法令名 道路交通法
法令番号 (昭和三十五年六月二十五日法律第百五号)
施行年月日 昭和三十五年十二月二十日
最終改正 平成八年五月九日法律第三二号
目次
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 歩行者の通行方法(第十条―第十五条)
第三章 車両及び路面電車の交通方法
 第一節 通則(第十六条―第二十一条)
 第二節 速度(第二十二条―第二十四条)
 第三節 横断等(第二十五条・第二十五条の二)
 第四節 追越し等(第二十六条―第三十二条)
 第五節 踏切の通過(第三十三条)
 第六節 交差点における通行方法等(第三十四条―第三十七条)
 第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法(第三十八条・第
  三十八条の二)
 第七節 緊急自動車等(第三十九条―第四十一条の二)
 第八節 徐行及び一時停止(第四十二条・第四十三条)
 第九節 停車及び駐車(第四十四条―第五十一条の四)
 第十節 燈火及び合図(第五十二条―第五十四条)
 第十一節 乗車、積載及び牽引(第五十五条―第六十一条)
 第十二節 整備不良車両の運転の禁止等(第六十二条―第六十三条の
  二)
 第十三節 自転車の交通方法の特例(第六十三条の三―第六十三条の
  九)
第四章 運転者及び使用者の義務
 第一節 運転者の義務(第六十四条―第七十一条の五)
 第二節 交通事故の場合の措置等(第七十二条―第七十三条)
 第三節 使用者の義務(第七十四条―第七十五条の二の二)
第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例
 第一節 通則(第七十五条の二の三・第七十五条の三)
 第二節 自動車の交通方法(第七十五条の四―第七十五条の九)
 第三節 運転者の義務(第七十五条の十・第七十五条の十一)
第五章 道路の使用等
 第一節 道路における禁止行為等(第七十六条―第八十条)
 第二節 危険防止等の措置(第八十一条―第八十三条)
第六章 自動車及び原動機付自転車の運転免許
 第一節 通則(第八十四条―第八十七条)
 第二節 免許の申請等(第八十八条―第九十一条)
 第三節 免許証等(第九十二条―第九十五条)
 第四節 運転免許試験(第九十六条―第九十七条の三)
 第四節の二 自動車教習所(第九十八条―第百条)
 第四節の三 再試験(第百条の二・第百条の三)
 第五節 免許証の更新等(第百一条―第百二条)
 第六節 免許の取消し、停止等(第百三条―第百七条)
 第七節 国際運転免許証及び外国運転免許証並びに国外運転免許証(
  第百七条の二―第百七条の十)
 第八節 免許関係事務の委託(第百七条の十一)
第六章の二 講習等(第百八条―第百八条の十二)
第六章の三 交通事故調査分析センター(第百八条の十三―第百八条の
 二十五)
第七章 雑則(第百八条の二十六―第百十四条の九)
第八章 罰則(第百十五条―第百二十四条)
第九章 反則行為に関する処理手続の特例
 第一節 通則(第百二十五条)
 第二節 告知及び通告(第百二十六条・第百二十七条)
 第三節 反則金の納付及び仮納付(第百二十八条―第百二十九条の二)
 第四節 反則者に係る刑事事件等(第百三十条・第百三十条の二)
 第五節 雑則(第百三十一条・第百三十二条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
(定義)
第二条
1  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第九項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。
二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。
三 車道 車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標識によつて区画された道路の部分をいう。
三の二 本線車道 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)又は自動車専用道路(道路法第四十八条の四第一項に規定する自動車専用道路をいう。以下同じ。)の本線車線により構成する車道をいう。
三の三 自転車道 自転車の通行の用に供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。
三の四 路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
四 横断歩道 道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。
四の二 自転車横断帯 道路標識等により自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。
五 交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。
六 安全地帯 路面電車に乗降する者若しくは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又は道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分をいう。
七 車両通行帯 車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示により示されている道路の部分をいう。
八 車両 自動車、原動機付自動車、軽車両及びトロリーバスをいう。
九 自動車 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
十 原動機付自転車 総理府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう。
十一 軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
十一の二 自転車 ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、総理府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。
十一の三 身体障害者用の車いす 身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車いす(原動機を用いるものにあつては、総理府令で定める基準に該当するものに限る。)をいう。
十二 トロリーバス 架線から供給される電力により、かつ、レールによらないで運転する車をいう。
十三 路面電車 レールにより運転する車をいう。
十四 信号機 電気により操作され、かつ、道路の交通に関し、燈火により交通整理等のための信号を表示する装置をいう。
十五 道路標識 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板をいう。
十六 道路標示 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。
十七 運転 道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いることをいう。
十八 駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。
十九 停車 車両等が停止することで駐車以外のものをいう。
二十 徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。
二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。
二十二 進行妨害 車両等が、進行を継続し、又は始めた場合においては危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し、又は始めることをいう。
二十三 交通公害 道路の交通に起因して生ずる大気の汚染、騒音及び振動のうち総理府令で定めるものによつて、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
2 道路法第四十五条第一項の規定により設置された区画線は、この法律の規定の適用については、総理府令・建設省令で定めるところにより、道路標示とみなす。
3 この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。
一 身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者
二 次条の大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車又は二輪若しくは三輪の自転車(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)を押して歩いている者
(自動車の種類)
第三条
 自動車は、総理府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ。)及び小型特殊自動車に区分する。
(公安委員会の交通規制)
第四条
1 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。この場合において、緊急を要するため道路標識等を設置するいとまがないとき、その他道路標識等による交通の規制をすることが困難であると認めるときは、公安委員会は、その管理に属する都道府県警察の警察官の現場における指示により、道路標識等の設置及び管理による交通の規制に相当する交通の規制をすることができる。
2 前項の規定による交通の規制は、区域、道路の区間又は場所を定めて行なう。この場合において、その規制は、対象を限定し、又は適用される日若しくは時間を限定して行なうことができる。
3 公安委員会は、交通のひんぱんな交差点その他交通の危険を防止するために必要と認められる場所には、信号機を設置するようにつとめなければならない。
4 信号機の表示する信号の意味その他信号機について必要な事項は、政令で定める。
5 道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、総理府令・建設省令で定める。  03(罰則 第一項後段については第百十九条第一項第一号、第百二十一条第一項第一号)
(警察署長等への委任)
第五条
1 公安委員会は、政令で定めるところにより、前条第一項に規定する歩行者又は車両等の通行の禁止その他の交通の規制のうち、適用期間の短いものを警察署長に行なわせることができる。
2 公安委員会は、信号機の設置又は管理に係る事務を政令で定める者に委任することができる。
(警察官等の交通規制)
第六条
1 警察官又は第百十四条の四第一項に規定する交通巡視員(以下「警察官等」という。)は、手信号その他の信号(以下「手信号等」という。)により交通整理を行なうことができる。この場合において、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため研に必要があると認めるときは、信号機の表示する信号にかかわらず、これと異なる意味を表示する手信号等をすることができる。
2 警察官は、車両等の通行が著しく停滞したことにより道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。第四項において同じ。)における交通が著しく混雑するおそれがある場合において、当該道路における交通の円滑を図るためやむを得ないと認めるときは、その現場における混雑を緩和するため必要な限度において、その現場に進行してくる車両等の通行を禁止し、若しくは制限し、その現場にある車両等の運転者に対し、当該車両等を後退させることを命じ、又は第八条第一項、第三章第一節、第三節若しくは第六節に規定する通行方法と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。
3 警察官は、前項の規定による措置のみによつては、その現場における混雑を緩和することができないと認めるときは、その混雑を緩和するため必要な限度において、その現場にある関係者に対し必要な指示をすることができる。
4 警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要な限度において、当該道路につき、一時、歩行者又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。
5 第一項の手信号等の意味は、政令で定める。  03(罰則 第二項については第百二十条第一項第一号 第四項については第百十九条第一項第一号、第百二十一条第一項第一号)
(信号機の信号等に従う義務)
第七条
 道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。  03(罰則 第百十九条第一項第一号の二、同条第二項、第百二十一条第一項第一号)
(通行の禁止等)
第八条
1 歩行者又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
2 車両は、警察署長が政令で定めるやむを得ない理由があると認めて許可をしたときは、前項の規定にかかわらず、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行することができる。
3 警察署長は、前項の許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る通行中、当該許可証を携帯していなければならない。
5 第二項の許可を与える場合において、必要があると認めるときは、警察署長は、当該許可に条件を付することができる。
6 第三項の許可証の様式その他第二項の許可について必要な事項は、総理府令で定める。  03(罰則 第一項については第百十九条第一項第一号の二、同条第二項、第百二十一条第一項第一号、第五項については第百二十一条第一項第一号の二)
(歩行者用道路を通行する車両の義務)
第九条
 車両は、歩行者の通行の安全と円滑を図るため車両の通行が禁止されていることが道路標識等により表示されている道路(第十三条の二において「歩行者用道路」という。)を、前条第二項の許可を受け、又はその禁止の対象から除外されていることにより通行するときは、特に歩行者に注意して徐行しなければならない。 03(罰則 第百十九条第一項第一号の二、同条第二項)
第二章 歩行者の通行方法
(通行区分)
第十条
1 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
2 歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路については、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
一 車道を横断するとき。
二 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。
(行列等の通行)
第十一条
1 学生生徒の隊列、葬列その他の行列(以下「行列」という。)及び歩行者の通行を防げるおそれのある者で、政令で定めるものは、前条第二項の規定にかかわらず、歩道等と車道の区別のある道路においては、車道をその右側端(自転車道が設けられている車道にあつては、自転車道以外の部分の右側端。次項において同じ。)に寄つて通行しなければならない。
2 前項の政令で定める行列以外の行列は、前条第二項の規定にかかわらず、歩道等と車道の区別のある道路において、車道を通行することができる。この場合においては、車道の右側端に寄つて通行しなければならない。
3 警察官は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、第一項の行列の指揮者に対し、区間を定めて当該行列が道路又は車道の左側端(自転車道が設けられている車道にあつては、自転車道以外の部分の左側端)に寄つて通行すべきことを命ずることができる。 03(罰則 第一項については第百二十一条第一項第二号 第二項及び第三項については第百二十一条第一項第三号)
(横断の方法)
第十二条
1 歩行者は、道路を横断しようとするときの、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。
2 歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除さ、斜めに道路を横断してはならない。
(横断の禁止の場所)
第十三条
1 歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。
2 歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。
(歩行者用道路等の特例)
第十三条の二
 歩行者用道路又はその構造上車両等が入ることができないこととなつている道路を通行する歩行者については、第十条から前条までの規定は、適用しない。
(目が見えない者、幼児等の保護)
第十四条
1 目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
2 目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び政令で定める程度の身体の障害のある者を除く。)は、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める用具を付けた犬を連れて道路を通行してはならない。
3 児童(六歳以上十三歳未満の者をいう。以下同じ。)若しくは幼児(六歳未満の者をいう。以下同じ。)を保護する責任のある者は、交通のひんぱんな道路又は踏切若しくはその附近の道路において、児童若しくは幼児に遊戯をさせ、又は自ら若しくはこれに代わる監護者が付き添わないで幼児を歩行させてはならない。
4 児童又は幼児が小学校又は幼稚園に通うため道路を通行している場合において、誘導、合図その他適当な措置をとることが必要と認められる場所については、警察官等その他その場所に居合わせた者は、これらの措置をとることにより、児童又は幼児が安全に道路を通行することができるようにつとめなければならない。
(通行方法の指示)
第十五条
 警察官等は、第十条、第十二条又は第十三条の規定に違反して道路を通行している歩行者に対し、当該各条に規定する通行方法によるべきことを指示することができる。 03(罰則 第百二十一条第一項第四号)
第三章 車両及び路面電車の交通方法
 第一節 通則
(通則)
第十六条
1 道路における車両及び路面電車の交通方法については、この章の定めるところによる。
2 この章の規定の適用については、自動車又は原動機付自転車により他の車両を牽引する場合における当該牽引される車両は、その牽引する自動車又は原動機付自転車の一部とする。
3 この章の規定のうち交差点における交通に係る規定は、本線車道を通行している自動車については、適用しない。
4 この章の規定の適用については、自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする。
(通行区分)
第十七条
1 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
3 二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
一 当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
二 当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
三 当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
四 当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)
五 勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。
6 車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。03(罰則 第一項から第四項まで及び第六項については第百十九条第一項第二号の二)
(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二
1 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。  03(罰則 第二項については第百二十一条第一項第五号)
(左側寄り通行等)
第十八条
1 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
2 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。 03(罰則 第二項については第百十九条第一項第二号の二)
(軽車両の並進の禁止)
第十九条
 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。  03(罰則 第百二十一条第一項第五号)
(車両通行帯)
第二十条
1 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
3 車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項若しくは第三十四条第一項から第五項までの規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。 03(罰則 第百二十条第一項第三号、同条第二項)
(路線バス等優先通行帯)
第二十条の二
1  道路運送法第三条第一号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する自動車その他の政令で定める自動車(以下この条において「路線バス等」という。)の優先通行帯であることが道路標識等により表示されている車両通行帯が設けられている道路においては、自動車(路線バス等を除く。以下この条において同じ。)は、路線バス等が後方から接近してきた場合に当該道路における交通の混雑のため当該車両通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならず、また、当該車両通行帯を通行している場合において、後方から路線バス等が接近してきたときは、その正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに当該車両通行帯の外に出なければならない。ただし、この法律の他の規定により通行すべきこととされている道路の部分が当該車両通行帯であるとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
2 前条第一項本文の規定は、前項の車両通行帯の直近の右側の車両通行帯又は道路の部分を通行する自動車については、適用しない。  03(罰則 第一項については第百二十条第一項第三号、同条第二項)
(軌道敷内の通行)
第二十一条
1 車両(トロリーバスを除く。以下この条及び次条第一項において同じ。)は、左折し、右折し、横断し、若しくは転回するため軌道敷を横切る場合又は危険防止のためやむを得ない場合を除き、軌道敷内を通行してはならない。
2 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、軌道敷内を通行することができる。この場合において、車両は、路面電車の通行を妨げてはならない。
一 当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
二 当該車両が、道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分を通行することができないとき。
三 道路標識等により軌道敷内を通行することができることとされている自動車が通行するとき。
3 軌道敷内を通行する車両は、後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか、又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。 03(罰則 第百二十一条第一項第五号)
 第二節 速度
(最高速度)
第二十二条
1 車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
2 路面電車又はトロリーバスは、軌道法(大正十年法律第七十六号)第十四条(同法第三十一条において準用する場合を含む。第六十二条において同じ。)の規定に基づく命令で定める最高速度をこえない範囲で道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては当該命令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。 03(罰則 第百十八条第一項第二号、同条第二項)
(最低速度)
第二十三条
 自動車は、道路標識等によりその最低速度が指定されている道路(第七十五条の四に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。
(急ブレーキの禁止)
第二十四条
 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。 03(罰則 第百十九条第一項第一号の三)
 第三節 横断等
(道路外に出る場合の方法)
第二十五条
1 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
2 車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。
3 道路外に出るため左折又は右折しようとする車両が、前二項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。  03(罰則 第一項及び第二項については第百二十一条第一項第五号 第三項については第百二十条第一項第二号)
(横断等の禁止)
第二十五条の二
1 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
2 車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない。  03(罰則
第一項については第百十九条第一項第二号の二 第二項については第百二十条第一項第四号、同条第二項)
 第四節 追越し等
(車間距離の保持)
第二十六条
 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。 03(罰則 第百二十条第一項第二号)
(進路の変更の禁止)
第二十六条の二
1 車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
3 車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示こえて進路を変更してはならない。
一 第四十条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二 第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかった車両通行帯を通行の区分に関する規定に従って通行しようとするとき。  03(罰則 第二項については第百二十条第一項第二号 第三項については第百二十条第一項第三号、同条第二項)
(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第二十七条
1 車両(道路運送法第三条第一号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業又は同条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
2 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。  03(罰則 第百二十条第一項第二号)
(追越しの方法)
第二十八条
1 車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
2 車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が第二十五条第二項又は第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央又は右側端に寄つて通行しているときは、前項の規定にかかわらず、その左側を通行しなければならない。
3 車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。
4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。 03(罰則 第百十九条第一項第二号の二)
(追越しを禁止する場合)
第二十九条
 後車は、前車が他の自動車又はトロリーバスを追い越そうとしているときは、追越しを始めてはならない。 02(罰則 第百十九条第一項第二号の二)
(追越しを禁止する場所)
第三十条
 車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
一 道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂
二 トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
三 交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分03(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
(停車中の路面電車がある場合の停止又は徐行)
第三十一条
 車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり、又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。ただし、路面電車は乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき、又は当該路面電車に乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から一・五メートル以上の間隔を保つことができるときは、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。 03(罰則 第百十九条第一項第二号の二)
(乗合自動車の発進の保護)
第三十一条の二
 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。 03(罰則 第百二十条第一項第二号)
(割込み等の禁止)
第三十二条
 車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはならない。 03(罰則 第百二十条第一項第二号)
 第五節 踏切の通過
(踏切の通過)
第三十三条
1 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
2 車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報器が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
3 車両等の運転者は、故障その他の理由により踏切において当該車両等を運転することができなくなつたときは、直ちに非常信号を行なう等踏切に故障その他の理由により停止している車両等があることを鉄道若しくは軌道の係員又は警察官に知らせるための措置を講ずるとともに、当該車両等を踏切以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。03(罰則 第一項及び第二項については第百十九条第一項第二号、同条第二項)
 第六節 交差点における通行方法等
(左折又は右折)
第三十四条
1 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
3 軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
4 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第二項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
5 原動機付自転車は、第二項及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が三以上設けられているその他の道路(以下この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。
6 左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。 03(罰則 第一項から第五項までについては第百二十一条第一項第五号 第六項については第百二十条第一項第二号)
(指定通行区分)
第三十五条
1 車両(軽車両及び右折につき原動機付自転車が前条第五項本文の規定によることとされる交差点において左折又は右折をする原動機付自転車を除く。)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、前条第一項、第二項及び第四項の規定にかかわらず、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。ただし、第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない。
2 前条第六項の規定は、車両が前項の通行の区分に従い通行するため進路を変更しようとして手又は方向指示器による合図をした場合について準用する。 03(罰則 第一項については第百二十条第一項第三号、同条第二項 第二項については第百二十条第一項第二号)
(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
1 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
一 車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
二 路面電車である場合 交差道路を左方から進行してくる路面電車
2 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
3 車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。 03(罰則 第一項については第百二十条第一項第二号 第二項から第四項までについては第百十九条第一項第二号の二)
第三十七条
 車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。 03(罰則 第百二十条第一項第二号)
 第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法
(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条
1 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。 03(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)
第三十八条の二
 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。 03(罰則 第百十九条第一項第二号の二)
 第七節 緊急自動車等
(緊急自動車の通行区分等)
第三十九条
1 緊急自動車(消防自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第十七条第五項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第四項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
2 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。
(緊急自動車の優先)
第四十条
1 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。 03(罰則
第百二十条第一項第二号)
(緊急自動車等の特例)
第四十一条
1 緊急自動車については、第八条第一項、第十七条第六項、第十八条、第二十条第一項及び第二項、第二十条の二、第二十五条第一項及び第二項、第二十五条の二第二項、第二十六条の二第三項、第二十九条、第三十条、第三十四条第一項、第二項及び第四項、第三十五条第一項並びに第三十八条第一項前段及び第三項の規定は、適用しない。
2 前項に規定するもののほか、第二十二条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない。
3 もつぱら交通の取締りに従事する自動車で総理府令で定めるものについては、第十八条第一項、第二十条第一項及び第二項、第二十条の二並びに第二十五条の二第二項の規定は、適用しない。
4 政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車(専ら道路の維持、修繕等のために使用する自動車で政令で定めるものをいう。以下第七十五条の九において同じ。)については、第十七条第四項及び第六項、第十八条第一項、第二十条第一項及び第二項、第二十条の二、第二十三条並びに第二十五条の二第二項の規定は、適用しない。
(消防用車両の優先等)
第四十一条の二
1 交差点又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下この条において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあつては、緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。
2 前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。
3 第三十九条の規定は、消防用車両について準用する。
4 消防用車両については、第八条第一項、第十七条第六項、第十八条、第二十条第一項及び第二項、第二十五条第一項及び第二項、第二十五条の二第二項、第二十六条の二第三項、第二十九条、第三十条、第三十四条第一項から第五項まで、第三十五条第一項、第三十八条第一項前段及び第三項、第四十条第一項、第六十三条の六並びに第六十三条の七の規定は、適用しない。 03(罰則 第一項及び第二項については第百二十条第一項第二号)
 第八節 徐行及び一時停止
(徐行すべき場所)
第四十二条
 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)
二 道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。 03(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
(指定場所における一時停止)
第四十三条
 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。03(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
 第九節 停車及び駐車
(停車及び駐車を禁止する場所)
第四十四条
  車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するときは、この限りでない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
二 交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分
三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分 03(罰則 第百十九条の二第一項第一号、同条第二項、第百十九条の三第一項第一号、同条第二項)
(駐車を禁止する場所)
第四十五条
1 車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
一 人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二 道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三 消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五 火災報知機から一メートル以内の部分
2 車両は、第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場合においては、駐車してはならない。ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。
3 公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては、前項本文の規定は、適用しない。 03(罰則 第一項及び第二項については第百十九条の二第一項第一号、同条第二項、第百十九条の三第一項第一号、同条第二項)
(停車又は駐車を禁止する場所の特例)
第四十六条
 車両は、第四十四条又は前条第一項の規定による停車及び駐車を禁止する道路の部分又は駐車を禁止する道路の部分の一部について、道路標識等により停車又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
(停車又は駐車の方法)
第四十七条
1 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3 車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。 03(罰則 第一項については第百十九条の三第一項第四号 第二項及び第三項については第百十九条の二第一項第二号、第百十九条の三第一項第四号)
(停車又は駐車の方法の特例)
第四十八条
 車両は、道路標識等により停車又は駐車の方法が指定されているときは、前条の規定にかかわらず、当該方法によつて停車し、又は駐車しなければならない。 03(罰則 第百十九条の二第一項第一号、同条第二項、第百十九条の三第一項第一号、同条第二項)
(時間制限駐車区間)
第四十九条
1 公安委員会は、時間を限つて同一の車両が引き続き駐車することができる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間(以下「時間制限駐車区間」という。)について、当該時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するため、パーキング・メーター(総理府令で定める機能を有するものに限る。以下同じ。)を設置し、及び管理するものとする。
