一項及び第八十七条第一項の規定は前項の規定による裁定の取消しに、第八十五条第二項の規定は通常実施権の設定を受けた者が適当にその特許発明の実施をしない場合の前項の規定による裁定の取消しに準用する。
- 第九十一条
- 前条第一項の規定による裁定の取消があつたときは、通常実施権は、その後消滅する。
- (裁定についての不服の理由の制限)
- 第九十一条の二
- 第八十三条第二項の規定による裁定についての行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立てにおいては、その裁定で定める対価についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
- (自己の特許発明の実施をするための通常実施権の設定の裁定)
- 第九十二条
- 1 特許権者又は専用実施権者は、その特許発明が第七十二条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその特許発明の実施をするための通常実施権又は実用新案権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
- 2 前項の協議を求められた第七十二条の他人は、その協議を求めた特許権者又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権又は実用新案権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする特許発明の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
- 3 第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
- 4 第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第七十二条の他人は、第七項において準用する第八十四条の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。
- 5 特許庁長官は、第三項又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第七十二条の他人又は特許権者若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
- 6 特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
- 7 第八十四条、第八十五条第一項及び第八十六条から前条までの規定は、第三項又は第四項の裁定に準用する。
- (公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)
- 第九十三条
- 1 特許発明の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
- 2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、通商産業大臣の裁定を請求することができる。
- 3 第八十四条、第八十五条第一項及び第八十六条から第九十一条の二までの規定は、前項の裁定に準用する。
- (通常実施権の移転等)
- 第九十四条
- 1 通常実施権は、第八十三条第二項、第九十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、実用新案法第二十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、特許権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、特許権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
- 2 通常実施権者は、第八十三条第二項、第九十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、実用新案法第二十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、特許権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、特許権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。
- 3 第八十三条第二項又は前条第二項の裁定による通常実施権は、実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。
- 4 第九十二条第三項、実用新案法第二十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該特許権、実用新案権又は意匠権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その特許権、実用新案権又は意匠権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。
- 5 第九十二条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該特許権、実用新案権又は意匠権に従つて移転し、その特許権、実用新案権又は意匠権が消滅したときは消滅する。
- 6 第七十三条第一項の規定は、通常実施権に準用する。
- (質権)
- 第九十五条
- 特許権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該特許発明の実施をすることができない。
- 第九十六条
- 特許権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権は、特許権、専用実施権若しくは通常実施権の対価又は特許発明の実施に対しその特許権者若しくは専用実施権者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行うことができる。ただし、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。
- (特許権等の放棄)
- 第九十七条
- 1 特許権者は、専用実施権者、質権者又は第三十五条第一項、第七十七条第四項若しくは第七十八条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。
- 2 専用実施権者は、質権者又は第七十七条第四項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権を放棄することができる。
- 3 通常実施権者は、質権者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その通常実施権を放棄することができる。
- (登録の効果)
- 第九十八条
- 1 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。
- 一 特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、放棄による消滅又は処分の制限
- 二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
- 三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
- 2 前項各号の相続その他の一般承継の場合は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。
- 第九十九条
- 1 通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。
- 2 第三十五条第一項、第七十九条、第八十条第一項、第八十一条、第八十二条第一項又は第百七十六条の規定による通常実施権は、登録しなくても、前項の効力を有する。
- 3 通常実施権の移転、変更、消滅若しくは処分の制限又は通常実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅若しくは処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
- 第二節 権利侵害
- (差止請求権)
- 第百条
- 1 特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
- 2 特許権者又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(物を生産する方法の特許発明にあつては、侵害の行為により生じた物を含む。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。
- (侵害とみなす行為)
- 第百一条
- 次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
- 一 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
- 二 特許が方法の発明についてされている場合において、業として、その発明の実施にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
- (損害の額の推定等)
- 第百二条
- 1 特許権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、特許権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。
- 2 特許権者又は専用実施権者は、故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対し、その特許発明の実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
- 3 前項の規定は、同項に規定する金額をこえる損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、特許権又は専用実施権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
- (過失の推定)
- 第百三条
- 他人の特許権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。
- (生産方法の推定)
- 第百四条
- 物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定する。
- (書類の提出)
- 第百五条
- 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立により、当事者に対し、当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
- (信用回復の措置)
- 第百六条
- 故意又は過失により特許権又は専用実施権を侵害したことにより特許権者又は専用実施権者の業務上の信用を害した者に対しては、裁判所は、特許権者又は専用実施権者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、特許権者又は専用実施権者の業務上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。
- 第三節 特許料
- (特許料)
- 第百七条
- 1 特許権の設定の登録を受ける者又は特許権者は、特許料として、特許権の設定の登録の日から第六十七条第一項に規定する存続期間(同条第二項の規定により延長されたときは、その延長の期間を加えたもの)の満了までの各年について、一件ごとに、次の表の上欄に掲げる区分に従い同表の下欄に掲げる金額を納付しなければならない。 各年の区分
- 金額 第一年から第三年まで 毎年一万三千円に一請求項につき千四百円を加えた額 第四年から第六年まで 毎年二万三百円に一請求項につき二千百円を加えた額 第七年から第九年まで 毎年四万六百円に一請求項につき四千二百円を加えた額 第十年から第十二年まで毎年八万千二百円に一請求項につき八千四百円を加えた額 第十三年から第十五年まで 毎年十六万二千四百円に一請求項につき一万六千八百円を加えた額 第十六年から第十八年まで 毎年三十二万四千八百円に一請求項につき三万三千六百円を加えた額 第十九年から第二十一年まで 毎年六十四万九千六百円に一請求項につき六万七千二百円を加えた額 第二十二年から第二十五年まで 毎年百二十九万九千二百円に一請求項につき十三万四千四百円を加えた額
- 2 前項の規定は、国に属する特許権には、適用しない。
- 3 第一項の特許料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、通商産業省令で定める場合には、通商産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
- (特許料の納付期限)
- 第百八条
- 1 前条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料は、特許をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に一時に納付しなければならない。
- 2 前条第一項の規定による第四年以後の各年分の特許料は、前年以前に納付しなければならない。ただし、特許権の存続期間の延長登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日(以下この項において「謄本送達日」という。)がその延長登録がないとした場合における特許権の存続期間の満了の日の属する年の末日から起算して前三十日目に当たる日以後であるときは、その年の次の年から謄本送達日の属する年(謄本送達日から謄本送達日の属する年の末日までの日数が三十日に満たないときは、謄本送達日の属する年の次の年)までの各年分の特許料は、謄本送達日から三十日以内に一時に納付しなければならない。
- 3 特許庁長官は、特許料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、第一項に規定する期間を延長することができる。
- (特許料の減免又は猶予)
- 第百九条
- 特許庁長官は、第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料を納付すべき者がその特許発明の発明者又はその相続人である場合において貧困により特許料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、特許料を軽減し若しくは免除し、又はその納付を猶予することができる。
- (利害関係人による特許料の納付)
- 第百十条
- 1 利害関係人は、納付すべき者の意に反しても、特許料を納付することができる。
- 2 前項の規定により特許料を納付した利害関係人は、納付すべき者が現に利益を受ける限度においてその費用の償還を請求することができる。
- (既納の特許料の返還)
- 第百十一条
- 1 既納の特許料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。
- 一 過誤納の特許料
- 二 第百十四条第二項の取消決定又は特許を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料
- 三 特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料(当該延長登録がないとした場合における存続期間の満了の日の属する年の翌年以後のものに限る。)
- 2 前項の規定による特許料の返還は、同項第一号の特許料については納付した日から一年、同項第二号及び第三号の特許料については第百十四条第二項の取消決定又は審決が確定した日から六月を経過した後は、請求することができない。
- (特許料の追納)
- 第百十二条
- 1 特許権者は、第百八条第二項に規定する期間又は第百九条の規定による納付の猶予後の期間内に特許料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその特許料を追納することができる。
- 2 前項の規定により特許料を追納する特許権者は、第百七条第一項の規定により納付すべき特許料のほか、その特許料と同額の割増特許料を納付しなければならない。
- 3 前項の割増特許料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、通商産業省令で定める場合には、通商産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
- 4 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に、第百八条第二項本文に規定する期間内に納付すべきであつた特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、同条第二項本文に規定する期間の経過の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
- 5 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百八条第二項ただし書に規定する特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、当該延長登録がないとした場合における特許権の存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
- 6 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百九条の規定により納付が猶予された特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
- (特許料の追納による特許権の回復)
- 第百十二条の二
- 1 前条第四項若しくは第五項の規定により消滅したものとみなされた特許権又は同条第六項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた特許権の原特許権者は、その責めに帰することができない理由により同条第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に同条第四項から第六項までに規定する特許料及び割増特許料を納付することができなかつたときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その特許料及び割増特許料を追納することができる。
