法令名 家内労働法
法令番号 (昭和四十五年五月十六日法律第六十号)
施行年月日 昭和四十五年十月一日
最終改正 昭和六〇年六月一日法律第四五号
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 委託(第三条―第五条)
第三章 工賃及び最低工賃(第六条―第十六条)
第四章 安全及び衛生(第十七条・第十八条)
第五章 家内労働に関する審議機関(第十九条―第二十四条)
第六章 雑則(第二十五条―第三十二条)
第七章 罰則(第三十三条―第三十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
1 この法律は、工賃の最低額、安全及び衛生その他家内労働者に関する必要な事項を定めて、家内労働者の労働条件の向上を図り、もつて家内労働者の生活の安定に資することを目的とする。
2 この法律で定める家内労働者の労働条件の基準は最低のものであるから、委託者及び家内労働者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
(定義)
第二条
1 この法律で「委託」とは、次に掲げる行為をいう。
一 他人に物品を提供して、その物品を部品、附属品若しくは原材料とする物品の製造又はその物品の加工、改造、修理、浄洗、選別、包装若しくは解体(以下「加工等」という。)を委託すること。
二 他人に物品を売り渡して、その者がその物品を部品、附属品若しくは原料材とする物品を製造した場合又はその物品の加工等をした場合にその製造又は加工等に係る物品を買い受けることを約すること。
2 この法律で「家内労働者」とは、物品の製造、加工等若しくは販売又はこれらの請負を業とする者その他これらの行為に類似する行為を業とする者であつて労働省令で定めるものから、主として労働の対償を得るために、その業務の目的物たる物品(物品の半製品、部品、附属品又は原材料を含む。)について委託を受けて、物品の製造又は加工等に従事する者であつて、その業務について同居の親族以外の者を使用しないことを常態とするものをいう。
3 この法律で「委託者」とは、物品の製造、加工等若しくは販売又はこれらの請負を業とする者その他前項の労働省令で定める者であつて、その業務の目的物たる物品(物品の半製品、部品、附属品又は原材料を含む。)について家内労働者に委託をするものをいう。
4 この法律で「補助者」とは、家内労働者の同居の親族であつて、当該家内労働者の従事する業務を補助する者をいう。
5 この法律で「工賃」とは、次に掲げるものをいう。
一 第一項第一号に掲げる行為に係る委託をする場合において物品の製造又は加工等の対償として委託者が家内労働者に支払うもの
二 第一項第二号に掲げる行為に係る委託をする場合において同号の物品の買受けについて委託者が家内労働者に支払うものの価額と同号の物品の売渡しについて家内労働者が委託者に支払うものの価額との差額
6 この法律で「労働者」とは、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者をいう。
第二章 委託
(家内労働手帳)
第三条
1 委託者は、委託をするにあたつては、家内労働者に対し、労働省令で定めるところにより、家内労働手帳を交付しなければならない。
2 委託者は、委託をするつど委託をした業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日その他労働省令で定める事項を、製造又は加工等に係る物品を受領するつど受領した物品の数量その他労働省令で定める事項を、工賃を支払うつど支払つた工賃の額その他労働省令で定める事項を、それぞれ家内労働手帳に記入しなければならない。
3 前二項に規定するもののほか、家内労働手帳に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(就業時間)
第四条
1 委託者又は家内労働者は、当該家内労働者が業務に従事する場所の周辺地域において同一又は類似の業務に従事する労働者の通常の労働時間をこえて当該家内労働者及び補助者が業務に従事することとなるような委託をし、又は委託を受けることがないように努めなければならない。
2 都道府県労働基準局長は、必要があると認めるときは、地方家内労働審議会(地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局にあつては、当該都道府県労働基準局に置かれている地方労働審議会)の意見を聴いて、一定の地域内において一定の業務に従事する家内労働者及びこれに委託をする委託者に対して、労働省令で定めるところにより、当該家内労働者及び補助者が業務に従事する時間の適正化を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(委託の打切りの予告)
第五条
 六月をこえて継続的に同一の家内労働者に委託をしている委託者は、当該家内労働者に引き続いて継続的に委託をすることを打ち切ろうとするときは、遅滞なく、その旨を当該家内労働者に予告するように努めなければならない。
第三章 工賃及び最低工賃
(工賃の支払)
第六条
1 工賃は、労働省令で定める場合を除き、家内労働者に、通貨でその全額を支払わなければならない。
2 工賃は、労働省令で定める場合を除き、委託者が家内労働者の製造又は加工等に係る物品についての検査(以下「検査」という。)をするかどうかを問わず、委託者が家内労働者から当該物品を受領した日から起算して一月以内に支払わなければならない。ただし、毎月一定期日を工賃締切日として定める場合は、この限りでない。この場合においては、委託者が検査をするかどうかを問わず、当該工賃締切日までに受領した当該物品に係る工賃を、その日から一月以内に支払わなければならない。
(工賃の支払場所等)
第七条
 委託者は、家内労働者から申出のあつた場合その他特別の事情がある場合を除き、工賃の支払及び物品の受渡しを家内労働者が業務に従事する場所において行なうように努めなければならない。