2 公安委員会は、時間制限駐車区間について、道路の構造その他道路又は交通の状況から判断してパーキング・メーターを設置することが適当でないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、パーキング・チケット(総理府令で定める様式の標章であつて、発給を受けた時刻その他総理府令で定める事項を表示するものをいう。以下同じ。)を発給するための設備で総理府令で定める機能を有するもの(以下「パーキング・チケット発給設備」という。)を設置し、及び管理することができる。
3 前二項に定めるもののほか、公安委員会は、時間制限駐車区間において駐車しようとする車両の運転者に対する情報の提供、時間制限駐車区間において駐車する車両の整理その他時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するために必要な措置を講じなければならない。
4 公安委員会は、第一項のパーキング・メーター及び第二項のパーキング・チケット発給設備の管理に関する事務並びに前項に規定する措置に関する事務の全部又は一部を総理府令で定める者に委託することができる。
(時間制限駐車区間における駐車の方法等)
第四十九条の二
1 時間制限駐車区間における車両の駐車(乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において運行時間を調整するため駐車する場合における当該乗合自動車又はトロリーバスの駐車を除く。)については、第四十四条から第四十八条までの規定にかかわらず、次項から第四項までに定めるところによる。
2 車両は、時間制限駐車区間においては、当該駐車につき前条第一項のパーキング・メーターが車両を感知した時又は同条第二項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた時から、それぞれ道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車してはならない。
3 車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない。
4 車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、政令で定めるところにより、前条第一項のパーキング・メーターを直ちに作動させ、又は同条第二項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間(当該パーキング・チケットの発給を受けた時から道路標識等により表示されている時間を経過する時までの間に限る。)、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない。
5 警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所及び駐車の方法並びに駐車を開始することができる時刻及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両及びその運転者については、前三項の規定は適用しない。この場合において、車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。 03(罰則 第二項及び第五項後段については第百十九条の三第一項第一号、同条第二項 第三項については第百十九条の二第一項第一号、同条第二項、第百十九条の三第一項第一号、同条第二項 第四項については第百十九条の三第一項第三号、同条第二項)
(時間制限駐車区間における停車の特例)
第四十九条の三
 車両は、前条第三項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の第四十四条各号に掲げる道路の部分においては、同条の規定にかかわらず、停車することができる。
(時間制限駐車区間の路上駐車場に関する特例)
第四十九条の四
1 時間制限駐車区間に駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第五条第一項の規定により同法第二条第一号に規定する路上駐車場(以下この条及び第百十条の二において「路上駐車場」という。)が設置されている場合における当該路上駐車場に係る道路の部分については、第四十九条の規定は適用しない。
2 時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、駐車場法第六条第一項に規定する路上駐車場管理者によりパーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されているものについては、当該パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備を第四十九条第一項のパーキング・メーター又は同条第二項のパーキング・チケット発給設備とみなして、第四十九条の二の規定を適用する。
3 時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、パーキング・メーター又はパーキング・チケット発給設備が設置されていないものについては、第四十九条の二の規定は適用しない。
(交差点等への進入禁止)
第五十条
1 交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。
2 車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。  03(罰則 第百二十条第一項第五号、同条第二項)
(違法停車に対する措置)
第五十条の二
 車両(トロリーバスを除く。以下第五十一条の二まで及び第五十一条の四において同じ。)が第四十四条、第四十七条第一項若しくは第三項又は第四十八条の規定に違反して停車していると認められるときは、警察官等は、当該車両の運転者に対し、当該車両の停車の方法を変更し、又は当該車両を当該停車が禁止されている場所から移動すべきことを命ずることができる。 03(罰則 第百十九条第一項第三号)
(違法駐車に対する措置)
第五十一条
1 車両が第四十四条、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条若しくは第四十九条の二第二項、第三項若しくは第五項後段の規定に違反して駐車していると認められるとき又は第四十九条第二項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の二第四項の規定に違反していると認められるとき(次条第一項において「違法駐車と認められる場合」という。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条及び第五十一条の三において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
2 車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
3 第一項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、当該車両の所有者又は使用者(以下第五十一条の三までにおいて「所有者等」という。)に対して、直ちに当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべき旨又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべき旨及びこれらの措置を執つたときは速やかに当該警察官等又は当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその事実を申告すべき旨を告知する総理府令で定める標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けることができる。この場合において、警察官等は、当該警察署長にその採つた措置について報告しなければならない。
4 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、前項の規定により車両に取り付けられた標章を取り除かなければならない。
一 前項の警察官等又は警察署長が当該車両の所有者等から同項の規定による告知に係る措置を執つた旨の申告を受けた場合においてその事実を確認したとき。 当該警察官等又は警察署長
二 警察官等が当該車両につき第六項の規定による措置を採り、又は同項の規定による移動を行つたとき。 当該警察官等
三 警察署長が当該車両につき第八項の規定による移動を行つたとき。 当該警察署長
5 何人も、第三項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、前項の規定による場合を除き、これを取り除いてはならない。
6 第三項に規定する場合における当該車両については、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置を採り、又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
7 前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
8 前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第六項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
9 警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
10 警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の所有者等に対し、保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知し、その他当該車両を所有者等に返還するため必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両の所有者等の氏名及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
11 警察署長は、第九項の規定により保管した車両につき、前項後段の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。
12 警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる。
13 第十一項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
14 第二項、第六項又は第八項から第十項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等又は所有者等の負担とする。
15 警察署長は、前項の規定により運転者等又は所有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。
16 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
17 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
18 納付され又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
19 第十項後段の規定による公示の日から起算して六月を経過してもなお第九項の規定により保管した車両(第十一項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
20 警察署長は、第十一項の規定による車両(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却、第十二項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を運輸大臣又は同法第百五条第一項若しくは第二項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
21 第九項から第十九項までの規定は、第九項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において、第十項中「所有者等に対し」とあるのは「所有者、占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し」と、第十一項中「前項後段」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は前項後段」と、「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と、第十四項中「第二項、第六項又は第八項から第十項までの規定による車両の移動、」とあるのは「第九項又は第十項の規定による」と、「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と、第十五項中「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と読み替えるものとする。 03(罰則 第一項については第百十九条第一項第三号第五項については第百二十一条第一項第九号)
第五十一条の二
1 公安委員会は、違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為(以下この条において「違法駐車行為」という。)が常態として行われている道路の区間であつて、次項の規定による車輪止め装置の取付けの措置によつて違法駐車行為の防止を図ることが適当なものを、車輪止め装置取付け区間として指定することができる。この場合において、公安委員会は、総理府令で定めるところにより、当該指定に係る道路の区間に、当該区間が車輪止め装置取付け区間である旨の表示をしなければならない。
2 警察署長は、道路又は交通の状況から判断して車輪止め装置取付け区間における違法駐車行為を防止するためやむを得ないと認めるときは、当該区間における違法駐車行為に係る車両に車輪止め装置を取り付けることができる。
3 次に掲げる車両には、前項の規定にかかわらず、車輪止め装置を取り付けてはならない。
一 前条第一項の規定による命令をすることができる場合における当該命令に係る車両
二 第七項の規定により警察署長が車輪止め装置を取り除いた車両であつて、取り除いた時から四時間を経過していないもの(当該取り除いた時から当該車両について同一の違法駐車行為が継続しているものに限る。)
4 警察署長は、第二項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けるときは、総理府令で定めるところにより、あらかじめ、車両に車輪止め装置を取り付ける旨の広報をするように努めるものとする。
5 警察署長は、第二項の規定により車両に車輪止め装置を取り付けたときは、当該車両の見やすい箇所に、当該車両を移動しようとする者はその旨を当該警察署長に申告して当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除く措置を受けることができることその他の総理府令で定める事項を記載した標章を取り付けなければならない。
6 警察署長は、第二項の規定により車輪止め装置を取り付けた車両の所有者等その他の関係者であつて当該車両を移動しようとするものからその旨の申告を受けたときは、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
7 前項に定めるもののほか、警察署長は、第二項の規定による車両への車輪止め装置の取付けを開始した時から二十四時間を経過するまでに、当該車両に取り付けた車輪止め装置を取り除かなければならない。
8 第六項に定めるもののほか、警察署長は、第二項のやむを得ないと認める事情がなくなつたと認めるとき又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要が生じたときは、同項の規定により車両に取り付けた車輪止め装置を取り除くものとする。
9 警察署長は、第二項の規定により取り付けた車輪止め装置を取り除くときは、第五項の規定により当該車両に取り付けた標章を取り除かなければならない。
10 何人も、第二項の規定により車両に取り付けられた車輪止め装置を破損し、第五項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又は警察署長が取り除く場合を除き、これらを取り除いてはならない。
11 第五項の標章の様式その他同項の標章に関し必要な事項は、総理府令で定める。 03(罰則 第十項については第百十七条の三第二号の二、第百二十一条第一項第九号)
(指定車両移動保管機関)
第五十一条の三
1 警察署長は、第五十一条第八項及び第九項(同条第二十一項において準用する場合を含む。)の規定による車両(積載物を含む。以下この条において同じ。)の移動及び保管に係る事務(警察署長が同条第八項の規定により移動すべきものとして指示した車両の移動及び保管に係るものに限る。以下「車両移動保管事務」という。)の全部又は一部を、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして公安委員会があらかじめ指定する者(以下「指定車両移動保管機関」という。)に行わせることができる。
2 公安委員会は、指定車両移動保管機関の財産の状況又はその事務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定車両移動保管機関に対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
3 公安委員会は、指定車両移動保管機関が前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。
4 指定車両移動保管機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、車両移動保管事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 車両移動保管事務に従事する指定車両移動保管機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
6 指定車両移動保管機関が車両移動保管事務を行つたときは、当該車両の運転者等又は所有者等は、実費を勘案して都道府県公安委員会規則で定める額の負担金を当該指定車両移動保管機関に、その定める期限までにその定める場所において納付しなければならない。
7 指定車両移動保管機関は、前項の車両の運転者等又は所有者等が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、指定車両移動保管機関は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料の納付を求めることができる。
8 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、指定車両移動保管機関は、警察署長に対し、その徴収を申請することができる。
9 警察署長は、前項の規定による負担金等の徴収の申請があつたときは、地方税の滞納処分の例により負担金等を徴収するものとする。この場合においては、指定車両移動保管機関は、警察署長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該警察署の属する都道府県に納付しなければならない。
10 第五十一条第十項から第十四項まで、第十七項後段、第十八項及び第十九項(これらの規定を同条第二十一項において準用する場合を含む。)並びに第二十項の規定は、指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に関して準用する。この場合において、同条第十四項中「第二項、第六項又は第八項」とあるのは「第八項」と、同条第十七項後段中「負担金等」とあるのは「第五十一条の三第八項の負担金等」と、同条第十八項中「負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする」とあるのは「第五十一条の三第八項の負担金等は、当該指定車両移動保管機関の収入とする」と、同条第二十項中「政令で定めるところにより」とあるのは「当該警察署長に対し」と、「嘱託しなければならない」とあるのは「嘱託するよう申請しなければならない。この場合において、警察署長は、政令で定めるところにより、当該申請に係る登録をこれらの者に嘱託しなければならない」と読み替えるものとする。
11 指定車両移動保管機関は、前項において準用する第五十一条第十一項及び第十二項(同条第二十一項において準用する場合を含む。)の規定により車両を売却し、又は廃棄しようとするときは、政令で定めるところにより、警察署長の承認を受けなければならない。
12 負担金等の請求権は、五年間行わない場合においては、時効により消滅する。
13 第七項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
14 指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に係る処分については、公安委員会に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
15 前各項に定めるもののほか、指定車両移動保管機関及びその行う車両移動保管事務に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。 03(罰則 第四項については第百十七条の三第三号)
(放置車両に係る指示)
第五十一条の四
 車両の運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により車両が第四十四条、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条若しくは第四十九条の二第三項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は車両がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。以下この条及び第七十五条第一項において「放置行為」という。)をし、当該車両につき、第五十一条第三項、第六項若しくは第八項又は第五十一条の二第二項の規定による措置(前条第一項の規定による移動を含む。)が採られた場合において、当該放置行為に係る車両(以下「放置車両」という。)の使用者(当該放置車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)が当該放置車両につき放置行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該放置車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ目的地において駐車する場所について運転者に指導又は助言を行うことその他車両の使用の態様に応じ放置行為を防止するために必要な措置を採ることを指示することができる。
 第十節 灯火及び合図
(車両等の燈火)
第五十二条
1 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照燈、車幅燈、尾燈その他の燈火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、燈火を消し、燈火の光度を減ずる等燈火を操作しなければならない。03(罰則 第一項については第百二十条第一項第五号、同条第二項 第二項については第百二十条第一項第八号、同条第二項)
(合図)
第五十三条
1 車両(自転車以外の軽車両を除く。第三項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は燈火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
2 前項の合図を行なう時期及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
3 車両の運転者は、第一項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、同項に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。  03(罰則 第一項及び第三項については第百二十条第一項第八号、同条第二項)
(警音器の使用等)
第五十四条
1 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。 03(罰則第一項については第百二十条第一項第八号、同条第二項 第二項については第百二十一条第一項第六号)
 第十一節 乗車、積載及び牽引
(乗車又は積載の方法)
第五十五条
1 車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。ただし、もつぱら貨物を運搬する構造の自動車(以下次条及び第五十七条において「貨物自動車」という。)で貨物を積載しているものにあつては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。
2 車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動燈、尾燈若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
3 車両に乗車する者は、当該車両の運転者が前二項の規定に違反することとなるような方法で乗車をしてはならない。 03(罰則 第一項及び第二項については第百二十条第一項第十号、第百二十三条 第三項については第百二十一条第一項第六号)
(乗車又は積載の方法の特例)
第五十六条
1 車両の運転者は、当該車両の出発地を管轄する警察署長(以下第五十八条までにおいて「出発地警察署長」という。)が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載の場所を指定して許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該車両の乗車又は積載のために設備された場所以外の場所で指定された場所に積載して車両を運転することができる。
2 貨物自動車の運転者は、出発地警察署長が道路又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限つて許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。
(乗車又は積載の制限等)
第五十七条
1 車両(軽車両を除く。以下この項及び第五十八条の二から第五十八条の五までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。ただし、第五十五条第一項ただし書の規定により、又は前条第二項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあつては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
2 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員又は積載重量等の制限について定めることができる。
3 貨物が分割できないものであるため第一項の政令で定める積載重量等の制限又は前項の規定に基づき公安委員会が定める積載重量等を超えることとなる場合において、出発地警察署長が当該車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載重量等を限つて許可をしたときは、車両の運転者は、第一項又は前項の規定にかかわらず、当該許可に係る積載重量等の範囲内で当該制限を超える積載をして車両を運転することができる。 03(罰則 第一項については第百十八条第一項第二号の二、第百十九条第一項第三号の二、第百二十条第一項第十号の二、第百二十三条 第二項については第百二十一条第一項第七号、第百二十三条)
(制限外許可証の交付等)
第五十八条
1 出発地警察署長は、第五十六条又は前条第三項の規定による許可(以下この条において「制限外許可」という。)をしたときは、許可証を交付しなければならない。
2 前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る車両の運転中、当該許可証を携帯していなければならない。
3 制限外許可を与える場合において、必要があると認めるときは、出発地警察署長は、政令で定めるところにより、当該許可に危険を防止するため必要な条件を付することができる。
4 第一項の許可証の様式その他制限外許可の手続について必要な事項は、総理府令で定める。 03(罰則 第三項については第百二十一条第一項第八号、第百二十三条)
(積載物の重量の測定等)
第五十八条の二
 警察官は、第五十七条第一項の積載物の重量の制限を超える積載をしていると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証(道路運送車両法第六十条の自動車検査証をいう。第六十三条第一項において同じ。)その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の積載物の重量を測定することができる。 03(罰則 第百十九条第一項第三号の三)
(過積載車両に係る措置命令)
第五十八条の三
1 警察官は、過積載(車両に積載をする積載物の重量が第五十七条第一項の制限に係る重量(同条第三項の規定による許可に係る積載物については、当該許可に係る重量)を超える場合における当該積載をいう。以下同じ。)をしている車両の運転者に対し、当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
2 警察官は、前項の規定による命令によつては車両に係る積載が過積載とならないようにすることができないと認められる場合において、当該車両に係る過積載の程度及び道路又は交通の状況を勘案して当該車両を警察官が指示した事項を遵守して運転させることに支障がないと認めるときは、当該車両の運転者に対し、第五十七条第一項の規定にかかわらず、車両の通行の区間及び経路、道路における危険を防止するためにとるべき必要な措置その他の事項であつて警察官が指示したものを遵守して当該車両を運転し、及び当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な措置をとることを命ずることができる。この場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、通行指示書を交付しなければならない。
3 前項の規定により通行指示書の交付を受けた車両の運転者は、同項の規定による命令に係る運転に当たつては、当該通行指示書を携帯していなければならない。
4 第二項の通行指示書の様式その他同項の通行指示書に関し必要な事項は、総理府令で定める。 03(罰則 第一項及び第二項については第百十九条第一項第三号の四)
(過積載車両に係る指示)
第五十八条の四
 前条第一項又は第二項の規定による命令がされた場合において、当該命令に係る車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)が当該車両に係る過積載を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ車両の積載物の重量を確認することを運転者に指導し又は助言することその他車両に係る過積載を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
(過積載車両の運転の要求等の禁止)
第五十八条の五
1 第七十五条第一項に規定する使用者等以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。
二 車両の運転者に対し、当該車両への積載が過積載となるとの情を知りながら、第五十七条第一項の制限に係る重量を超える積載物を当該車両に積載をさせるため売り渡し、又は当該積載物を引き渡すこと。
2 警察署長は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、総理府令で定めるところにより、当該行為をした者に対し、同項の規定に違反する行為をしてはならない旨を命ずることができる。03(罰則 第二項については第百十八条第一項第二号の三、第百二十三条)
(自動車の牽引制限)
第五十九条
1 自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によって牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
2 自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動二輪車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車によって牽引するときは一台を超える車両を、その他の自動車によって牽引するときは二台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が二台のときは二台目の車両の後端)までの長さが二十五メートルを超えることとなるときは、牽引してはならない。ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限って牽引の許可をしたときは、この限りでない。
3 前項ただし書の規定による許可をしたときは、公安委員会は、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定により許可証の交付を受けた自動車の運転者は、当該許可に係る牽引中、当該許可証を携帯していなければならない。  03(罰則
第一項及び第二項については第百二十条第一項第十号、第百二十三条)
(自動車以外の車両の牽引制度)
第六十条
 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、自動車以外の車両によってする牽引の制限について定めることができる。 03(罰則 第百二十一条第一項第七号、第百二十三条)
(危険防止の措置)
第六十一条
 警察官は、第五十八条の三第一項及び第二項の規定による場合のほか、車両等の乗車、積載又は牽引について危険を防止するため特に必要があると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、危険を防止するため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。 03(罰則 第百十九条第一項第四号)
 第十二節 整備不良車両の運転の禁止等
(整備不良車両の運転の禁止)
第六十二条
 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章若しくはこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百十四条第二項の規定による防衛庁長官の定め。以下同じ。)又は軌道法第十四条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第一項において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。 03(罰則 第百十九条第一項第五号、同条第二項、第百二十条第一項第八号の二、同条第二項、第百二十三条)
(車両の検査等)
第六十三条
1 警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の装置について検査をすることができる。
2 前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
3 前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度及び道路又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間及び通行の経路を指定し、その他道路における危険又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
4 警察官は、第二項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章をはりつけなければならない。
5 警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
6 警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、総理府令・運輸省令で定める事項を通知しなければならない。
7 第四項の規定によりはりつけられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、総理府令・運輸省令で定める手続により、もよりの警察署の警察署長又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
8 第三項の許可証の様式、第四項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式及び同項の標章の様式は、総理府令・運輸省令で定める。
 03(罰則 第一項については第百十九条第一項第六号 第二項については第百十九条第一項第七号 第七項については第百二十一条第一項第九号)
(運行記録計による記録等)
第六十三条の二
1 自動車の使用者その他自動車の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、道路運送車両法第三章又はこれに基づく命令の規定により運行記録計を備えなければならないこととされている自動車で、これらの規定により定められた運行記録計を備えていないか、又は当該運行記録計についての調整がされていないためこれらの規定により定められた事項を記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
2 前項の運行記録計を備えなければならないこととされている自動車の使用者は、運行記録計により記録された当該自動車に係る記録を、総理府令で定めるところにより一年間保存しなければならない。 03(罰則 第百二十一条第一項第九号の二、第百二十三条)
 第十三節 自転車の交通方法の特例
(自転車道の通行区分)
第六十三条の三
 車体の大きさ及び構造が総理府令で定める基準に適合する二輪又は三輪の自転車で、他の車両を牽引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場 合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。03(罰則 第百二十一条第一項第五号)
(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
1 普通自転車は、第十七条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により通行することができることとされている歩道を通行することができる。
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。 03(罰則 第二項については第百二十一条第一 項第五号)
(普通自転車の並進)
第六十三条の五
 普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、第十九条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。ただし、普通自転車が三台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。
(自転車の横断の方法)
第六十三条の六
 自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七
1 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項並びに第三十四条第一項及び第三項の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
2 普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
(自転車の通行方法の指示)
第六十三条の八
 警察官等は、第六十三条の六若しくは前条第一項の規定に違反して通行している自転車の運転者に対し、これらの規定に定める通行方法により当該自転車を通行させ、又は同条第二項の規定に違反して通行している普通自転車の運転者に対し、当該普通自転車を歩道により通行させるべきことを指示することができる。 03(罰則 第百二十一条第一項第四号)
(自転車の制動装置等)
第六十三条の九
1 自転車の運転者は、総理府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
2 自転車の運転者は、夜間(第五十二条第一項後段の場合を含む。)、総理府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。ただし、第五十二条第一項前段の規定により尾燈をつけている場合は、この限りでない。 03(罰則 第一項につ いては第百二十条第一項 第八号の二、同条第二項)
第四章 運転者及び使用者等の義務
 第一節 運転者の義務
(無免許運転の禁止)
第六十四条
 何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第九十条第三項、第百三条第二項若しくは第四項又は第百三条の二第一項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。 03(罰則 第百十八条第一項第一号)
(酒気及び運転等の禁止)
第六十五条
1 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。 03(罰則 第一項については第百十七条の二第一号、第百十九条第一項第七号の二)
(過労運転等の禁止)
第六十六条
 何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。 03(罰則 第百七条の二第一号の二、第百十八条第一項第三号)
(危険防止の措置)
第六十七条
1 警察官は、車両等の運転者が第六十四条、第六十五条第一項、前条又は第八十五条第五項若しくは第六項の規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
2 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
3 前二項の場合において、当該車両等の運転者が第六十四条、第六十五条第一項、前条又は第八十五条第五項若しくは第六項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあるときは、警察官は、その者が正常な運転ができる状態になるまで車両等の運転をしてはならない旨を指示する等道路における交通の危険を防止するため必要な応急の措置をとることができる。03(罰則 第一項については第百十九条第一項第八号 第二項については第百二十条第一項第十一号)