- 2 前項の規定による特許料及び割増特許料の追納があつたときは、その特許権は、第百八条第二項本文に規定する期間の経過の時若しくは存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼって存続していたもの又は初めから存在していたものとみなす。
- (回復した特許権の効力の制限)
- 第百十二条の三
- 1 前条第二項の規定により特許権が回復した場合において、その特許が物の発明についてされているときは、その特許権の効力は、第百十二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
- 2 前条第二項の規定により回復した特許権の効力は、第百十二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
- 一 当該発明の実施
- 二 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
- 三 特許が方法の発明についてされている場合において、その発明の実施にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
- 第五章 特許異議の申立て
- (特許異議の申立て)
- 第百十三条
- 何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号の一に該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。
- 一 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたこと。
- 二 その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたこと。
- 三 その特許が条約に違反してされたこと。
- 四 その特許が第三十六条第四項又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。
- 五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。
- (決定)
- 第百十四条
- 1 特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
- 2 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号の一に該当すると認めるときは、その特許を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。
- 3 取消決定が確定したときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
- 4 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号の一に該当すると認めないときは、その特許を維持すべき旨の決定をしなければならない。
- 5 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
- (申立ての方式等)
- 第百十五条
- 1 特許異議の申立てをする者は、次に掲げる事項を記載した特許異議申立書を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 特許異議申立人及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許異議の申立てに係る特許の表示
- 三 特許異議の申立ての理由及び必要な証拠の表示
- 2 前項の規定により提出した特許異議申立書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、第百十三条に規定する期間が経過するまでにした前項第三号に掲げる事項についてする補正は、この限りでない。
- 3 審判長は、特許異議申立書の副本を特許権者の送付しなければならない。
- 4 第百二十三条第三項の規定は、特許異議の申立てがあつた場合に準用する。
- (審判官の指定等)
- 第百十六条
- 第百三十六条第二項及び第百三十七条から第百四十四条までの規定は、第百十四条第一項の合議体及びこれを構成する審判官に準用する。
- (審理の方式等)
- 第百十七条
- 1 特許異議の申立てについての審理は、書面審理による。ただし、審判長は、特許権者、特許異議申立人若しくは参加人の申立てにより、又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。
- 2 第百四十五条第三項から第五項まで、第百四十六条及び第百四十七条の規定は、前項ただし書の規定による口頭審理に準用する。
- 3 共有に係る特許権の特許権者の一人について、特許異議の申立てについての審理及び決定の手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、共有者全員についてその効力を生ずる。
- (参加)
- 第百十八条
- 1 特許権についての権利を有する者その他特許権に関し利害関係を有する者は、特許異議の申立てについての決定があるまでは、特許権者を補助するため、その審理に参加することができる。
- 2 第百四十八条第四項及び第五項並びに第百四十九条の規定は、前項の規定による参加人に準用する。
- (証拠調べ及び証拠保全)
- 第百十九条
- 第百五十条及び第百五十一条の規定は、特許異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に準用する。
- (職権による審理)
- 第百二十条
- 1 特許異議の申立てについての審理においては、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
- 2 特許異議の申立てについての審理においては、特許異議の申立てがされていない請求項については、審理することができない。
- (申立ての併合又は分離)
- 第百二十条の二
- 1 同一の特許権に係る二以上の特許異議の申立てについては、その審理は、特別の事情がある場合を除き、併合するものとする。
- 2 前項の規定により審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることができる。
- (申立ての取下げ)
- 第百二十条の三
- 1 特許異議の申立ては、次条第一項の規定による通知があつた後は、取り下げることができない。
- 2 第百五十五条第三項の規定は、特許異議の申立ての取下げに準用する。
- (意見書の提出等)
- 第百二十条の四
- 1 審判長は、取消決定をしようとするときは、特許権者及び参加人に対し、特許の取消しの理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
- 2 特許権者は、前項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
- 一 特許請求の範囲の減縮
- 二 誤記又は誤訳の訂正
- 三 明りようでない記載の釈明
- 3 第百二十六条第二項から第四項まで、第百二十七条、第百二十八条、第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項並びに第百六十五条の規定は、前項の場合に準用する。
- (決定の方式)
- 第百二十条の五
- 1 特許異議の申立てについての決定は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
- 一 特許異議申立事件の番号
- 二 特許権者、特許異議申立人及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 三 決定に係る特許の表示
- 四 決定の結論及び理由
- 五 決定の年月日
- 2 特許庁長官は、決定があつたときは、決定の謄本を特許権者、特許異議申立人、参加人及び特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者に送達しなければならない。
- (審判の規定の準用)
- 第百二十条の六
- 1 第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条、第百五十二条、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで及び第百七十条の規定は、特許異議の申立てについての審理及び決定に準用する。
- 2 第百十四条第五項の規定は、前項において準用する第百三十五条の規定による決定に準用する。
- 第六章 審判
- (拒絶査定に対する審判)
- 第百二十一条
- 1 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三十日以内に審判を請求することができる。
- 2 前項の審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により同項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
- (削除)
- 第百二十二条
- 削除
- (特許の無効の審判)
- 第百二十三条
- 1 特許が次の各号の一に該当するときは、その特許を無効にすることについて審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
- 一 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。
- 二 その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたとき。
- 三 その特許が条約に違反してされたとき。
- 四 その特許が第三十六条第四項又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとき。
- 五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
- 六 その特許が発明者でない者であつてその発明について特許を受ける権利を承継しないものの特許出願に対してされたとき。
- 七 特許がされた後において、その特許権者が第二十五条の規定により特許権を享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。
- 八 その特許の願書に添付した明細書又は図面の訂正が第百二十六条第一項ただし書若しくは第二項から第四項まで(第百二十条の四第三項又は第百三十四条第五項において準用する場合を含む。)、第百二十条の四第二項ただし書又は第百三十四条第二項ただし書の規定に違反してされたとき。
- 2 前項の審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。
- 3 審判長は、第一項の審判の請求があつたときは、その旨を当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。
- (特許の無効の審判)
- 第百二十四条
- 削除
- 第百二十五条
- 特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。ただし、特許が第百二十三条第一項第七号に該当する場合において、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。
- (存続期間の延長登録の無効の審判)
- 第百二十五条の二
- 1 特許権の存続期間の延長登録が次の各号の一に該当するときは、その延長登録を無効にすることについて審判を請求することができる。
- 一 その延長登録がその特許発明の実施に第六十七条第二項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められない場合の出願に対してされたとき。
- 二 その延長登録が、その特許権者又はその特許権についての専用実施権若しくは登録した通常実施権を有する者が第六十七条第二項の政令で定める処分を受けていない場合の出願に対してされたとき。
- 三 その延長登録により延長された期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
- 四 その延長登録が当該特許権者でない者の出願に対してされたとき。
- 五 その延長登録が第六十七条の二第四項に規定する要件を満たしていない出願に対してされたとき。
- 2 第百二十三条第二項及び第三項の規定は、前項の審判の請求について準用する。
- 3 延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、その延長登録による存続期間の延長は、初めからされなかつたものとみなす。ただし、延長登録が第一項第三号に該当する場合において、その特許発明の実施をすることができなかつた期間を超える期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その延長がされなかつたものとみなす。
- (訂正の審判)
- 第百二十六条
- 1 特許権者は、特許異議の申立て又は第百二十三条第一項の審判が特許庁に係属している場合を除き、願書に添付した明細書又は図面の訂正をすることについて審判を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
- 一 特許請求の範囲の減縮
- 二 誤記又は誤訳の訂正
- 三 明りようでない記載の釈明
- 2 前項の明細書又は図面の訂正は、願書に添付した明細書又は図面(同項ただし書第二号の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書又は図面(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面))に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
- 3 第一項の明細書又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
- 4 第一項ただし書第一号及び第二号の場合は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
- 5 第一項の審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。ただし、特許が取消決定により取り消され、又は第百二十三条第一項の審判により無効にされた後は、この限りでない。
- 第百二十七条
- 特許権者は、専用実施権者、質権者又は第三十五条第一項、第七十七条第四項若しくは第七十八条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、前条第一項の審判を請求することができる。
- 第百二十八条
- 願書に添付した明細書又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。
- (削除)
- 第百二十九条
- 削除
- 第百三十条
- 削除
- (審判請求の方式)
- 第百三十一条
- 1 審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 審判事件の表示
- 三 請求の趣旨及びその理由
- 2 前項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、前項第三号に掲げる請求の理由については、この限りでない。
- 3 第百二十六条第一項の審判を請求するときは、請求書に訂正した明細書又は図面を添附しなければならない。
- (共同審判)
- 第百三十二条
- 1 同一の特許権について第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判を請求する者が二人以上あるときは、これらの者は、共同して審判を請求することができる。
- 2 共有に係る特許権について特許権者に対し審判を請求するときは、共有者の全員を被請求人として請求しなければならない。
- 3 特許権又は特許を受ける権利の共有者がその共有に係る権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同して請求しなければならない。
- 4 第一項若しくは前項の規定により審判を請求した者又は第二項の規定により審判を請求された者の一人について、審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
- (方式に違反した場合の決定による却下)
- 第百三十三条
- 1 審判長は、請求書が第百三十一条第一項又は第三項の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
- 2 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
- 一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
- 二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
- 三 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
- 3 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないときは、決定をもつてその手続を却下することができる。
- 4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
- (不適法な手続の却下)
- 第百三十三条の二
- 1 審判長は、審判事件に係る手続(審判の請求を除く。)において、不適法な手続であつてその補正をすることができないものについては、決定をもつてその手続を却下することができる。
- 2 前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明書を提出する機会を与えなければならない。
- 3 第一項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
- (答弁書の提出等)
- 第百三十四条
- 1 審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。
