法令名 訪問販売等に関する法律
法令番号 (昭和五十一年六月四日法律第五十七号)
施行年月日 昭和五十一年十二月三日
最終改正 平成八年五月二二日法律第四四号
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
 第一節 定義(第二条)
 第二節 訪問販売(第三条―第七条)
 第三節 通信販売(第八条―第九条の三)
 第四節 電話勧誘販売(第九条の四―第九条の十三)
 第五節 雑則(第十条―第十条の七)
第三章 連鎖販売取引(第十一条―第十七条)
第四章 雑則(第十八条―第二十一条の二)
第五章 罰則(第二十二条―第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
 この法律は、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引並びに連鎖販売取引を公正にし、並びに購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
 第一節 定義
(定義)
第二条
1 この章及び第十八条の二において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一 販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の通商産業省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
二 販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
2 この章及び第十八条の二において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の通商産業省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う指定商品若しくは指定権利の販売又は指定役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
3 この章及び第十八条の二において「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う指定役務の提供をいう。
4 この章及び第二十一条において「指定商品」とは、国民の日常生活に係る取引において販売される物品であつて政令で定めるものをいい、「指定権利」とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるものをいい、「指定役務」とは、国民の日常生活に係る取引において有償で提供される役務であつて政令で定めるものをいう。
 第二節 訪問販売
(訪問販売における氏名等の明示)
第三条
 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及び商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(訪問販売における書面の交付)
第四条
 販売業者又は役務提供事業者は、営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、通商産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 第六条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、通商産業省令で定める事項
第五条
1 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号の一に該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、通商産業省令で定めるところにより、同条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 営業所等以外の場所において、指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二 営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三 営業所等において、特定顧客と指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項各号の一に該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、通商産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他通商産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
(禁止行為)
第五条の二
1 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
2 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
(指示)
第五条の三
 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第三条から前条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、訪問販売に関する行為であつて、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして通商産業省令で定めるもの。
(業務の停止等)
第五条の四
1 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第三条から第五条の二までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において訪問販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、訪問販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第六条
1 販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が第四条又は第五条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき。
三 第五条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第七条
1 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号の一に該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号の一に該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
 第三節 通信販売
(通信販売についての広告)
第八条
 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、通商産業省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求によりこれらの事項を記載した書面を遅滞なく交付する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、通商産業省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 商品の引渡し又は権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約に関する事項(その特約がない場合には、その旨)
五 前各号に掲げるもののほか、通商産業省令で定める事項
(誇大広告等の禁止)
第八条の二
 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品の引渡し又は当該権利の移転後におけるその引取り又はその返還についての特約その他の通商産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(通信販売における承諾等の通知)
第九条
 販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする通信販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の通商産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。
(指示)
第九条の二
 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が前三条の規定に違反した場合において、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(業務の停止等)
第九条の三