(共同危険行為等の禁止)
第六十八条
 二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼす行為をしてはならない。 03(罰則 第百十八条第一項第三号の二)
第六十九条
 削除
(安全運転の義務)
第七十条
 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。 03(罰則 第百十九条第一項第九号、同条第二項)
(運転者の遵守事項)
第七十一条
 車両等の運転者は、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
一 ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器をつけ、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
二 身体障害者用の車いすが通行しているとき、目が見えない者が第十四条第一項の規定に基づく政令で定めるつえを携え、若しくは同項の規定に基づく政令で定める盲導犬を連れて通行しているとき、耳が聞こえない者若しくは同条第二項の規定に基づく政令で定める程度の身体の障害のある者が同項の規定に基づく政令で定めるつえを携えて通行しているとき、又は監護者が付き添わない児童若しくは幼児が歩行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行又は歩行を妨げないようにすること。
二の二 児童、幼児等の乗降のため、政令で定めるところにより停車している通学通園バス(もつぱら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること。
三 道路の左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合において、当該安全地帯に歩行者がいるときは、徐行すること。
四 乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行なう等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している者の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。
四の二 車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講ずること。
四の三 安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること。
五 車両等を離れるときは、その原動機をとめ、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。
五の二 自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。
五の三 正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと。
五の四 自動車を運転する場合において、第七十一条の五に規定する者又は第八十四条第二項に規定する仮運転免許を受けた者が表示自動車(第七十一条の五又は第八十七条第三項に規定する標識を付けた普通自動車をいう。以下この号において同じ。)を運転しているときは、危険防止のためやむを得ない場合を除き、進行している当該表示自動車の側方に幅寄せをし、又は当該自動車が進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる表示自動車が当該自動車との間に第二十六条に規定する必要な距離を保つことができないこととなるときは進路を変更しないこと。
六 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項 03(罰則 第一号、第四号から第五号まで、第五号の四及び第六号については第百二十条第一項第九号 第二号から第三号までについては第百十九条第一項第九号の二)
(自動車等の運転者の遵守事項)
第七十一条の二
 自動車又は原動機付自転車(これらのうち総理府令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第四十一条第十一号又は第四十四条第八号に規定する消音器を備えていない自動車又は原動機付自転車(当該消音器を切断したものその他の消音器の機能に著しい支障を及ぼす改造等で総理府令で定めるものを加えた当該消音器を備えている自動車又は原動機付自転車を含む。)を運転してはならない。 03(罰則 第百二十一条第一項第六号)
(自動車の運転者の遵守事項)
第七十一条の三
1 自動車の運転者は、道路運送車両法第三章又はこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルト(以下「座席ベルト」という。)を装着しないで自動車を運転してはならない。ただし、疾病等のため座席ベルトを装着することが適当でない者が自動車を運転するとき、第三十九条第一項に規定する緊急自動車の運転に従事する者が当該自動車を運転するとき、その他の政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
2 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席の横の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る。以下この条において同じ。)に乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病等のため座席ベルトを装着させることが適当でない者を当該乗車装置に乗車させるとき、その他の政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
3 自動車の運転者は、他の者を運転者席の横の乗車装置以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転するときは、その者に座席ベルトを装着させるように努めなければならない。
(大型自動二輪車等の運転者の遵守事項)
第七十一条の四
1 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。
2 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。
3 大型自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)又は普通自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ。)の運転者は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転してはならない。
4 第八十四条第三項の大型自動二輪車免許を受けた者で、当該大型自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(同項の普通自動二輪車免許を現に受けており、かつ、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年以上である者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転してはならない。
5 第八十四条第三項の普通自動二輪車免許を受けた者(同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く。)で、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に自動二輪免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならない。
6 第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は、総理府令で定める。03(罰則 第三項から第五項までについては第百二十条第一項第九号)
(初心運転者標識の表示義務)
第七十一条の五
 第八十四条第三項の普通自動車免許を受けた者で、当該普通自動車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に普通自動車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、総理府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に総理府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。 03(罰則 第百二十一条第一項第九号の三、同条第二項)
 第二節 交通事故の場合の措置等
(交通事故の場合の措置)
第七十二条
1 車両等の交通による人の死傷又は物の損壊(以下「交通事故」という。)があつたときは、当該車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
2 前項後段の規定により報告を受けたもよりの警察署の警察官は、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止するため必要があると認めるときは、当該報告をした運転者に対し、警察官が現場に到着するまで現場を去つてはならない旨を命ずることができる。
3 前二項の場合において、現場にある警察官は、当該車両等の運転者等に対し、負傷者を救護し、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な指示をすることができる。
4 緊急自動車若しくは傷病者を運搬中の車両又は郵便物運搬用自動車、乗合自動車、トロリーバス若しくは路面電車で当該業務に従事中のものの運転者は、当該業務のため引き続き当該車両等を運転する必要があるときは、第一項の規定にかかわらず、その他の乗務員に第一項前段に規定する措置を講じさせ、又は同項後段に規定する報告をさせて、当該車両等の運転を継続することができる。 03(罰則 第一項前段については第百十七条、第百十七条の三第一号 第一項後段については第百十九条第一項第十号第二項については第百二十条第一項第十一号の二)
第七十二条の二
1 前条第三項の場合において、当該車両等の運転者等が負傷その他の理由により直ちに同項の規定による指示に従うことが困難であると認められときは、現場にある警察官は、道路における交通の危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該交通事故において損壊した物及び当該交通事故に係る車両等の積載物(以下この条において「損壊物等」という。)の移動その他応急の措置を採ることができる。
2 前項の規定による措置を採つた場合において、当該損壊物等を移動したときは、警察官は、当該損壊物等を当該損壊物等の在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。この場合において、警察署長は、当該損壊物等を保管しなければならない。
3 第五十一条第十項から第二十項までの規定は、前二項の規定による措置に係る損壊物等について準用する。この場合において、同条第十項中「所有者等に対し」とあるのは「当該損壊物等の所有者、占有者その他当該損壊物等について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し」と、同条第十一項中「前項後段」とあるのは「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は前項後段」と、「費用」とあるのは「費用又は手数」と、同条第十四項中「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と、同条第十五項中「運転者等又は所有者等」とあるのは「所有者等」と読み替えるものとする。
(妨害の禁止)
第七十三条
 交通事故があつた場合において、当該交通事故に係る車両等の運転者等以外の者で当該車両等に乗車しているものがあるときは、その者は、当該車両等の運転者等が第七十二条第一項前段に規定する措置を講じ、又は同項後段に規定する報告をするのを妨げてはならない。 03(罰則
第百二十条第一項第九号)
 第三節 使用者の義務
(車両等の使用者の義務)
第七十四条
1 車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者及び安全運転管理者、副安全運転管理者その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。
2 車両の使用者は、当該車両の運転者に車両の駐車に関しこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるとともに、当該車両を適正に駐車する場所を確保することその他駐車に関しての車両の適正な使用のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両に積載物の積載をして運転するに当たつてこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。
4 消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車の使用者は、当該自動車の運転者に対し、当該自動車の安全な運転を確保するために必要な教育を行うように努めなければならない。
(安全運転管理者等)
第七十四条の二
1 自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(道路運送車両法の規定による軽自動車を使用して貨物を運送する事業を経営する者を除く。以下同じ。)及び貨物運送取扱事業法(平成元年法律第八十二号)の規定による第二種利用運送事業を経営する者を除く。以下この条において同じ。)は、自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く。第七十五条の二の二第一項において同じ。)を行わせるため、総理府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について総理府令で定める要件を備える者のうちから、安全運転管理者を選任しなければならない。
2 自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、総理府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに、年齢、自動車の運転の経験その他について総理府令で定める要件を備える者のうちから、総理府令で定めるところにより、副安全運転管理者を選任しなければならない。
3 自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から十五日以内に、総理府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
4 公安委員会は、安全運転管理者等が第一項又は第二項の総理府令で定める要件を備えないこととなつたときは、自動車の使用者に対し、当該安全運転管理者等の解任を命ずることができる。
5 安全運転管理者の処理すべき事項の範囲は、総理府令で定める。
6 自動車の使用者は、安全運転管理者に対し、前項の規定に基づく総理府令で定める事項を処理するため必要な権限を与えなければならない。
7 自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者について第百八条の二第一項第一号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。
(自動車の使用者の義務等)
第七十五条
1 自動車(牽引されるための構造及び装置を有する車両で車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)を含む。以下この条、次条及び第七十五条の二の二第二項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
一 第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第九十条第三項、第百三条第二項若しくは第四項又は第百三条の二第一項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。
二 第二十二条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
三 第六十五条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。
四 第六十六条の規定に違反して自動車を運転すること。
五 第八十五条第五項若しくは第六項の規定に違反して大型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第八項の規定に違反して大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第九項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。
六 第五十七条第一項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。
七 放置行為(高速自動車国道又は自動車専用道路において自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車が同項の規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)を含む。次条において同じ。)
2 自動車の使用者等が前項の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が同項各号のいずれかに掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該自動車の使用者に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
3 公安委員会は、前項の規定による命令をしようとする場合において、当該命令に係る自動車の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者又は貨物運送取扱事業法の規定による第二種利用運送事業を経営する者であるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなけれならない。
4 公安委員会は、第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
5 公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
6 前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
7 第四項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
8 第四項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
9 公安委員会は、第二項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号その他の総理府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に 総理府令で定める様式の標章をはり付けるものとする。
10 前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、総理府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。
11 何人も、第九項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。 03(罰則 第一項第一号、第二号及び第五号に ついては第百十八条第一項第三号の三、第百 二十三条 第一項第三号については第百十七 条の二第二号、第百十九条第一項第十一号、 第百二十三条 第一項第四号については第百 十七条の二第三号、第百十八条第一項第三 号の三、第百二十三条 第一項第六号につい ては第百十八条第一項第三号の四、第百十九条第一項第十二号、第百二十三条 第一項第七号については第百十九条の二第一項第三号、第百二十三条 第二項については第百十九条第一項第十 二号の二、第百二十三条 第十一項について は第百二十一条第一項第九号)
第七十五条の二
1 公安委員会が自動車の使用者に対し第五十一条の四(第七十五条の八第三項において準用する場合を含む。)の規定による指示をした場合において、当該使用者に係る当該自動車につきその指示を受けた後一年以内に放置行為が行われ、かつ、当該使用者が当該自動車を使用することが著しく交通の危険を生じさせ又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。
2 前項の規定は、第五十八条の四の規定による指示をした場合について準用する。この場合において、同項中「放置行為」とあるのは「過積載をして車両を運転する行為」と、「生じさせ又は著しく交通の妨害となる」とあるのは「生じさせる」と読み替えるものとする。
3 前条第三項から第十一項までの規定は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による命令について準用する。 03(罰則 第一項及び第二項については第百十九条第一項第十二号の二、第百二十三条第三項については第百二十一条第一項第九号)
(報告又は資料の提出)
第七十五条の二の二
1 公安委員会は、安全運転管理者が選任されている自動車の使用の本拠について自動車の安全な運転に必要な業務の推進を図るため必要があると認めるときは、当該安全運転管理者を選任している自動車の使用者又は当該安全運転管理者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
2 公安委員会は、駐車又は積載に関しての自動車の適正な使用の推進を図るため必要があると認めるときは、自動車の使用者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例
 第一節 通則
(通則)
第七十五条の二の三
 高速自動車国道及び自動車専用道路における自動車の交通方法等については、前四章に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
(危険防止等の措置)
第七十五条の三
 警察官は、道路の損壊、交通事故の発生その他の事情により高速自動車国道又は自動車専用道路(以下「高速自動車国道等」という。)において交通の危険が生じ、又は交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るためやむを得ないと認めるときは、必要な限度において、その現場に進行してくる自動車の通行を禁止し、若しくは制限し、又はその現場にある自動車の運転者に対し、第十七条第一項及び道路法第四十七条第四項の規定に基づく政令の規定にかかわらず路肩又は路側帯を通行すべきことを命じ、若しくは第八条第一項、第三章第一節、同章第六節若しくはこの章に規定する自動車の通行方法と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。 03(罰則 第百十九条第一項第十二号の三)
 第二節 自動車の交通方法
(最低速度)
第七十五条の四
 自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。 03(罰則 第百二十条第一項第十二号)
(横断等の禁止)
第七十五条の五
 自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない。 03(罰則 第百十九条第一項第二号の二)
(本線車道に入る場合等における他の自動車との関係)
第七十五条の六
1 自動車(緊急自動車を除く。)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。ただし、当該交差点において、交通整理が行なわれているときは、この限りでない。
2 緊急自動車以外の自動車は、緊急自動車が本線車道に入ろうとしている場合又はその通行している本線車道から出ようとしている場合においては、当該緊急自動車の通行を妨げてはならない。 03(罰則 第百二十条第一項第二号)
(本線車道の出入の方法)
第七十五条の七
1 自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない。
2 自動車は、その通行している本線車道から出ようとする場合においては、あらかじめその前から出口に接続する車両通行帯を通行しなければならない。この場合において、減速車線が設けられているときは、その減速車線を通行しなければならない。 03(罰則 第百二十一条第一項第五号)
(停車及び駐車の禁止)
第七十五条の八
1 自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
一 駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
三 乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
四 料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
2 第五十条の二及び第五十一条の規定は、自動車が前項の規定に違反して停車し、又は駐車していると認められる場合について準用する。この場合において、同条第六項中「当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所」とあるのは「政令で定める場所」と、同条第七項中「当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないとき」とあるのは「前項の政令で定める場所に当該車両を移動することができないとき」と、同条第八項中「駐車場、空地、第六項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所」とあるのは「第六項に規定する場所以外の場所」と読み替えるものとする。
3 第五十一条の四の規定は、自動車の運転者が高速自動車国道等において自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車が同項の規定に違反して駐車している場合におけるものに限る。)をし、当該自動車につき、前項において準用する第五十一条第三項、第六項又は第八項の規定による措置が採られた場合について準用する。 03(罰則 第一項については第百十九条の二第一項第二号、第百十九条の三第一項第四号 第二項については第百十九条第一項第三号、第百二十一条第一項第九号)
(緊急自動車等の特例)
第七十五条の九
1 緊急自動車又は第四十一条第三項の総理府令で定めるもつぱら交通の取締りに従事する自動車については、第七十五条の五及び第七十五条の七の規定は、適用しない。
2 政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車については、第七十五条の四及び第七十五条の五の規定は、適用しない。
 第三節 運転者の義務
(自動車の運転者の遵守事項)
第七十五条の十
 自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。 03(罰則第百十九条第一項第十二号の四、同条第二項)
(故障等の場合の措置)
第七十五条の十一
1 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
2 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道等において運転することができなくなつたときは、速やかに当該自動車を本線車道等以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。 03(罰則第一項については第百二十条第一項 第十二号の二)
第五章 道路の使用等
 第一節 道路における禁止行為等
(禁止行為)
第七十六条
1 何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
4  何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
六 道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為 03(罰則 第一項及び第二項については第百十八条第一項第四号、第百二十三条 第三項については第百十九条第一項第十二号の五、第百二十三条 第四項については第百二十条第一項第九号)
(道路の使用の許可)
第七十七条
1  次の各号のいずれかに該当する者は、それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可。以下この節において同じ。)を受けなければならない。
一 道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人
二 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
三 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
四 前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者
2 前項の許可の申請があつた場合において、当該申請に係る行為が次の各号のいずれかに該当するときは、所轄警察署長は、許可をしなければならない。
一 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。
二 当該申請に係る行為が許可に付された条件に従つて行なわれることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。
三 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき。
3 第一項の規定による許可をする場合において、必要があると認めるときは、所轄警察署長は、当該許可に係る行為が前項第一号に該当する場合を除き、当該許可に道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な条件を付することができる。
4 所轄警察署長は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、前項の規定により付した条件を変更し、又は新たに条件を付することができる。
5 所轄警察署長は、第一項の規定による許可を受けた者が前二項の規定による条件に違反したとき、又は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたときは、その許可を取り消し、又はその許可の効力を停止することができる。
6 所轄警察署長は、第三項又は第四項の規定による条件に違反した者について前項の規定による処分をしようとするときは、当該処分に係る者に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知して、当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。ただし、交通の危険を防止するため緊急やむを得ないときは、この限りでない。
7 第一項の規定による許可を受けた者は、当該許可の期間が満了したとき、又は第五項の規定により当該許可が取り消されたときは、すみやかに当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなければならない。
03(罰則 第一項については第百十九条第一項第十二号の五、第百二十三条第三項及び第四項については第百十九条第一項第十三号、第百二十三条第七項については第百二十条第一項第十三号、第百二十三条)
(許可の手続)
第七十八条
1 前条第一項の規定による許可を受けようとする者は、総理府令で定める事項を記載した申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。
2 前条第一項の規定による許可に係る行為が道路法第三十二条第一項又は第三項の規定の適用を受けるものであるときは、前項の規定による申請書の提出は、当該道路の管理者を経由して行なうことができる。この場合において、道路の管理者は、すみやかに当該申請書を所轄警察署長に送付しなければならない。
3 所轄警察署長は、前条第一項の規定による許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。
4 前項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証の記載事項に変更を生じたときは、所轄警察署長に届け出て、許可証に変更に係る事項の記載を受けなければならない。
5 第三項の規定による許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、所轄警察署長に許可証の再交付を申請することができる。
6 第一項の申請書の様式、第三項の許可証の様式その他前条第一項の許可の手続について必要な事項は、総理府令で定める。 03(罰則 第四項については第百二十一条第一項第九号)
(道路の管理者との協議)
第七十九条
 所轄警察署長は、第七十七条第一項の規定による許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が道路法第三十二条第一項又は第三項の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ、当該道路の管理者に協議しなければならない。
(道路の管理者の特例)
第八十条
1 道路法による道路の管理者が道路の維持、修繕その他の管理のため工事又は作業を行なおうとするときは、当該道路の管理者は、第七十七条第一項の規定にかかわらず、所轄警察署長に協議すれば足りる。
2 前項の協議について必要な事項は、総理府令・建設省令で定める。
 第二節 危険防止等の措置
(違法工作物等に対する措置)
第八十一条
1 警察署長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、当該違反行為に係る工作物又は物件(以下この節において「工作物等」という。)の除去、移転又は改修、当該違反行為に係る工事又は作業(以下この節において「工事等」という。)の中止その他当該違反行為に係る工作物又は工事等について、道路における危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な措置をとることを命ずることができる。
一 第七十六条第一項又は第二項の規定に違反して工作物等を設置した者
二 第七十六条第三項の規定に違反して物件を置いた者
三 第七十七条第一項の規定に違反して工作物等を設置し、又は工事等を行なつた者
四 第七十七条第三項又は第四項の規定による所轄警察署長が付した条件に違反した者
五 第七十七条第七項の規定に違反して当該工作物の除去その他道路を原状に回復する措置を講じなかつた者
2 警察署長は、前項第一号、第二号又は第三号に掲げる者の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、自ら当該措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3 警察署長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条及び第八十二条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
4 警察署長は、第二項の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。
5 警察署長は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。
6 第四項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
7 第二項から第四項までに規定する工作物等の除去、移転、改修、保管、売却、公示等に要した費用は当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とする。
8 警察署長は、前項の規定により占有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。
9 警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
10 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
11 納付され又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
12 第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第二項の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。 03(罰則
第一項については第百十九条第一項第十四号、第百二十三条)
(転落積載物等に対する措置)
第八十一条の二
1 警察署長は、道路に転落し、又は飛散した車両等の積載物(以下この条及び第八十三条において「転落積載物等」という。)が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあるときは、当該転落積載物等の占有者、所有者その他当該転落積載物等について権原を有する者(次項において「転落積載物等の占有者等」という。)に対し、当該転落積載物等の除去その他当該転落積載物等について道路における危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 前項の場合において、当該転落積載物等の占有者等の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、同項の規定による措置を採ることを命ずることができないときは、警察署長は、自ら当該措置を採ることができる。この場合において、転落積載物等を除去したときは、警察署長は、当該転落積載物等を保管しなければならない。
3 前条第三項から第十二項までの規定は、前項の規定による措置に係る転落積載物等について準用する。 03(罰則 第一項については第百十九条第一項第十四号、第百二十三条)
(沿道の工作物等の危険防止措置)
第八十二条
1 警察署長は、沿道の土地に設置されている工作物等が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあるときは、当該工作物等の占有者等に対し、当該工作物等の除去その他当該工作物等について道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 前項の場合において、当該工作物等の占有者等の氏名及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、警察署長は、自ら当該措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3 第八十一条第三項から第十二項までの規定は、前項後段の規定による保管について準用する。 03(罰則 第一項については第百十九条第一項第十四号、第百二十三条)
(工作物等に対する応急措置)
第八十三条
1 警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要すると認めるときは、道路における交通の危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な限度において、当該工作物等又は転落積載物等の除去、移転その他応急の措置を採ることができる。
2 前項に規定する措置を採つた場合において、工作物等又は転落積載物等を除去したときは、警察官は、当該工作物等又は転落積載物等を、当該工作物等が設置されていた場所又は当該転落積載物等が在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。この場合において、警察署長は、当該工作物等又は転落積載物等を保管しなければならない。
3 第八十一条第三項から第十二項までの規定は、前項の規定による保管について準用する。
第六章 自動車及び原動機付自転車の運転免許
 第一節 通則
(運転免許)
第八十四条
1 自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。
2 免許は、第一種運転免許(以下「第一種免許」という。)、第二種運転免許(以下「第二種免許」という。)及び仮運転免許(以下「仮免許」という。)に区分する。
3 第一種免許を分けて、大型自動車免許(以下「大型免許」という。)、普通自動車免許(以下「普通免許」という。)、大型特殊自動車免許(以下「大型特殊免許」という。)、大型自動二輪車免許(以下「大型二輪免許」という。)、普通自動二輪車免許(以下「普通二輪免許」という。)、小型特殊自動車免許(以下「小型特殊免許」という。)、原動機付自転車免許(以下「原付免許」という。)及び牽引免許の八種類とする。
4 第二種免許を分けて、大型自動車第二種免許(以下「大型第二種免許」という。)、普通自動車第二種免許(以下「普通第二種免許」という。)、大型特殊自動車第二種免許(以下「大型特殊第二種免許」という。)及び牽引第二種免許の四種類とする。
5 仮免許を分けて、大型自動車仮免許(以下「大型仮免許」という。)及び普通自動車仮免許(以下「普通仮免許」という。)の二種類とする。
(第一種免許)
第八十五条
1 次の表の上欄に掲げる自動車等を運転しようとする者は、当該自動車等の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第一種免許を受けなければならない。    自動車等の種類  第一種免許の種類  大型自動車  大型免許  普通自動車  普通免許  大型特殊自動車大型特殊免許  大型自動二輪車  大型二輪免許  普通自動二輪車普通二輪免許  小型特殊自動車  小型特殊免許  原動機付自転車原付免許
2 前項の表の下欄に掲げる第一種免許を受けた者は、同表の区分に従い当該自動車等を運転することができるほか、次の表の上欄に掲げる免許の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の自動車等を運転するこのができる。    第一種免許の種類  運転することができる自動車等の種類  大型免許  普通自動車、小型特殊自動車及び原動機付自転車普通免許  小型特殊自動車及び原動機付自転車  大型特殊免許  小型特殊自動車及び原動機付自転車  大型二輪免許  普通自動二輪車、小型特殊自動車及び原動機付自転車  普通二輪免許  小型特殊自動車及び原動機付自転車