- 2 第百二十三条第一項の審判の被請求人は、前項又は第百五十三条第二項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
- 一 特許請求の範囲の減縮
- 二 誤記又は誤訳の訂正
- 三 明りようでない記載の釈明
- 3 審判長は、第一項の答弁書又は前項の訂正の請求書に添付された訂正した明細書若しくは図面を受理したときは、その副本を請求人に送達しなければならない。
- 4 審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。
- 5 第百二十六条第二項から第五項まで、第百二十七条、第百二十八条、第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項並びに第百六十五条の規定は、第二項の場合に準用する。
- (不適法な審判請求の審決による却下)
- 第百三十五条
- 不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。
- (審判の合議制)
- 第百三十六条
- 1 審判は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
- 2 前項の合議体の合議は、過半数により決する。
- 3 審判官の資格は、政令で定める。
- (審判官の指定)
- 第百三十七条
- 1 特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。)について前条第一項の合議体を構成すべき審判官を指定しなければならない。
- 2 特許庁長官は、前項の規定により指定した審判官のうち審判に関与することに故障がある者があるときは、その指定を解いて他の審判官をもつてこれを補充しなければならない。
- (審判長)
- 第百三十八条
- 1 特許庁長官は、前条第一項の規定により指定した審判官のうち一人を審判長として指定しなければならない。
- 2 審判長は、その審判事件に関する事務を総理する。
- (審判官の除斥)
- 第百三十九条
- 審判官は、次の各号の一に該当するときは、その職務の執行から除斥される。
- 一 審判官又はその配偶者若しくは配偶者であつた者が事件の当事者、参加人若しくは特許異議申立人であるとき又はあつたとき。
- 二 審判官が事件の当事者、参加人若しくは特許異議申立人の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき又はあつたとき。
- 三 審判官が事件の当事者、参加人又は特許異議申立人の後見人、後見監督人又は保佐人であるとき。
- 四 審判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。
- 五 審判官が事件について当事者、参加人若しくは特許異議申立人の代理人であるとき又はあつたとき。
- 六 審判官が事件について不服を申し立てられた査定に審査官として関与したとき。
- 七 審判官が事件について直接の利害関係を有するとき。
- 第百四十条
- 前条に規定する除斥の原因があるときは、当事者又は参加人は、除斥の申立をすることができる。
- (審判官の忌避)
- 第百四十一条
- 1 審判官について審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は、これを忌避することができる。
- 2 当事者又は参加人は、事件について審判官に対し書面又は口頭をもつて陳述をした後は、審判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
- (除斥又は忌避の申立の方式)
- 第百四十二条
- 1 除斥又は忌避の申立をする者は、その原因を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。ただし、口頭審理においては、口頭をもつてすることができる。
- 2 除斥又は忌避の原因は、前項の申立をした日から三日以内に疎明しなければならない。前条第二項ただし書の事実も、同様とする。
- (除斥又は忌避の申立についての決定)
- 第百四十三条
- 1 除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立に係る審判官以外の審判官が審判により決定をする。ただし、その申立に係る審判官は、意見を述べることができる。
- 2 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。
- 3 第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
- 第百四十四条
- 除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立についての決定があるまで審判手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
- (審判における審理の方式)
- 第百四十五条
- 1 第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。
- 2 前項に規定する審判以外の審判は、書面審理による。ただし、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。
- 3 審判長は、第一項又は前項ただし書の規定により口頭審理による審判をするときは、その期日及び場所を定め、当事者及び参加人に対し、期日の呼出しを行わなければならない。
- 4 民事訴訟法第九十四条(期日の呼出し)の規定は、前項の期日の呼出しに準用する。
- 5 第一項又は第二項ただし書の規定による口頭審理は、公開して行う。ただし、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるときは、この限りでない。
- 第百四十六条
- 民事訴訟法第百五十四条(通訳人の立会い等)の規定は、審判に準用する。
- (調書)
- 第百四十七条
- 1 第百四十五条第一項又は第二項ただし書の規定による口頭審理による審判については、特許庁長官が指定する職員は、審判長の命を受けて、期日ごとに審理の要旨その他必要な事項を記載した調書を作成しなければならない。
- 2 民事訴訟法第百六十条第二項及び第三項(口頭弁論調書)の規定は、前項の調書に準用する。
- (参加)
- 第百四十八条
- 1 第百三十二条第一項の規定により審判を請求することができる者は、審理の終結に至るまでは、請求人としてその審判に参加することができる。
- 2 前項の規定による参加人は、被参加人がその審判の請求を取り下げた後においても、審判手続を続行することができる。
- 3 審判の結果について利害関係を有する者は、審理の終結に至るまでは、当事者の一方を補助するためその審判に参加することができる。
- 4 前項の規定による参加人は、一切の審判手続をすることができる。
- 5 第一項又は第三項の規定による参加人について審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、被参加人についても、その効力を生ずる。
- 第百四十九条
- 1 参加を申請する者は、参加申請書を審判長に提出しなければならない。
- 2 審判長は、参加の申請があつたときは、参加申請書の副本を当事者及び参加人に送達し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
- 3 参加の申請があつたときは、その申請をした者が参加しようとする審判の審判官が審判により決定をする。
- 4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。
- 5 第三項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
- (証拠調及び証拠保全)
- 第百五十条
- 1 審判に関しては、当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができる。
- 2 審判に関しては、審判請求前は利害関係人の申立により、審判の係属中は当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠保全をすることができる。
- 3 前項の規定による審判請求前の申立は、特許庁長官に対してしなければならない。
- 4 特許庁長官は、第二項の規定による審判請求前の申立があつたときは、証拠保全に関与すべき審判官を指定する。
- 5 審判長は、第一項又は第二項の規定により職権で証拠調又は証拠保全をしたときは、その結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
- 6 第一項又は第二項の証拠調又は証拠保全は、当該事務を取り扱うべき地の地方裁判所又は簡易裁判所に嘱託することができる。
- 第百五十一条
- 第百四十七条並びに民事訴訟法第九十三条第一項(期日の指定)、第九十四条(期日の呼出し)、第百七十九条から第百八十一条まで、第百八十三条から第百八十六条まで、第百八十八条、第百九十条、第百九十一条、第百九十五条から第百九十八条まで、第百九十九条第一項、第二百一条から第二百四条まで、第二百六条、第二百七条、第二百十条から第二百十三条まで、第二百十四条第一項から第三項まで、第二百十五条から第二百二十二条まで、第二百二十三条第一項から第三項まで、第二百二十六条から第二百二十八条まで、第二百二十九条第一項から第三項まで、第二百三十一条、第二百三十二条第一項、第二百三十三条、第二百三十四条、第二百三十六条から第二百三十八条まで、第二百四十条から第二百四十二条まで(証拠)及び第二百七十八条(尋問に代わる書面の提出)の規定は、前条の規定による証拠調べ又は証拠保全に準用する。この場合において、同法第百七十九条中「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実」とあるのは「顕著な事実」と、同法第二百四条中「最高裁判所規則」とあるのは「通商産業省令」と読み替えるものとする。
- (職権による審理)
- 第百五十二条
- 審判長は、当事者又は参加人が法定若しくは指定の期間内に手続をせず、又は第百四十五条第三項の規定により定めるところに従つて出頭しないときであつても、審判手続を進行することができる。
- 第百五十三条
- 1 審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
- 2 審判長は、前項の規定により当事者又は参加人が申し立てない理由について審理したときは、その審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
- 3 審判においては、請求人が申し立てない請求の趣旨については、審理することができない。
- (審理の併合又は分離)
- 第百五十四条
- 1 当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。
- 2 前項の規定により審理の併合をしたときは、さらにその審理の分離をすることができる。
- (審判の請求の取下げ)
- 第百五十五条
- 1 審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
- 2 審判の請求は、第百三十四条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
- 3 二以上の請求項に係る特許の二以上の請求項について第百二十三条第一項の審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
- (審理の終結の通知)
- 第百五十六条
- 1 審判長は、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
- 2 審判長は、必要があるときは、前項の規定による通知をした後であつても、当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、審理の再開をすることができる。
- 3 審決は、第一項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。
- (審決)
- 第百五十七条
- 1 審決があつたときは、審判は、終了する。
- 2 審決は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
- 一 審判の番号
- 二 当事者及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 三 審判事件の表示
- 四 審決の結論及び理由
- 五 審決の年月日
- 3 特許庁長官は、審決があつたときは、審決の謄本を当事者、参加人及び審判に参加を申請してその申請を拒否された者に送達しなければならない。
- (拒絶査定に対する審判における特則)
- 第百五十八条
- 審査においてした手続は、第百二十一条第一項の審判においても、その効力を有する。
- 第百五十九条
- 1 第五十三条の規定は、第百二十一条第一項の審判に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第二号」とあるのは「第十七条の二第一項第二号又は第三号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第二号に掲げる場合にあつては、第百二十一条第一項の審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
- 2 第五十条の規定は、第百二十一条第一項の審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第二号に掲げる場合」とあるのは、「第十七条の二第一項第二号又は第三号に掲げる場合(同項第二号に掲げる場合にあつては、第百二十一条第一項の審判の請求前に補正をしたときを除く。)」と読み替えるものとする。
- 3 第五十一条の規定は、第百二十一条第一項の審判の請求を理由があるとする場合に準用する。
- 第百六十条
- 1 第百二十一条第一項の審判において査定を取り消すときは、さらに審査に付すべき旨の審決をすることができる。
- 2 前項の審決があつた場合における判断は、その事件について審査官を拘束する。
- 3 第一項の審決をするときは、前条第三項の規定は、適用しない。
- 第百六十一条
- 第百三十四条第一項から第三項まで及び第五項、第百四十八条並びに第百四十九条の規定は、第百二十一条第一項の審判には、適用しない。
- 第百六十二条
- 特許庁長官は、第百二十一条第一項の審判の請求があつた場合において、その日から三十日以内にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書又は図面について補正があつたときは、審査官にその請求を審査させなければならない。
- 第百六十三条
- 1 第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第二号」とあるのは「第十七条の二第一項第二号又は第三号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第二号に掲げる場合にあつては、第百二十一条第一項の審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
- 2 第五十条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第二号に掲げる場合」とあるのは、「第十七条の二第一項第二号又は第三号に掲げる場合(同項第二号に掲げる場合にあつては、第百二十一条第一項の審判の請求前に補正をしたときを除く。)」と読み替えるものとする。
- 3 第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求を理由があるとする場合に準用する。
- 第百六十四条
- 1 審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。
- 2 審査官は、前項に規定する場合を除き、前条第一項において準用する第五十三条第一項の規定による却下の決定をしてはならない。
- 3 審査官は、第一項に規定する場合を除き、当該審判の請求について査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。
- (訂正の審判における特則)
- 第百六十五条
- 審判長は、第百二十六条第一項の審判の請求が同項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は同条第二項から第四項までの規定に適合しないときは、請求人にその理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
- 第百六十六条
- 第百三十四条第一項から第三項まで及び第五項、第百四十八条並びに第百四十九条の規定は、第百二十六条第一項の審判には、適用しない。
- (審決の効力)
- 第百六十七条
- 何人も、第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判の確定審決の登録があつたときは、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。
- (訴訟との関係)
- 第百六十八条
- 1 審判において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは他の審判の審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
- 2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
- (審判における費用の負担)
- 第百六十九条
- 1 第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判に関する費用の負担は、審判が審決により終了するときはその審決をもつて、審判が審決によらないで終了するときは審判による決定をもつて、職権で、定めなければならない。
- 2 民事訴訟法第六十一条から第六十六条まで、第六十九条第一項及び第二項、第七十条並びに第七十一条第二項(訴訟費用の負担)の規定は、前項に規定する審判に関する費用に準用する。この場合において、同法第七十一条第二項中「最高裁判所規則」とあるのは、「通商産業省令」と読み替えるものとする。