1 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第八条から第九条までの規定に違反した場合において通信販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が前条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
 第四節 電話勧誘販売
(電話勧誘販売における氏名等の明示)
第九条の四
 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)
第九条の五
 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
(電話勧誘販売における書面の交付)
第九条の六
 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘行為により、電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約の申込みを郵便等により受け、又は指定役務につき当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けたときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 第九条の十二第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、通商産業省令で定める事項
第九条の七
1 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号の一に該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、前条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 電話勧誘行為により、電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利につき当該売買契約を郵便等により締結したとき又は指定役務につき当該役務提供契約を郵便等により締結したとき。
二 電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、その売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項第二号に該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、通商産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他通商産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
(電話勧誘販売における承諾等の通知)
第九条の八
 販売業者又は役務提供事業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立つて当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする電話勧誘販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の通商産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。
(禁止行為)
第九条の九
1 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
2 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
(指示)
第九条の十
 主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第九条の四から前条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、電話勧誘顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、電話勧誘販売に関する行為であつて、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして通商産業省令で定めるもの。
(業務の停止等)
第九条の十一
1 主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第九条の四から第九条の九までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、電話勧誘販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(電話勧誘販売における契約の申込みの撤回等)
第九条の十二
1 販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客から指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が第九条の七の書面を受領した日(その日前に第九条の六の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が第九条の六又は第九条の七の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき。
三 第九条の七第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(電話勧誘販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第九条の十三
1 販売業者又は役務提供事業者は、第九条の七第一項各号の一に該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該商品又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三 当該役務提供契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 販売業者又は役務提供事業者は、第九条の七第一項各号の一に該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約についての代金又はその役務提供契約についての対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(売買契約又は役務提供契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品若しくは当該権利の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
 第五節 雑則
(適用除外)
第十条
1 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 売買契約又は役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
二 本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供
三 国又は地方公共団体が行う販売又は役務の提供
四 次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う販売又は役務の提供(その団体が構成員以外の者にその事業又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う販売又は役務の提供を含む。)イ 特別の法律に基づいて設立された組合並びにその連合会及び中央会ロ 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条の団体  ハ労働組合
五 事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供
2 第四条から第七条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。
一 その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売
二 販売業者又は役務提供事業者がその営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受け又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問販売
3 第九条の六、第九条の七及び第九条の九から前条までの規定は、次の電話勧誘販売については、適用しない。
一 売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結するために電話をかけることを請求した者(電話勧誘行為又は政令で定める行為によりこれを請求した者を除く。)に対して行う電話勧誘販売