3 牽引するための構造及び装置を有する大型自動車、普通自動車又は大型特殊自動車(以下「牽引自動車」という。)によつて、重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引免許を受けなければならない。
4 牽引免許を受けた者で、大型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる。
5 大型免許を受けた者で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、普通免許若しくは大型特殊免許を受けた者で、当該いずれかの免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動車を運転することはできない。
6 大型免許を受けた者で二十歳に満たないものは、第二項の規定にかかわらず、大型自動車(政令で定めるものを除く。)を運転することはできない。
7 普通免許を受けた者で、大型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動車を運転することはできない。
8 大型二輪免許を受けた者で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転することはできない。
9 普通二輪免許を受けた者(大型二輪免許を現に受けている者を除く。)で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動二輪車を運転することはできない。
9 第一種免許を受けた者は、第二項の規定により運転することができる自動車又は第四項の規定により牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転することができる場合における当該重被牽引車が道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下「旅客自動車運送事業」という。)の用に供される自動車(以下「旅客自動車」という。)又は旅客自動車運送事業の用に供される重被牽引車(以下「旅客用車両」という。)であるときは、第二項及び第四項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、当該旅客自動車を運転し、又は牽引自動車によつて当該旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転することはできない。 03(罰則 第五項から第九項までについては第百十八条第一項第五号)
(第二種免許)
第八十六条
1 次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。    自動車の種類  第二種免許の種類  大型自動車
大型第二種免許  普通自動車  普通第二種免許  大型特殊自動車
大型特殊第二種免許
2 前項の表の下欄に掲げる第二種免許を受けた者は、同表の区分に従い当該自動車を当該目的で運転することができるほか、当該第二種免許に対応する第一種免許を受けた者が前条第二項の規定により運転することができる自動車等を運転することができる。
3 牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転しようとする者は、当該牽引自動車に係る免許(仮免許を除く。)のほか、牽引第二種免許を受けなければならない。
4 牽引第二種免許を受けた者で、大型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けているものは、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて旅客用車両を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で牽引して当該牽引自動車を運転することができるほか、これらの免許によつて運転することができる牽引自動車によつて重被牽引車を牽引して当該牽引自動車を運転すことができる。
(仮免許)
第八十七条
1 大型自動車若しくは普通自動車を当該自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受けないで練習のため運転しようとする者又は普通自動車を第九十七条第一項第二号に掲げる事項について行う普通免許の運転免許試験若しくは第九十九条第一項に規定する指定自動車教習所における普通自動車の運転に関する技能についての技能検定(次項において「試験等」という。)において運転しようとする者は、その運転しようとする自動車が大型自動車であるときは大型仮免許を、普通自動車であるときは普通仮免許を受けなければならない。
2 大型仮免許を受けた者は練習のため大型自動車若しくは普通自動車を又は試験等において普通自動車を、普通仮免許を受けた者は練習のため又は試験等において普通自動車を運転することができる。この場合において、仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、その運転者席の横の乗車装置に、当該自動車を運転することができる第一種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)で当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年以上のもの、当該自動車を運転することができる第二種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)その他政令で定める者を同乗させ、かつ、その指導の下に、当該自動車を運転しなければならない。
3 仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、総理府令で定めるところにより当該自動車の前面及び後面に総理府令で定める様式の標識をつけて当該自動車を運転しなければならない。
4 仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で旅客自動車を運転することはできない。
5 仮免許の有効期間は、当該仮免許に係る第九十七条第一項第一号に掲げる事項について行う運転免許試験(第九十条及び第九十二条の二において「適性試験」という。)を受けた日から起算して六月とする。ただし、当該期間が満了するまでの間に、大型仮免許を受けた者が大型免許若しくは大型第二種免許を受け、又は普通仮免許を受けた者が大型自動車若しくは普通自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受けたときは、当該仮免許は、その効力を失う。 03(罰則 第二項後段については第百十八条第一項第六号第三項については第百二十条第一項第十四号、同条第二項)
 第二節 免許の申請等
(免許の欠格事由)
第八十八条
1  次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第一種免許又は第二種免許を与えない。
一 大型免許にあつては二十歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許及び牽引免許にあつては十八歳に、普通二輪免許、小型特殊免許及び原付免許にあつては十六歳に、それぞれ満たない者
二 精神病者、精神薄弱者、てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口がきけない者
三 前号に掲げる者のほか、政令で定める身体の障害のある者
四 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
五 第九十条第一項ただし書の規定により免許を拒否された日から起算して同条第四項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許を保留されている者又は同条第三項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第四項の規定により指定された期間を経過していない者若しくは免許の効力を停止されている者
六 第百三条第二項第二号若しくは第三号若しくは同条第四項の規定により免許を取り消された日から起算して同条第六項の規定により指定された期間(第百三条の二第一項の規定により免許の効力を停止された者が当該事案について免許を取り消された場合にあつては、当該指定された期間から当該免許の効力が停止されていた期間を除いた期間)を経過していない者又はこれらの規定若しくは第百三条の二第一項の規定により免許の効力が停止されている者
七 第百七条の五第一項の規定により、若しくは同条第八項において準用する第百三条第四項の規定により、又は第百七条の五第九項において準用する第百三条の二第一項の規定により自動車等の運転を禁止されている者
2 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、仮免許を与えない。
一 大型仮免許にあつては二十歳(政令で定める者にあつては、十九歳)に、普通仮免許にあつては十八歳に、それぞれ満たない者
二 前項第二号から第四号までのいずれかに掲げる者
3 免許を現に受けている者は、当該免許と同一の種類の免許を重ねて受けることができない。
(免許の申請)
第八十九条
 免許を受けようとする者は、その者の住所地(仮免許を受けようとする者で現に第九十八条第二項の規定による届出をした自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものにあつては、その者の住所地又は当該自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に、総理府令で定める様式の免許申請書を提出し、かつ、当該公安委員会の行う運転免許試験を受けなければならない。
(免許の拒否等)
第九十条
1 公安委員会は、前条の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第一種免許又は第二種免許にあつては一年を、仮免許にあつては三月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。ただし、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反した者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この条において同じ。)を与えず、又は六月をこえない範囲内において免許を保留することができる。
2 公安委員会は、前項ただし書の規定により免許を拒否し、又は保留しようとするときは、当該運転免許試験に合格した者に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知して、当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
3 公安委員会は、免許を与えた後において、当該免許を受けた者が当該免許を受ける前に自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したことが判明したときは、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月をこえない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。前項の規定は、この場合について準用する。
4 公安委員会は、第一項ただし書の規定により免許を拒否し、又は前項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、三年をこえない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
5 第三項の規定により免許を取り消され、又は免許の効力の停止を受けた時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、すみやかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
6 公安委員会は、第一項ただし書の規定により免許を保留され、又は第三項の規定により免許の効力の停止を受けた者が第百八条の二第一項第三号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の保留の期間又は効力の停止の期間を短縮することができる。
(普通免許等を受けようとする者の義務)
第九十条の二
1 次の各号に掲げる種類の免許を受けようとする者は、それぞれ当該各号に定める講習を受けなければならない。ただし、当該講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
一 普通免許 第百八条の二第一項第四号及び第七号に掲げる講習
二 大型二輪免許 第百八条の二第一項第五号及び第七号に掲げる講習
三 普通二輪免許 第百八条の二第一項第六号及び第七号に掲げる講習
四 原付免許 第百八条の二第一項第八号に掲げる講習
2 公安委員会は、前項各号に掲げる種類の免許に係る運転免許試験に合格した者(同項ただし書の政令で定める者を除く。)がそれぞれ同項各号に定める講習を受けていないときは、その者に対し、免許を与えないことができる。
(免許の条件)
第九十一条
 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、必要な限度において、免許に、その免許に係る者の身体の状態又は運転の技能に応じ、その者が運転することができる自転車等の種類を限定し、その他自転車等を運転するについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる。 03(罰則 第百十九条第一項第十五号)
 第三節 免許証等
(免許証の交付)
第九十二条
1 免許は、運転免許証(以下「免許証」という。)を交付して行なう。この場合において、同一人に対し、日を同じくして第一種免許又は第二種免許のうち二以上の種類の免許を与えるときは、一の種類の免許に係る免許証に他の種類の免許に係る事項を記載して、当該種類の免許に係る免許証の交付に代えるものとする。
2 免許を現に受けている者に対し、当該免許の種類と異なる種類の免許を与えるときは、その異なる種類の免許に係る免許証にその者が現に受けている免許に係る事項を記載して、その者が現に有する免許証と引き換えに交付するものとする。
(免許証の有効期間)
第九十二条の二
1 第一種免許及び第二種免許に係る免許証(第百七条第二項の規定により交付された免許証を除く。以下この項において同じ。)の有効期間は、次の表の上欄に掲げる区分ごとに、それぞれ、同表の中欄に掲げる年齢に応じ、同表の下欄に定める日が経過するまでの期間とする。 免許証の交付又は更新を受けた者の区分  更新日等における年齢有効期間の末日    優良運転者  七十歳未満  満了日等の後のその者の五回目の誕生日  七十歳  満了日等の後のその者の四回目の誕生日  七十一歳以上  満了日等の後のその者の三回目の誕生日  優良運転者以外の者  満了日等の後のその者の三回目の誕生日    
備考 02一 この表に掲げる用語の意義は、次に定めるとおりとする。
031 更新日等第百一条第三項の規定により更新された免許証にあつては当該更新された日、第百一条の二第三項の規定により更新された免許証にあつては同条第二項の規定による適性検査を受けた日、その他の免許証にあつては当該免許証に係る適性試験を受けた日
2 優良運転者更新日等までに継続して免許(仮免許を除く。)を受けている期間が五年以上である者であつて、自動車等の運転に関しこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの
3 満了日等第百一条第三項の規定により更新された免許証にあつては更新前の免許証の有効期間が満了した日、第百一条の二第三項の規定により更新された免許証にあつては同条第二項の規定による適性検査を受けた日、その他の免許証にあつては当該免許証に係る適性試験を受けた日 
02二  更新日等がその者の誕生日である場合におけるこの表の適用については、同表中「更新日等」とあるのは、「更新日等の前日」とする。三 その者の誕生日が二月二十九日である場合におけるこの表の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は二月二十八日であるものとみなす。
2 第百七条第二項の規定により交付された免許証の有効期間は、当該免許証に係る同条第一項の規定により返納された免許証の有効期間が満了することとされていた日が経過するまでの期間とする。
3 前二項に規定する期間の末日が日曜日その他政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日を当該期間の末日とみなす。
(免許証の記載事項)
第九十三条
1 免許証には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 免許証の番号
二 免許の年月日及び免許証の交付年月日
三 免許の種類
四 免許を受けた者の本籍、住所、氏名及び生年月日
五 免許を受けた者が前条第一項の表の備考一の2に規定する優良運転者である場合にあつては、その旨
2 公安委員会は、前項各号に掲げるもののほか、免許を受けた者について、第九十一条の規定により、免許に条件を付し、又は免許に付されている条件を変更したときは、その者の免許証に当該条件に係る事項を記載しなければならない。
3 前二項に規定するもののほか、免許証の様式その他免許証について必要な事項は、総理府令で定める。
(免許証の記載事項の変更届出等)
第九十四条
1 免許を受けた者は、前条第一項に規定する免許証の記載事項に変更を生じたときは、すみやかに住所地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の住所地を管轄する公安委員会)に届け出て、免許証に変更に係る事項の記載を受けなければならない。
2 前項の規定による公安委員会の管轄区域を異にする住所地の変更の届出を受けた公安委員会は、当該届出をした者の従前の住所地を管轄する公安委員会にその旨を通知しなければならない。
3 免許を受けた者は、免許証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、その者の住所地(仮免許に係る免許証にあつては、その者の住所地又はその者が現に自動車の運転に関する教習を受けている第九十八条第二項の規定による届出をした自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に免許証の再交付を申請することができる。
4 第一項に規定する免許証の記載事項の変更の届出の手続及び前項に規定する免許証の再交付の申請の手続は、総理府令で定める。 03(罰則第一項については第百二十一条第一項第九号)
(免許証の携帯及び提示義務)
第九十五条
1 免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車に係る免許証を携帯していなければならない。
2 免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から第六十七条第一項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。 03(罰則 第一項については第百二十一条第一項第十号、同条第二項 第二項については第百二十条第一項第九号)
 第四節 運転免許試験
(受験資格)
第九十六条
1 第八十八条第一項各号のいずれかに該当する者は第一種免許の運転免許試験を、同条第二項各号のいずれかに該当する者は仮免許の運転免許試験を受けることができない。
2 大型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、当該いずれかの免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年以上の者でなければならない。
3 大型免許、普通免許、大型特殊免許、大型第二種免許、普通第二種免許又は大型特殊第二種免許を現に受けている者でなければ、牽引免許の運転免許試験を受けることができない。
4  第二種免許の運転免許試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 牽引第二種免許以外の第二種免許の運転免許試験については、二十一歳以上の者で、大型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、当該いずれかの免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定めるものにあつては、二年)以上のもの
二 牽引第二種免許の運転免許試験については、二十一歳以上の者で、大型免許、普通免許又は大型特殊免許及び牽引免許を現に受けている者に該当し、かつ、当該いずれかの免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年(政令で定めるものにあつては、二年)以上のもの
三 その者が受けようとしている第二種免許の種類と異なる種類の第二種免許を現に受けている者
5 第二項、第三項及び前項各号に規定する免許を現に受けている者には、第九十条第三項、第百三条第二項第二号若しくは第三号若しくは第四項又は第百三条の二第一項の規定により当該免許の効力が停止されている者及びこれに準ずるものとして政令で定める者を含まないものとする。
第九十六条の二
 普通免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、仮免許を現に受けている者に該当し、かつ、過去三月以内に五日以上、総理府令で定めるところにより道路において自動車の運転の練習をした者でなければならない。
第九十六条の三
 第九十条第一項ただし書の規定による免許の拒否、同条第三項若しくは第百三条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し又は第百七条の五第一項の規定若しくは同条第八項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超える期間の自動車等の運転の禁止を受けた者(同条第二項第一号又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。)で、運転免許試験(仮免許の運転免許試験を除く。)を受けようとするものは、過去一年以内に第百八条の二第一項第二号に掲げる講習(当該処分前に行われた講習を除く。)を終了した者でなければならない。ただし、当該処分を受けた後免許(仮免許を除く。)を受けたことがある者は、この限りでない。
(運転免許試験の方法)
第九十七条
1 運転免許試験は、免許の種類ごとに次の各号(小型特殊免許及び原付免許の運転免許試験にあつては第一号及び第三号、牽引免許の運転免許試験にあつては第一号及び第二号)に掲げる事項について行なう。
一 自動車等の運転について必要な適性
二 自動車等の運転について必要な技能
三 自動車等の運転について必要な知識
2 前項第二号に掲げる事項について行なう普通免許の運転免許試験は、道路において行なうものとする。
3 第一項第三号に掲げる事項についての運転免許試験は、第百八条の規定により国家公安委員会が作成する教則の内容の範囲内で行なう。
4 前三項に規定するもののほか、運転免許試験の実施の手続、方法その他運転免許試験について必要な事項は、総理府令で定める。
(運転免許試験の免除)
第九十七条の二
1 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、政令で定めるところにより、運転免許試験の一部を免除する。
一 第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該卒業証明書に係る技能検定を受けた日から起算して一年を経過しないもの又は同項に規定する修了証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して三月を経過しないもの
二 第百一条第一項の免許証の有効期間の更新を受けなかつた者(政令で定める者を除く。)で、その者の免許が第百五条の規定により効力を失つた日から起算して六月(海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため、その期間内に運転免許試験を受けることができなかつた者にあつては、当該事情がやんだ日から起算して一月)を経過しないもの
2 前項に定めるもののほか、免許を受けようとする者が自動車等の運転に関する外国の行政庁の免許を有する者であるときは、公安委員会は、政令で定めるところにより、その者が受けようとする免許に係る自動車等を運転することに支障がないことを確認した上で、運転免許試験の一部を免除することができる。
3 前二項に定めるもののほか、公安委員会は、政令で定める基準に従い、免許を受けようとする者が当該免許に係る自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、運転免許試験の一部を免除することができる。
(運転免許試験の停止等)
第九十七条の三
1 公安委員会は、不正の手段によつて運転免許試験を受け、又は受けようとした者に対しては、その運転免許試験を停止し、又は合格の決定を取り消すことができる。
2 前項の規定により合格の決定を取り消したときは、公安委員会は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。この場合において、当該運転免許試験に係る免許は、その通知を受けた日に効力を失うものとする。
3 公安委員会は、第一項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、一年以内の期間を定めて、運転免許試験を受けることができないものとすることができる。
 第四節の二 自動車教習所
(自動車教習所)
第九十八条
1 自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。以下同じ。)を設置し、又は管理する者は、当該自動車教習所において行う自動車の運転に関する教習の水準の維持向上に努めなければならない。
2 自動車教習所を設置し、又は管理する者は、総理府令で定めるところにより、当該自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を届け出ることができる。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 自動車教習所の名称及び所在地
三 前二号に掲げるもののほか、総理府令で定める事項
3 公安委員会は、前項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保するため、当該自動車教習所における教習の態様に応じて、必要な指導又は助言をするものとする。
4 公安委員会は、前項の指導又は助言をした場合において、必要があると認めるときは、自動車安全運転センターに対し、当該指導又は助言に係る自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習を行う職員に対する研修その他当該職員の資質の向上を図るための措置について、必要な配慮を加えるよう求めることができる。
5 公安委員会は、総理府令で定めるところにより、第三項の指導又は助言をするため必要な限度において、第二項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
(指定自動車教習所の指定)
第九十九条
1 公安委員会は、前条第二項の規定による届出をした自動車教習所のうち、職員、設備等に関する次に掲げる基準に適合するものを、当該自動車教習所を設置し、又は管理する者の申請に基づき、指定自動車教習所として指定することができる。
一 政令で定める要件を備えた当該自動車教習所を管理する者が置かれていること。
二 次条第四項の技能検定員資格者証の交付を受けており、同条第一項の規定により技能検定員として選任されることとなる職員が置かれていること。
三 第九十九条の三第四項の教習指導員資格者証の交付を受けており、同条第一項の規定により教習指導員として選任されることとなる職員が置かれていること。
四 自動車の運転に関する技能及び知識の教習並びに技能検定(自動車の運転に関する技能についての検定で、総理府令で定めるところにより行われるものをいう。以下同じ。)のための設備が政令で定める基準に適合していること。
五 当該自動車教習所の運営が政令で定める基準に適合していること。
2 公安委員会は、前項の申請に係る自動車教習所が第百条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しないものであるときは、同項の規定による指定をしてはならない。
(技能検定員)
第九十九条の二
1 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定を行わせるため、技能検定員を選任しなければならない。
2 第四項の技能検定員資格者証の交付を受けていない者は、技能検定員となることができない。
3 技能検定員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
4 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、技能検定員資格者証を交付する。
一 次のいずれかに該当する者  イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者  ロ 自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者  ハ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより技能検定に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識を有すると認める者
二 次のいずれにも該当しない者  イ 二十五歳未満の者  ロ 過去三年以内に第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書又は修了証明書の発行に関し不正な行為をした者  ハ 第百十七条の三第二号の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者  ニ 自動車等の運転に関し刑法第二百十一条の罪又はこの法律に規定する罪(第百十七条の三第二号の罪を除く。)を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者  ホ 次項第二号又は第三号に該当して同項の規定により技能検定員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して三年を経過していない者
5 公安委員会は、前項の技能検定員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者に係る技能検定員資格者証の返納を命ずることができる。
一 前項第二号ロからニまでに掲げる者のいずれかに該当するに至つたとき。
二 偽りその他不正の手段により技能検定員資格者証の交付を受けたとき。
三 技能検定員の業務に関し不正な行為をし、その情状が技能検定員として不適当であると認められるとき。
6 前二項に定めるもののほか、第四項の技能検定員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(教習指導員)
第九十九条の三
1 指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能及び知識の教習を行わせるため、教習指導員を選任しなければならない。
2 第四項の教習指導員資格者証の交付を受けていない者は、教習指導員となることができない。
3 指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能又は知識の教習を、教習指導員以外の者に行わせてはならない。
4 公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、教習指導員資格者証を交付する。
一 次のいずれかに該当する者  イ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関する技能及び知識に関して行う審査に合格した者  ロ 自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修の課程であつて国家公安委員会が指定するものを修了した者  ハ 公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関しイ又はロに掲げる者と同等以上の技能及び知識があると認める者
二 次のいずれにも該当しない者  イ 二十一歳未満の者  ロ 次項において準用する前条第五項第二号又は第三号に該当して次項において準用する同条第五項の規定により教習指導員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して三年を経過していない者  ハ 前条第四項第二号ロからニまでのいずれかに該当する者
5 前条第五項及び第六項の規定は、教習指導員資格者証について準用する。この場合において、同条第五項第三号中「技能検定員」とあるのは、「教習指導員」と読み替えるものとする。
(職員に対する講習)
第九十九条の四
 指定自動車教習所を管理する者は、公安委員会から当該指定自動車教習所の職員について第百八条の二第一項第九号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該職員に当該講習を受けさせなければならない。
(技能検定)
第九十九条の五
1 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員に、総理府令で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者に対し技能検定を行わせなければならない。
2 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員に、前項に規定する教習を終了した者以外の者に対し技能検定を行わせてはならない。
3 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定員以外の者に技能検定を行わせてはならない。
4 技能検定員は、技能検定に合格した者について、その者が技能検定に合格した旨の証明をしなければならない。
5 指定自動車教習所は、技能検定員が前項の証明をしたときは、当該証明に係る者に対し、総理府令で定めるところにより、総理府令で定める様式の卒業証明書(指定自動車教習所において教習を終了した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)又は修了証明書(指定自動車教習所において教習を受け、仮免許を受けて運転することができる程度の技能及び知識の水準に達した旨を証明する証明書をいう。以下同じ。)を発行することができる。この場合において、当該卒業証明書又は修了証明書には、総理府令で定めるところにより、当該卒業証明書又は修了証明書に係る者が技能検定に合格した旨の技能検定員の書面による証明を付さなければならない。
(報告及び検査)
第九十九条の六
1 公安委員会は、この節の規定を施行するため必要な限度において、指定自動車教習所を設置し、若しくは管理する者に対し、当該指定自動車教習所の業務に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に当該指定自動車教習所に立ち入り、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(適合命令等)
第九十九条の七
1 公安委員会は、指定自動車教習所が第九十九条第一項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所を同項各号に掲げる基準に適合させるため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 前項に定めるもののほか、公安委員会は、この節の規定を施行するため必要な限度において、指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定自動車教習所の指定の取消し等)
第百条
1 公安委員会は、指定自動車教習所を管理する者が第九十九条の三第三項、第九十九条の四若しくは第九十九条の五第二項若しくは第三項の規定に違反したとき、指定自動車教習所が同条第五項の規定に違反して卒業証明書若しくは修了証明書を発行したとき、又は指定自動車教習所を設置し、若しくは管理する者が前条の規定による命令に違反したときは、当該指定自動車教習所に対し、その指定を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該指定自動車教習所が当該期間内における教習に基づき卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による卒業証明書又は修了証明書の発行の禁止の処分を受けた指定自動車教習所が当該処分に違反して卒業証明書又は修了証明書を発行したときは、その指定を取り消し、又は六月を超えない範囲内で卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止する期間を延長することができる。
 第四節の三 再試験
(再試験)
第百条の二
1 公安委員会は、普通免許、大型二輪免許、普通二輪免許又は原付免許を受けた者で、当該免許を受けた日から当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達することとなる日までの間(以下「初心運転者期間」という。)に第八十五条第二項の規定により当該免許について同条第一項の表の区分に従い運転することができる自動車等(以下「免許自動車等」という。)の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該免許について政令で定める基準に該当することとなつたもの(以下「基準該当初心運転者」という。)に対し、その者が免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有するかどうかを確認するための試験(以下「再試験」という。)を行うものとする。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
一 当該免許を受けた日前六月以内に当該免許に係る免許自動車等を運転することができる他の種類の免許(仮免許を除く。第三号において「上位免許」という。)を受けていたことがある者
二 当該免許を受けた日前六月以内に当該免許と同一の種類の免許(当該免許と同等の免許として政令で定めるものを含み、第百四条の二の二第一項、第二項又は第四項の規定により取り消された免許及びこれに準ずるものとして政令で定める免許を除く。)を受けていたことがあり、かつ、その免許を受けていた期間(その免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年以上である者
三 当該免許を受けた日以後に上位免許を受けた者
四 第百八条の二第一項第十号に掲げる講習を終了した者(当該講習を終了した後初心運転者期間が経過することとなるまでの間に免許自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が当該講習に係る免許について政令で定める基準に該当することとなる者を除く。)
2 再試験は、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会が、当該期間が経過した後、免許の種類ごとに自動車等の運転について必要な技能及び知識(原付免許にあつては必要な知識に限る。)について行う。
3 第九十七条第二項から第四項までの規定は、公安委員会が行う再試験について準用する。
4 公安委員会は、第一項の規定に基づき再試験を行おうとする場合には、総理府令で定めるところにより、基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した後速やかに、再試験を行う旨及びその理由その他必要な事項を基準該当初心運転者に書面で通知しなければならない。
5 基準該当初心運転者は、公安委員会から再試験の通知(前項の規定による通知をいう。以下同じ。)を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(再試験を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由のある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでに、当該公安委員会に総理府令で定める再試験受験申込書を提出して、再試験を受けなければならない。第九十二条の二第三項の規定は、この場合について準用する。
第百条の三
1 公安委員会は、再試験を行おうとする場合において、基準該当初心運転者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に総理府令で定める試験移送通知書を送付しなければならない。
2 前項の試験移送通知書が当該公安委員会に送付されたときは、当該公安委員会は、当該試験移送通知書に係る基準該当初心運転者に対し、再試験を行うものとする。この場合において、前項の試験移送通知書を送付した公安委員会は、当該基準該当初心運転者に対し、再試験を行うことができない。
3 前条第四項及び第一項の規定は、公安委員会が前項の規定により再試験を行おうとする場合について準用する。この場合において、同条第四項中「基準該当初心運転者の当該免許に係る初心運転者期間が経過した後」とあるのは、「試験移送通知書の送付を受けた後」と読み替えるものとする。
4 公安委員会が第二項の規定により再試験を行おうとする場合において、第一項の試験移送通知書を送付した公安委員会が当該試験移送通知書に係る基準該当初心運転者に再試験の通知をしているときは、当該通知は、第二項の規定により再試験を行おうとする公安委員会がした再試験の通知とみなす。
 第五節 免許証の更新等
(免許証の更新及び定期検査)
第百一条
1 免許証の有効期間の更新(以下「免許証の更新」という。)を受けようとする者は、当該免許証の有効期間が満了する日(その日がその者の誕生日でないときは、その日の直前のその者の誕生日)の一月前から当該免許証の有効期間が満了する日までの間(以下「更新期間」という。)に、その者の住所地を管轄する公安委員会が行う自動車等の運転について必要な適性検査(以下「適性検査」という。)を受けなければならない。
2 前項の規定により免許証の更新を受けようとする者の誕生日が二月二十九日である場合における同項の規定の適用については、その者のうるう年以外の年における誕生日は二月二十八日であるものとみなす。