- 3 第百二十一条第一項又は第百二十六条第一項の審判に関する費用は、請求人又は申立人の負担とする。
- 4 民事訴訟法第六十五条(共同訴訟の場合の負担)の規定は、前項の規定により請求人又は申立人が負担する費用に準用する。
- 5 審判に関する費用の額は、請求により、審決又は決定が確定した後に特許庁長官が決定をする。
- 6 審判に関する費用の範囲、額及び納付並びに審判における手続上の行為をするために必要な給付については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)中これらに関する規定(第二章第一節及び第三節に定める部分を除く。)の例による。
- (費用の額の決定の執行力)
- 第百七十条
- 審判に関する費用の額についての確定した決定は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
- 第七章 再審
- (再審の請求)
- 第百七十一条
- 1 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
- 2 民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
- 第百七十二条
- 1 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
- 2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。
- (再審の請求期間)
- 第百七十三条
- 1 再審は、請求人が取消決定又は審決を確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
- 2 再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
- 3 請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。
- 4 取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。
- 5 再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。
- 6 第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。
- (審判の規定等の準用)
- 第百七十四条
- 1 第百十四条、第百十六条から第百二十条まで、第百二十条の四から第百二十条の六まで、第百三十一条、第百三十二条第三項、第百五十四条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十六条の規定は、確定した取消決定に対する再審に準用する。
- 2 第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条から第百六十条まで、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、第百二十一条第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
- 3 第百三十一条、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条から第百五十七条まで、第百六十七条、第百六十八条、第百六十九条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第百七十条の規定は、第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
- 4 第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条、第百五十七条、第百六十五条、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、第百二十六条第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
- 5 民事訴訟法第三百四十八条第一項(審理の範囲)の規定は、再審に準用する。
- (再審により回復した特許権の効力の制限)
- 第百七十五条
- 1 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
- 2 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
- 一 当該発明の善意の実施
- 二 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物の生産にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
- 三 特許が方法の発明についてされている場合において、善意に、その発明の実施にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
- 第百七十六条
- 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
- (削除)
- 第百七十七条
- 削除
- 第八章 訴訟
- (審決等に対する訴え)
- 第百七十八条
- 1 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書又は審判若しくは再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
- 2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
- 3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。
- 4 前項の期間は、不変期間とする。
- 5 審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
- 6 審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
- (被告適格)
- 第百七十九条
- 前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、第百二十三条第一項若しくは第百二十五条の二第一項の審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
- (出訴の通知)
- 第百八十条
- 裁判所は、前条ただし書に規定する訴の提起があつたときは、遅滞なく、その旨の特許庁長官に通知しなければならない。
- (審決又は決定の取消)
- 第百八十一条
- 1 裁判所は、第百七十八条第一項の訴の提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
- 2 審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消の判決が確定したときは、さらに審理を行い、審決又は決定をしなければならない。
- (裁判の正本の送付)
- 第百八十二条
- 裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴について訴訟手続が完結したときは、遅滞なく、特許庁長官に各審級の裁判の正本を送付しなければならない。
- (対価の額についての訴え)
- 第百八十三条
- 1 第八十三条第二項、第九十二条第三項若しくは第四項又は第九十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
- 2 前項の訴えは、裁定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後は、提起することができない。
- (被告適格)
- 第百八十四条
- 前条第一項の訴えにおいては、次に掲げる者を被告としなければならない。
- 一 第八十三条第二項、第九十二条第四項又は第九十三条第二項の裁定については、通常実施権者又は特許権者若しくは専用実施権者
- 二 第九十二条第三項の裁定については、通常実施権者又は第七十二条の他人
- (不服申立てと訴訟との関係)
- 第百八十四条の二
- この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分(第百九十五条の四に規定する処分を除く。)の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。
- 第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例
- (国際出願による特許出願)
- 第百八十四条の三
- 1 千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条 1 若しくは 2 b 又は第十四条 2 の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条 1 ii の指定国に日本国を含むもの(特許出願に係るものに限る。)は、その国際出願日にされた特許出願とみなす。
- 2 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願(以下「国際特許出願」という。)については、第四十三条の規定は、適用しない。
- (外国語でされた国際特許出願の翻訳文)
- 第百八十四条の四
- 1 外国語でされた国際特許出願(以下「外国語特許出願」という。)の出願人は、条約第二条 xi の優先日(以下「優先日」という。)から一年八月(優先日から一年七月以内に条約第三十三条に規定する国際予備審査の請求をし、かつ、条約第三十一条 4 aの規定に基づき日本国を選択国として選択した国際特許出願にあつては、優先日から二年六月。以下「国内書面提出期間」という。)以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条 2 に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。及び要約)の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
- 2 前項の場合において、外国語特許出願の出願人が条約第十九条 1の規定に基づく補正をしたときは、同項に規定する請求の範囲の翻訳文に代えて、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を提出することができる。
- 3 国内書面提出期間内に第一項に規定する明細書の翻訳文及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文の提出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げられたものとみなす。
- 4 第一項に規定する請求の範囲の翻訳文を提出した出願人は、条約第十九条 1 の規定に基づく補正をしたときは、国内書面提出期間が満了する時(国内書面提出期間内に出願人が出願審査の請求をするときは、その請求の時。以下「国内処理基準時」という。)の属する日までに限り、当該補正後の請求の範囲の日本語による翻訳文を更に提出することができる。
- 5 第百八十四条の七第三項本文の規定は、第二項又は前項に規定する翻訳文が提出されなかつた場合に準用する。
- (書面の提出及び補正命令)
- 第百八十四条の五
- 1 国際特許出願の出願人は、国内書面提出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。
- 一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 発明の名称
- 三 発明者の氏名及び住所又は居所
- 四 国際出願日その他の通商産業省令で定める事項
- 2 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
- 一 前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
- 二 前項の規定による手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
- 三 前項の規定による手続が通商産業省令で定める方式に違反しているとき。
- 四 前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
- 五 第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を国内書面提出期間内に納付しないとき。
- 3 特許庁長官は、前項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないときは、当該国際特許出願を却下することができる。
- (国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
- 第百八十四条の六
- 1 国際特許出願に係る国際出願日における願書は、第三十六条第一項の規定により提出した願書とみなす。
- 2 日本語でされた国際特許出願(以下「日本語特許出願」という。)に係る国際出願日における明細書及び請求の範囲並びに外国語特許出願に係る国際出願日における明細書及び請求の範囲の翻訳文は第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲及び外国語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した明細書に記載した特許請求の範囲と、日本語特許出願に係る国際出願日における図面並びに外国語特許出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語特許出願に係る要約及び外国語特許出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
- 3 第百八十四条の四第二項又は第四項の規定により条約第十九条 1の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、国際出願日における明細書の翻訳文及び当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を同項の規定により願書に添付して提出した明細書に記載した特許請求の範囲とみなす。
- (日本語特許出願に係る条約第十九条に基づく補正)
- 第百八十四条の七
- 1 日本語特許出願の出願人は、条約第十九条 1 の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、同条1 の規定に基づき提出された補正書の写しを特許庁長官に提出しなければならない。
- 2 前項の規定により補正書の写しが提出されたときは、その補正書の写しにより、願書に添付した明細書に記載した特許請求の範囲について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、条約第二十条の規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
- 3 第一項に規定する期間内に日本語特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第十九条 1 の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
- (条約第三十四条に基づく補正)
- 第百八十四条の八
- 1 国際特許出願の出願人は、条約第三十四条 2 b
- の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、日本語特許出願に係る補正にあつては同条 2 b の規定に基づき提出された補正書の写しを、外国語特許出願に係る補正にあつては当該補正書の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
- 2 前項の規定により補正書の写し又は補正書の翻訳文が提出されたときは、その補正書の写し又は補正書の翻訳文により、願書に添付した明細書又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、日本語特許出願に係る補正につき条約第三十六条 3 aの規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
- 3 第一項に規定する期間内に国際特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第三十四条 2 b の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
- 4 第二項の規定により外国語特許出願に係る願書に添付した明細書又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなされたときは、その補正は同条第二項の誤訳訂正書を提出してされたものとみなす。
- (国内公表等)
- 第百八十四条の九
- 1 特許庁長官は、第百八十四条の四第一項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願について、特許掲載公報の発行をしたものを除き、国内書面提出期間の経過後(国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求があつた国際特許出願であつて条約第二十一条に規定する国際公開(以下「国際公開」という。)がされているものについては、優先日から一年六月を経過した時又は出願審査の請求の時のいずれか遅い時の後)、遅滞なく、国内公表をしなければならない。
- 2 国内公表は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。
- 一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二 特許出願の番号
- 三 国際出願日
- 四 発明者の氏名及び住所又は居所
- 五 第百八十四条の四第一項に規定する明細書及び図面の中の説明の翻訳文に記載した事項、同項に規定する請求の範囲の翻訳文(同条第二項に規定する翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)及び同条第四項に規定する翻訳文に記載した事項、図面(図面の中の説明を除く。)の内容並びに要約の翻訳文に記載した事項(特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるものを除く。)