二 販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘行為により指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する電話勧誘販売
4 第七条の規定は、割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)第二条第一項に規定する割賦販売、同条第二項に規定するローン提携販売又は同条第三項に規定する割賦購入あつせんに係る販売(以下この条において「割賦販売等」という。)で訪問販売に該当するものについては、適用しない。
5 第八条及び第九条の規定は、割賦販売等で通信販売に該当するものについては、適用しない。
6 第九条の八及び前条の規定は、割賦販売等で電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
(訪問販売協会)
第十条の二
 訪問販売を業として営む者は、訪問販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、訪問販売の事業の健全な発展に資することを目的として、訪問販売を業として営む者を会員とし、その名称中に訪問販売協会という文字を用いる民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人を設立することができる。
(名称の使用制限)
第十条の三
1 前条に規定する法人(以下「訪問販売協会」という。)でない者は、その名称中に訪問販売協会という文字を用いてはならない。
2 訪問販売協会に加入していない者は、その名称中に訪問販売協会会員という文字を用いてはならない。
(苦情の解決)
第十条の四
1 訪問販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む訪問販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 訪問販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、訪問販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 訪問販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
(通信販売協会)
第十条の五
 通信販売を業として営む者は、通信販売に係る取引を公正にし、並びに購入者及び役務の提供を受ける者の利益を保護するとともに、通信販売の事業の健全な発展に資することを目的として、通信販売を業として営む者を会員とし、その名称中に通信販売協会という文字を用いる民法第三十四条の規定による法人を設立することができる。
(名称の使用制限)
第十条の六
1 前条に規定する法人(以下「通信販売協会」という。)でない者は、その名称中に通信販売協会という文字を用いてはならない。
2 通信販売協会に加入していない者は、その名称中に通信販売協会会員という文字を用いてはならない。
(苦情の解決)
第十条の七
1 通信販売協会は、購入者又は役務の提供を受ける者等から会員の営む通信販売の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 通信販売協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、通信販売協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 通信販売協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
第三章 連鎖販売取引
(定義)
第十一条
1 この章並びに第二十条の二第一項及び第二十一条において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章において「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の通商産業省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供で政令で定める基準に該当するものをいう。以下同じ。)をすることを条件とするその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。
2 この章並びに第二十条の二第一項及び第二十一条において「統括者」とは、連鎖販売業に係る商品に自己の商標を付し、若しくは連鎖販売業に係る役務の提供について自己の商号その他特定の表示を使用させ、連鎖販売業に関する広告を自己の名において行い、連鎖販売取引に関する約款を定め、又は連鎖販売業を行う者の経営に関し継続的に指導を行う等一連の連鎖販売業を実質的に統括する者をいう。
3 この章において「取引料」とは、取引料、加盟料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
(禁止行為)
第十二条
1 統括者又は統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者(以下「勧誘者」という。)は、その連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗その他これに類似する設備(以下「店舗等」という。)によらないで行う個人との契約に限る。以下この条において同じ。)の締結について勧誘をするに際し、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、次の事項につき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二 当該連鎖販売取引において条件とされる特定負担に関する事項
三 当該契約の解除に関する事項(第十七条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
四 その連鎖販売業に係る特定利益に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、その連鎖販売業に関する事項であつて、連鎖販売取引の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 連鎖販売業を行う者(統括者又は勧誘者以外の者であつて、連鎖販売業を行う者に限る。第十四条及び第十七条を除き、以下同じ。)は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘をするに際し、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、前項各号の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
3 統括者、勧誘者又は連鎖販売業を行う者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結させ、又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
(連鎖販売取引についての広告)
第十三条
 統括者は、その統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について広告をするときは、通商産業省令で定めるところにより、当該広告に、その連鎖販売業に関する次の事項を表示しなければならない。
一 商品又は役務の種類
二 当該連鎖販売取引において条件とされる特定負担に関する事項
三 前二号に掲げるもののほか、通商産業省令で定める事項
(連鎖販売取引における書面の交付)
第十四条
1 連鎖販売業を行う者(連鎖販売業を行う者以外の者がその連鎖販売業に係る連鎖販売取引において条件とされる特定負担についての契約を締結する者であるときは、その者)は、連鎖販売取引において条件とされる特定負担をしようとする者(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。)とその特定負担についての契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、通商産業省令で定めるところにより、その連鎖販売業の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 連鎖販売業を行う者は、その連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結した場合において、その契約の相手方がその連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人であるときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、次の事項についてその契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二 商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせん又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあつせんについての条件に関する事項