(最低工賃)
第八条
1 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、一定の地域内において一定の業務に従事する工賃の低廉な家内労働者の労働条件の改善を図るため必要があると認めるときは、中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会(地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局にあつては、当該都道府県労働基準局に置かれている地方最低賃金審議会。第二十一条第二項において同じ。)(以下第十一条までにおいて「審議会」という。)の調査審議を求め、その意見を尊重して、当該業務に従事する家内労働者及びこれに委託をする委託者に適用される最低工賃を決定することができる。
2 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前項の審議会の意見の提出があつた場合において、その意見により難いと認めるときは、理由を付して、審議会に再審議を求めなければならない。
(審議会の意見に関する異議の申出)
第九条
1 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前条第一項の審議会の意見の提出があつたときは、労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなければならない。
2 前条第一項の審議会の意見に係る家内労働者又は委託者は、前項の規定による公示の日の翌日から起算して十五日以内に、労働大臣又は都道府県労働基準局長に、異議を申し出ることができる。
3 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前項の規定による申出があつたときは、その申出について、審議会に意見を求めなければならない。
4 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、第一項の規定による公示の日の翌日から起算して十五日を経過する日までの間は、前条第一項の規定による決定をすることができない。第二項の規定による申出があつた場合において、前項の審議会の意見が提出されるまでの間についても、同様とする。
5 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前条第一項の規定による決定をする場合において、第二項の規定による申出があつたときは、第三項の審議会の意見に基づき、当該最低工賃において、一定の範囲の業務について、その適用を一定の期間を限つて猶予し、又は最低工賃額(最低工賃において定める工賃の額をいう。以下同じ。)について別段の定めをすることができる。
6 前条第二項の規定は、第三項の審議会の意見の提出があつた場合について準用する。
(最低工賃の改正等)
第十条
 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、最低工賃について必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をすることができる。
(最低工賃の決定等に関する関係家内労働者又は関係委託者の意見の聴取等)
第十一条
1 審議会は、最低工賃の決定又はその改正若しくは廃止の決定について調査審議を行なう場合には、労働省令で定めるところにより、関係家内労働者及び関係委託者の意見をきくものとする。
2 家内労働者又は委託者の全部又は一部を代表する者は、労働省令で定めるところにより、労働大臣又は都道府県労働基準局長に対し、当該家内労働者若しくは委託者に適用される最低工賃の決定又は当該家内労働者若しくは委託者に現に適用されている最低工賃の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができる。
3 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前項の規定による申出があつた場合において必要があると認めるときは、その申出について審議会に意見を求めるものとする。
(公示及び発効)
第十二条
1 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、最低工賃に関する決定をしたときは、労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示しなければならない。
2 最低工賃の決定及びその改正の決定は、前項の規定による公示の日から起算して三十日を経過した日(公示の日から起算して三十日を経過した日後の日であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、最低工賃の廃止の決定は、同項の規定による公示の日(公示の日後の日であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、その効力を生ずる。
(最低工賃額等)
第十三条
1 最低工賃は、当該最低工賃に係る一定の地域と同一の地域内において同一又は類似の業務に従事する労働者に適用される最低賃金(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の規定による最低賃金をいう。以下同じ。)(当該同一の地域内において同一又は類似の業務に従事する労働者に適用される最低賃金が決定されていない場合には、当該労働者の賃金(労働基準法第十一条に規定する賃金をいう。))との均衡を考慮して定められなければならない。
2 最低工賃額は、家内労働者の製造又は加工等に係る物品の一定の単位によつて定めるものとする。
(最低工賃の効力)
第十四条