- 六 国内公表の番号及び年月日
- 七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
- 3 第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約の翻訳文に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
- 4 第六十四条の規定は、国際特許出願には、適用しない。
- 5 国際特許出願については、第四十八条の五第一項、第四十八条の六、第六十六条第三項ただし書、第百二十八条、第百八十六条第一号及び第二号並びに第百九十三条第二項第一号及び第二号中「出願公開」とあるのは、日本語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国際公開」と、外国語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国内公表」とする。
- 6 外国語特許出願に係る証明等の請求については、第百八十六条第一号中「又は第六十七条の二第二項の資料」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第三条 2 に規定する国際出願の願書、明細書、請求の範囲、図面若しくは要約(特許権の設定の登録がされた国際特許出願に係るもの又は国際公開がされたものを除く。)」とする。
- 7 国際特許出願に関し特許公報に掲載すべき事項については、第百九十三条第二項第三号中「出願公開後における」とあるのは、「国際公開がされた国際特許出願に係る」とする。
- (国際公開及び国内公表の効果等)
- 第百八十四条の十
- 1 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願については国際公開があつた後(優先日から一年六月を経過する以前に国際公開があつたときは、優先日から一年六月を経過した後)に、外国語特許出願については国内公表があつた後に、国際特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、日本語特許出願については国際公開がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前(優先日から一年六月を経過する以前に国際公開がされた国際特許出願については、優先日から一年六月を経過した後特許権の設定の登録前)に、外国語特許出願については国内公表がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
- 2 第六十五条第二項から第五項までの規定は、前項の規定により請求権を行使する場合に準用する。
- (在外者の特許管理人の特例)
- 第百八十四条の十一
- 1 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
- 2 前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後通商産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
- 3 前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
- (補正の特例)
- 第百八十四条の十二
- 1 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第十七条第一項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第百八十四条の七第二項及び第百八十四条の八第二項に規定する補正を除く。)をすることができない。
- 2 外国語特許出願に係る明細書又は図面について補正ができる範囲については、第十七条の二第二項中「第三十六条の二第二項の外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書文は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第四項の規定により明細書及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書若しくは図面))」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第百八十四条の三第二項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第百八十四条の四第一項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第二項又は第四項の規定により千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第十九条 1 の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書若しくは図面)」とする。
- 3 国際特許出願の出願人は、第十七条の三の規定にかかわらず、優先日から一年三月以内に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
- (特許要件の特例)
- 第百八十四条の十三
- 第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
- (発明の新規性の喪失の例外の特例)
- 第百八十四条の十四
- 国際特許出願に係る発明について第三十条第一項又は第三項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面及びその国際特許出願に係る発明が同条第一項又は第三項に規定する発明であることを証明する書面を、同条第四項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後通商産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
- (特許出願等に基づく優先権主張の特例)
- 第百八十四条の十五
- 1 国際特許出願については、第四十一条第四項及び第四十二条第二項の規定は、適用しない。
- 2 日本語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
- 3 外国語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
- 4 第四十一条第一項の先の出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第四十一条第一項から第三項まで及び第四十二条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「について出願公開」とあるのは「について千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、第四十二条第一項中「その出願の日から一年三月を経過した時」とあるのは「第百八十四条の四第四項若しくは実用新案法第四十八条の四第四項の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項若しくは同法第四十八条の四第一項の国際出願日から一年三月を経過した時のいずれか遅い時」とする。
- (出願の変更の特例)
- 第百八十四条の十六
- 実用新案法第四十八条の三第一項又は第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願の特許出願への変更については、同法第四十八条の五第四項の日本語実用新案登録出願にあつては同条第一項、同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願にあつては同項及び同法第四十八条の五第一項の規定による手続をし、かつ、同法第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない。
- (出願審査の請求の時期の制限)
- 第百八十四条の十七
- 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。
- (拒絶理由等の特例)
- 第百八十四条の十八
- 外国語特許出願に係る拒絶の査定、特許異議の申立て及び第百二十三条第一項の審判については、第四十九条第五号、第百十三条第一号及び第五号並びに第百二十三条第一項第一号及び第五号中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、第四十九条第五号、第百十三条第五号及び第百二十三条第一項第五号中「外国語書面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
- (訂正の特例)
- 第百八十四条の十九
- 外国語特許出願に係る第百二十条の四第二項及び第百三十四条第二項の規定による訂正並びに第百二十六条第一項の審判の請求については、同条第二項中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、「外国語書面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
- (決定により特許出願とみなされる国際出願)
- 第百八十四条の二十
- 1 条約第二条 vii の国際出願の出願人は、条約第四条 1 ii の指定国に日本国を含む国際出願(特許出願に係るものに限る。)につき条約第二条 xv の受理官庁により条約第二十五条 1 a に規定する拒否若しくは同条 1 a若しくは b に規定する宣言がされ、又は条約第二条 xix の国際事務局により条約第二十五条 1 a に規定する認定がされたときは、通商産業省令で定める期間内に、通商産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条 2 a に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。
- 2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の通商産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。
- 3 特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
- 4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた特許出願とみなす。
- 5 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての出願公開については、第六十四条第一項中「特許出願の日」とあるのは「第百八十四条の四第一項の優先日」と、同条第二項第六号中「外国語書面出願」とあるのは「外国語でされた国際出願」と、「外国語書面及び外国語要約書面」とあるのは「第百八十四条の二十第四項に規定する国際出願日となつたものと認められる日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面及び要約」とする。
- 6 第百八十四条の三第二項、第百八十四条の六第一項及び第二項、第百八十四条の九第六項、第百八十四条の十二から第百八十四条の十四まで、第百八十四条の十五第一項、第三項及び第四項並びに第百八十四条の十七から前条までの規定は、第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 第十章 雑則
- (二以上の請求項に係る特許又は特許権についての特則)
- 第百八十五条
- 二以上の請求項に係る特許又は特許権についての第二十七条第一項第一号、第六十五条第四項(第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)、第八十条第一項、第九十七条第一項、第九十八条第一項第一号、第百十一条第一項第二号、第百十四条第三項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)、第百二十三条第二項、第百二十五条、第百二十六条第五項(第百三十四条第五項において準用する場合を含む。)、第百三十二条第一項(第百七十四条第三項において準用する場合を含む。)、第百七十五条、第百七十六条若しくは第百九十三条第二項第四号又は実用新案法第二十条第一項の規定の適用については、請求項ごとに特許がされ、又は特許権があるものとみなす。
- (証明等の請求)
- 第百八十六条
- 何人も、特許庁長官に対し、特許に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類の閲覧若しくは謄写又は特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。ただし、次に掲げる書類については、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、この限りでない。
- 一 願書、願書に添付した明細書、図面若しくは要約書若しくは外国語書面若しくは外国語要約書面(特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)又は第六十七条の二第二項の資料
- 二 第百二十一条第一項の審判に係る書類(当該事件に係る特許出願について特許権の設定の登録又は出願公開がされたものを除く。)
- 三 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるもの
- (特許表示)
- 第百八十七条
- 特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、通商産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附するように努めなければならない。
- (虚偽表示の禁止)
- 第百八十八条
- 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一 特許に係る物以外の物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を附する行為
- 二 特許に係る物以外の物であつて、その物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を附したものを譲渡し、貸し渡し、又は譲渡若しくは貸渡のために展示する行為
- 三 特許に係る物以外の物を生産させ若しくは使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその物の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
- 四 方法の特許発明におけるその方法以外の方法を使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその方法の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
- (送達)
- 第百八十九条
- 送達する書類は、この法律に規定するもののほか、通商産業省令で定める。
- 第百九十条
- 民事訴訟法第九十八条第二項、第九十九条から第百三条まで、第百五条、第百六条、第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)及び第三項並びに第百九条(送達)の規定は、この法律又は前条の通商産業省令で定める書類の送達に準用する。この場合において、同法第九十八条第二項及び第百条中「裁判所書記官」とあるのは「特許庁長官の指定する職員」と、同法第九十九条第一項中「郵便又は執行官」とあるのは「郵便」と、同法第百七条第一項中「場合には、裁判所書記官」とあるのは「場合及び審査に関する書類を送達すべき場合には、特許庁長官の指定する職員」と読み替えるものとする。
- 第百九十一条
- 1 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないとき、又は前条において準用する民事訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができないときは、公示送達をすることができる。
- 2 公示送達は、送達する書類を送達を受けるべき者に何時でも交付すべき旨を官報及び特許公報に掲載するとともに特許庁の掲示場に掲示することにより行う。
- 3 公示送達は、官報に掲載した日から二十日を経過することにより、その効力を生ずる。
- 第百九十二条
- 1 在外者に特許管理人があるときは、その特許管理人に送達をしなければならない。
- 2 在外者に特許管理人がないときは、書類を航空扱とした書留郵便に付して発送することができる。
- 3 前項の規定により書類を郵便に付して発送したときは、発送の時に送達があつたものとみなす。
- (特許公報)
- 第百九十三条
- 1 特許庁は、特許公報を発行する。
- 2 特許公報には、この法律に規定するもののほか、次に掲げる事項を掲載しなければならない。
- 一 出願公開後における拒絶をすべき旨の査定若しくは特許出願の放棄、取下げ若しくは却下又は特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ
- 二 出願公開後における特許を受ける権利の承継
- 三 出願公開後における第十七条の二第一項の規定による願書に添付した明細書又は図面の補正(同項ただし書各号の規定によりしたものにあつては、誤訳訂正書の提出によるものに限る。)
- 四 特許権の消滅(存続期間の満了によるもの及び第百十二条第四項又は第五項の規定によるものを除く。)又は回復(第百十二条の二第二項の規定によるものに限る。)
- 五 特許異議の申立て若しくは審判若しくは再審の請求又はこれらの取下げ
- 六 特許異議の申立てについての確定した決定、審判の確定審決又は再審の確定した決定若しくは確定審決
- 七 訂正した明細書に記載した事項及び図面の内容(訂正をすべき旨の確定した決定又は確定審決があつたものに限る。)
- 八 裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定
- 九 第百七十八条第一項の訴えについての確定判決
- (書類の提出等)