三 当該連鎖販売取引において条件とされる特定負担に関する事項
四 当該契約の解除に関する事項(第十七条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、通商産業省令で定める事項
(指示)
第十五条
 主務大臣は、統括者が第十二条第一項若しくは第三項、第十三条若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合若しくは勧誘者が第十二条第一項若しくは第三項の規定に違反し若しくは第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときはその統括者に対し、勧誘者が第十二条第一項若しくは第三項若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときはその勧誘者に対し、又は連鎖販売業を行う者が第十二条第二項若しくは第三項若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときはその連鎖販売業を行う者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 その連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約に基づく債務又はその解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人との契約に限る。)の締結について勧誘をすること。
三 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人との契約に限る。)を締結しない旨の意思を表示している者に対し、当該契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
四 前三号に掲げるもののほか、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約に関する行為であつて、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益を害するおそれがあるものとして通商産業省令で定めるもの。
(連鎖販売取引の停止等)
第十六条
1 主務大臣は、統括者が第十二条第一項若しくは第三項、第十三条若しくは第十四条の規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合若しくは勧誘者が第十二条第一項若しくは第三項の規定に違反し若しくは前条第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき若しくは統括者が同条の規定による指示に従わないときはその統括者に対し、勧誘者が第十二条第一項若しくは第三項若しくは第十四条の規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき若しくは勧誘者が同条の規定による指示に従わないときはその勧誘者に対し、又は連鎖販売業を行う者が第十二条第二項若しくは第三項若しくは第十四条の規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき若しくは連鎖販売業を行う者が同条の規定による指示に従わないときはその連鎖販売業を行う者に対し、一年以内の期間を限り、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行い若しくは勧誘者に行わせることを停止し、又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(連鎖販売取引における契約の解除)
第十七条
1 連鎖販売業を行う者がその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結した場合におけるその契約の相手方(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。)は、第十四条第二項の書面を受領した日(その契約に係る特定負担が再販売をする商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)の購入についてのものである場合において、その契約に基づき購入したその商品につき第十一条第一項の政令で定める基準に該当することとなる最初の引渡しを受けた日がその受領した日後であるときは、その引渡しを受けた日)から起算して二十日を経過したときを除き、書面によりその契約の解除を行うことができる。この場合において、その連鎖販売業を行う者は、その契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2 前項の契約の解除は、その契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 第一項の契約の解除があつた場合において、その契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その連鎖販売業を行う者の負担とする。
4 前三項の規定に反する特約でその契約の相手方に不利なものは、無効とする。
第四章 雑則
(売買契約に基づかないで送付された商品)
第十八条
1 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。
2 前項の規定は、その商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込みについては、適用しない。
(主務大臣に対する申出)
第十八条の二
1 何人も、訪問販売、通信販売若しくは電話勧誘販売に係る取引又は連鎖販売取引の公正及び購入者等の利益が害されるおそれがあると認めるときは、主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による申出があつたときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。
(消費経済審議会への諮問)
第十九条
1 主務大臣は、第二条第四項、第六条第一項(第三号を除く。)、第九条の十二第一項(第三号を除く。)又は第十条第二項第二号若しくは第三項第二号の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、消費経済審議会に諮問しなければならない。
2 通商産業大臣は、第二条第一項第二号若しくは第三項、第六条第一項第三号、第九条の十二第一項第三号、第十条第三項第一号又は第十一条第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、消費経済審議会に諮問しなければならない。
(経過措置)
第二十条
 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(報告及び立入検査)
第二十条の二
1 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより販売業者、役務提供事業者、統括者、勧誘者若しくは連鎖販売業を行う者に対し報告をさせ、又はその職員に、販売業者、役務提供事業者、統括者、勧誘者若しくは連鎖販売業を行う者の店舗その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(主務大臣)
第二十一条
 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。
一 指定商品に係る販売業者に関する事項並びに商品に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び連鎖販売業を行う者に関する事項については、通商産業大臣及び当該商品の流通を所掌する大臣
二 指定権利に係る販売業者に関する事項並びに施設を利用し又は役務の提供を受ける権利に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び連鎖販売業を行う者に関する事項については、通商産業大臣及び当該権利に係る施設又は役務の提供を行う事業を所管する大臣
三 指定役務に係る役務提供事業者に関する事項並びに役務に係る一連の連鎖販売業の統括者、勧誘者及び連鎖販売業を行う者に関する事項については、通商産業大臣及び当該役務の提供を行う事業を所管する大臣
四 第十九条第一項の規定による消費経済審議会への諮問に関する事項については、通商産業大臣及び当該商品の流通を所掌する大臣、当該権利に係る施設若しくは役務の提供を行う事業を所管する大臣又は当該役務の提供を行う事業を所管する大臣
(権限の委任)
第二十一条の二