3 第一項の適性検査の結果、当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、当該免許証の更新をしなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、免許証の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、総理府令で定める。
(免許証の更新の特例)
第百一条の二
1 海外旅行その他政令で定めるやむを得ない理由のため更新期間内に適性検査を受けることが困難であると予想される者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に当該更新期間前における免許証の更新を申請することができる。
2 前項の申請があつたときは、当該公安委員会は、その者について、速やかに適性検査を行わなければならない。
3 前項の適性検査の結果、当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、当該公安委員会は、速やかに当該免許証の更新をしなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、更新期間前における免許証の更新の申請及び適性検査について必要な事項は、総理府令で定める。
(更新を受けようとする者の義務)
第百一条の三
1 免許証の更新を受けようとする者は、第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習を受けなければならない。ただし、当該講習を受ける必要がないものとして政令で定める者は、この限りでない。
2 公安委員会は、第百一条第一項又は前条第二項の適性検査の結果自動車等を運転することが支障がないと認めた者(前項ただし書の政令で定める者を除く。)が前項の講習を受けていないときは、第百一条第三項又は前条第三項の規定にかかわらず、その者に対し、免許証の更新をしないことができる。
(臨時適性検査)
第百二条
1 公安委員会は、免許を受けた者が第八十八条第一項第二号、第三号若しくは第四号のいずれかに該当する者となり、又は次条第二項第一号に該当することとなつたと疑う理由があるときは、当該免許を受けた者につき、臨時に適性検査を行うことができる。
2 前項に定めるもののほか、公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、免許を受けた者について、臨時に適性検査を行うことができる。
3 公安委員会は、前二項の規定により適性検査を行おうとするときは、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項を当該適性検査に係る者に通知しなければならない。
4 前項の規定により通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定による適性検査について必要な事項は、総理府令で定める。
 第六節 免許の取消し、停止等
(免許の取消し、停止等)
第百三条
1 免許(仮免許を除く。以下第百六条までにおいて同じ。)を受けた者が第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する者になつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当する者となつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の免許を取り消さなければならない。
2 免許を受けた者が、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月をこえない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。
一 第八十八条第一項第三号に該当するに至らない程度の身体の障害で自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのあるものが生じたとき。
二 自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき。
三 前二号に掲げるもののほか、免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。
3 公安委員会は、前二項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内で期間を定めたときは、その期間)以上停止しようとする場合において、当該処分に係る者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に係る事案に関する第百四条第一項の意見の聴取又は聴聞を終了している場合を除き、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に総理府令で定める処分移送通知書を送付しなければならない。
4 前項の処分移送通知書が当該公安委員会に送付されたときは、当該公安委員会は、その者が第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する場合にあつては、その者の免許を取り消さなければならず、その者が第二項各号のいずれかに該当する場合にあつては、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月をこえない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができるものとし、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該事案について、その者の免許を取り消し、又は免許の効力を停止することができないものとする。
5 第三項の規定は、公安委員会が前項の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を停止しようとする場合について準用する。
6 公安委員会は、第二項第二号又は第三号に該当することを理由として同項又は第四項の規定により免許を取り消したときは、政令で定める基準に従い、一年以上三年をこえない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受けることができない期間を指定するものとする。
7 第一項、第二項又は第四項の規定により免許を取り消され、又は免許の効力の停止を受けた時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、すみやかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
8 公安委員会は、第二項又は第四項の規定による免許の効力の停止を受けた者(第八十八条第一項第三号に該当するに至らない程度の身体の障害で自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのあるものが生じた者を除く。)が第百八条の二第一項第三号に掲げる講習を終了したときは、政令で定める範囲内で、その者の免許の効力の停止の期間を短縮することができる。
(免許の効力の仮停止)
第百三条の二
1 免許を受けた者が自動車等の運転に関し次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該交通事故を起こした場所を管轄する警察署長は、その者に対し、当該交通事故を起こした日から起算して二十日を経過する日を終期とする免許の効力の停止(以下この条において「仮停止」という。)をすることができる。
一 交通事故を起こして人を死亡させ、又は傷つけた場合において、第百十七条の違反行為をしたとき。
二 第百十七条の二第一号若しくは第一号の二又は第百十八条第一項第一号若しくは第五号の違反行為をし、よつて交通事故を起こして人を死亡させ、又は傷つけたとき。
三 第百十八条第一項第二号、第二号の二若しくは第三号又は第百十九条第一項第一号から第二号の二まで、第三号の二、第五号、第七号の二、第九号の二若しくは第十五号の違反行為をし、よつて交通事故を起こして人を死亡させたとき。
2 警察署長は、仮停止をしたときは、当該処分をした日から起算して五日以内に、当該処分を受けた者に対し弁明の機会を与えなければならない。
3 仮停止を受けた者は、免許証を当該処分をした警察署長に提出しなければならない。
4 仮停止をした警察署長は、速やかに、当該処分を受けた者が第一項各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会に対し、総理府令で定める仮停止通知書及び前項の規定により提出を受けた免許証を送付しなければならない。
5 前項の仮停止通知書及び免許証の送付を受けた公安委員会は、当該事案について前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により処分移送通知書を送付するときは、併せて当該送付を受けた仮停止通知書及び免許証を送付しなければならない。
6 仮停止は、第四項又は前項の規定により仮停止通知書及び免許証の送付を受けた公安委員会が当該仮停止の期間内に当該事案について前条第二項又は第四項の規定による処分をしたときは、その効力を失う。
7 仮停止を受けた者が当該事案について前条第二項又は第四項の規定により免許の効力の停止を受けたときは、仮停止をされていた期間は、当該免許の効力の停止の期間に通算する。 03(罰則 第三項については第百二十一条第一項第九号)
(意見の聴取)
第百四条
1 公安委員会は、第百三条第二項第二号の規定により免許を取り消し、又は免許の効力を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。次条第一項において同じ。)以上停止しようとするとき、又は同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の処分移送通知書(同条第二項第二号に係るものに限る。)の送付を受けたときは、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において、公安委員会は、意見の聴取の期日の一週間前までに、当該処分に係る者に対し、処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所を通知し、かつ、意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。
2 意見の聴取に際しては、当該処分に係る者又はその代理人は、当該事案について意見を述べ、かつ、有利な証拠を提出することができる。
3 意見の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、公安委員会は、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
4 公安委員会は、当該処分に係る者又はその代理人が正当な理由がなくて出頭しないとき、又は当該処分に係る者の所在が不明であるため第一項の通知をすることができず、かつ、同項後段の規定による公示をした日から三十日を経過してもその者の所在が判明しないときは、同項の規定にかかわらず、意見の聴取を行わないで第百三条第二項又は第四項の規定による免許の取消し又は効力の停止(同条第二項第二号に係るものに限る。)をすることができる。
5 前各項に定めるもののほか、意見の聴取の実施について必要な事項は、政令で定める。
(聴聞の特例)
第百四条の二
1 公安委員会は、第百三条第二項又は第四項の規定により免許の効力を九十日以上停止しようとするとき(同条第二項第二号に係る場合を除く。)は、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2 公安委員会は、前項の聴聞又は第百三条第一項の規定による免許の取消し若しくは同条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第二項第二号に係るものを除く。)に係る聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。
4 第二項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
5 第二項の聴聞の主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見又は事情を聴くことができる。
(再試験に係る取消し)
第百四条の二の二
1 再試験を行つた公安委員会は、再試験の結果、再試験を受けた者が免許自動車等を安全に運転するために必要な能力を現に有しないと認めるときは、その者の当該免許を取り消さなければならない。
2 再試験の通知を受けた者が第百条の二第五項の規定に違反して再試験を受けないと認めるときは、その者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の当該免許を取り消さなければならない。
3 公安委員会は、前項の規定により当該免許を取り消そうとする場合において、当該処分に係る者がその住所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に関する第六項において準用する第百四条の意見の聴取を終了している場合を除き、速やかに現にその者の住所地を管轄する公安委員会に総理府令で定める処分移送通知書を送付しなければならない。
4 前項の処分移送通知書の送付を受けた公安委員会は、その者が第百条の二第五項の規定に違反して当該再試験を受けないと認めるときは、その者の当該免許を取り消さなければならない。この場合において、処分移送通知書を送付した公安委員会は、第二項の規定にかかわらず、その者の当該免許を取り消すことができない。
5 第三項の規定は、公安委員会が前項の規定により免許を取り消そうとする場合について準用する。
6 第百四条(第三項を除く。)の規定は、第二項又は第四項の規定により免許を取り消す場合について準用する。
7 第一項、第二項又は第四項の規定により当該免許を取り消された時におけるその者の住所が当該処分をした公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内にあるときは、当該処分をした公安委員会は、速やかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
(免許の取消し又は効力の停止に係る書面の交付等)
第百四条の三
1 第百三条第一項、第二項若しくは第四項又は前条第一項、第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し又は効力の停止は、総理府令で定めるところにより、当該取消し又は効力の停止に係る者に対し当該取消し又は効力の停止の内容及び理由を記載した書面を交付して行うものとする。
2 公安委員会がその者の所在が不明であることその他の理由により前項の規定による書面の交付をすることができなかつた場合において、警察官が当該書面の交付を受けていない者の所在を知つたときは、警察官は、総理府令で定めるところにより、その者に対し、日時及び場所を指定して当該書面の交付を受けるために出頭すべき旨を命ずることができる。
3 警察官は、前項の規定による命令をするときは、総理府令で定めるところにより、当該命令に係る者に対し、当該命令に係る取消し又は効力の停止に係る免許証の提出を求め、これを保管することができる。この場合において、警察官は、当該命令に係る者に対し、保管証を交付しなければならない。
4 警察官は、第二項の規定による命令をしたときは、総理府令で定めるところにより、速やかに、当該命令に係る者の氏名及び住所、当該命令に係る出頭すべき日時及び場所その他必要な事項を当該命令に係る者の住所地を管轄する公安委員会(その者に対し第一項に規定する免許の取消し又は効力の停止をした公安委員会とその者の住所地を管轄する公安委員会が異なる場合にあつては、それぞれの公安委員会)に通知しなければならない。この場合において、警察官は、前項の規定により免許証を保管したときは、当該保管した免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に送付しなければならない。
5 前項の規定による免許証の送付を受けた公安委員会は、当該免許証に係る免許の効力の停止の期間が満了した場合において、第三項の規定により当該免許証を提出した者から返還の請求があつたときは、直ちに当該免許証を返還しなければならない。
6 第三項の保管証は、第九十五条の規定の適用については、免許証とみなす。
7 第三項の保管証の有効期間は、当該保管証を交付した時から、当該保管証の交付を受けた者が第二項の規定により指定された日時(その日時までにその者が同項の規定により指定された場所に出頭したときは、その出頭した時)までの間とする。
8 第三項の規定により保管証の交付を受けた者は、当該保管証の有効期間が満了したときは、直ちに当該保管証を警察官に返納しなければならない。
9 第三項の保管証の記載事項その他同項の保管証に関し必要な事項は、総理府令で定める。
(免許の失効)
第百五条
 免許は、免許を受けた者が免許証の更新を受けなかつたときは、その効力を失う。
(国家公務員会への報告)
第百六条
 公安委員会は、第九十条第一項本文の規定により免許を与え、第百一条第三項若しくは第百一条の二第三項の規定により免許証の更新をし、若しくは第九十条第一項ただし書、第三項若しくは第四項、第九十七条の三第三項、第百三条第一項、第二項、第四項、第六項若しくは第八項若しくは第百四条の二の二第一項、第二項若しくは第四項の規定による処分をしたとき、警察署長が第百三条の二第一項の規定による処分をしたとき、又は自動車等の運転者が自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(総理府令で定める場合に限る。)、第百条の二第一項の規定による再試験を受けたとき、若しくは第百八条の二第一項第十号に掲げる講習を受けたとき、その他自動車等の運転者について自動車等の運転に関し総理府令で定める事由が生じたときは、総理府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。この場合において、国家公安委員会は、免許に関する事務の適正を図るため、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。
(仮免許の取消し)
第百六条の二
1 仮免許を受けた者が第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する者になつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当する者となつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、その者の仮免許を取り消さなければならない。
2 仮免許を受けた者が第百三条第二項第一号又は第二号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の仮免許を取り消すことができる。
(免許証の返納等)
第百七条
1 免許を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、すみやかに、免許証(第三号の場合にあつては、発見し、又は回復した免許証)をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
一 免許が取り消されたとき。
二 免許が失効したとき。
三 免許証の再交付を受けた後において亡失した免許証を発見し、又は回復したとき。
2 第百四条の二の二第一項、第二項又は第四項の規定により免許を取り消された者がなお他の種類の免許を受けている場合において、前項の規定により免許証を返納したときは、公安委員会は、当該他の種類の免許に係る免許証を交付するものとする。
3 免許を受けた者は、第九十条第三項又は第百三条第二項若しくは第四項の規定により免許の効力が停止されたときは、すみやかに、免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
4 前項の規定により免許証の提出を受けた公安委員会又は第百三条の二第四項若しくは第六項の規定により免許証の送付を受けた公安委員会は、当該免許証に係る免許の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該免許証を返還しなければならない。 03(罰則 第一項及び第三項については第百二十一条第一項第九号)
 第七節 国際運転免許証及び外国運転免許証並びに国外運転免許証
(国際運転免許証又は外国運転免許証を所持する者の自動車等の運転)
第百七条の二
  道路交通に関する条約(以下「条約」という。)第二十四条第一項の運転免許証(第百七条の七第一項の国外運転免許証を除く。)で条約附属書九若しくは条約附属書十に定める様式に合致したもの(以下この条において「国際運転免許証」という。)又は自動車等の運転に関する外国(国際運転免許証を発給していない国であつて、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図る上で我が国と同等の水準にあると認められる運転免許の制度を有している国として政令で定めるものに限る。)の行政庁の免許に係る運転免許証(日本語による翻訳文で政令で定める者が作成したものが添付されているものに限る。以下この条において「外国運転免許証」という。)を所持する者(第八十八条第一項第五号から第七号までのいずれかに該当する者を除く。)は、第六十四条の規定にかかわらず、本邦に上陸した日から起算して一年間、当該国際運転免許証又は外国運転免許証(以下「国際運転免許証等」という。)で運転することができることとされている自動車等を運転することができる。ただし、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転し、又は牽引自動車によつて旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転する場合は、この限りでない。
(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)
第百七条の三
 国際運転免許証等を所持する者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る国際運転免許証等を携帯していなければならない。第九十五条第二項の規定は、この場合について準用する。  04(罰則
前段については第百二十一条第一項第十号、同条第二項 後段については第百二十条第一項第九号)
(臨時適性検査)
第百七条の四
1 公安委員会は、国際運転免許証等を所持する者について、当該国際運転免許証等に係る発給の条件が満たされなくなったと疑う理由があるとき(その者が第八十八条第一項第二号、第三号若しくは第四号のいずれかに該当する者となり、又は第百三条第二項第一号に該当することとなつたと疑う理由があるときに限る。)は、臨時に適性検査を行うことができる。この場合において、公安委員会は、あらかじめ、適性検査を行う期日、場所その他必要な事項をその者に通知しなければならない。
2 前項後段の規定による通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して適性検査を受けなければならない。
3 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、第一項の適性検査を受けた者に対し、運転をするに当たつてその者の身体の状態に応じた必要な措置をとることを命ずることができる。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の規定による適性検査について必要な事項は、総理府令で定める。 03(罰則 第三項については第百十九条第一項第十五号)
(自動車等の運転禁止等)
第百七条の五
1 国際運転免許証等を所持する者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、三年を超えない範囲内で期間を定めてその者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる。
一 国際運転免許証等の発給の条件が満たされなくなつたことが明らかになつたとき(その者が第八十八条第一項第二号、第三号若しくは第四号のいずれかに該当する者になつたとき、又は同項第三号に該当するに至らない程度の身体の障害で自動車等の運転に支障を及ぼすおそれのあるものが生じたときに限る。)。
二 自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき。
2 第百三条第八項の規定は、前項の規定又は第八項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止を受けた者について準用する。この場合において、同条第八項中「その者の免許の効力の停止の期間」とあるのは、「その者の自動車等の運転の禁止の期間」と読み替えるものとする。
3 第百四条の規定は公安委員会が第一項第二号に該当して同項の規定により自動車等の運転を九十日(公安委員会が九十日を超えない範囲内においてこれと異なる期間を定めたときは、その期間。以下この項において同じ。)以上禁止しようとする場合及び第八項において準用する第百三条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の処分移送通知書(第一項第二号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について、第百四条の二の規定は公安委員会が第一項第一号に該当して同項の規定により自動車等の運転を九十日以上禁止しようとする場合及び第八項において準用する第百三条第三項の処分移送通知書(第一項第一号に係るものに限る。)の送付を受けた場合について準用する。この場合において、第百四条第四項中「第百三条第二項又は第四項の規定による免許の取消し又は効力の停止(同条第二項第二号に係るものに限る。)をする」とあるのは「第百七条の五第一項又は同条第八項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止(第百七条の五第一項第二号に係るものに限る。)をする」と、第百四条の二第二項中「前項の聴聞又は第百三条第一項の規定による免許の取消し若しくは同条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し(同条第二項第二号に係るものを除く。)に係る聴聞」とあるのは「前項の聴聞」と読み替えるものとする。
4 国際運転免許証等を所持する者は、第一項の規定により、又は第八項において準用する第百三条第四項の規定により自動車等の運転を禁止されたときは、速やかに、国際運転免許証等をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
5 前項の規定により国際運転免許証等の提出を受けた公安委員会又は第九項において準用する第百三条の二第四項若しくは第五項の規定により国際運転免許証等の送付を受けた公安委員会は、当該処分の期間が満了する時又は当該処分に係る者が本邦から出国する時のいずれか早い時においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国際運転免許証等を返還しなければならない。
6 第一項の規定により、若しくは第八項において準用する第百三条第四項の規定により、又は第九項において準用する第百三条の二第一項の規定により自動車等の運転を禁止された者は、当該処分の期間中に本邦から出国した後に再び本邦に上陸したときは、速やかに、国際運転免許証等をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。前項の規定は、この場合について準用する。
7 公安委員会は、第一項の規定により、若しくは次項において準用する第百三条第四項の規定により自動車等の運転を禁止し、又は第二項において準用する第百三条第八項の規定により期間を短縮したときは、総理府令で定めるところにより、当該処分に係る者の国際運転免許証等に当該処分に係る事項を記載しなければならない。
8  第百三条第三項から第五項まで及び第七項の規定は、第一項の規定により自動車等の運転を禁止する場合について準用する。この場合において、同条第四項中「第八十八条第一項第二号、第三号又は第四号のいずれかに該当する場合にあつては、その者の免許を取り消さなければならず、その者が第二項各号のいずれかに該当する場合にあつては、同項の政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内において期間を定めて免許の効力を停止することができる」とあるのは「第百七条の五第一項各号のいずれかに該当するものであるときは、同項の政令で定める基準に従い、三年を超えない範囲内で期間を定めて、その者に対し、当該国際運転免許証等に係る自動車等の運転を禁止することができる」と、「第一項及び第二項の規定」とあるのは「第百七条の五第一項の規定」と読み替えるものとする。
9 第百三条の二の規定は、国際運転免許証等を所持する者が自動車等の運転に関し同条第一項各号のいずれかに該当することとなつた場合について準用する。この場合において、同条中「免許の効力の停止」とあるのは「自動車等の運転の禁止」と、「仮停止」とあるのは「仮禁止」と、「免許証」とあるのは「国際運転免許証等」と、「仮停止通知書」とあるのは「仮禁止通知書」と、同条第五項中「前条第三項」とあるのは「第百七条の五第八項において準用する前条第三項」と、同条第六項及び第七項中「前条第二項又は第四項の規定」とあるのは「第百七条の五第一項の規定又は同条第八項において準用する前条第四項の規定」と読み替えるものとする。
10 第百四条の三の規定は、第一項の規定又は第八項において準用する第百三条第四項の規定により自動車等の運転の禁止をした場合について準用する。この場合において、第百四条の三中「免許証」とあるのは「国際運転免許証等」と、同条第五項中「免許の効力の停止の期間が満了した場合」とあるのは「自動車等の運転の禁止の期間が満了した場合又は当該禁止に係る者が本邦から出国する場合」と、同条第六項中「第九十五条」とあるのは「第百七条の三前段の規定及び同条後段において準用する第九十五条第二項」と読み替えるものとする。 03(罰則 第四項、第六項及び第九項については第百二十一条第一項第九号)
(自動車等の運転禁止の報告)
第百七条の六
 公安委員会は、前条第一項の規定により、若しくは同条第八項において準用する第百三条第四項の規定により自動車等の運転を禁止したとき、前条第二項において準用する第百三条第八項の規定により期間を短縮したとき、又は警察署長が前条第九項において準用する第百三条の二第一項の規定により自動車等の運転を禁止したときは、総理府令で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。
(国外運転免許証の交付)
第百七条の七
1 免許(小型特殊免許、原付免許及び仮免許を除く。)を現に受けている者(第九十条第三項、第百三条第二項若しくは第四項又は第百三条の二第一項の規定により免許の効力が停止されている者を除く。)は、総理府令で定める区分に従い、当該免許で運転することができることとされている自動車等に対応する条約附属書十に規定する自動車等に係る条約第二十四条第一項の運転免許証で公安委員会が発給するもの(以下「国外運転免許証」という。)の交付を受けることができる。
2 国外運転免許証の交付を受けようとする者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に、その者が外国に渡航するものであることを証する書面を添えて、総理府令で定める様式の交付申請書を提出しなければならない。
3 公安委員会は、前項の申請があつたときは、運転することができる自動車等の種類を指定し、かつ、その旨を記載して当該国外運転免許証を交付するものとする。
4 前三項に規定するもののほか、国外運転免許証の様式その他国外運転免許証の交付について必要な事項は、総理府令で定める。
(国外運転免許証の有効期間)
第百七条の八
 国外運転免許証の有効期間は、当該国外運転免許証の発給の日から起算して一年とする。
(国外運転免許証の失効)
第百七条の九
1 国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許が失効し、又は取り消されたときは、その効力を失う。
2 国外運転免許証は、当該国外運転免許証に係る免許の効力が停止されたときは、当該停止の期間、その効力が停止されるものとする。
( 国外運転免許証の返納等)
第百七条の十
1 国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の有効期間が満了し、又は当該国外運転免許証が失効したとき(当該国外運転免許証の有効期間が満了した時又は当該国外運転免許証が失効した時に本邦外の地域にある者については、本邦に帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
2 国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の効力が停止されたとき(当該国外運転免許証の効力が停止された時に本邦外の地域にあり、かつ、当該国外運転免許証の効力の停止の期間中に本邦に帰国した者については、帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に提出しなければならない。
3 前項の規定により国外運転免許証の提出を受けた公安委員会は、当該国外運転免許証の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国外運転免許証を返還しなければならない。 03(罰則 第一項及び第二項については第百二十一条第一項第九号)
 第八節 免許関係事務の委託
(免許関係事務の委託)
第百七条の十一
1 公安委員会は、政令で定めるところにより、この章に規定する免許に関する事務(免許の拒否及び保留、免許の条件の付与及び変更、運転免許試験及び適性検査の結果の判定並びに免許の取消し及び効力の停止に係る事務その他の政令で定める事務を除く。次項において「免許関係事務」という。)の全部又は一部を総理府令で定める法人に委託することができる。
2 前項の規定により免許関係事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る免許関係事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 03(罰則 第二項については第百十七条の三第三号)
第六章の二 講習等
(交通の方法に関する教則の作成)
第百八条
 国家公安委員会は、道路を通行する者が適正な交通の方法を容易に理解することができるようにするため、次に掲げる事項を内容とする教則を作成し、これを公表するものとする。
一 法令で定める道路の交通の方法
二 道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は道路の交通に起因する障害を防止するため、道路を通行する者が励行することが望ましい事項
三 前二号に掲げるもののほか、自動車の構造その他自動車又は原動機付自転車の運転に必要な知識
(講習)
第百八条の二
1 公安委員会は、総理府令で定めるところにより、次に掲げる講習を行うものとする。
一 安全運転管理者等に対する講習
二 第九十条第一項ただし書の規定による免許の拒否、同条第三項若しくは第百三条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消し又は第百七条の五第一項の規定若しくは同条第八項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超える期間の自動車等の運転の禁止を受けた者(同条第二項第一号又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。)に対する講習
三 第九十条第一項ただし書の規定による免許の保留、同条第三項若しくは第百三条第二項若しくは第四項の規定による免許の効力の停止又は第百七条の五第一項の規定若しくは同条第八項において準用する第百三条第四項の規定による六月を超えない範囲内の自動車等の運転の禁止を受けた者(同条第二項第一号又は第百七条の五第一項第一号に該当することを理由としてこれらの処分を受けた者を除く。)に対する講習
四 普通免許を受けようとする者に対する普通自動車の運転に関する講習
五 大型二輪免許を受けようとする者に対する大型自動二輪車の運転に関する講習
六 普通二輪免許を受けようとする者に対する普通自動二輪車の運転に関する講習
七 普通免許、大型二輪免許又は普通二輪免許を受けようとする者に対する応急救護処置(交通事故の現場においてその負傷者を救護するため必要な応急の処置をいう。)に関する講習
八 原付免許を受けようとする者に対する原動機付自転車の運転に関する講習
九 指定自動車教習所の政令で定める職員に対する講習
十 基準該当初心運転者(免許の効力が停止されている者を除く。)に対する免許の種類ごとに行う当該免許自動車等の運転について必要な技能及び知識に関する講習
十一 免許証の更新を受けようとする者に対する講習
2 公安委員会は、前項各号に掲げるもののほか、車両の運転に関する技能及び知識の向上を図るため車両の運転者に対する講習を行うように努めなければならない。
3 公安委員会は、総理府令で定める者に第一項第一号、第三号から第九号まで若しくは第十一号に掲げる講習又は前項に規定する講習の実施を委託することができる。
(初心運転者講習の手続)
第百八条の三
1 公安委員会は、総理府令で定めるところにより、基準該当初心運転者に対し、その者が第百条の二第一項に規定する行為をし、当該行為が同項本文の政令で定める基準に該当することとなつた後速やかに、前条第一項第十号に掲げる講習(以下「初心運転者講習」という。)を受けることができる旨を書面で通知するものとする。
2 前項の通知を受けた者は、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(講習を受けないことについて政令で定めるやむを得ない理由がある者にあつては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して一月を超えることとなるまでの間に限り、初心運転者講習を受けることができる。
(指定講習機関)
第百八条の四
1 公安委員会は、次の各号に掲げる講習を、それぞれ当該各号に定める要件に該当すると認められるものとして指定する者(以下「指定講習機関」という。)に行わせることができる。
一 第百八条の二第一項第二号に掲げる講習(以下この条及び次条第一項において「取消処分者講習」という。) 自動車等の運転に必要な適性に関する調査及びこれに基づく指導(次条において「運転適性指導」という。)について専門的知識を有する者として国家公安委員会規則で定める者(次条において「運転適性指導員」という。)が置かれていることその他取消処分者講習を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。
二 初心運転者講習 自動車等の運転に必要な技能及び知識に関する指導(次条において「運転習熟指導」という。)について高度の能力を有する者として国家公安委員会規則で定める者(次条において「運転習熟指導員」という。)が置かれていることその他初心運転者講習を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。
2 前項の規定による指導は、取消処分者講習又は初心運転者講習(以下「特定講習」という。)を行おうとする者の申請により行う。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、第一項の規定による指定を受けることができない。
一 民法第三十四条の規定により設立された法人又は指定自動車教習所として指定された者以外の者
二 第百八条の十一第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
三 自動車等の運転に関し刑法第二百十一条の罪又はこの法律に規定する罪を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 法人で、その役員のうちに前号に該当する者があるもの
4 公安委員会は、第一項の規定による指定をしたときは、当該指定に係る特定講習を行わないことができる。
(運転適性指導員等)
第百八条の五
1 取消処分者講習を行う指定講習機関は、運転適性指導には、運転適性指導員以外の者を従事させてはならない。
2 初心運転者講習を行う指定講習機関は、運転習熟指導には、運転習熟指導員以外の者を従事させてはならない。
3 公安委員会は、運転適性指導員又は運転習熟指導員が運転適性指導又は運転習熟指導について不正な行為をしたときは、当該指定講習機関に対し、その選任に係る当該運転適性指導員又は運転習熟指導員の解任を命ずることができる。
(講習業務規程)
第百八条の六
1 指定講習機関は、特定講習の開始前に、特定講習の業務に関する規程(次項において「講習業務規程」という。)を定め、公安委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 講習業務規程で定めるべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
(秘密保持義務等)
第百八条の七
1 指定講習機関の役員(法人でない指定自動車教習所にあつては当該施設を設置する者。次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、特定講習の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 特定講習の業務に従事する指定講習機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 03(罰則 第一項については第百十七条の三第三号)
(適合命令等)
第百八条の八
1 公安委員会は、指定講習機関が第百八条の四第一項各号に規定する基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該指定講習機関に対し、同項各号に規定する基準に適合するため必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 公安委員会は、前項に定めるもののほか、特定講習を適正かつ確実に行うことを確保するため必要があると認めるときは、指定講習機関に対し、特定講習の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(検査等)
第百八条の九
 公安委員会は、指定講習機関について、第百八条の四第一項各号に規定する基準に適合しているかどうか、又は第百八条の五第一項若しくは第二項の規定に従い運営されているかどうかを検査し、及び指定講習機関に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
(講習の休廃止)
第百八条の十