- 第百九十四条
- 1 特許庁長官又は審査官は、当事者に対し、特許異議の申立て、審判又は再審に関する手続以外の手続を処理するため必要な書類その他の物件の提出を求めることができる。
- 2 特許庁長官又は審査官は、関係行政機関又は学校その他の団体に対して審査に必要な調査を依頼することができる。
- (手数料)
- 第百九十五条
- 1 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
- 一 第四条、第五条第一項若しくは第百八条第三項の規定による期間の延長又は第五条第二項の規定による期日の変更を請求する者
- 二 特許証の再交付を請求する者
- 三 第三十四条第四項の規定により承継の届出をする者
- 四 第百八十六条の規定により証明を請求する者
- 五 第百八十六条の規定により書類の謄本又は抄本の交付を請求する者
- 六 第百八十六条の規定により書類の閲覧又は謄写を請求する者
- 七 第百八十六条の規定により特許原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求する者
- 2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
- 3 特許出願人でない者が出願審査の請求をした後において、当該特許出願の願書に添付した明細書についてした補正により請求項の数が増加したときは、その増加した請求項について前項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、特許出願人が納付しなければならない。
- 4 前三項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。
- 5 第一項から第三項までの手数料の納付は、通商産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、通商産業省令で定める場合には、通商産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
- 6 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。
- 7 前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない。
- (出願審査の請求の手数料の減免)
- 第百九十五条の二
- 特許庁長官は、自己の特許出願について出願審査の請求をする者がその特許出願に係る発明の発明者又はその相続人である場合において、貧困により前条第二項の規定により納付すべき出願審査の請求の手数料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、その手数料を軽減し、又は免除することができる。
- (行政手続法の適用除外)
- 第百九十五条の三
- この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
- (行政不服審査法による不服申立ての制限)
- 第百九十五条の四
- 査定、取消決定又は審決及び特許異議申立書又は審判若しくは再審の請求書の却下の決定並びにこの法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
- 第十一章 罰則
- (侵害の罪)
- 第百九十六条
- 1 特許権又は専用実施権を侵害した者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
- 2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
- (詐欺の行為の罪)
- 第百九十七条
- 詐欺の行為により特許、特許権の存続期間の延長登録、特許異議の申立てについての決定又は審決を受けた者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
- (虚偽表示の罪)
- 第百九十八条
- 第百八十八条の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
- (偽証等の罪)
- 第百九十九条
- 1 この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
- 2 前項の罪を犯した者が事件の特許異議の申立てについての決定又は審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
- (秘密を漏らした罪)
- 第二百条
- 特許庁の職員又はその職にあつた者がその職務に関して知得した特許出願中の発明に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
- (両罰規定)
- 第二百一条
- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百九十六条第一項、第百九十七条又は第百九十八条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
- (過料)
- 第二百二条
- 第百五十一条(第百十九条(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第百七十四条第二項から第四項までにおいて準用する場合を含む。)において準用する民事訴訟法第二百七条第一項の規定により宣誓した者が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述をしたときは、十万円以下の過料に処する。
- 第二百三条
- この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から呼出しを受けた者が、正当な理由がないのに出頭せず、又は宣誓、陳述、証言、鑑定若しくは通訳を拒んだときは、十万円以下の過料に処する。
- 第二百四条
- 証拠調又は証拠保全に関し、この法律の規定により特許庁又はその嘱託を受けた裁判所から書類その他の物件の提出又は提示を命じられた者が正当な理由がないのにその命令に従わなかつたときは、十万円以下の過料に処する。
- 附則01 この法律の施行期日は、別に法律で定める。
- 附則 (昭和三七年五月一六日法律第一四〇号) 抄
- 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
- 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
- 3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 5 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
- 6 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
- 7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
- 8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。
- 附則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄
- 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
- 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
- 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
- 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
- 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
- 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
- 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (昭和三九年七月四日法律第一四八号)
- この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
- 附則 (昭和四〇年五月二四日法律第八一号) 抄
- この法律は、千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五十八年十月三十一日にリスボンで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約への加入の効力発生の日から施行する。
- 附則 (昭和四一年六月三〇日法律第九八号) 抄
- (施行期日)
- この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。
- 附則 (昭和四一年七月一日法律第一一一号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
- 附則 (昭和四五年五月二二日法律第九一号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、昭和四十六年一月一日から施行する。
- (改正前の特許法の適用)
- 第二条
- この法律の施行の際現に特許庁に係属している特許出願については、別段の定めがある場合を除き、その特許出願について査定又は審決が確定するまでは、なお従前の例による。
- (特許料)
- 第三条
- この法律の施行前にすでに納付し、又は納付すべきであつた特許料については、改正後の特許法(以下「新特許法」という。)第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (特許の無効の理由)
- 第四条
- この法律の施行前にした特許出願に係る特許の無効の理由については、新特許法第二十九条の二及び第百二十三条第一項第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (特許出願の手数料)
- 第五条
- 新特許法第百九十五条第一項の規定は、この法律の施行後に納付すべき手数料について適用する。ただし、この法律の施行前にした特許出願についての同法別表第四号の手数料については、この限りでない。
- (政令への委任)
- 第九条
- 前各条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (昭和四六年四月六日法律第四二号)
- この法律(第一条を除く。)は、昭和四十六年七月一日から施行する。
- 附則 (昭和四六年六月一日法律第九六号) 抄
- (施行期日等)
- この法律は、公布の日から施行する。
- 附則 (昭和四八年四月一二日法律第一〇号) 抄
- (施行期日)
- この法律は、公布の日から施行する。
- 附則 (昭和五〇年六月二五日法律第四六号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、昭和五十一年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一 第一条の規定中特許法第百七条第一項の表の改正規定及び同法別表の改正規定、第二条の規定中実用新案法第三十一条第一項の改正規定及び同法別表の改正規定、第三条の規定中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定並びに同法別表の改正規定、第四条の規定中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定並びに同法別表の改正規定並びに次条第二項、附則第三条第二項及び第四条の規定 公布の日
- 二 第一条の規定中特許法第十七条第一項ただし書の改正規定(「及び第六十四条」を「、第十七条の三及び第六十四条」に改める部分を除く。)、第二条の規定中実用新案法第十三条の二第一項の改正規定、第四条の規定中商標法第四条第一項第二号及び第九条第一項の改正規定並びに第五条の規定 千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約第二十条 2 C の規定による同条約第一条から第十二条までの規定の効力の発生の日
- (特許法の改正に伴う経過措置)
- 第二条
- この法律の施行の際現に特許庁に係属している特許出願については、改正後の特許法第百九十五条第一項の規定により納付すべき手数料を除き、その特許出願について査定又は審決が確定するまでは、なお従前の例による。
- 2 前条ただし書第一号に定める日前に既に納付し、又は納付すべきであつた特許料については、改正後の特許法第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 3 この法律の施行前にした特許出願に係る特許の無効の理由については、なお従前の例による。
- 附則 (昭和五三年四月二四日法律第二七号) 抄
- (施行期日)
- 1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中不動産の鑑定評価に関する法律第十一条第一項の改正規定、第二条、第三条、第五条及び第六条の規定、第十九条中特許法第百七条第一項の改正規定、第二十条中実用新案法第三十一条第一項の改正規定、第二十一条中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定、第二十二条中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定、第二十八条中通訳案内業法第五条第二項の改正規定並びに第二十九条及び第三十条の規定は、昭和五十三年五月一日から施行する。
- (経過措置)
- 2 次に掲げる受験手数料等については、なお従前の例による。
- 一及び二 略
- 三 特許法第百七条第一項の改正規定の施行前に納付し、又は納付すべきであつた特許料
- 附則 (昭和五三年四月二六日法律第三〇号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、第三章の規定は条約第十六条 3 b に規定する取決めが特許庁について効力を生ずる日から、第四章及び次条の規定は条約第三十二条 3 において準用する条約第十六条 3 b に規定する取決めが特許庁について効力を生ずる日から施行する。
- 附則 (昭和五六年五月一九日法律第四五号) 抄
- (施行期日)
- 1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中不動産の鑑定評価に関する法律第十一条第一項の改正規定、第二条、第五条及び第六条の規定、第十九条中特許法第百七条第一項の改正規定、第二十条中実用新案法第三十一条第一項の改正規定、第二十一条中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定、第二十二条中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定、第二十九条中通訳案内業法第五条第二項の改正規定並びに第三十条の規定は、昭和五十六年六月一日から施行する。
- (経過措置)
- 2 次に掲げる受験手数料等については、なお従前の例による。
- 一及び二 略
- 三 特許法第百七条第一項の改正規定の施行前に納付し、又は納付すべきであつた特許料
- 附則 (昭和五七年八月二四日法律第八三号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、昭和五十七年十月一日から施行する。
- 附則 (昭和五八年一二月二日法律第七八号)
- 1 この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
- 2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
- 附則 (昭和五九年五月一日法律第二三号) 抄
- (施行期日)
- 1 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第二十四条から第二十七条まで並びに附則第三項及び第四項の規定は、昭和五十九年八月一日から施行する。
- (経過措置)
- 2 次に掲げる受験手数料等については、なお従前の例による。
- 一 略
- 二 特許法第百七条第一項の改正規定の施行前に納付し、又は納付すべきであつた特許料
- 附則 (昭和五九年五月一日法律第二四号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。
- (特許印紙による納付の開始に伴う経過措置)
- 第八条
- 附則第三条から前条までの規定による改正後の特許法、実用新案法、意匠法、商標法又は特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律の規定にかかわらず、この法律の施行の日から二週間以内に特許料、割増特許料、手数料、登録料又は割増登録料を納付するときは、収入印紙又は特許印紙をもつてすることができる。
- 附則 (昭和六〇年五月二八日法律第四一号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
- (経過措置)
- 第二条
- この法律の施行前にした追加の特許出願であつてこの法律の施行の際現に特許庁に係属しているもの又はこの法律の施行の際現に存する追加の特許権については、この法律による改正前の特許法の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
- 第三条
- 特許出願又は実用新案登録出願の願書に添付した明細書又は図面についてのこの法律の施行前にした補正(出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達前にしたものに限る。)であつて、当該願書に添付した明細書又は図面の要旨を変更するものであるとして決定をもつて却下されたものについては、この法律による改正前の特許法及び実用新案法の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
- 第四条
- この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- (政令への委任)
- 第五条