 委託者は、最低工賃の適用を受ける家内労働者に対し、その最低工賃額以上の工賃を支払わなければならない。
(最低工賃に関する職権等)
第十五条
1 第八条第一項及び第十条に規定する労働大臣又は都道府県労働基準局長の職権は、二以上の都道府県労働基準局の管轄区域にわたる事案及び一の都道府県労働基準局の管轄区域内のみに係る事案であつて労働大臣が全国的に関連があると認めて指定するものについては、労働大臣が行ない、一の都道府県労働基準局の管轄区域内のみに係る事案(労働大臣の職権に属する事案を除く。)については、当該都道府県労働基準局長が行なう。
2 労働大臣は、都道府県労働基準局長が決定した最低工賃が著しく不適当となつたと認めるときは、中央家内労働審議会の調査審議を求め、その意見を尊重して、当該最低工賃の改正又は廃止の決定をすべきことを都道府県労働基準局長に命ずることができる。
3 第八条第二項の規定は、前項の中央家内労働審議会の意見の提出があつた場合について準用する。
(工賃及び最低工賃に関する規定の効力)
第十六条
 第六条又は第十四条の規定に違反する工賃の支払を定める委託に関する契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、これらの規定に定める基準による。
第四章 安全及び衛生
(安全及び衛生に関する措置)
第十七条
1 委託者は、委託に係る業務に関し、機械、器具その他の設備又は原材料その他の物品を家内労働者に譲渡し、貸与し、又は提供するときは、これらによる危害を防止するため、労働省令で定めるところにより、必要な措置を講じなければならない。
2 家内労働者は、機械、器具その他の設備若しくは原材料その他の物品又はガス、蒸気、粉じん等による危害を防止するため、労働省令で定めるところにより、必要な措置を講じなければならない。
3 補助者は、前項に規定する危害を防止するため、労働省令で定める事項を守らなければならない。
(安全及び衛生に関する行政措置)
第十八条
 都道府県労働基準局長又は労働基準監督署長は、委託者又は家内労働者が前条第一項又は第二項の措置を講じない場合には、委託者又は家内労働者に対し、労働省令で定めるところにより、委託をし、若しくは委託を受けることを禁止し、又は機械、器具その他の設備若しくは原材料その他の物品の全部若しくは一部の使用の停止その他必要な措置をとることを命ずることができる。
第五章 家内労働に関する審議機関
(中央家内労働審議会等の設置)
第十九条
 労働省に中央家内労働審議会を、都道府県労働基準局に地方家内労働審議会を置くものとする。ただし、政令で定める都道府県労働基準局にあつては、この限りでない。
(中央家内労働審議会等の権限)
第二十条
1 中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項をつかさどるほか、労働大臣又は都道府県労働基準局長の諮問に応じて、家内労働に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める事項を労働大臣又は都道府県労働基準局長に建議することができる。
2 地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局にあつては、地方家内労働審議会の権限に属させられた事項のうち、最低工賃に関する事項は当該都道府県労働基準局に置かれている地方最低賃金審議会が、その他の事項は当該都道府県労働基準局に置かれている地方労働審議会がつかさどる。
(中央家内労働審議会等の組織)
第二十一条
1 中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会は、政令で定めるところにより、家内労働者を代表する委員、委託者を代表する委員及び公益を代表する委員各同数をもつて組織する。
2 中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会は、最低工賃の決定又はその改正の決定について調査審議を求められたときは、専門部会を置かなければならない。
3 前項の専門部会は、政令で定めるところにより、関係家内労働者を代表する委員、関係委託者を代表する委員及び公益を代表する委員各同数をもつて組織する。
第二十二条
1 地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局に置かれている地方労働審議会は、家内労働に関する専門の事項を調査審議するため、家内労働部会を置かなければならない。
2 前項の家内労働部会は、政令で定めるところにより、家内労働者を代表する委員、委託者を代表する委員及び公益を代表する委員各同数をもつて組織する。
(関係家内労働者及び関係委託者等の意見聴取)
第二十三条
 中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会(地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局にあつては、当該都道府県労働基準局に置かれている地方労働審議会又は地方最低賃金審議会)(以下「家内労働に関する審議機関」という。)は、この法律に別段の定めがある場合のほか、審議に際し必要と認める場合には、関係家内労働者、関係委託者その他の関係者の意見を聴くものとする。
(政令への委任)
第二十四条
 この法律に規定するもののほか、家内労働に関する審議機関に関し必要な事項は、政令で定める。
第六章 雑則
(援助)
第二十五条
 国又は地方公共団体は、家内労働者及び委託者に対し、資料の提供、技術の指導、施設に関する便宜の供与その他この法律の目的を達成するために必要な援助を行なうように努めなければならない。
(届出)
第二十六条
 委託者は、労働省令で定めるところにより、委託に係る家内労働者の数及び業務の内容その他必要な事項を都道府県労働基準局長に届け出なければならない。
(帳簿の備付け)
第二十七条