 指定講習機関は、公安委員会の許可を受けなければ、特定講習の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(指定の取消し)
第百八条の十一
1 公安委員会は、指定講習機関が第百八条の四第三項第一号、第三号又は第四号のいずれかに該当する者になつたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 公安委員会は、指定講習機関が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その指定を取り消すことができる。
一 第百八条の五第一項若しくは第二項、第百八条の六第一項又は前条の規定に違反したとき。
二 第百八条の五第三項又は第百八条の八第一項若しくは第二項の規定による命令に違反したとき。
(国家公安委員会規則への委任)
第百八条の十二
 第百八条の四から前条までに規定するもののほか、指定講習機関に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第六章の三 交通事故調査分析センター
(指定等)
第百八条の十三
1 国家公安委員会は、交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的として設立された民法第三十四条の法人であつて、次条に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、交通事故調査分析センター(以下この章において「分析センター」という。)として指定することができる。
2 国家公安委員会は、前項の規定による指定をしたときは、分析センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 分析センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国家公安委員会に届け出なければならない。
4 国家公安委員会は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
(事業)
第百八条の十四
 分析センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
一 交通事故の実例に即して、道路交通の状況、運転者の状況その他の交通事故に関係する事項について、その原因等に関する科学的な研究に資するための調査を行うこと。
二 交通事故の原因等に関する科学的な研究を目的として、前号に規定する調査(以下この章において「事故例調査」という。)に係る情報又は資料その他の個別の交通事故に係る情報又は資料を分析すること。
三 交通事故一般に関する情報又は資料を収集し、及び分析し、その他交通事故に関する科学的な調査研究を行うこと。
四 交通事故に関する知識の普及及び交通事故防止に関する意識の啓発を図るため、第二号の規定による分析の結果又は前号の規定による分析の結果若しくは調査研究の成果を、定期的に又は時宜に応じて提供すること。
五 外国における交通事故に関する調査研究機関との間において情報交換を行うこと。
六 前各号に掲げる事業に附帯する事業を行うこと。
(事故例調査に従事する者の遵守事項)
第百八条の十五
1 事故例調査に従事する分析センターの職員は、事故例調査を行うために関係者に協力を求めるに当たつては、その生活又は業務の平穏に支障を及ぼさないように配慮しなければならない。
2 事故例調査に従事する分析センターの職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(分析センターへの協力)
第百八条の十六
1 警察署長は、分析センターの求めに応じ、分析センターが事故例調査を行うために必要な限度において、分析センターに対し、交通事故の発生に関する情報その他の必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを提供することができる。
2 警察庁及び都道府県警察は、分析センターの求めに応じ、分析センターが第百八条の十四第三号に掲げる事業を行うために必要な情報又は資料で国家公安委員会規則で定めるものを分析センターに対し提供することができる。
(特定情報管理規程)
第百八条の十七
1 分析センターは、交通事故に関するデータベース(事故例調査に係る情報及び前条第二項の規定による提供に係る情報(以下この条及び第百八条の十九において「特定情報」という。)の集合物であつて、特定情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)の構成及び運用その他の特定情報の管理及び使用に関する事項についての規程(以下この条及び第百八条の十九において「特定情報管理規程」という。)を作成し、国家公安委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国家公安委員会は、前項の認可をした特定情報管理規程が特定情報の適正な管理又は使用を図る上で不適当となつたと認めるときは、分析センターに対し、当該特定情報管理規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 特定情報管理規程に記載すべき事項は、国家公安委員会規則で定める。
(秘密保持義務)
第百八条の十八
 分析センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第百八条の十四第一号から第三号までに掲げる事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 03(罰則第百十七条の三第三号)
(解任命令)
第百八条の十九
 国家公安委員会は、分析センターの役員又は職員が特定情報管理規程によらないで特定情報の管理若しくは使用を行つたとき、又は前条の規定に違反したときは、分析センターに対し、当該役員又は職員を解任すべきことを命ずることができる。
(事業計画等の提出)
第百八条の二十
1 分析センターは、毎事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に国家公安委員会に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 分析センターは、毎事業年度の事業報告書、収支決算書、貸借対照表及び財産目録を作成し、当該事業年度経過後三月以内に国家公安委員会に提出しなければならない。
(報告及び検査)
第百八条の二十一
1 国家公安委員会は、分析センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、分析センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は警察庁の職員に分析センターの事務所に立ち入り、事業の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(監督命令)
第百八条の二十二
 国家公安委員会は、この章の規定を施行するため必要な限度において、分析センターに対し、その事業に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第百八条の二十三
1 国家公安委員会は、分析センターがこの章の規定に違反したとき、又は第百八条の十七第二項、第百八条の十九若しくは前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
2 国家公安委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
(分析センターの運営に対する配慮)
第百八条の二十四
 警察庁及び都道府県警察は、分析センターに対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、その事業の円滑な運営が図られるように必要な配慮を加えるものとする。
(国家公安委員会規則への委任)
第百八条の二十五
 第百八条の十三から前条までに規定するもののほか、分析センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
第七章 雑則
(免許の拒否等に関する規定の適用の特例)
第百八条の二十六
 道路運送車両法第十九条、第五十八条第一項若しくは第七十三条第一項(同法第九十七条の三第二項において準用する場合を含む。)、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)第五条又は自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)第十一条第一項若しくは第二項の規定は、第九十条第一項ただし書若しくは第三項、第九十二条の二第一項、第百条の二第一項本文若しくは同項第四号、第百三条第二項第二号、第百六条、第百七条の五第一項第二号又は次条の規定の適用については、この法律の規定とみなす。
(使用者に対する通知)
第百八条の二十七
 車両等の運転者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反した場合において、当該違反が当該違反に係る車輌等の使用者の業務に関してなされたものであると認めるときは、公安委員会は、総理府令で定めるところにより、当該車両等の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物運送取扱事業法の規定による第二種利用運送事業を経営する者又は軌道法の規定による軌道の事業者であるときは当該事業者及び当該事業を監督する行政庁に対し、当該車両等の使用者がこれらの事業者以外の者であるときは当該車両等の使用者に対し、当該違反の内容を通知するものとする。
(免許証又は国際運転免許証等の保管)
第百九条
1 警察官は、自動車又は原動機付自転車の運転者が自動車又は原動機付自転車の運転に関しこの法律の罰則に触れる行為をしたと認めるときは、その現場において、免許証又は国際運転免許証等の提出を求めこれを保管することができる。この場合において、警察官は、保管証を交付しなければならない。
2 前項の保管証は、第九十五条(第百七条の三後段において準用する場合を含む。)及び第百七条の三前段の規定の適用については、免許証又は国際運転免許証等とみなす。
3 当該警察官は、第一項の規定により保管した免許証又は国際運転免許証等の提出者が当該警察官の指定した日時及び場所に出頭したとき、又は当該日時が経過した後においてその提出者から返還の請求があつたときは、当該免許証又は国際運転免許証等を返還しなければならない。
4 前項の規定により免許証又は国際運転免許証等の返還を受ける者は、当該免許証又は国際運転免許証等と引き換えに保管証を返納しなければならない。
5 警察官は、第一項の規定により免許証又は国際運転免許証等の提出を求めるときは、出頭の日時及び場所を告げ、かつ、前三項の規定の趣旨を説明しなければならない。
6 第一項の保管証の有効期間、記載事項その他保管証について必要な事項は、政令で定める。
(情報の提供)
第百九条の二
1 公安委員会は、総理府令で定めるところにより、車両の運転者に対し、車両の通行に必要な情報を提供するようにつとめなければならない。
2 公安委員会は、総理府令で定める者に前項の情報の提供に係る事務を委託することができる。
(国家公安委員会の指示権)
第百十条
1 国家公安委員会は、全国的な幹線道路(高速自動車国道及び政令で指定する自動車専用道路を除く。)における交通の規制の斉一を図るため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、公安委員会に対し、この法律の規定により公安委員会の権限に属する事務のうち、車両等の最高速度その他政令で定める事項に係るものの処理について指示することができる。
2 国家公安委員会は、高速自動車国道及び前項の規定に基づく政令で指定する自動車専用道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特に必要があると認めるときは、公安委員会に対し、当該道路におけるこの法律の実施に関する事項について指示することができる。
(特定の交通の規制等の手続)
第百十条の二
1 公安委員会は、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二十一条第一項若しくは第二十三条第二項、騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第十七条第一項又は振動規制法(昭和五十一年法律第六十四号)第十六条第一項の要請があつた場合その他交通公害が発生したことを知つた場合において、必要があると認めるときは、当該交通公害の防止に関し第四条第一項の規定によりその権限に属する事務を行なうものとする。この場合において、必要があると認めるときは、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し、当該交通公害に関する資料の提供を求めることができる。
2 公安委員会は、第四条第一項の規定に基づき第八条第一項の道路標識等により自動車の通行を禁止しようとする場合において、その禁止を行なうことにより、広域にわたり道路における交通に著しい影響が及ぶおそれがあるときは、都道府県知事及び関係地方行政機関の長その他政令で定める者の意見をきかなければならない。
3  公安委員会(第五条第一項の規定により権限を委任された警察署長を含む。以下この条において同じ。)は、第四条第一項の規定に基づき、第二条第一項第三号、第三号の四、第四号、第四号の二若しくは第七号、第八条第一項、第十三条第二項、第十七条第四項、第五項第五号若しくは第六項、第二十二条第一項、第二十三条、第三十四条第五項、第四十九条第一項、第六十三条の四第一項又は第六十三条の七第二項の道路標識等(第十七条第六項の道路標識等にあつては総理府令・建設省令で定めるものに限り、第二十二条第一項の道路標識等にあつては同項の政令で定める最高速度を超える最高速度に係るものに限る。以下この条において同じ。)により交通の規制を行おうとするときは、当該規制の適用される道路(第二十二条第一項及び第六十三条の四第一項の道路標識等以外の道路標識等に係る場合にあつては、道路法による道路に限る。)の管理者の意見を聴かなければならない。ただし、第八条第一項の道路標識等による交通の規制を行う場合において、緊急な要するためやむを得ないと認められるときは、この限りでないものとし、この場合には、事後において、速やかに当該交通の規制に係る事項を通知しなければならない。
4 公安委員会は、高速自動車国道等について、第四条第一項の規定に基づき、前項本文に規定する道路標識等又は第十七条第五項第四号、第三十条、第四十二条若しくは第七十五条の四の道路標識等により交通の規制を行おうとするときは、前項本文の規定にかかわらず、当該道路の管理者に協議しなければならない。同項ただし書の規定は、当該協議について準用する。
5 公安委員会は、第四条第一項の規定に基づき、第四十四条又は第四十五条第一項の道路標識等により路上駐車場が設けられている道路の部分における停車及び駐車又は駐車を禁止しようとするときは、その禁止しようとする旨及び禁止の期間について当該路上駐車場を設置した地方公共団体の意見をきいたうえで、期間を定めて行なわなければならない。この場合において、緊急を要するためやむを得ないと認められるときは、当該地方公共団体の意見をきかないで当該禁止をすることができるものとし、当該禁止をしたときは、すみやかに当該禁止をした旨及び禁止の期間を通知しなければならない。
6 公安委員会は、路上駐車場が設けられている道路の部分について、第四条第一項の規定に基づき第四十九条第一項の道路標識等により時間制限駐車区間として指定しようとするときは、当該路上駐車場を設置した地方公共団体の意見を聴かなければならない。
7 公安委員会は、駐車場法第三条第一項に規定する駐車場整備地区内において、第四条第一項の規定に基づき第四十九条第一項の道路標識等により時間制限駐車区間を指定しようとする場合において、同法第四条第一項の規定により駐車場整備計画(同条第二項第四号に掲げる事項が定められているものに限る。)が定められているときは、当該計画を定めた市町村の意見を聴かなければならない。
(道路の交通に関する調査)
第百十一条
1 公安委員会は、この法律の規定により行なう道路における交通の規制の適正を図るため、道路における交通量、車両等の通行の経路その他道路の交通に関し必要な事項の調査をその管理に属する都道府県警察の警察官に行なわせることができる。
2 前項の規定による道路の交通に関する調査をするため特に必要があると認めるときは、当該警察官は、道路を通行する車両等の運転者に対し、当該調査をするため必要な限度において、一時当該車両等を停止することを求め、及び当該車両等の通行の経路について質問することができる。
3 公安委員会は、第一項の規定による調査を行なつた場合において、必要があると認めるときは、その道路の管理者又は関係行政庁に対し、意見を付してその調査の結果を通知するものとする。
(免許等に関する手数料)
第百十二条
1 公安委員会が行う第八十九条の規定による運転免許試験若しくは第百条の二第一項の規定による再試験、第九十二条第一項の規定による免許証の交付、第九十四条第三項の規定による免許証の再交付又は第百一条第一項若しくは第百一条の二第一項の規定による免許証の更新を受けようとする者は、それぞれ、運転免許試験手数料、再試験手数料、免許証交付手数料、免許証再交付手数料又は免許証更新手数料を、当該都道府県に納めなければならない。
2 第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類を限定された者で、その限定の全部又は一部の解除を受けるため、公安委員会の審査を受けようとするものは、審査手数料を当該都道府県に納めなければならない。
3 第九十九条の二第四項の規定による技能検定員資格者証の交付、同項第一号イの規定による審査、第九十九条の三第四項の規定による教習指導員資格者証の交付又は同項第一号イの規定による審査を受けようとする者は、それぞれ技能検定員資格者証交付手数料、技能検定員審査手数料、教習指導員資格者証交付手数料又は教習指導員審査手数料を当該都道府県に納めなければならない。
4 第百七条の七第一項の規定による国外運転免許証の交付を受けようとする者は、国外運転免許証交付手数料を当該都道府県に納めなければならない。
5 第百八条の二第一項各号に掲げる講習を受けようとする者は、講習手数料を当該都道府県(指定講習機関が行う特定講習を受けようとする者にあつては、指定講習機関)に納めなければならない。
6 初心運転者講習を受けようとする者は、前項の講習手数料のほか、当該講習に係る通知手数料を当該都道府県に納めなければならない。
7 第五項の規定により指定講習機関に納められた講習手数料は、指定講習機関の収入とする。
8 第一項から第六項までの手数料の額は、実費を勘案して政令で定める。
(道路使用許可等の手数料)
第百十三条
1 都道府県は、第七十七条第一項の規定による許可又は第七十八条第五項の規定による許可証の再交付を受けようとする者から手数料を徴収することができる。この場合において、その額は、実費を勘案して都道府県規則で定める。
2 都道府県は、条例で定めるところにより、第四十九条第一項のパーキング・メーターを作動させようとする者又は同条第二項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けようとする者から手数料(同条第三項に規定する措置に係るものを含む。)を徴収することができる。
(行政手続法の適用除外)
第百十三条の二
 第七十七条第四項の規定による条件の変更及び新たな条件の付加並びに同条第五項の規定による許可の取消し及び効力の停止、第九十条第三項の規定による免許の取消し及び効力の停止並びに同条第四項の規定による免許を受けることができない期間の指定、第九十七条の三第三項の規定による運転免許試験を受けることができないものとする措置(同条第一項の合格の決定の取消しに係るものに限る。)、第百三条第一項又は第四項の規定による免許の取消し(公安委員会がそのあらかじめ指定する医師の診断に基づき第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当すると認定した者に係るものに限る。)、第百三条第二項又は第四項の規定による免許の取消し及び効力の停止(同条第二項第二号に係るものに限る。)、同条第六項の規定による免許を受けることができない期間の指定、第百四条の二の二第二項又は第四項の規定による免許の取消し、第百六条の二の規定による仮免許の取消し並びに第百七条の五第一項及び同条第八項において準用する第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止(公安委員会がそのあらかじめ指定する医師の診断に基づき第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当すると認定した者に係るもの及び第百七条の五第一項第二号に係るものに限る。)については、行政手続法第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
(不服申立ての制限)
第百十三条の三
 この法律の規定に基づき警察官等が現場においてした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
(方面公安委員会への権限の委任)
第百十四条
 この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行なわせることができる。
(公安委員会の事務の委任)
第百十四条の二
1 公安委員会は、免許の保留及び免許の効力の停止に関する事務(これらの処分の際の弁明の機会の付与、聴聞及び意見の聴取に関する事務を含む。)並びに仮免許を与えること及び仮免許の取消しに関する事務を警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)に行わせることができる。
2 方面公安委員会は、前条の規定により道公安委員会から委任された事務のうち、前項の事務を方面本部長に行なわせることができる。
(高速自動車国道等における権限)
第百十四条の三
 この法律の規定により警察署長の権限に属する事務のうち、高速自動車国道等に係るものは、公安委員会の定めるところにより、当該高速自動車国道等における交通警察に関する事務を処理する警視以上の警察官に行わせることができる。
(交通巡視員)
第百十四条の四
1 都道府県警察に、歩行者又は自転車の通行の安全の確保、停車又は駐車の規制の励行及び道路における交通の安全と円滑に係るその他の指導に関する事務を行わせるため、交通巡視員を置く。
2 交通巡視員は、前項に規定する事務のほか、自動車の保管場所の確保等に関する法律の規定による自動車の保管場所の確保の励行に関する事務を行うものとする。
3 交通巡視員は、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十五条第一項に規定する職員(警察官を除く。)で政令で定める要件を備えるもののうちから、警察本部長が命ずる。
4 都道府県は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、交通巡視員に対し、その職務遂行上必要な被服を支給し、及び装備品を貸与するものとする。
(地域交通安全活動推進委員)
第百十四条の五
1 公安委員会は、地域における交通の状況について知識を有する者であつて次に掲げる要件を満たしているもののうちから、地域交通安全活動推進委員を委嘱することができる。
一 人格及び行動について、社会的信望を有すること。
二 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。
三 生活が安定していること。
四 健康で活動力を有すること。
2 地域交通安全活動推進委員は、道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進その他の地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるものを行う。
3 地域交通安全活動推進委員は、名誉職とする。
4 公安委員会は、地域交通安全活動推進委員が次のいずれかに該当するときは、これを解嘱することができる。
一 第一項各号のいずれかの要件を欠くに至つたとき。
二 その職務を怠つたとき。
三 地域交通安全活動推進委員たるにふさわしくない非行のあつたとき。
5 前各項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(地域交通安全活動推進委員協議会)
第百十四条の六
1 地域交通安全活動推進委員は、公安委員会が定める区域ごとに、地域交通安全活動推進委員協議会を組織するものとする。
2 地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員が前条第二項の規定による国家公安委員会規則で定める活動を行う場合においてその活動の方針を定め、並びに地域交通安全活動推進委員相互の連絡及び調整を行うことその他地域交通安全活動推進委員が能率的にその任務を遂行するために必要な事項で国家公安委員会規則で定めるものを行う。
3 地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員の活動に関し必要と認める意見を、公安委員会及び当該地域交通安全活動推進委員協議会に係る区域を管轄する警察署長に申し出ることができる。
4 前三項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員協議会に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(経過措置)
第百十四条の七
 この法律の規定に基づき政令、総理府令、国家公安委員会規則又は都道府県公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令、総理府令、国家公安委員会規則又は都道府県公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(都道府県道路使用適正化センター)
第百十四条の八
1 公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的として設立された民法第三十四条の法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、都道府県に一を限つて、都道府県道路使用適正化センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。
2 都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うものとする。
一 道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずること。
二 道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について広報活動を行うこと。
三 道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての啓発活動を行うこと。
四 警察署長の委託を受けて第五十六条、第五十七条第三項及び第七十七条第一項の規定による許可に関し、道路又は交通の状況について調査すること。
五 警察署長の委託を受けて道路における工作物又は物件の設置の状況について調査すること(前号の許可に係るものを除く。)。
六 地域交通安全活動推進委員に対する研修を行うこと。
七 地域交通安全活動推進委員協議会の事務について連絡調整を行う等その任務の遂行を助けること。
八 前各号の事業に附帯する事業
3 公安委員会は、都道府県センターの財産の状況又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
4 公安委員会は、都道府県センターが前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。
5 都道府県センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第二項第四号又は第五号の規定による調査の業務(次項において「調査業務」という。)に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
6 調査業務に従事する都道府県センターの役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
7 第一項の指定の手続その他都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。 03(罰則 第五項については第百十七条の三第三号)
(全国道路使用適正化センター)
第百十四条の九
1 国家公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的として設立された民法第三十四条の法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、全国道路使用適正化センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。
2 全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
一 道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する事項について照会及び相談に応ずる業務を担当する者その他都道府県センターの業務を行う者に対する研修を行うこと。
二 道路における適正な車両の駐車及び道路の使用についての二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと。
三 道路における車両の駐車及び交通の規制並びに道路の使用に関する調査研究を行うこと。
四 都道府県センターの事業について、連絡調整を行うこと。
五 前各号の事業に附帯する事業
3 前条第三項、第四項及び第七項の規定は、全国センターについて準用する。この場合において、同条第三項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、同条第四項中「公安委員会」とあるのは「国家公安委員会」と、「第一項」とあるのは「次条第一項」と読み替えるものとする。
第八章 罰則
第百十五条
 みだりに信号機を操作し、若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路標示を移転し、又は信号機若しくは公安委員会が設置した道路標識若しくは道路標示を損壊して道路における交通の危険を生じさせた者は、五年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第百十六条
 車両等の運転者が業務上必要な注意を怠り、又は重大な過失により他人の建造物を損壊したときは、六月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
第百十七条
 車両等(軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第百十七条の二
 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
一の二 第六十六条(過労運転等の禁止)の規定に違反した者(麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第三条の三の規定に基づく政令で定める物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運 転した者に限る。)
二 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第三号の規定に違反して、酒に酔つた状態で自動車を運転することを命じ、又は容認した者
三 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第四号の規定に違反して、第一号の二に規定する状態で自動車を運転することを命じ、又は容認した者
第百十七条の三
 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反した者(第百十七条の規定に該当する者を除く。)
二 偽りその他不正の手段により免許証又は国外運転免許証の交付を受けた者
二の二 第五十一条の二第十項の規定に違反して車輪止め装置を破損し、又は取り除いた者
三 第五十一条の三(指定車両移動保管機関)第四項、第百七条の十一(免許関係事務の委託)第二項、第百八条の七(秘密保持義務等)第一項、第百八条の十八(秘密保持義務)又は第百十四条の八(都道府県道路使用適正化センター)第五項の規定に違反した者
第百十八条
1  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第五号から第七号までのいずれかに該当している場合、又は本邦に上陸した日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者
二 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
二の二 第五十七条(乗車又は積載の制限等)第一項の規定に違反して積載物の重量の制限を超える積載をして車両を運転した者
二の三 第五十八条の五(過積載車両の運転の要求等の禁止)第二項の規定による警察署長の命令に従わなかつた者
三 第六十六条(過労運転等の禁止)の規定に違反した者(第百十七条の二第一号の二の規定に該当する者を除く。)
三の二 第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者
三の三 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第一号、第二号、第四号又は第五号の規定に違反した者(第百十七条の二第三号の規定に該当する者を除く。)
三の四 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第六号の規定に違反して、第二号の二に規定する積載をして自動車を運転することを命じ、又は容認した者
四 第七十六条(禁止行為)第一項又は第二項の規定に違反した者
五 第八十五条(第一種免許)第五項から第九項までの規定に違反した者
六 第八十七条(仮免許)第二項後段の規定に違反して自動車を運転した者
2 過失により前項第二号の罪を犯した者は、三月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
第百十九条
1 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第四条(公安委員会の交通規則)第一項後段に規定する警察官の現場における指示又は第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わなかつた車両等の運転者
一の二 第七条(信号機の信号等に従う義務)、第八条(通行の禁止等)第一項又は第九条(歩行者用道路を通行する車両の義務)の規定に違反した車両等の運転者
一の三 第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反した者
二 第三十条(追越しを禁止する場所)、第三十三条(踏切の通過)第一項若しくは第二項、第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第四十二条(徐行すべき場所)又は第四十三条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者
二の二 第十七条(通行区分)第一項から第四項まで若しくは第六項、第十八条(左側寄り通行等)第二項、第二十五条の二(横断等の禁止)第一項、第二十八条(追越しの方法)、第二十九条(追越しを禁止する場合)、第三十一条(停車中の路面電車がある場合の停止又は徐行)、第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)第二項、第三項若しくは第四項、第三十八条の二(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)又は第七十五条の五(横断等の禁止)の規定の違反となるような行為をした者
三 第五十条の二(違法停車に対する措置)(第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第二項において準用する場合を含む。)又は第五十一条(違法駐車に対する措置)第一項(第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察官等の命令に従わなかつた者
三の二 第五十七条(乗車又は積載の制限等)第一項の規定に違反して積載をして車両を運転した者(前条第一項第二号の二に該当する者を除く。)
三の三 第五十八条の二(積載物の重量の測定等)の規定による警察官の停止に従わず、提示の要求を拒み、又は測定を拒み、若しくは妨げた者
三の四 第五十八条の三(過積載車両に係る措置命令)第一項又は第二項の規定による警察官の命令に従わなかつた者
四 第六十一条(危険防止の措置)の規定による警察官の停止又は命令に従わなかつた者
五 第六十二条(整備不良車両の運転の禁止)の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転させ、又は運転した者
六 第六十三条(車両の検査等)第一項の規定による警察官の停止に従わず、提示の要求を拒み、又は検査を拒み、若しくは妨げた者
七 第六十三条(車両の検査等)第二項の規定による警察官の命令に従わなかつた者
七の二 第六十五条(酒気及び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
八 第六十七条(危険防止の措置)第一項の規定による警察官の停止に従わなかつた者
九 第七十条(安全運転の義務)の規定に違反した者
九の二 第七十一条(運転者の遵守事項)第二号、第二号の二又は第三号の規定に違反した者
十 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者
十一 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第三号の規定に違反した者(当該違反により運転者が酒に酔つた状態で自動車を運転し、又は身体に第七号の二の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で自動車を運転した場合に限るものとし、第百十七条の二第二号に該当する場合を除く。)
十二 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第六号の規定に違反した者(前条第一項第三号の四に該当する者を除く。)
十二の二 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第二項又は第七十五条の二(自動車の使用者の義務等)第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による公安委員会の命令に従わなかつた者
十二の三 第七十五条の三(危険防止等の措置)の規定による警察官の禁止、制限又は命令に従わなかつた者
十二の四 第七十五条の十(自動車の運転者の遵守事項)の規定に違反し、本線車道等において当該自動車を運転することができなくなつた者又は当該自動車に積載している物を当該高速自動車国道等に転落させ、若しくは飛散させた者
十二の五 第七十六条(禁止行為)第三項又は第七十七条(道路の使用の許可)第一項の規定に違反した者
十三 第七十七条(道路の使用の許可)第三項の規定により警察署長が付し、又は同条第四項の規定により警察署長が変更し、若しくは付した条件に違反した者
十四 第八十一条(違法工作物等に対する措置)第一項、第八十一条の二(転落積載物等に対する措置)第一項又は第八十二条(沿道の工作物等の危険防止措置)第一項の規定による警察署長の命令に従わなかつた者
十五 第九十一条(免許の条件)の規定により公安委員会が付し、若しくは変更した条件に違反し、又は第百七条の四(臨時適性検査)第三項の規定による公安委員会の命令に違反して自動車又は原動機付自転車を運転した者
2 過失により前項第一号の二、第二号(第四十三条後段に係る部分を除く。)、第五号、第九号又は第十二号の四の罪を犯した者は、十万円以下の罰金に処する。
第百十九条の二
1 次の各号のいずれかに該当する行為(第一号及び第二号に掲げる行為にあつては、その行為が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に該当するとき又はその行為をした場合において車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為をしたときに限る。)をした者は、十五万円以下の罰金に処する。
一 第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所)、第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項、第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)又は第四十九条の二(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第三項の規定の違反となるような行為
二 第四十七条(停車又は駐車の方法)第二項若しくは第三項又は第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為
三 第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第七号の規定に違反する行為
2 過失により前項第一号の罪を犯した者は、十五万円以下の罰金に処する。
第百十九条の三
1 次の各号のいずれかに該当する者(前条第一項の規定に該当する者を除く。)は、十万円以下の罰金に処する。
一 第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所)、第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項、第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)又は第四十九条の二(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第二項、第三項若しくは第五項後段の規定の違反となるような行為をした者(同条第二項の規定の違反となるような行為をした者にあつては、次号に該当する者を除く。)
二 第四十九条第二項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において、車両を駐車した時から第四十九条の二第二項の道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車した者(車両を駐車した時から当該表示されている時間を経過する時までの間に当該パーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた者を除く。)