- 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (昭和六二年五月二五日法律第二七号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、昭和六十三年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一 第一条、第三条、第五条の規定中意匠法第十五条第一項に後段を加える改正規定、同法第四十二条第一項及び第二項の改正規定、同法第四十九条の改正規定並びに同法別表の改正規定、第六条の規定中商標法第十三条第一項に後段を加える改正規定、同法第四十条第一項及び第二項の改正規定並びに同法別表の改正規定並びに次条、附則第四条、第六条、第七条、第八条及び第十一条の規定 昭和六十二年六月一日
- 二 第二条の規定中特許法第百八十四条の四第一項から第四項までの改正規定、同法第百八十四条の五第一項並びに第二項第一号及び第四号の改正規定、同法第百八十四条の六第二項の改正規定、同法第百八十四条の七第一項の改正規定、同法第百八十四条の八の改正規定、同法第百八十四条の九第一項の改正規定、同法第百八十四条の十の二第一項及び第二項の改正規定、同法第百八十四条の十一第一項の改正規定、同法第百八十四条の十一の二の改正規定、同法第百八十四条の十一の三第四項の改正規定、同法第百八十四条の十二の改正規定、同法第百八十四条の十三の改正規定並びに同法第百八十四条の十六第五項の改正規定、第四条の規定中実用新案法第四十八条の四第一項から第四項までの改正規定、同法第四十八条の五第一項並びに第二項第一号及び第四号の改正規定、同法第四十八条の六第二項の改正規定、同法第四十八条の七第一項及び第二項の改正規定、同法第四十八条の八第一項の改正規定、同法第四十八条の八の二第四項の改正規定、同法第四十八条の九の改正規定、同法第四十八条の十の改正規定並びに同法第四十八条の十四第五項の改正規定並びに第五条の規定中意匠法第十三条の二第一項及び第二項の改正規定 千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第六十四条 6 b の規定による同条 2 a の宣言の撤回の効力の発生の日
- (第一条の規定による特許法の改正に伴う経過措置)
- 第二条
- 1 前条ただし書第一号に定める日前に既に納付した特許料又は同日前に納付すべきであつた特許料であつて特許法第百九条の規定によりその納付が猶予されたもの(その猶予期間内に納付するものに限る。)については、第一条の規定による改正後の特許法第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 2 前条ただし書第一号に定める日前に設定の登録をした特許権に係る特許法第百二十三条第一項の審判については、第一条の規定による改正前の特許法第百二十四条の規定は、同日以後も、なおその効力を有する。
- (第二条の規定による特許法の改正に伴う経過措置)
- 第三条
- 1 第二条の規定による改正後の特許法(以下「新特許法」という。)第三十六条第四項及び第五項、第三十七条、第四十九条第三号、第五十五条第一項ただし書、第百二十三条第一項各号列記以外の部分及び第三号、第百五十五条第三項、第百八十五条並びに第百九十五条第三項の規定は、この法律の施行後にした特許出願について適用し、この法律の施行前にした特許出願については、なお従前の例による。
- 2 新特許法第五十五条第一項本文(実用新案法第十三条において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行後に出願公告がされる特許出願又は実用新案登録出願について適用し、この法律の施行前に出願公告がされた特許出願又は実用新案登録出願については、なお従前の例による。
- 3 この法律の施行前にした特許出願に係る特許料の納付についての新特許法第百七条第一項の規定の適用については、同項の表に掲げる特許料の金額は、次の表に掲げる金額とする。 各年の区分 金額 第一年から第三年まで 毎年七千円に一発明(特許請求の範囲に記載された一発明をいう。以下この表において同じ。)につき七千四百円を加えた額 第四年から第六年まで 毎年一万千二百円に一発明につき一万千二百円を加えた額 第七年から第九年まで 毎年二万二千四百円に一発明につき二万二千四百円を加えた額 第十年から第十二年まで 毎年四万四千八百円に一発明につき四万四千八百円を加えた額 第十三年から第十五年まで 毎年八万九千六百円に一発明につき八万九千六百円を加えた額 第十六年から第十八年まで 毎年十七万九千二百円に一発明につき十七万九千二百円を加えた額 第十九年から第二十一年まで毎年三十五万八千四百円に一発明につき三十五万八千四百円を加えた額第二十二年から第二十五年まで 毎年七十一万六千八百円に一発明につき七十一万六千八百円を加えた額
- 4 この法律の施行前にした特許出願に係る手数料の納付についての新特許法第百九十五条第二項の規定の適用については、別表第五号中「五万六千二百円に一請求項につき千八百円」とあるのは「七万五千円に一発明(特許請求の範囲に記載された一発明をいう。以下この表において同じ。)につき一万二千円」と、同表第十号中「三万九千六百円に一請求項につき四千四百円」とあるのは「二万七千五百円に一発明につき二万七千五百円」とする。
- (第四条の規定による実用新案法の改正に伴う経過措置)
- 第五条
- 1 第四条の規定による改正後の実用新案法(以下この条において「新実用新案法」という。)第五条第四項及び第五項、第六条、第十一条第三号、第三十七条第一項各号列記以外の部分及び第三号、第四十一条、第五十条の二並びに第五十四条第三項の規定は、この法律の施行後にした実用新案登録出願について適用し、この法律の施行前にした実用新案登録出願については、なお従前の例による。
- 2 この法律の施行前にした実用新案登録出願に係る登録料の納付についての新実用新案法第三十一条第一項の規定の適用については、同項の表に掲げる登録料の金額は、次の表に掲げる金額とする。 各年の区分金額 第一年から第三年まで 毎年九千五百円 第四年から第六年まで 毎年一万八千九百円 第七年から第十年まで 毎年三万七千八百円
- 3 この法律の施行前にした実用新案登録出願に係る手数料の納付についての新実用新案法第五十四条第二項の規定の適用については、別表第四号中「三万千円に一請求項につき千円を加えた額」とあるのは「四万八千円」と、同表第九号中「三万九千六百円に一請求項につき四千四百円を加えた額」とあるのは「五万五千円」とする。
- (追加の特許権についての特則)
- 第九条
- 1 追加の特許権及び旧法第七十五条第一項の規定により追加の特許権が独立の特許権になつたときの当該独立の特許権については、新特許法第六十七条第三項の規定にかかわらず、特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができない。
- 2 特許権の存続期間の延長登録の出願があつた場合において、その特許権に係る追加の特許権があるときは、その追加の特許権の存続期間は、原特許権とともに延長されたものとみなす。ただし、原特許権の存続期間の延長登録の出願について拒絶をすべき旨の査定が確定し、又はその存続期間を延長した旨の登録があつたときは、この限りでない。
- 3 特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許権に係る追加の特許権があるときは、原特許権の存続期間が延長された期間についてその追加の特許権の存続期間を延長した旨の登録をする。
- 4 特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定した場合において、その特許権に追加の特許権があるときは、その追加の特許権の当該延長登録による存続期間の延長は、初めからされなかつたものとみなす。ただし、原特許権の存続期間の延長登録が新特許法第百二十五条の二第一項第三号に該当する場合において、その特許発明の実施をすることができなかつた期間を超える期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その追加の特許権の存続期間の延長が、されなかつたものとみなす。
- (政令への委任)
- 第十一条
- 附則第二条から第六条まで及び第八条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (昭和六三年一二月一三日法律第九一号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
- 附則 (平成二年六月一三日法律第三〇号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第九条、第十四条、第十五条第二項、第十六条(第十五条第一項及び第三項の準用に係る部分を除く。)、第十七条から第十九条まで、第二十一条、第二十二条、第二十四条から第二十九条まで、第三十条(第三号を除く。)、第三十二条、第三十四条、第三十六条、第三十七条、第三十九条(第二十三条、第三十条第三号、第三十一条及び第三十五条の準用に係る部分を除く。)、第四十一条、第四十二条、第四十四条第二号及び附則第九条の規定並びに附則第三条中印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)第二条第二項の改正規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
- (政令への委任)
- 第九条
- この法律の施行の日前において電子情報処理組織を整備する場合の手続その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (平成五年四月二三日法律第二六号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定中特許法第百七条第一項の表の改正規定及び同法別表の改正規定(同表第六号中「(請求公告に係る異議の申立てを含む。)」を削る部分及び同表第十二号を同表第十三号とし、同表第十一号の次に一号を加える部分を除く。)、第二条の規定、第四条の規定中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定並びに同法別表の改正規定、第五条の規定中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定並びに同法別表の改正規定、次条第三項並びに附則第三条、第六条から第十条まで及び第十七条の規定は、平成五年七月一日から施行する。
- (特許法の改正に伴う経過措置)
- 第二条
- 1 この法律の施行の際現に特許庁に係属している特許出願又は特許に係る審判若しくは再審については、第一条の規定による改正後の特許法(以下「新特許法」という。)第百九十五条第一項及び第二項の規定により納付すべき手数料を除き、その特許出願又は審判若しくは再審について査定又は審決が確定するまでは、なお従前の例による。
- 2 この法律の施行前にした特許出願の願書に添付した明細書又は図面について出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達前にした補正がこれらの要旨を変更するものと特許権の設定の登録があった後に認められたときは、その特許出願及びその特許出願に係る特許権については、なお従前の例による。
- 3 前条ただし書に規定する日前に第一条の規定による改正前の特許法(以下「旧特許法」という。)第百七条第一項の規定により既に納付した特許料又は同日前に同項の規定により納付すべきであった特許料であって旧特許法第百九条の規定によりその納付が猶予されたもの(その猶予期間内に納付するものに限る。)については、新特許法第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 4 新特許法第百二十三条第一項第一号及び第百八十四条の十五第一項の規定は、この法律の施行後にした特許出願に係る特許について適用し、この法律の施行前にした特許出願に係る特許については、なお従前の例による。
- 5 新特許法第百二十三条第一項第七号の規定は、この法律の施行後に新特許法の規定による訂正をする特許について適用し、この法律の施行前に旧特許法の規定による訂正をした特許及びこの法律の施行後に旧特許法の規定による訂正をする特許については、なお従前の例による。
- 6 この法律の施行前に請求された旧特許法第百二十三条第一項又は第百八十四条の十五第一項の審判が特許庁に係属している場合におけるこの法律の施行後に訂正をする特許についての新特許法第百二十六条第一項の規定の適用については、同項中「特許権者は、第百二十三条第一項の審判が特許庁に係属している場合を除き」とあるのは、「特許権者は」とする。
- 7 この法律の施行前に請求された旧特許法第百二十六条第一項の審判による明細書又は図面の訂正についての旧特許法第百二十九条第一項の審判については、新特許法第百九十五条第一項及び第二項の規定により納付すべき手数料を除き、なお従前の例による。
- 8 この法律の施行前に請求された旧特許法の規定による審判の確定審決及びこの法律の施行後に請求される旧特許法の規定による審判(旧特許法第百二十一条第一項、第百二十二条第一項及び第百二十九条第一項の審判に限る。)の確定審決に対する再審については、新特許法第百九十五条第一項及び第二項の規定により納付すべき手数料を除き、なお従前の例による。
- 9 この法律の施行前にした特許出願に係る旧特許法第百二十二条第一項の審判及びこの法律の施行後に請求される旧特許法第百二十九条第一項の審判並びにこれらの確定審決に対する再審並びにこの法律の施行前に請求された同項の審判の確定審決に対する再審(以下この項において「審判・再審」という。)に係る手数料の納付については、審判・再審を新特許法別表第十号に規定する審判又は再審とみなして、新特許法第百九十五条第二項の規定を適用する。この場合において、その審判・再審が特許法等の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第二十七号。以下「昭和六十二年法」という。)の施行前にした特許出願に係るものであるときは、同号中「四万九千五百円に一請求項につき五千五百円」とあるのは、「二万七千五百円に一発明につき二万七千五百円」とする。
- 10 この法律の施行前に請求された旧特許法第百二十六条第一項の審判及びその確定審決に対する再審において、旧特許法第百六十五条第一項(旧特許法第百七十四条第四項において準用する場合を含む。)において準用する旧特許法第五十五条第一項の申立て(以下この項において「請求公告異議申立て」という。)があった場合における手数料の納付については、請求公告異議申立てを新特許法別表第六号に規定する特許異議の申立てとみなして、新特許法第百九十五条第二項の規定を適用する。
- (特許法等の一部を改正する法律による改正前の特許法の一部改正)
- 第七条
- 特許法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十一号)附則第二条の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の特許法(以下「旧法」という。)の一部を次のように改正する。 百七条第一項の表中「五千三百円」を「七千四百円」に、「八千円」を「一万千二百円」に、「一万六千円」を「二万二千四百円」に、「三万二千円」を「四万四千八百円」に、「六万四千円」を「八万九千六百円」に、「十二万八千円」を「十七万九千二百円」に、「二十五万六千円」を「三十五万八千四百円」に改める。
- (旧法の一部改正に伴う経過措置)
- 第八条
- 附則第一条ただし書に規定する日前に前条の規定による改正前の旧法第百七条第一項の規定により既に納付した特許料又は同日前に同項の規定により納付すべきであった特許料であって旧法第百九条の規定によりその納付が猶予されたもの(その猶予期間内に納付するものに限る。)については、前条の規定による改正後の旧法第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (昭和六十二年法の一部改正に伴う経過措置)
- 第十条
- 1 附則第一条ただし書に規定する日前に前条の規定による改正前の昭和六十二年法附則第三条第三項の規定により読み替えて適用される旧特許法第百七条第一項の規定により既に納付した特許料又は同日前に同項の規定により納付すべきであった特許料であって旧特許法第百九条の規定によりその納付が猶予されたもの(その猶予期間内に納付するものに限る。)については、前条の規定による改正後の昭和六十二年法附則第三条第三項の規定により読み替えて適用される旧特許法第百七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 2 附則第一条ただし書に規定する日前に前条の規定による改正前の昭和六十二年法附則第五条第二項の規定により読み替えて適用される旧実用新案法第三十一条第一項の規定により既に納付した登録料又は同日前に同項の規定により納付すべきであった登録料であって旧実用新案法第三十四条において準用する旧特許法第百九条の規定によりその納付が猶予されたもの(その猶予期間内に納付するものに限る。)については、前条の規定による改正後の昭和六十二年法附則第五条第二項の規定により読み替えて適用される旧実用新案法第三十一条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (罰則の適用に関する経過措置)
- 第十六条
- 1 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- 2 附則第二条第一項、第七項又は第八項の規定によりなお従前の例によるものとされた審判又は再審の審決に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。ただし、旧特許法第百九十七条中「二十万円」とあるのは、「三百万円」とする。
- (政令への委任)
- 第十七条
- 附則第二条から第六条まで、第八条、第十条及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
- (諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
- 第二条
- この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (罰則に関する経過措置)
- 第十三条
- この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- (聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
- 第十四条