 委託者は、労働省令で定めるところにより、委託に係る家内労働者の氏名、当該家内労働者に支払う工賃の額その他の事項を記入した帳簿をその営業所に備え付けて置かなければならない。
(報告等)
第二十八条
 労働大臣、都道府県労働基準局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、労働省令で定めるところにより、委託者又は家内労働者に対し、工賃に関する事項その他必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
(労働基準監督署長及び労働基準監督官)
第二十九条
 労働基準監督署長及び労働基準監督官は、労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。
(労働基準監督官の権限)
第三十条
1 労働基準監督官は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、委託者の営業所又は家内労働者が業務に従事する場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問し、又は試験のため必要な最少限度の分量に限り、家内労働者及び補助者に危害を与える物若しくはその疑いのある物であつて労働省令で定めるものを収去することができる。
2 前項の規定による立入検査等をする労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第三十一条
 労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行なう。
(申告)
第三十二条
1 委託者に、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実がある場合には、家内労働者又は補助者は、その事実を都道府県労働基準局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告することができる。
2 委託者は、前項の規定による申告をしたことを理由として、家内労働者に対して工賃の引下げその他不利益な取扱いをしてはならない。
3 委託者が家内労働者に対して前項の規定に違反する取扱いをした場合には、都道府県労働基準局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官は、労働省令で定めるところにより、当該委託者に対し、その取扱いの是正を命ずることができる。
第七章 罰則
第三十三条
 第十八条の規定による委託をすることを禁止する命令に違反した者は、六月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
第三十四条
 第十四条の規定に違反した者は、一万円以下の罰金に処する。
第三十五条
 次の各号の一に該当する者は、五千円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項、第六条又は第十七条の規定に違反した者
二 第三条第二項の規定による記入をせず、又は虚偽の記入をした者
三 第十八条の規定による命令(委託をすることを禁止する命令を除く。)又は第三十二条第三項の規定による命令に違反した者
四 第二十六条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
五 第二十七条の規定による帳簿の備付けをせず、又は同条の帳簿に虚偽の記入をした者
六 第二十八条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
七 第三十条第一項の規定による立入り、検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
(両罰規定)
第三十六条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則 抄
(施行期日)
第一条
 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において、各規定につき、政令で定める。
(工賃の支払に関する経過措置)
第二条
1 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、労働省令で定めるところにより、一定の地域内において一定の業務に従事する家内労働者に委託をする委託者のうち、第六条の規定による工賃の支払をすることが著しく困難であると認められる者であつて労働省令で定めるものの全部又は一部を代表する者から申請があつた場合には、中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会(地方家内労働審議会を置かない都道府県労働基準局にあつては、当該都道府県労働基準局に置かれている地方労働審議会)の意見を聴いて、当該申請に係る委託者につき、当分の間、工賃の支払に関し守るべき事項について、別段の定めをすることができる。この場合においては、当該委託者は、同条の規定にかかわらず、当該別段の定めにより工賃を支払うことができる。
2 第十五条第一項の規定は、前項に規定する労働大臣又は都道府県労働基準局長の職権について準用する。
3 第一項の申請があつた場合における当該申請に係る委託者については、次の各号に掲げる日までの間は、第六条の規定は、適用しない。
一 当該申請に基づき、労働大臣又は都道府県労働基準局長が第一項の別段の定めをした日
二 当該申請について、労働大臣又は都道府県労働基準局長が第一項の別段の定めをしない旨を決定した日
第三条
 前条第一項の別段の定めに係る委託者に関する第十六条の規定の適用については、同条中「第六条」とあるのは「附則第二条第一項の別段の定め」と、「これらの規定」とあるのは「当該別段の定め又は同条の規定」とする。
附則 (昭和六〇年六月一日法律第四五号) 抄