三 第四十九条の二(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第四項の規定に違反した者
四 第四十七条(停車又は駐車の方法)又は第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為をした者
2 過失により前項第一号、第二号又は第三号の罪を犯した者は、十万円以下の罰金に処する。
第百二十条
1 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第六条(警察官等の交通規制)第二項の規定による警察官の禁止、制限又は命令に従わなかつた車両等の運転者
二 第二十五条(道路外に出る場合の方法)第三項、第二十六条(車間距離の保持)、第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項、第二十七条(他の車両に追いつかれた車両の義務)、第三十一条の二(乗合自動車の発進の保護)、第三十二条(割込み等の禁止)、第三十四条(左折又は右折)第六項(第三十五条(指定通行区分)第二項において準用する場合を含む。)、第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)第一項、第三十七条(交差点における他の車両等との関係等)、第四十条(緊急自動車の優先)、第四十一条の二(消防用車両の優先等)第一項若しくは第二項又は第七十五条の六(本線車道に入る場合等における他の自動車との関係)の規定の違反となるような行為をした者
三 第二十条(車両通行帯)、第二十条の二(路線バス等優先通行帯)第一項、第二十六条の二(進路の変更の禁止)第三項又は第三十五条(指定通行区分)第一項の規定の違反となるような行為をした者
四 第二十五条の二(横断等の禁止)第二項の規定の違反となるような行為をした者
五 第五十条(交差点等への進入禁止)又は第五十二条(車両等の燈火)第一項の規定の違反となるような行為をした者
六及び七 削除
八 第五十二条(車両等の燈火)第二項、第五十三条(合図)第一項若しくは第三項又は第五十四条(警音器の使用等)第一項の規定に違反した者
八の二 第六十二条(整備不良車両の運転の禁止)の規定に違反して軽車両を運転させ、若しくは運転した者又は第六十三条の九(自転車の制動装置等)第一項の規定に違反した者
九 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の四(大型自動二輪車等の運転者の遵守事項)第三項から第五項まで、第七十三条(妨害の禁止)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
十 第五十五条(乗車又は積載の方法)第一項若しくは第二項又は第五十九条(自動車の牽引制限)第一項若しくは第二項の規定に違反した者
十の二 第五十七条(乗車又は積載の制限等)第一項の規定に違反した者(第百十八条第一項第二号の二及び第百十九条第一項第三号の二に該当する者を除く。)
十一 第六十七条(危険防止の措置)第二項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者
十一の二 第七十二条(交通事故の場合の措置)第二項の規定による警察官の命令に従わなかつた者
十一の三 第七十四条の二(安全運転管理者等)第一項若しくは第二項の規定に違反した者又は同条第四項の規定による公安委員会の命令に従わなかつた者
十二 第七十五条の四(最低速度)の規定の違反となるような行為をした者
十二の二 第七十五条の十一(故障等の場合の措置)第一項の規定に違反した者
十三 第七十七条(道路の使用の許可)第七項の規定に違反した者
十四 第八十七条(仮免許)第三項の規定に違反した者
十五 免許証、国外運転免許証又は国際運転免許証等を他人に譲り渡し、又は貸与した者
2 過失により前項第三号、第四号、第五号、第八号、第八号の二又は第十四号の罪を犯した者は、五万円以下の罰金に処する。
第百二十一条
1 次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
一 第四条(公安委員会の交通規制)第一項後段に規定する警察官の現場における指示若しくは第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わず、又は第七条(信号機の信号等に従う義務)若しくは第八条(通行の禁止等)第一項の規定に違反した歩行者
一の二 第八条(通行の禁止等)第五項の規定により警察署長が付した条件に違反した者
二 第十一条(行列等の通行)第一項の規定に違反した者(行列にあつては、その指揮者)
三 第十一条(行列等の通行)第二項後段の規定に違反し、又は同条第三項の規定による警察官の命令に従わなかつた行列の指揮者
四 第十五条(通行方法の指示)又は第六十三条の八(自転車の通行方法の指示)の規定による警察官等の指示に従わなかつた者
五 第十七条の二(軽車両の路側帯通行)第二項、第十九条(軽車両の並進の禁止)、第二十一条(軌道敷内の通行)第一項、第二項後段若しくは第三項、第二十五条(道路外に出る場合の方法)第一項若しくは第二項、第三十四条(左折又は右折)第一項から第五項まで、第六十三条の三(自転車道の通行区分)、第六十三条の四(普通自転車の歩道通行)第二項又は第七十五条の七(本線車道の出入の方法)の規定の違反となるような行為をした者
六 第五十四条(警音器の使用等)第二項、第五十五条(乗車又は積載の方法)第三項又は第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)の規定に違反した者
七 第五十七条(乗車又は積載の制限等)第二項又は第六十条(自動車以外の車両の牽引制限)の規定に基づく公安委員会の定めに違反した者
八 第五十八条(制限外許可証の交付等)第三項の規定により警察署長が付した条件に違反した者
九 第五十一条(違法駐車に対する措置)第五項(第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第二項において準用する場合を含む。)、第五十一条の二第十項、第六十三条(車両の検査等)第七項、第七十五条(自動車の使用者の義務等)第十一項(第七十五条の二(自動車の使用者の義務等)第三項において準用する場合を含む。)、第七十八条(許可の手続)第四項、第九十四条(免許証の記載事項の変更届出等)第一項、第百三条の二(免許の効力の仮停止)第三項(第百七条の五(自動車等の運転禁止等)第九項において準用する場合を含む。)、第百七条(免許証の返納等)第一項若しくは第三項、第百七条の五(自動車等の運転禁止等)第四項若しくは第六項又は第百七条の十(国外運転免許証の返納等)第一項若しくは第二項の規定に違反した者(第百十七条の三第二号の二に該当する者を除く。)
九の二 第六十三条の二(運行記録計による記録等)又は第七十四条の二(安全運転管理者等)第三項の規定に違反した者
九の三 第七十一条の五(初心運転者標識の表示義務)の規定に違反した者
十 第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第一項又は第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)前段の規定に違反した者
2 過失により前項第九号の三又は第十号の罪を犯した者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
第百二十二条
 削除
第百二十三条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百十七条の二第二号若しくは第三号、第百十八条第一項第二号の二、第二号の三若しくは第三号の三から第四号まで、第百十九条第一項第三号の二、第五号、第十一号、第十二号、第十二号の二、第十二号の五、第十三号若しくは第十四号、第百十九条の二第一項第三号、第百二十条第一項第十号、第十号の二、第十一号の三若しくは第十三号又は第百二十一条第一項第七号、第八号若しくは第九号の二の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
第百二十四条
 この章の規定の適用については、この法律の規定中公安委員会とあるのは、第百十四条の規定により権限の委任を受けた方面公安委員会を含むものとする。
第九章 反則行為に関する処理手続の特例
 第一節 通則
(通則)
第百二十五条
1 この章において「反則行為」とは、前章の罪に当たる行為のうち別表の上欄に掲げるものであつて、車両等(重被牽引車以外の軽車両を除く。次項において同じ。)の運転者がしたものをいい、その種別は、政令で定める。
2  この章において「反則者」とは、反則行為をした者であつて、次の各号のいずれかに該当する者以外のものをいう。
一 当該反則行為に係る車両等に関し法令の規定による運転の免許を受けていない者(法令の規定により当該免許の効力が停止されている者を含み、第百七条の二の規定により国際運転免許証等で当該車両等を運転することができることとされている者を除く。)又は第八十五条第五項から第九項までの規定により当該反則行為に係る自動車を運転することができないこととされている者
二 当該反則行為をした場合において、酒に酔つた状態、第百十七条の二第一号の二に規定する状態又は身体に第百十九条第一項第七号の二の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等を運転していた者
三 当該反則行為をし、よつて交通事故を起こした者
3 この章において「反則金」とは、反則者がこの章の規定の適用を受けようとする場合に国に納付すべき金銭をいい、その額は、別表に定める金額をこえない範囲内において、反則行為の種別に応じ政令で定める。
 第二節 告知及び通告
(告知)
第百二十六条
1 警察官は、反則者があると認めるときは、次の各号に掲げる場合を除き、その者に対し、すみやかに反則行為となるべき事実の要旨及び当該反則行為が属する反則行為の種別並びにその者が次条第一項前段の規定による通告を受けるための出頭の期日及び場所を書面で告知するものとする。ただし、出頭の期日及び場所の告知は、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
一 その者の居所又は氏名が明らかでないとき。
二 その者が逃亡するおそれがあるとき。
2 前項の書面には、この章に定める手続を理解させるため必要な事項を記載するものとする。
3 警察官は、第一項の規定による告知をしたときは、当該告知に係る反則行為が行なわれた地を管轄する都道府県警察の警察本部長にすみやかにその旨を報告しなければならない。ただし、警察法第六十条の二又は第六十六条第二項の規定に基づいて、当該警察官の所属する都道府県警察の管轄区域以外の区域において反則行為をしたと認めた者に対し告知をしたときは、当該警察官の所属する都道府県警察の警察本部長に報告しなければならない。
4 第百十四条の四第一項に規定する交通巡視員は、第百十九条の二又は第百十九条の三の罪に当たる行為をした反則者があると認めるときは、第一項の例により告知するものとし、当該告知をしたときは、前項の例により報告しなければならない。
(通告)
第百二十七条
1 警察本部長は、前条第三項又は第四項の報告を受けた場合において、当該報告に係る告知を受けた者が当該告知に係る種別に属する反則行為をした反則者であると認めるときは、その者に対し、理由を明示して当該反則行為が属する種別に係る反則金の納付を書面で通告するものとする。この場合においては、その者が当該告知に係る出頭の期日及び場所に出頭した場合並びにその者が第百二十九条第一項の規定による仮納付をしている場合を除き、当該通告書の送付に要する費用の納付をあわせて通告するものとする。
2 警察本部長は、前条第三項又は第四項の報告を受けた場合において、当該報告に係る告知を受けた者が当該告知に係る種別に属する反則行為をした反則者でないと認めるときは、その者に対し、すみやかに理由を明示してその旨を書面で通知するものとする。この場合において、その者が当該告知に係る種別以外の種別に属する反則行為をした反則者であると認めるときは、その者に対し、理由を明示して当該反則行為が属する種別に係る反則金の納付を書面で通告するものとする。
3 第一項の規定による通告は、第百二十九条第一項に規定する期間を経過した日以後において、すみやかに行なうものとする。
 第三節 反則金の納付及び仮納付
(反則金の納付)
第百二十八条
1 前条第一項又は第二項後段の規定による通告に係る反則金(同条第一項後段の規定による通告を受けた者にあつては、反則金及び通告書の送付に要する費用。以下この条において同じ。)の納付は、当該通告を受けた日の翌日から起算して十日以内(政令で定めるやむを得ない理由のため当該期間内に反則金を納付することができなかつた者にあつては、当該事情がやんだ日の翌日から起算して十日以内)に、政令で定めるところにより、国に対してしなければならない。
2 前項の規定により反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない。
(仮納付)
第百二十九条
1 第百二十六条第一項又は第四項の規定による告知を受けた者は、当該告知を受けた日の翌日から起算して七日以内に、当該告知された反則行為の種別に係る反則金に相当する金額を政令で定めるところにより仮に納付することができる。ただし、第百二十七条第二項前段の規定による通知を受けた後は、この限りでない。
2 第百二十七条第一項前段の規定による通告は、前項の規定による仮納付をした者については、政令で定めるところにより公示して行なうことができる。
3 第一項の規定による仮納付をした者について当該告知に係る第百二十七条第一項前段の規定による通告があつたときは、当該仮納付をした者は、前条第一項の規定により当該通告に係る反則金を納付した者とみなし、当該反則金に相当する金額の仮納付は同項の規定による反則金の納付とみなす。
4 警察本部長は、第一項の規定による仮納付をした者に対し、第百二十七条第二項前段の規定による通知をしたときは、当該仮納付に係る金額をすみやかにその者に返還しなければならない。
(期間の特例)
第百二十九条の二
 第百二十八条第一項及び前条第一項に規定する期間の末日が日曜日その他政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日を当該期間の末日とみなす。
 第四節 反則者に係る刑事事件等
(反則者に係る刑事事件)
第百三十条
 反則者は、当該反則行為についてその者が第百二十七条第一項又は第二項後段の規定により当該反則行為が属する種別に係る反則金の納付の通告を受け、かつ、第百二十八条第一項に規定する期間が経過した後でなければ、当該反則行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない。ただし、次の各号に掲げる場合においては、この限りでない。
一 第百二十六条第一項各号のいずれかに掲げる場合に該当するため、同項又は同条第四項の規定による告知をしなかつたとき。
二 その者が書面の受領を拒んだため、又はその者の居所が明らかでないため、第百二十六条第一項若しくは第四項の規定による告知又は第百二十七条第一項若しくは第二項後段の規定による通告をすることができなかつたとき。
(反則者に係る保護事件)
第百三十条の二
1 家庭裁判所は、前条本文に規定する通告があつた事件について審判を開始した場合において、相当と認めるときは、期限を定めて反則金の納付を指示することができる。この場合において、その反則金の額は、第百二十五条第三項の規定にかかわらず、別表に定める金額をこえない範囲内において家庭裁判所が定める額とする。
2 前項の規定による指示の告知は、書面で行なうものとし、この書面には、同項の規定によつて定めた期限及び反則金の額を記載するものとする。
3 第百二十八条の規定は、第一項の規定による指示に係る反則金の納付について準用する。この場合において、同条第一項中「当該通告を受けた日の翌日から起算して十日以内」とあるのは、「第百三十条の二第一項の規定により定められた期限まで」と読み替えるものとする。
 第五節 雑則
(方面本部長への権限の委任)
第百三十一条
 この章の規定により道警察本部長の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面本部長に行なわせることができる。
(政令への委任)
第百三十二条
 この章に定めるもののほか、第百二十六条第一項又は第百二十七条第一項若しくは第二項に規定する書面の記載事項その他この章の規定の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 抄
(施行期日)
第一条
 この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(道路交通取締法等の廃止)
第二条
 道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号。以下「旧法」という。)及び道路交通取締法施行令(昭和二十八年政令第二百六十一号。以下「旧令」という。)は、廃止する。
(経過規定)
第四条
 前条第一項又は第二項の場合において、旧令の規定により公安委員会が運転免許についてした自動車の種類その他の限定又は運転免許若しくは運転許可について付した条件で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により公安委員会が当該免許について付した条件とみなす。
第五条
1 新法の施行の際、現に旧法及び旧令に規定する自動車運転者試験に合格して旧法及び旧令の規定による運転免許を受けていない者については、当該自動車運転者試験を行なつた公安委員会は、旧令第四十九条第一項ただし書の規定により運転免許を拒否し、又は保留する場合を除き、新法第八十八条第一項第一号及び第九十条第一項本文の規定にかかわらず、その者に当該自動車運転者試験に係る運転免許に相当する新法の規定による免許を与えなければならない。この場合において、自動車運転者試験を行なつた公安委員会が免許を受けた者の住所地を管轄するものでないときは、当該公安委員会は、すみやかに免許を与えた旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
2 前項前段の規定により普通免許を受けた者が運転することができる自動車は、普通自動車については、政令で定めるところにより公安委員会が行なう審査に合格するまでの間は、旧令の規定による小型自動四輪車に限るものとする。
3 新法の施行の際、現に旧法及び旧令の規定により運転許可の申請をして旧法及び旧令の規定による運転許可を受けていない者については、当該申請を受理した公安委員会は、その者が旧令第六十五条の三第一項各号のいずれかに該当し、若しくは同条第二項各号のいずれかに該当しない場合又は旧令第六十六条において準用する旧令第四十九条第一項ただし書の規定により運転許可を拒否する場合を除き、新法第八十八条第一項第一号及び第九十条第一項本文の規定にかかわらず、その者に当該申請をした運転許可に相当する新法の規定による免許を与えなければならない。第一項後段の規定は、この場合について準用する。
第六条
 新法の施行の際、現に旧令第五十三条第一項第一号に掲げる公安委員会の指定した自動車練習所その他これに類する施設の発行する卒業証明書を有する者で卒業後一年を経過しないものは、新法第九十九条第一項の適用については、当該施設を卒業して一年を経過しない間は、同条同項第一号に掲げる指定自動車教習所の発行する卒業証明書を有する者で当該指定自動車教習所を卒業した日から起算して一年を経過しないものとみなす。
第七条
 附則第三条に規定するもののほか、新法の施行の際、旧法の規定により公安委員会がした道路の通行の禁止若しくは制限又は旧法若しくは旧令の規定により公安委員会がした運転免許若しくは運転許可の取消し若しくは停止その他の処分で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により公安委員会がした処分とみなす。この場合において、当該処分に期間が定められているときは、その期間は、旧法又は旧令の規定により当該処分がされた日から起算するものとする。
第八条
 附則第五条第三項に規定するもののほか、新法の施行の際、現に旧法又は旧令の規定により公安委員会に対してされている運転免許の申請(十八歳未満の者がした小型自動四輪車免許に係る申請を除く。以下この条において同じ。)、届出その他の手続は、それぞれ新法の相当規定により公安委員会に対してされた手続とみなす。この場合において、運転免許の申請、運転免許証若しくは運転許可証の再交付の申請又は運転免許証若しくは運転許可証の記載事項の変更に係る届出を受理した公安委員会が当該手続をした者の住所地を管轄するものでないときは、当該公安委員会は、新法の施行後すみやかに当該手続に係る書類をその者の住所地を管轄する公安委員会に引き継がなければならない。
第九条
 新法の施行の際、旧法第九条第六項(第九条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定により公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続については、これを新法第百四条の規定により公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続とみなし、当該聴聞又は聴聞の手続をした公安委員会は、当該聴聞に係る事案について新法第百三条の規定による処分をすることができる。この場合において、当該処分をした公安委員会が当該処分に係る者の住所地を管轄するものでないときは、当該公安委員会は、すみやかに当該処分をした旨をその者の住所地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
第十条
 新法第九十条第一項及び第百三条第二項(同項第二号に係る部分に限る。)の規定の適用については、自動車及び原動機付自転車の運転に関し旧法若しくは旧令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反した者は、新法の相当規定又はこれに基づく処分にそれぞれ違反した者とみなす。
第十一条
 新法の施行の際、旧法又は旧令の規定により警察署長がした許可その他の処分で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により警察署長がした処分とみなし、当該許可に係る許可証は、新法の相当規定による許可証とみなす。この場合において、当該処分に期間が定められているときは、その期間は、旧法又は旧令の規定により当該処分がされた日から起算するものとする。
第十二条
 新法の施行の際、現に旧法又は旧令の規定により警察署長に対してされている許可の申請その他の手続は、それぞれ新法の相当規定により警察署長に対してされた手続とみなす。
第十四条
 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(交通安全対策特別交付金)
第十六条
1 国は、当分の間、交通安全対策の一環として、道路交通安全施設の設置及び管理に要する費用で政令で定めるものに充てるため、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対し、交通安全対策特別交付金(以下「交付金」という。)を交付する。
2 交付金の額は、第百二十八条第一項(第百三十条の二第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により納付された反則金(第百二十九条第三項の規定により反則金の納付とみなされる同条第一項の規定による仮納付に係るものを含む。)に係る収入額に相当する金額に当該金額に係る余裕金の運用により生じた利子に相当する金額を加えた額(附則第十八条第一項において「反則金収入相当額等」という。)から次の各号に掲げる額の合算額を控除した額とする。
一 第百二十七条第一項後段に規定する通告書の送付に要する費用に係る収入額に相当する額として政令で定めるところにより算定した額(附則第十八条第一項及び附則第二十一条において「通告書送付費支出金相当額」という。)
二 郵便局の取り扱う反則金等(第百二十八条第一項の規定により納付される反則金及び第百二十九条第一項の規定により納付される反則金に相当する金額をいう。)の受入れの事務の取扱いに要する経費に相当する額として政令で定めるところにより算定した額(附則第十八条第一項において「郵政取扱手数料相当額」という。)
(交付の基準)
第十七条
 都道府県及び市町村ごとの交付金の額は、当該都道府県及び市町村の区域における交通事故の発生件数、人口の集中度その他の事情を考慮して政令で定めるところにより算定した額とする。
(交付の時期及び交付時期ごとの交付額)
第十八条
1 交付金は、毎年度、次の表の上欄に掲げる時期に、それぞれ同表の下欄に定める額を交付する。    交付時期  交付時期ごとに交付すべき額  九月  前年度の三月及び当該年度の四月から八月までの期間の収納に係る反則金収入相当額等からこれらの期間に係る通告書送付費支出金相当額と当該年度に係る郵政取扱手数料相当額の二分の一に相当する額との合算額を控除した額に相当する額を基礎として政令で定める額三月  当該年度の九月から二月までの期間の収納に係る反則金収入相当額等から当該期間に係る通告書送付費支出金相当額と当該年度に係る郵政取扱手数料相当額の二分の一に相当する額との合算額を控除した額に相当する額を基礎として政令で定める額
2 前項に規定する各交付時期ごとに交付することができなかつた金額があるとき、又は各交付時期において交付すべき金額を超えて交付した金額があるときは、それぞれ当該金額を、次の交付時期に交付すべき額に加算し、又はこれから減額するものとする。
(交付金の返還)
第十九条
 国は、都道府県又は市町村が、交付を受けた交付金を附則第十六条第一項に規定する道路交通安全施設の設置及び管理に要する費用に充てなかつたときは、政令で定めるところにより、その充てなかつた部分に相当する金額の返還を命ずることができる。この場合において、返還された金額は、その返還された日以後に到来する交付時期において交付すべき額に加算する。
(報告徴収)
第二十条
 国は、交付金の用途、道路交通安全施設の設置及び管理の状況等に関し、必要があると認めるときは、都道府県及び市町村から報告を徴することができる。
(通告書送付費支出金の支出)
第二十一条
 国は、通告書送付費支出金として、各都道府県ごとの第百二十七条第一項後段に規定する通告書の送付に要する費用に係る支出額を考慮して政令で定めるところにより、通告書送付費支出金相当額を都道府県に支出する。
(主務大臣等)
第二十二条
 附則第十六条から第二十条までの規定による交付金に関する事務は自治大臣が、前条の規定による通告書送付費支出金に関する事務は内閣総理大臣が行う。
2 前項の規定により内閣総理大臣が行うものとされる事務は、政令で定めるところにより、警察庁長官に委任することができる。
附則 (昭和三七年六月二日法律第一四七号)
1 この法律は、公布の日から起算して一月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に大型免許を受けている者については、この法律による改正後の第八十五条第三項の規定は、適用しない。
附則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄
1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (昭和三八年四月一五日法律第九〇号) 抄
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和三九年六月一日法律第九一号) 抄
1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、この法律の施行の際に条約が日本国について効力を生じていない場合には、目次の改正規定(第六節を改める部分に限る。)、第六十七条第一項の改正規定、第七十五条第一項の改正規定、第八十八条第一項に第七号を加える改正規定、第六章第六節の次に一節を加える改正規定、第百九条の改正規定、第百十二条の改正規定(「若しくは第百一条の二第一項」を加える部分を除く。)、第百十八条第一項第一号の改正規定、第百二十条第一項の改正規定(同項第九号中「(第百七条の三(国際運転免許証の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)」を加える部分及び同項第十五号中「免許証、国外運転免許証又は国際運転免許証を」に改める部分に限る。)及び第百二十一条第一項第十号の改正規定は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
4 前項の場合において、旧法の規定により公安委員会が運転免許について付した自動車等の種類の限定(前項第三号から第五号までに掲げるものを除く。)又は当該運転免許について付した条件で現にその効力を有するものは、それぞれ新法の相当規定により公安委員会が当該運転免許について付した自動車等の種類の限定又は当該運転免許について付した条件とみなす。
5  この法律の施行の際現に旧法の規定による特殊自動車免許、軽自動車免許又は特殊自動車第二種免許の運転免許試験に合格して旧法の規定による運転免許を受けていない者については、それぞれ次の各号に定める区分により、新法の相当規定による大型特殊自動車免許、軽自動車免許、小型特殊自動車免許、、第一種原動機付自転車免許、第二種原動機付自転車免許又は大型特殊自動車第二種免許の運転免許試験に合格した者とみなす。
一 特殊自動車免許については、大型特殊自動車免許
二 軽自動車免許(次号から第五号までに掲げるものを除く。)については、軽自動車免許及び小型特殊自動車免許
三 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類を新法の規定による小型特殊自動車及び原動機付自転車に限定すべきものについては、小型特殊自動車免許及び第二種原動機付自転車免許
四 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類を新法の規定による小型特殊自動車及び第一種原動機付自転車に限定すべきものについては、小型特殊自動車免許及び第一種原動機付自転車免許
五 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類を新法の規定による小型特殊自動車に限定すべきものについては、小型特殊自動車免許
六 特殊自動車第二種免許については、大型特殊自動車第二種免許
6 この法律の施行の際、旧法第九十条第一項ただし書の規定により公安委員会がした運転免許の拒否又は保留で現にその効力を有するものは、新法第九十条第一項ただし書の規定により公安委員会がした運転免許の拒否又は保留とみなす。この場合において、保留の期間については、同項の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、その期間は、旧法第九十条第一項ただし書の規定により当該保留がされた日から起算するものとする。
7 この法律の施行の際現に旧法の規定により公安委員会に対してされている旧法の規定による特殊自動車免許、軽自動車免許又は特殊自動車第二種免許に係る申請、届出その他の手続は、それぞれ次の各号に定める区分により、新法の相当規定により公安委員会に対してされた手続とみなす。
一 特殊自動車免許については、大型特殊自動車免許
二 軽自動車免許については、軽自動車免許及び小型特殊自動車免許
三 特殊自動車第二種免許については、大型特殊自動車第二種免許
8 この法律の施行の際、旧法第九十条第一項ただし書の規定により運転免許を拒否されてから一年を経過していない者又は同項ただし書の規定により現に運転免許を保留されている者については、新法第八十八条第一項第五号の規定は、適用しない。
9 この法律の施行前に運転免許を受けた者については、新法第九十条第三項の規定は、適用しない。
10 この法律の施行前に運転免許の効力の停止を受けた者に係る運転免許証の提出及び保管については、新法第百七条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
11  この法律の施行の際、旧法の規定により旧法の特殊自動車免許、軽自動車免許又は特殊自動車第二種免許に係る事案について公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続については、それぞれ次の各号に定める区分により、これらを新法の相当規定により大型特殊自動車免許、軽自動車免許、小型特殊自動車免許、第一種原動機付自転車免許、第二種原動機付自転車免許又は大型特殊自動車第二種免許に係る事案について公安委員会がした聴聞又は聴聞の手続とみなす。
一 特殊自動車免許については、大型特殊自動車免許
二 軽自動車免許(次号から第五号までに掲げるものを除く。)については、軽自動車免許及び小型特殊自動車免許
三 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車及び原動機付自転車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許及び第二種原動機付自転車免許
四 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車及び第一種原動機付自転車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許及び第一種原動機付自転車免許
五 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許
六 特殊自動車第二種免許については、大型特殊自動車第二種免許
12  この法律の施行の際、旧法の規定により公安委員会がした旧法の特殊自動車免許、軽自動車免許又は特殊自動車第二種免許の取消し若しくは停止その他の処分で現にその効力を有するものは、それぞれ次の各号に定める区分により、新法の相当規定により大型特殊自動車免許、軽自動車免許、小型特殊自動車免許、第一種原動機付自転車免許、第二種原動機付自転車免許又は大型特殊自動車第二種免許について公安委員会がした処分とみなす。この場合において、当該処分に期間が定められているときは、その期間は、旧法の規定により当該処分がされた日から起算するものとする。
一 特殊自動車免許については、大型特殊自動車免許
二 軽自動車免許(次号から第五号までに掲げるものを除く。)については、軽自動車免許及び小型特殊自動車免許
三 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車及び原動機付自転車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許及び第二種原動機付自転車免許
四 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車及び第一種原動機付自転車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許及び第一種原動機付自転車免許
五 軽自動車免許で旧法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類が新法の規定による小型特殊自動車に限定されているものについては、小型特殊自動車免許
六 特殊自動車第二種免許については、大型特殊自動車第二種免許
13 新法第九十条第一項ただし書及び第三項並びに第百三条第二項第二号の規定の適用については、自動車及び原動機付自転車の運転に関し旧法若しくは旧法に基づく命令の規定又は旧法に基づく処分に違反した者は、新法の相当規定又はこれに基づく処分にそれぞれ違反した者とみなす。
14 この法律の施行の際現に旧法第八十八条第一項第二号、第三号若しくは第四号又は旧法第百三条第二項各号のいずれかに該当する者で同条第一項又は第二項の規定による運転免許の取消し又は効力の停止を受けていないものに係る当該事由を理由とする運転免許の取消し又は効力の停止については、新法第百三条第一項及び第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
15 前項の規定により運転免許の効力の停止を受けた者に係る講習及び運転免許の効力の停止の期間の短縮については、新法第百三条第八項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
16 この法律の施行の際現に旧法第百三条第三項の規定による講習を終了していない者に係る講習及び同項後段の規定による期間の短縮を受けていない者に係る期間の短縮については、新法第百三条第八項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
17 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和四〇年六月一日法律第九六号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律中第一条及び附則の規定は公布の日から起算して三月を経過した日から、第二条の規定は同日から三年を経過した日から施行する。
(自動三輪車免許等に関する経過規定)
第二条
1 第一条の規定による改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)の規定による運転免許で次の表の上欄に掲げるものは、それぞれ同表の下欄に掲げる同条の規定による改正後の道路交通法(以下「新法」という。)の規定による運転免許とみなす。    旧法の規定による運転免許新法の規定による運転免許  自動三輪車免許  普通自動車免許  第一種原動機付自転車免許  原動機付自転車免許  第二種原動機付自転車免許  自動二輪車免許  自動三輪車第二種免許  普通自動車第二種免許  自動三輪車に係る仮運転免許  普通自動車に係る仮運転免許
2 第一条の規定の施行の日(以下「施行日」という。)前に旧法の規定によつてした運転免許に係る処分又は手続で前項の表の上欄に掲げる運転免許に係るものは、新法の相当規定によりそれぞれ同表の下欄に掲げる運転免許に係る処分又は手続としてされたものとみなす。
3 第一条の規定の施行の際(以下「改正法の施行の際」という。)現に旧法の規定による自動三輪車免許、自動三輪車第二種免許若しくは自動三輪車に係る仮運転免許を受けている者又は施行日前にこれらの運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後にこれらの運転免許に相当する新法の規定による運転免許を受けた者が運転することができる普通自動車は、政令で定めるところにより公安委員会が行なう審査に合格するまでの間は、旧法の規定による自動三輪車に限るものとする。この場合において、十八歳未満の者は、十八歳に達するまでの間は、公安委員会が行なう審査を受けることができない。
4 前項に規定する者が同項の規定により運転することができる普通自動車以外の普通自動車を運転したときは、その行為は、新法の規定(罰則を含む。)の適用については、新法第六十四条の規定に違反する行為とみなす。
(大型自動車免許等に関する特例)
第三条
1 改正法の施行の際現に旧法の規定による運転免許(小型特殊自動車免許、第一種原動機付自転車免許、第二種原動機付自転車免許及び仮運転免許を除く。)を受けている者又は施行日前にこれらの運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後にこれらの運転免許若しくはこれらに相当する新法の規定による運転免許を受けた者は、当該運転免許を受けている間(道路交通法第九十条第三項又は第百三条第二項若しくは第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている間を除く。)は、新法の規定による自動二輪車免許を受けたものとみなす。
2 改正法の施行の際現に旧法の規定による大型特殊自動車免許、自動二輪車免許若しくは大型特殊自動車第二種免許を受けている者又は施行日前にこれらの運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後にこれらの運転免許を受けた者は、当該運転免許を受けている間(道路交通法第九十条第三項又は第百三条第二項若しくは第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている間を除く。)は、新法の規定による軽自動車免許を受けたものとみなす。
(牽引免許等に関する特例)
第四条
1 改正法の施行の際大型特殊自動車で牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するための構造及び装置を有し、かつ、もつぱら牽引のために使用されるもの(以下「牽引車」という。)に係る旧法の規定による大型特殊自動車免許を現に受けている者又は施行日前に当該運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後に当該運転免許を受けた者は、新法の規定による大型自動車免許及び牽引免許を受けたものとみなす。
2 改正法の施行の際牽引車に係る旧法の規定による大型特殊自動車第二種免許を現に受けている者又は施行日前に当該運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後に当該運転免許を受けた者は、新法の規定による大型自動車免許及び牽引第二種免許を受けたものとみなす。
3 改正法の施行の際旧法の規定による大型自動車免許、普通自動車免許、大型特殊自動車免許(牽引車に係る大型特殊自動車免許を除く。)自動三輪車免許、大型自動車第二種免許、普通自動車第二種免許、大型特殊自動車第二種免許(牽引車に係る大型特殊自動車第二種免許を除く。)若しくは自動三輪車第二種免許を現に受けている者又は施行日前にこれらの運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後にこれらの運転免許若しくはこれらに相当する新法の規定による運転免許を受けた者は、同日から六月間は、その者が牽引車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両で車両総重量(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムをこえるものを牽引して当該牽引車を運転する場合を除き、牽引第二種免許を受けたものとみなす。
(三年経過後における軽自動車免許及び自動三輪車免許に関する経過規定)
第五条
1 施行日から三年を経過する際における運転免許で次の表の上欄に掲げるものは、それぞれ同表の下欄に掲げる運転免許とみなす。    従前の運転免許  第二条の規定による改正後の道路交通法(以下「三年後の新法」という。)の規定による運転免許  軽自動車免許  普通自動車免許  軽自動車に係る仮運転免許  普通自動車に係る仮運転免許
2 施行日から三年を経過した日前に従前の規定によつてした運転免許に係る処分又は手続で前項の表の上欄に掲げる運転免許に係るものは、三年後の新法の相当規定によりそれぞれ同表の下欄に掲げる運転免許に係る処分又は手続としてされたものとみなす。