- この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
- (政令への委任)
- 第十五条
- 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (平成六年一二月一四日法律第一一六号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、平成七年七月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一 第一条中特許法第三十条第三項の改正規定、第五条の規定(商標法第十条第三項、第十三条第一項、第四十四条第二項及び第六十三条の二の改正規定を除く。)及び第九条の規定 平成七年七月一日又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日(以下「発効日」という。)のいずれか遅い日
- 二 第二条の規定、第三条中実用新案法第三条の二第一項の改正規定(「出願公告」を「特許法第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行」に改める部分に限る。)、同法第十条第五項及び第六項、第十四条第四項並びに第三十九条第三項の改正規定、同法第四十五条の改正規定(同条に一項を加える部分を除く。)、同法第五十条の二の改正規定(「第百七十四条第二項」を「第百七十四条第三項」に、「第百九十三条第二項第五号」を「第百九十三条第二項第四号」に改める部分に限る。)、同法第五十三条第二項の改正規定並びに同法第六十二条の改正規定(「第百七十四条第二項」を「第百七十四条第三項」に改める部分に限る。)、第四条中意匠法第十三条第三項、第十九条、第五十八条、第六十八条第一項及び第七十五条の改正規定、第六条の規定、第七条中弁理士法第五条の改正規定並びに附則第八条、第九条、第十条第二項、第十七条及び第十九条の規定 平成八年一月一日
- (パリ条約の例による優先権についての経過措置)
- 第二条
- 第一条の規定による改正後の特許法(以下「新特許法」という。)第四十三条の二(第三条の規定による改正後の実用新案法(以下「新実用新案法」という。)第十一条第一項、第四条の規定による改正後の意匠法(以下「新意匠法」という。)第十五条第一項及び第五条の規定による改正後の商標法(以下「新商標法」という。)第十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、発効日が平成七年七月一日後となったときは、発効日前にされた特許出願、実用新案登録出願、意匠登録出願又は商標登録出願については、適用しない。
- (原子核変換の方法により製造されるべき物質の発明についての経過措置)
- 第三条
- 1 この法律の施行の際現に特許庁に係属している特許出願(特許をすべき旨の査定の謄本の送達があったものを除く。)であって、当該特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に原子核変換の方法により製造されるべき物質の発明が記載されていたものの出願人は、この法律の施行の日から六月以内に限り、当該発明に関する事項について願書に添付した明細書又は図面について補正をすることができる。
- 2 前項の規定による補正は、出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達前にした補正とみなす。
- 3 原子核変換の方法により製造されるべき物質の発明についての特許権については、この法律の公布の日前に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、通常実施権を有する。
- 4 新特許法第八十条第二項及び第九十九条第二項の規定は、前項の規定による通常実施権に準用する。
- (存続期間の延長についての経過措置)
- 第四条
- 1 新特許法第六十七条第一項の規定は、この法律の施行前に存続期間(存続期間の延長登録に係る特許権にあっては、当該延長登録前の存続期間)が満了した特許権及び特許法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十一号)附則第二条の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第一条の規定による改正前の特許法(第三項において「昭和六十年旧特許法」という。)第七十五条第一項の独立の特許権(以下単に「独立の特許権」という。)については、適用しない。
- 2 この法律の施行の際現に存する存続期間の延長登録に係る特許権(独立の特許権を除く。)であって、この法律の施行前に当該延長登録前の存続期間が満了したものの当該延長登録後の存続期間がその特許出願の日から二十年に満たないときは、その存続期間はその特許出願の日から二十年をもって終了するものとする。
- 3 この法律の施行の際現に存する独立の特許権についての昭和六十年旧特許法第六十七条第三項の規定の適用については、同項中「原特許権の残存期間」とあるのは、「特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号。以下「改正法」という。)の施行前に原特許権が無効にされなかつたもの又は消滅しなかつたものとして、改正法第一条の規定による改正後の特許法第六十七条第一項並びに改正法附則第四条第一項及び第二項の規定を適用した場合における原特許権の残存期間」とする。
- 4 新特許法第六十八条の二の規定は、第二項の規定により特許権の存続期間が延長された場合及び前項の規定により存続期間の延長登録に係る独立の特許権であって、この法律の施行前に当該延長登録前の存続期間が満了したものの存続期間が延長された場合に準用する。
- 5 第二項に規定する特許権又は前項に規定する独立の特許権に係る原特許権の存続期間の延長登録に係る新特許法第百二十五条の二第一項の審判については、同項第三号中「期間を超えているとき」とあるのは、「期間を超えたことにより、その特許権又はその特許権の追加の特許権で独立の特許権となつたものが特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号)の施行の際存することとなつたとき」とする。
- 第五条
- 1 新特許法第六十七条第一項又は前条第二項若しくは第三項の規定により存続期間が延長された特許権であって、この法律の施行がないとした場合にその存続期間が平成七年七月一日から同月二十九日までに満了したものの翌年(同月二日から同月三十日までに始まる年をいう。)分の特許料の納付については、新特許法第百八条第二項中「前年以前」とあるのは、「平成七年七月三十日まで」とする。
- 2 この法律の施行に際現に存する特許権であって、その存続期間がこの法律の施行により延長されたものについては、この法律の公布の日前に日本国内においてその特許権に係る発明の実施である事業の準備をしている者は、この法律の施行がないとした場合におけるその特許権の存続期間の満了の日後、その準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、通常実施権を有する。
- 3 新特許法第八十条第二項及び第九十九条第二項の規定は、前項の規定による通常実施権に準用する。
- (明細書又は図面の補正等についての経過措置)
- 第六条
- 1 この法律の施行前にした特許出願の願書に添付した明細書又は図面についての補正並びに補正に係る拒絶の査定及び特許の無効並びにこの法律の施行前にした特許出願に係る特許の願書に添付した明細書又は図面についての訂正及び訂正に係る特許の無効については、なお従前の例による。
- 2 新特許法第三十六条、第三十七条、第四十九条第四号及び第百二十三条第一項第四号の規定は、この法律の施行後にする特許出願について適用し、この法律の施行前にした特許出願については、なお従前の例による。
- 3 新特許法第百十二条の二の規定は、この法律の施行前に第一条の規定による改正前の特許法(以下「旧特許法」という。)第百十二条第四項から第六項までの規定により消滅したもの又は初めから存在しなかったものとみなされた特許権には、適用しない。
- (外国語特許出願等についての経過措置)
- 第七条
- 1 この法律の施行前にした外国語特許出願(旧特許法第百八十四条の十六第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願であって、外国語でされたものを含む。以下同じ。)の翻訳文及びこの法律の施行前にした外国語特許出願に係る特許についての審判又は再審については、新特許法第六条、第八十条第一項、第百八十四条の四第二項から第四項まで、第百八十四条の六第二項及び第三項、第百八十四条の九第二項、第百八十四条の十八並びに第百八十四条の二十第五項及び第六項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 2 この法律の施行前にした外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願(第三条の規定による改正前の実用新案法(以下「旧実用新案法」という。)第四十八条の十四第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願であって、外国語でされたものを含む。以下同じ。)が、新特許法第二十九条の二又は新実用新案法第三条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願である場合における新特許法第二十九条の二又は新実用新案法第三条の二の規定の適用については、新特許法第百八十四条の十三(新特許法第百八十四条の二十第六項において準用する場合を含む。)及び新実用新案法第四十八条の九(新実用新案法第四十八条の十六第六項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 3 この法律の施行前にした外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願が、旧特許法第四十一条第一項又は旧実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張を伴う場合における新特許法第二十九条の二又は新実用新案法第三条の二の規定の適用については、新特許法第百八十四条の十五第三項(新特許法第百八十四条の二十第六項において準用する場合を含む。)及び新実用新案法第四十八条の十第三項(新実用新案法第四十八条の十六第六項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (第二条の規定による特許法の改正に伴う経過措置)
- 第八条
- 1 第二条の規定の施行の際現に特許庁に係属している特許出願であって、出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達があったもの及び同条の規定の施行前に出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達があった特許出願に係る特許、特許権、審判又は再審については、同条の規定による改正後の特許法(以下「新々特許法」という。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 2 特許出願の日が、第二条及び次条第一項の規定の施行前にその決定の謄本の送達があった出願公告のすべてが終了する日前である特許出願についての新々特許法第二十九条の二の規定の適用については、同条中「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は出願公告が」とする。
- 3 特許法等の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第二十七号。次項及び次条第四項において「昭和六十二年改正法」という。)の施行前にした特許出願に係る特許についての新々特許法第百十三条の規定による特許異議の申立てについては、同条、新々特許法第百二十条第二項及び新々特許法第百二十条の三第二項において準用する新々特許法第百五十五条第三項中「請求項」とあるのは、「発明」とする。
- 4 昭和六十二年改正法の施行前にした特許出願に係る特許について新々特許法第百十三条の規定による特許異議の申立てをする者が納付しなければならない手数料については、新々特許法別表第十一号中「一件につき八千七百円に一請求項につき千円」とあるのは、「一件につき五千円一発明につき五千円」とする。
- (平成五年旧実用法の適用を受ける実用新案登録出願についての経過措置)
- 第九条
- 1 特許法等の一部を改正する法律(平成五年法律第二十六号。以下この項において「平成五年改正法」という。)の施行前にした実用新案登録出願であって、第二条の規定の施行前に出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達がされていないものについては、平成五年改正法附則第四条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた平成五年改正法第三条の規定による改正前の実用新案法(以下この条において「平成五年旧実用法」という。)及び平成五年改正法第一条の規定による改正前の特許法(次項において「平成五年旧特許法」という。)の規定にかかわらず出願公告はしないものとし、新々特許法第五十一条の規定を準用する。
- 2 前項に規定する実用新案登録出願については、平成五年旧実用法第十三条において準用する平成五年旧特許法第五十五条第一項の規定による登録異議の申立てはできないものとし、新々特許法第五章の規定を当該実用新案登録出願について実用新案登録がされた場合に準用する。
- 3 第一項に規定する実用新案登録出願に係る実用新案権の存続期間については、平成五年旧実用法第十五条第一項中「出願公告の日」とあるのは、「その設定の登録の日」とする。
- 4 第二項において準用する新々特許法第百十三条の規定により登録異議の申立てをする者は一件につき四千三百円に一請求項につき五百円を加えた額(昭和六十二年改正法の施行前にした実用新案登録出願に係る登録異議の申立てにあっては、一件につき五千五百円)の範囲内において政令で定める額の手数料を、同項において準用する新々特許法第百十八条第一項の規定による参加を申請する者は一件につき五千五百円の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
- 5 新々特許法第七章の規定は、第二項において準用する新々特許法第百十四条第二項の取消決定が確定した場合に準用する。
- 6 第二項において準用する新々特許法第百十三条の規定による登録異議の申立てに関し第二条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、平成五年旧実用法第五十七条中「実用新案登録又は審決」とあるのは「特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号。以下「改正法」という。)附則第九条第二項において準用する改正法第二条の規定による改正後の特許法(以下「改正特許法」という。)第百十三条の規定による登録異議の申立て(以下単に「登録異議の申立て」という。)についての決定」と、平成五年旧実用法第五十九条第一項、第六十三条及び第六十四条中「この法律」とあるのは「改正特許法」と、平成五年旧実用法第五十九条第二項中「査定又は審決」とあるのは「登録異議の申立てについての決定」と、平成五年旧実用法第六十二条中「第四十一条において、第十三条において準用する特許法第五十九条において、第四十一条において準用する特許法第百六十一条の三第三項において準用する同法第五十九条において、又は第四十五条において準用する特許法第百七十四条第一項から第四項までにおいて、それぞれ準用する同法」とあるのは「改正法附則第九条第二項において準用する改正特許法第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)において準用する改正特許法」とする。
- 7 第三項から前項までに定めるもののほか、第一項及び第二項の規定の適用に伴って必要となる経過措置は、政令で定める。
- (罰則の適用に関する経過措置)
- 第十三条
- この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
- (政令への委任)
- 第十四条
- 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- (昭和六十年旧特許法の一部改正)
- 第十五条
- 特許法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十一号)附則第二条の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第一条の規定による改正前の特許法の一部を次のように改正する。第百七条第一項の表中「 第十九年及び第二十年 毎年一発明につき三十五万八千四百円 」を「 第十九年から第二十一年まで 毎年一発明につき三十五万八千四百円 第二十二年から第二十五年まで 毎年一発明につき七十一万六千八百円 」に改める。
- 附則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
- 附則 (平成八年六月一二日法律第六八号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、平成九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 二 第一条中商標法第四十条第四項及び第七十六条第四項にただし書を加える改正規定、第二条中特許法第百七条第三項、第百十二条第三項及び第百九十五条第五項にただし書を加える改正規定、第三条中実用新案法第三十一条第三項、第三十三条第三項及び第五十四条第四項にただし書を加える改正規定、第四条中意匠法第四十二条第四項、第四十四条第三項及び第六十七条第四項にただし書を加える改正規定、第五条中工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第四十条第四項にただし書を加える改正規定並びに附則第二十七条の規定 平成八年十月一日
- (罰則の適用に関する経過措置)
- 第二十条
- この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
- (政令への委任)
- 第二十一条
- 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
- 別表 (第百九十五条関係) 納付しなければならない者 金額