 この法律により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長又は都道府県知事に行わせることができる。
第五章 罰則
第二十二条
 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第五条の二、第九条の九又は第十二条の規定に違反した者
二 第五条の四第一項、第九条の三第一項、第九条の十一第一項又は第十六条第一項の規定による命令に違反した者
第二十二条の二
 第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は同条に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十三条
 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第四条、第五条、第九条の六又は第九条の七の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
二 第五条の三、第九条の二、第九条の十又は第十五条の規定による指示に違反した者
三 第八条の二の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をした者
四 第九条又は第九条の八の規定に違反して通知しなかつた者
五 第十三条の規定に違反して表示しなかつた者
六 第二十条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二十三条の二
 第十条の三第二項又は第十条の六第二項の規定に違反して、その名称中に訪問販売協会会員又は通信販売協会会員という文字を用いた者は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十四条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し第二十二条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第二十五条
 第十条の三第一項又は第十条の六第一項の規定に違反して、その名称中に訪問販売協会又は通信販売協会という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。
附則 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十九条、第二十一条第二号、附則第三条及び附則第四条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条
 第四条及び第九条の規定は、この法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込みについては、適用しない。
2 第五条第一項から第三項まで及び第七条の規定は、この法律の施行前に締結された売買契約については、適用しない。
3 第六条の規定は、この法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約又はこの法律の施行前に締結された売買契約については、適用しない。
4 第十五条第二項及び第十六条の規定は、この法律の施行前に第十一条第一項に規定する連鎖販売業に相当する事業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引に相当する取引についての契約については、適用しない。
5 この法律の施行前に販売業者が行つた商品の送付についての第十八条の規定の適用については、同条第一項中「その商品の送付があつた日」とあるのは、「この法律の施行の日」とする。
附則 (昭和五九年六月二日法律第四九号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(訪問販売等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
12 この法律の施行前に締結した売買契約又はこの法律の施行前に販売業者が受けた売買契約の申込み若しくはこの法律の施行後当該申込みに係る売買契約が締結された場合における当該売買契約については、前項の規定による改正後の訪問販売等に関する法律第六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (昭和六三年五月一七日法律第四三号) 抄
(施行期日等)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
第二条
 この法律の施行の日前に、改正後の訪問販売等に関する法律(以下「新法」という。)第二条第一項第二号及び第三項、第六条第一項、第十条第二項第二号又は第十一条第一項の政令の制定の立案をしようとするときは、改正前の訪問販売等に関する法律(以下「旧法」という。)第十九条の規定の例による。
(経過措置等)
第三条
1 新法第四条の規定は、この法律の施行後に販売業者又は役務提供事業者が受けた売買契約又は役務提供契約の申込みについて適用し、この法律の施行前に販売業者が受けた新法第二条第三項に規定する指定商品であつて旧法第二条第三項に規定する指定商品に該当するもの(以下「特定指定商品」という。)の売買契約の申込みについては、なお従前の例による。
2 新法第五条の規定は、この法律の施行後に締結された売買契約又は役務提供契約について適用し、この法律の施行前に締結された特定指定商品の売買契約については、なお従前の例による。
3 新法第六条の規定は、この法律の施行後に販売業者若しくは役務提供事業者が受けた売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はこの法律の施行後に締結された売買契約若しくは役務提供契約(この法律の施行前にその申込みを受けたものを除く。)について適用し、この法律の施行前に販売業者が受けた特定指定商品の売買契約の申込み若しくはその申込みに係る売買契約がこの法律の施行後に締結された場合におけるその売買契約又はこの法律の施行前に締結された特定指定商品の売買契約については、なお従前の例による。
4 新法第七条第一項の規定は、この法律の施行後に締結された売買契約又は役務提供契約について適用し、この法律の施行前に締結された特定指定商品のの売買契約については、なお従前の例による。
5 新法第七条第二項の規定は、この法律の施行前に締結された売買契約又は役務提供契約については、適用しない。
6 新法第九条の規定は、この法律の施行前に販売業者又は役務提供事業者が受けた新法第二条第三項に規定する指定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みについては、適用しない。
7 新法第十四条第二項及び第十七条の規定は、この法律の施行後に新法第十一条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約について適用し、この法律の施行前に旧法第十一条第一項に規定する連鎖販売業を行う者が締結した同項に規定する連鎖販売取引についての契約については、なお従前の例による。
8 この法律の施行前に販売業者が行つた商品の送付についての新法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)」とあるのは、「訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律(昭和六十三年法律第四十三号)の施行の日から起算して十四日を経過する日、その商品の送付があつた日から起算して三月を経過する日又はその商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して一月を経過する日のいずれか早い日」とする。
9 この法律の施行前にした行為並びに第一項、第二項及び第七項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第四条
 昭和五十五年四月一日に設立された社団法人日本訪問販売協会は、この法律の施行の日において新法第十条の二に規定する要件に該当する場合には、新法第十条の三及び第十条の四の規定の適用については、この法律の施行の日に設立された新法第十条の二に規定する法人とみなす。
2 昭和五十八年十月十一日に設立された社団法人日本通信販売協会は、この法律の施行の日において新法第十条の五に規定する要件に該当する場合には、新法第十条の六及び第十条の七の規定の適用については、この法律の施行の日に設立された新法第十条の五に規定する法人とみなす。
附則 (平成八年五月二二日法律第四四号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中訪問販売等に関する法律第十九条及び第二十一条第四号の改正規定、第二条の規定、附則第三条中割賦販売法第三十七条第一項の改正規定並びに附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。