3 施行日から三年を経過する際第一項の表の上欄に掲げる運転免許を現に受けている者又は施行日から三年を経過した日前にこれらの運転免許に係る運転免許試験に合格したことにより同日以後にこれらの運転免許に相当する同表の下欄に掲げる運転免許を受けた者が運転することができる普通自動車は、政令で定めるところにより公安委員会が行なう審査に合格するまでの間は、従前の軽自動車に限るものとする。この場合において、十八歳未満の者は、十八歳に達するまでの間は、公安委員会が行なう審査を受けることができない。
4 前項に規定する者が同項の規定により運転することができる普通自動車以外の普通自動車を運転したときは、その行為は、三年後の新法の規定(罰則を含む。)の適用については、同法第六十四条の規定に違反する行為とみなす。
5 附則第二条第三項に規定する者は、施行日から三年を経過した日以後は、同項前段及び同条第四項の規定にかかわらず、従前の軽自動車を運転することができる。
(従前の行為に対する罰則の適用)
第六条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和四二年八月一日法律第一二六号) 抄
1 この法律の規定は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる日から施行する。
一 第一条の規定中道路交通法目次の改正規定(「第百十四条」を改める部分に限る。)、同法第七十五条の四の改正規定及び同法第百十四条の次に一条を加える改正規定 この法律の公布の日
二 第一条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。次項から附則第五項までにおいて同じ。)及び次項から附則第五項までの規定 この法律の公布の日から起算して三月を経過した日
三 第二条並びに附則第六項から第十一項まで、第十三項及び第十四項の規定昭和四十三年七月一日
四 第三条及び附則第十二項の規定 道路交通法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第九十六号)第二条の規定の施行の日(昭和四十三年九月一日)
(昭和四十三年九月一日)
2 第一条の規定の施行の際現に大型自動車免許(以下「大型免許」という。)を受けている者で、大型免許、普通自動車免許又は大型特殊自動車免許によつて運転することができる自動車の運転の経験の期間が通算して二年に達しているものは、同条の規定による改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第八十五条第五項の規定の適用については、これらの自動車の運転の経験の期間が通算して三年に達しているものとみなす。
3 第一条の規定の施行の際現に大型免許を受けている者及び大型免許の運転免許試験に合格して大型免許を受けていない者に係る大型自動車の運転及び大型免許については、新法第八十五条第六項及び第八十八条第一項第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 新法第百三条の二第一項の規定は、第一条の規定の施行前に交通事故を起こした者で当該交通事故に関し同項各号のいずれかに該当することとなつたものについては、適用しない。
5 第一条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
6 第二条の規定による改正後の道路交通法第九章及び別表の規定は、同条の規定の施行前にした行為については、適用しない。
7 国は、当分の間、交通安全対策の一環として、第百二十八条第一項(第百三十条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定により納付された反則金に係る収入額に相当する金額を、毎年度、政令で定める道路交通安全施設(国が設置するもの及び国の補助を受けて設置するものを除く。)の設置に要する費用に充てさせるため、交通安全対策特別交付金(以下「交付金」という。)として、交通事故の発生件数、人口の集中度等を考慮して政令で定めるところにより、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)に交付するものとする。
8 前項の規定により交付すべき交付金の毎年度分の総額は、当該年度における反則金に係る収入見込額に当該年度の前年度以前の年度において交付すべきであつた交付金の額でまだ交付していないものを加算し、又は当該収入見込額から当該前年度以前の年度において交付すべきであつた交付金の額をこえて交付した額を控除した額とする。
9 国は、都道府県又は市町村が、交付を受けた交付金を附則第七項に規定する道路交通安全施設の設置に要する費用に充てなかつたときは、政令で定めるところにより、その充てなかつた部分に相当する金額の返還を命ずることができる。この場合において、その返還された金額は、当該返還された年度の翌年度又は翌翌年度において、同項の規定により交付すべき交付金の当該年度の総額に加算する。
10 国は、交付金の用途及び道路交通安全施設の設置の状況等に関し、必要があると認めるときは、都道府県及び市町村から報告を徴することができる。
11 前四項の規定による交付金に関する事務は、自治大臣が行なう。
12 第三条の規定の施行前にした軽自動車に係る反則行為は、同条の規定による改正後の道路交通法第九章及び別表の規定の適用については、普通自動車に係る反則行為とみなす。
附則 (昭和四五年五月二一日法律第八六号) 抄
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行前に改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)第五十一条第二項の規定により行なつた措置に要した費用については、改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第五十一条第七項の規定は、適用しない。
3 この法律の施行前に旧法第九十条第一項ただし書の規定による運転免許(以下「免許」という。)の拒否の基準、同条第三項の規定による免許の取消しの基準又は旧法第百三条第二項若しくは第四項の規定による免許の取消しの基準に該当したことを理由とするこれらの処分を受けた後に免許を与えない期間については、新法第八十八条第一項第五号及び第六号、第九十条第四項並びに第百三条第六項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 この法律の施行前に旧法第百七条の五第一項の規定又は同条第八項において準用する旧法第百三条第四項の規定による自動車等の運転の禁止の基準に該当したことを理由とする自動車等の運転の禁止の期間については、なお従前の例による。
5 この法律の施行前に交通事故を起こしたことを理由とする新法第百三条の二第一項第三号(新法第百七条の五第九項において準用する場合を含む。)の規定による仮停止又は仮禁止については、なお従前の例による。
6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
7 この法律の施行前にした反則行為に関する処理手続については、新法第九章の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (昭和四五年一二月二五日法律第一四三号)01この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和四六年四月一五日法律第四六号) 抄
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和四六年五月三一日法律第八八号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、昭和四十六年七月一日から施行する。
附則 (昭和四六年六月一日法律第九六号) 抄
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に掲げる日から施行する。
三 第二十四条及び第二十七条並びに附則第八項から第十四項まで、第十九項、第二十一項及び第二十七項 公布の日から起算して六月を経過した日
附則 (昭和四六年六月二日法律第九八号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第七十四条の二に第七項を加える改正規定、第九十七条から第九十九条までの改正規定、第百一条の二の次に一条を加える改正規定、第百八条を第百八条の三とし、同条の前に二条を加える改正規定(第百八条の二第一項第一号、第三号及び第四号に係る部分に限る。)及び第百十二条の改正規定は、昭和四十七年四月一日から施行する。
(交通の規制等に係る経過措置)
第二条
1 改正前の道路交通法(以下この条において「旧法」という。)の規定に基づく交通の規制に係る禁止、制限又は指定で、この法律の施行の際現にその効力を有し、かつ、改正後の道路交通法(以下この条において「新法」という。)第四条第一項の規定に基づく交通の規制に相当するものは、当該交通の規制とみなす。
2 この法律の施行前に旧法第五十一条第二項、第三項、第五項又は第六項の規定により行なつた措置に要した費用の徴収については、新法第五十一条第八項の規定は、適用しない。
3 この法律の施行の際現に大型自動車免許を受けている者で、大型自動車免許、普通自動車免許又は大型特殊自動車免許によつて運転することができる自動車の運転の経験の期間が通算して三年に達しているものの運転することができる大型自動車については、新法第八十五条第五項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に係る経過措置)
第五条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和四六年一二月三一日法律第一三〇号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の日から施行する。
附則 (昭和四七年六月一日法律第五一号)
1  この法律は、次の各号に掲げる規定ごとに、それぞれ当該各号に掲げる日から施行する。
一 目次の改正規定、第七十一条の改正規定(第二号及び第三号に係る部分を除く。)、第七十一条の二を第七十一条の三とし、第七十一条の次に一条を加える改正規定、第百十条の改正規定、第百二十条第一項第九号の改正規定、第百二十一条の改正規定、別表の改正規定(「第五号又は」及び「、第九号の二若しくは第十号」を改める部分に限る。)及び次項の規定
昭和四十七年十月一日
二 第八十四条に一項を加える改正規定、第八十五条第五項の改正規定、第八十七条の改正規定、第八十八条の改正規定、第九十条第一項の改正規定、第九十二条第三項を削り、同条の次に一条を加える改正規定、第九十六条第一項、第二項及び第四項の各改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第九十七条の改正規定、第九十八条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第九十九条第一項の改正規定、第百三条第一項及び第四項の各改正規定、第百六条の次に一条を加える改正規定、第百十二条第五項の改正規定、第百十四条の二第一項の改正規定、第百十八条第一項に一号を加える改正規定、第百二十条第一項第十四号及び第二項の各改正規定、別表の改正規定(「第百十九条第一項第一号の二、第二号、第二号の二」を改める部分に限る。)並びに附則第三項から第七項まで及び第九項の規定 昭和四十八年四月一日
三 その他の規定 この法律の公布の日
2 昭和四十八年三月三十一日までの間は、前項第一号に掲げる改正規定による改正後の道路交通法第七十一条第五号の三中「第八十七条第三項」とあるのは、「第八十七条第四項」とする。
3 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に当該改正規定による改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)の規定により仮運転免許(以下「仮免許」という。)を受けている者は、当該仮免許について指定されている自動車の種類が大型自動車であるときは当該改正規定による改正後の道路交通法(以下「新法という。)の規定により大型自動車仮免許を受けたものと、当該仮免許について指定されている自動車の種類が普通自動車であるときは新法の規定により普通自動車仮免許を受けたものとみなす。
4 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に旧法の規定により受けている仮免許の有効期間は、前項及び新法第八十七条第五項本文の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に運転免許(以下「免許」という。)を受けている者の当該免許に係る運転免許証(以下「免許証」という。)の有効期間については、新法第九十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。この場合において、新法第百一条第二項又は第百一条の二第三項の規定によりその者の免許証の有効期間が当該改正規定の施行後最初に更新された場合における当該更新された免許証の有効期間は、新法第九十二条の二第二項又は第三項の規定にかかわらず、当該更新に係る新法第百一条第一項又は第百一条の二第二項の規定による適性検査を受けた日の後のその者の四回目の誕生日(その者の誕生日が二月二十九日であるときは、その者の誕生日は二月二十八日であるものとみなす。)が経過するまでの期間とする。
6 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に旧法の規定により普通自動車免許(以下「普通免許」という。)の申請をしている者の当該申請に係る運転免許試験の受験資格及びその者に対して新法第九十七条第一項第二号に掲げる事項について行なう普通免許の運転免許試験の方法については、新法第九十六条の二及び第九十七条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
7 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に旧法の規定により指定自動車教習所として指定されているものは、新法の規定により指定自動車教習所として指定されたものとみなし、その際現に当該自動車教習所において自動車の運転に関する技能若しくは知識の教習又は自動車の運転に関する技能についての技能検定に従事している者(新法第九十八条第一項第三号の規定に基づく政令で定める要件又は同条第二項各号に掲げる要件を備えていない者を除く。)で、当該改正規定の施行後も引き続き当該自動車教習所において当該教習又は当該技能検定に従事するものは、新法第九十八条第一項第三号又は第二項の規定により、当該自動車教習所の技能指導員若しくは学科指導員又は技能検定員に、それぞれ選任された者とみなす。
8 この法律の各改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
9 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行前にした旧法第二十四条の規定に違反する行為については、新法第九章及び別表の規定は、適用しない。
附則 (昭和五一年六月一〇日法律第六四号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和五三年五月二〇日法律第五三号) 抄
1 この法律は、昭和五十三年十二月一日から施行する。ただし、第八十五条の改正規定、第百十八条第一項第五号の改正規定及び第百二十五条第二項第一号の改正規定は、昭和五十四年四月一日から施行する。
2 昭和五十四年三月三十一日までの間は、改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第七十五条第一項第五号中「大型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して普通自動車を運転し、又は同条第八項の規定に違反して自動二輪車を運転すること」とあるのは、「大型自動車を運転すること」とする。
3 この法律の施行前に改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)第七十四条の二第三項の規定によりされた解任命令は、新法第七十四条の二第四項の規定による解任命令とみなす。
4 この法律の施行の際現に旧法第八十七条第一項の規定により受けている仮運転免許の有効期間は、新法第八十七条第五項本文の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 この法律の施行前にした行為に係る運転免許を受けた者(国際運転免許証を所持する者を含む。)に対する警察署長による運転免許の効力の停止(自動車等の運転の禁止を含む。)については、新法第百三条の二第一項第二号及び第三号(新法第百七条の五第九項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
6 この法律の施行前にした行為については、新法第百八条の三の規定は、適用しない。
7 この法律(附則第一項ただし書に規定する改正規定については、当該改正規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
8 この法律(附則第一項ただし書に規定する改正規定については、当該改正規定)の施行前にした反則行為については、新法第百二十五条及び別表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (昭和五八年五月一六日法律第三六号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から施行する。
(道路交通法の一部を改正する法律の一部改正に伴う経過措置)
第五条
1 昭和五十八年度及び昭和五十九年度に限り、新特別会計法附則第三条第一項中「収入」とあるのは「収入、地方交付税法等の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第三十六号。以下「昭和五十八年改正法」という。)附則第四条の規定による改正前の道路交通法の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第百二十六号。以下「昭和四十二年改正法」という。)附則第八項の規定がなお効力を有するものとした場合に同項の規定により昭和五十八年度又は昭和五十九年度において加算すべきであつた額に相当する額として一般会計から繰り入れられる額」と、「同法附則第十六条」とあるのは「道路交通法附則第十六条」と、「返還金、同法」とあるのは「返還金、昭和五十八年改正法附則第四条の規定による改正前の昭和四十二年改正法附則第八項の規定がなお効力を有するものとした場合に同項の規定により昭和五十八年度又は昭和五十九年度において控除すべきであつた額に相当する額として一般会計の歳入に繰り入れる額、道路交通法」とする。
2 昭和五十八年度に限り、第三条の規定による改正後の道路交通法(以下「新道路交通法」という。)附則第十八条第一項の表九月の項中「前年度の三月及び当該年度」とあるのは「当該年度」と、「政令で定める額」とあるのは「政令で定める額(地方交付税法等の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第三十六号)附則第四条の規定による改正前の道路交通法の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第百二十六号)附則第八項の規定がなお効力を有するものとした場合に、同項の規定により昭和五十八年度において加算すべきであつた額があるときは当該政令で定める額に当該加算すべきであつた額に相当する額として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計の交通安全対策特別交付金勘定の歳入に繰り入れられる額を加算した額に相当する額とし、同項の規定により同年度において控除すべきであつた額があるときは当該政令で定める額から当該控除すべきであつた額に相当する額として同勘定から一般会計の歳入に繰り入れる額を控除した額に相当する額とする。)」とする。
3 昭和五十九年度に限り、新道路交通法附則第十八条第一項の表九月の項中「政令で定める額」とあるのは、「政令で定める額(地方交付税法等の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第三十六号)附則第四条の規定による改正前の道路交通法の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第百二十六号)附則第八項の規定がなお効力を有するものとした場合に、同項の規定により昭和五十九年度において加算すべきであつた額があるときは当該政令で定める額に当該加算すべきであつた額に相当する額として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計の交通安全対策特別交付金勘定の歳入に繰り入れられる額を加算した額に相当する額とし、同項の規定により同年度において控除すべきであつた額があるときは当該政令で定める額から当該控除すべきであつた額に相当する額として同勘定から一般会計の歳入に繰り入れる額を控除した額に相当する額とする。)」とする。
(政令への委任)
第十条
 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (昭和五九年五月八日法律第二五号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。
(経過措置)
第二十四条
 この法律の施行前に海運局長、海運監理部長、支局長等又は陸運局長に対してした申請、届出その他の行為(以下この条において「申請等」という。)は、政令(支局長等に対してした申請等にあつては、運輸省令)で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により相当の地方運輸局長、海運監理部長又は海運支局長等に対してした申請等とみなす。
附則 (昭和六〇年七月五日法律第八七号)
1 この法律は、次の各号に掲げる規定ごとに、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 目次の改正規定(「第百二十八条・第百二十九条」を「第百二十八条―第百二十九条の二」に改める部分に限る。)及び第百二十九条の次に一条を加える改正規定 この法律の公布の日
二 第五十一条、第六十二条、第八十一条、第八十二条第三項及び第八十三条第三項の改正規定並びに次項及び附則第三項の規定 この法律の公布の日から起算して二十日を経過した日
三 第七十一条の三の次に二条を加える改正規定(第七十一条の四に係る部分に限る。) 昭和六十一年一月一日
四 第七十一条の三第二項の改正規定 この法律の公布の日から起算して一年を経過した日
五 その他の規定 この法律の公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
2 前項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)第五十一条第五項後段の規定により保管されている車両で当該車両につき同条第六項後段の規定による公示がされているものについては、同号に定める日に、改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第五十一条第六項後段の規定による公示があつたものとみなす。
3 附則第一項第二号に掲げる改正規定の施行の際現に旧法第五十一条第五項後段の規定により保管されている車両に積載物があつた場合における当該積載物は、新法第五十一条第十七項において準用する同条第五項後段の規定により保管された積載物とみなす。
4 この法律の各改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
5 この法律の各改正規定の施行前にした反則行為については、新法第百二十五条及び別表の規定にかかわらず、それぞれなお従前の例による。
附則 (昭和六一年五月二三日法律第六三号)
1 この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。
2 この法律の施行前に改正前の道路交通法第五十一条第十一項(同条第十七項において準用する場合を含む。)又は第八十一条第六項(同法第八十二条第三項及び第八十三条第三項において準用する場合を含む。)の規定により納付を命ぜられた負担金の督促及びこの法律の施行前に開始された改正前の道路交通法第五十一条第十三項(同条第十七項において準用する場合を含む。)又は第八十一条第八項(同法第八十二条第三項及び第八十三条第三項において準用する場合を含む。)の規定による負担金の徴収手続については、なお従前の例による。
3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
4 この法律の施行前にした行為については、改正後の道路交通法第百二十五条及び別表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成元年一二月一九日法律第八二号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成元年一二月一九日法律第八三号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成元年一二月二二日法律第九〇号)
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 改正後の道路交通法第百条の二、第百条の三、第百四条の二、第百八条の二第一項第五号及び第百八条の三の規定は、この法律の施行の日(次項において「施行日」という。)以後に運転免許を受けた者について適用する。
3 この法律の施行の際現に道路交通法第八十四条第二項の第一種運転免許を受けている者で、当該第一種運転免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないものについては、改正前の道路交通法第七十一条の四、第百八条の二第一項第一号及び同条第三項並びに第百十二条第四項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、改正前の道路交通法第七十一条の四に規定する行為には、施行日以後に受けた運転免許に係る道路交通法第八十五条第二項の規定により当該免許について同条第一項の表の区分に従い運転することができる当該自動車等の運転に関し行われた行為は含まないものとする。
4 この法律の施行の際現に道路交通法第八十九条の規定により運転免許の申請をしている者の当該申請に係る運転免許試験の受験資格については、改正後の道路交通法第九十六条の三の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成二年七月三日法律第七三号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の道路交通法第五十一条の二第十二項及び第十三項の規定は、この法律の施行後に同条第一項の指定車両移動保管機関が同項の規定により移動した車両に係る同条第八項の負担金等の請求権について適用する。
3 この法律の施行前にした反則行為については、改正後の道路交通法第百二十五条及び別表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成二年七月三日法律第七四号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成三年五月二日法律第六〇号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(道路交通法の一部改正に伴う経過措置)
第六条
 附則第二条の規定により従前の例によることとされた路上駐車場に関しては、前条の規定による改正後の道路交通法第四十九条の四第一項及び第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成四年五月六日法律第四三号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、目次の改正規定中第七章に係る部分、第百八条の十四を第百八条の二十七とする改正規定、第百八条の十三を第百八条の二十六とする改正規定、第六章の二の次に一章を加える改正規定及び第百十七条の三第三号の改正規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の際現に原付免許に係る運転免許試験に合格している者については、改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第九十条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 この法律の施行の際現に改正前の道路交通法第九十八条第一項の規定による指定を受けている指定自動車教習所は、新法第九十八条第二項の規定による届出をし、かつ、新法第九十九条第一項の規定による指定を受けた指定自動車教習所とみなす。
4 新法第九十七条の二第一項第二号の規定は、この法律の施行の日以後に道路交通法第百五条の規定によりその免許が効力を失った者について適用し、その他の者については、なお従前の例による。
附則 (平成五年五月一二日法律第四三号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(免許等に関する経過措置)
第二条
 この法律の施行の際現に普通免許又は二輪免許に係る運転免許試験に合格している者については、改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第九十条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第三条
1 この法律の施行の際現に交付されている免許証及びこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に更新された免許証であって当該更新に係る道路交通法第百一条第一項に規定する更新期間の初日が施行日前であるものの有効期間については、なお従前の例による。
2 施行日から二年間は、新法第九十二条の二第一項の表の備考一の2中「継続して免許(仮免許を除く。)を受けている期間が五年以上である者であつて、自動車等の運転に関しこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの」とあるのは、「継続して免許(仮免許を除く。)を受けている期間が政令で定める期間以上である者であつて、自動車等の運転に関しこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの」とする。
第四条
 この法律の施行の際現に改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)第百一条第二項後段(旧法第百一条の二第三項後段、第百二条第三項及び第百七条の四第三項において準用する場合を含む。)の規定により付されている条件は、新法第九十一条の規定により付された条件又は新法第百七条の四第三項の規定によりされた命令とみなす。
(指定自動車教習所等に関する経過措置)
第五条
 この法律の施行の際現に旧法第九十九条第一項の規定による指定を受けている指定自動車教習所は、新法第九十九条第一項の規定による指定を受けた指定自動車教習所とみなす。
第六条
1 この法律の施行の際現に前条の規定により新法第九十九条第一項の規定による指定を受けた指定自動車教習所とみなされる自動車教習所(以下「旧法指定自動車教習所」という。)において旧法第九十九条第二項の規定による選任をされている技能検定員は、当該旧法指定自動車教習所において新法第九十九条の五第一項、第四項及び第五項に規定する技能検定員の業務に従事する場合には、新法第九十九条の二第一項の規定による選任をされた技能検定員とみなす。
2 前項の規定により新法第九十九条の二第一項の規定による選任をされた技能検定員とみなされる者(次項において「旧法技能検定員」という。)については、その者が同条第四項の規定により技能検定員資格者証の交付を受けるまでの間は、同条第二項の規定は、適用しない。
3 旧法技能検定員に関しては、前項に規定する期間が経過するまでの間は、旧法第九十九条第八項及び第九項の規定は、なおその効力を有する。
第七条
1 この法律の施行の際現に旧法指定自動車教習所において旧法第九十九条第一項第三号の規定による選任をされている技能指導員又は学科指導員は、当該旧法指定自動車教習所において新法第九十九条の三第一項に規定する教習指導員の業務に従事する場合には、同項の規定による選任をされた教習指導員とみなす。
2 前項の規定により新法第九十九条の三第一項の規定による選任をされた教習指導員とみなされる者(以下この条において「みなし教習指導員」という。)については、その者が同条第四項の規定により教習指導員資格者証の交付を受けるまでの間は、同条第二項の規定は、適用しない。
3 旧法指定自動車教習所を管理する者は、前項に規定する期間が経過するまでの間は、みなし教習指導員のうちこの法律の施行の際現に旧法第九十九条第一項第三号の技能指導員でなかった者に自動車の運転に関する技能の教習を行わせてはならず、又はみなし教習指導員のうちこの法律の施行の際現に同号の学科指導員でなかった者に自動車の運転に関する知識の教習を行わせてはならない。
4 みなし教習指導員に関しては、第二項に規定する期間が経過するまでの間は、旧法第九十九条第八項及び第九項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同条第八項中「技能指導員若しくは学科指導員」とあるのは「道路交通法の一部を改正する法律(平成五年法律第四十三号)附則第七条第二項のみなし教習指導員」と、同条第九項中「技能指導員若しくは学科指導員」とあるのは「道路交通法の一部を改正する法律附則第七条第二項のみなし教習指導員」と読み替えるものとする。
第八条
1 旧法指定自動車教習所に関する新法第九十九条の六第一項の規定の適用については、同項中「この節の規定」とあるのは、「この節の規定、道路交通法の一部を改正する法律(平成五年法律第四十三号)附則第七条第三項の規定並びに同法附則第六条第三項及び第七条第四項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の第九十九条第八項の規定」とする。
2 旧法指定自動車教習所に関する新法第九十九条の七第一項の規定の適用については、同項中「指定自動車教習所が第九十九条第一項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるとき」とあるのは「指定自動車教習所が第九十九条第一項第一号、第四号若しくは第五号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるとき又は指定自動車教習所に同項第二号に規定する職員(道路交通法の一部を改正する法律附則第六条第二項の旧法技能検定員を含む。)若しくは第九十九条第一項第三号に規定する職員(同法附則第七条第二項のみなし教習指導員を含む。)が置かれなくなつたと認めるとき」と、「当該指定自動車教習所を同項各号に掲げる基準に適合させるため」とあるのは「当該指定自動車教習所を同項第一号、第四号若しくは第五号に掲げる基準に適合させるため又は当該指定自動車教習所にこれらの職員を置くため」とする。
3 旧法指定自動車教習所に関する新法第九十九条の七第二項の規定の適用については、同項中「この節の規定」とあるのは、「この節の規定及び道路交通法の一部を改正する法律附則第七条第三項の規定」とする。
4 旧法指定自動車教習所に関する新法第百条第一項の規定の適用については、同項中「第九十九条の三第三項」とあるのは「第九十九条の三第三項若しくは道路交通法の一部を改正する法律附則第七条第三項」と、「前条の規定による命令」とあるのは「前条の規定による命令若しくは同法附則第六条第三項若しくは第七条第四項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の第九十九条第八項の規定による命令」とする。
第九条
1 旧法第九十九条第五項に規定する自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者は、新法第九十九条の五第一項に規定する自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者とみなす。
2 旧法第九十九条第五項の技能検定は、新法第九十九条の五第一項の技能検定とみなす。
3 旧法第九十九条第六項の規定により発行された卒業証明書又は修了証明書は、新法第九十九条の五第五項の規定により発行された卒業証明書又は修了証明書とみなす。
第十条
 附則第五条から前条までに規定するもののほか、旧法第九十九条又はこれに基づく命令の規定によりした処分、手続その他の行為は、新法中相当する規定がある場合には、新法の相当規定によりしたものとみなす。
(罰則等に関する経過措置)
第十一条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第十二条
 この法律の施行前にした行為については、新法第百二十五条及び別表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条
 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十三条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条
 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
(政令への委任)
第十五条
 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成七年四月二一日法律第七四号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二条第一項及び第三項第一号の改正規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(免許等に関する経過措置)
第二条
1 改正前の道路交通法(以下「旧法」という。)第八十四条第三項の自動二輪車免許(以下「旧法二輪免許」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める改正後の道路交通法(以下「新法」という。)第八十四条第三項の大型自動二輪車免許(以下「大型自動二輪車免許」という。)又は同項の普通自動二輪車免許(以下「普通自動二輪車免許」という。)とみなす。
一 次号及び第三号に掲げるもの以外のもの 大型自動二輪免許
二 旧法第九十一条の規定により、運転することができる旧法第三条の自動二輪車(以下「旧法自動二輪車」という。)が新法第三条の普通自動二輪車(以下「普通自動二輪車」という。)に相当するものに限る旨の限定が付されているもの 普通自動二輪車免許
三 道路交通法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第九十六号。次条第二項において「昭和四十年改正法」という。)附則第二条第一項の規定により旧法二輪免許とみなされるもので、附則第十一条の規定による改正前の同法附則第二条第四項に規定する審査に合格しなかった者に係るもの普通自動二輪車免許
2 旧法二輪免許が前項第二号に規定する限定の解除を受けたことにより同項の規定により大型自動二輪車免許とみなされることとなる場合における当該大型自動二輪車免許は、当該旧法二輪免許を受けた日に受けたものとする。
第三条
1 旧法第九十一条の規定により旧法二輪免許について付された自動車等の運転に係る限定又は条件でこの法律の施行の際現にその効力を有するもの(前条第一項第二号に規定する限定であって、新法第三条の規定による大型自動二輪車と普通自動二輪車との区分に係るものを除く。)は、新法第九十一条の規定により大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許について付された自動車等の運転に係る限定又は条件とみなす。
2 前条第一項の規定により普通自動二輪車免許とみなされる同項第三号に掲げる運転免許は、新法第九十一条の規定により運転することができる普通自動二輪車が第二種原動機付自転車(昭和四十年改正法第一条の規定による改正前の道路交通法第三条第二項の第二種原動機付自転車をいう。)に相当するものに限る旨の限定が付されているものとみなす。
第四条
 この法律の施行の際現にされている旧法二輪免許の申請は、当該旧法二輪免許により運転することができる旧法自動二輪車を普通自動二輪車に相当するものに限定してされたものについては普通自動二輪車免許の申請と、それ以外のものについては大型自動二輪車免許の申請とみなす。
第五条
 前二条に規定するもののほか、この法律の施行前にされた旧法二輪免許に係る処分又は手続は、附則第二条第一項の規定による運転免許の区分に応じ、それぞれ、大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許に係る処分又は手続としてされたものとみなす。
第六条
 この法律の施行の際現に旧法二輪免許に係る運転免許試験に合格して旧法二輪免許を受けていない者は、当該旧法二輪免許により運転することができる旧法自動二輪車を普通自動二輪車に相当するものに限定して行われた当該運転免許試験に合格した者については普通自動二輪車免許に係る運転免許試験に合格した者と、それ以外の旧法二輪免許に係る運転免許試験に合格した者については大型自動二輪車免許に係る運転免許試験に合格した者とみなす。
第七条
 この法律の施行の際現に附則第二条第一項の規定により大型自動二輪車免許とみなされる旧法二輪免許を受けている者及び前条の規定により大型自動二輪車免許に係る運転免許試験に合格した者とみなされる者に対する新法第八十八条第一項第一号の規定の適用については、同号中「、大型二輪免許及び牽引免許にあつては十八歳に」とあるのは、「及び牽引免許にあつては十八歳に、大型二輪免許」とする。
第八条
 この法律の施行の際現に附則第二条第一項の規定により大型自動二輪免許とみなされる旧法二輪免許を受けている者に関する新法第百条の二第一項の規定の適用については、同項中「(以下「免許自動車等」という。)」とあるのは「(道路交通法の一部を改正する法律(平成七年法律第七十四号。以下この項において「改正法」という。)附則第二条第一項の規定により大型自動二輪車免許とみなされる免許については、大型自動二輪車及び普通自動二輪車。以下「免許自動車等」という。)」とし、同項第二号中「政令で定めるものを含み」とあるのは「政令で定めるものを含み、かつ、改正法附則第二条第一項の規定により大型自動二輪車免許とみなされる免許については同項の規定により普通自動二輪車免許とみなされる免許を含み」とする。
(罰則等に関する経過措置)
第九条
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第十条
 この法律の施行前にした行為に対する反則行為の取扱いに関しては、なお従前の例による。
附則 (平成八年五月九日法律第三二号) 抄
別表 (第百二十五条第百三十条の二関係)    反則行為の区分  反