法令名 銀行法
法令番号 (昭和五十六年六月一日法律第五十九号)
施行年月日 昭和五十七年四月一日
最終改正 平成八年六月二一日法律第九四号
銀行法(昭和二年法律第二十一号)の全部を改正する。
目次
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 業務(第十条―第十六条)
第二章の二 子会社(第十六条の二―第十六条の四)
第三章 経理(第十七条―第二十三条)
第四章 監督(第二十四条―第二十九条)
第五章 合併又は営業等の譲渡若しくは譲受け(第三十条―第三十六条)
第六章 廃業及び解散(第三十七条―第四十六条)
第七章 外国銀行支店(第四十七条―第五十二条)
第八章 雑則(第五十三条―第六十条)
第九章 罰則(第六十一条―第六十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
1 この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
2 この法律の運用に当たつては、銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならない。
(定義等)
第二条
1 この法律において「銀行」とは、第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。
2 この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一 預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。
二 為替取引を行うこと。
3 この法律において「定期積金」とは、期限を定めて一定金額の給付を行うことを約して、定期に又は一定の期間内において数回にわたり受け入れる金銭をいう。
4 この法律において「定期積金等」とは、定期積金のほか、一定の期間を定め、その中途又は満了の時において一定の金額の給付を行うことを約して、当該期間内において受け入れる掛金をいう。
5 この法律において「預金者等」とは、預金者及び定期積金の積金者(前項に規定する掛金の掛金者を含む。)をいう。
第三条
 預金又は定期積金等の受入れ(前条第二項第一号に掲げる行為に該当するものを除く。)を行う営業は、銀行業とみなして、この法律を適用する。
(営業の免許)
第四条
1 銀行業は、大蔵大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。
2 大蔵大臣は、銀行業の免許の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 銀行業の免許を申請した者(以下この項において「申請者」という。)が銀行の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。
二 申請者が、その人的構成等に照らして、銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
三 申請者による銀行の業務の開始が、当該銀行の業務が営まれる地域における資金の需給状況、銀行その他の金融機関の営業状況その他経済金融の状況に照らして、金融秩序を乱すおそれがない等適当なものであること。
3 外国の法令に準拠して外国において銀行業を営む者(その者と政令で定める特殊の関係のある者を含むものとし、銀行等を除く。以下この項において「外国銀行等」という。)をその株主の全部又は一部とする者が銀行業の免許を申請した場合において、当該外国銀行等が当該免許を申請した者の発行済株式の総数に大蔵省令で定める率を乗じて得た数を超える株式を適法に保有しているときは、大蔵大臣は、前項各号に掲げる基準のほか、当該外国銀行等の主たる営業所が所在する国において、銀行に対し、この法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われると認められるかどうかの審査をしなければならない。ただし、当該審査が国際約束の誠実な履行を妨げることとなる場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。
4 大蔵大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
5 第三項の「銀行等」とは、銀行、長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)に規定する長期信用銀行及び外国為替銀行法(昭和二十九年法律第六十七号)に規定する外国為替銀行をいう。
(資本の額)
第五条
1 銀行は、資本の額が政令で定める額以上の株式会社でなければならない。
2 前項の政令で定める額は、十億円を下回つてはならない。
3 銀行は、その資本の額を減少しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(商号)
第六条
1 銀行は、その商号中に銀行という文字を使用しなければならない。
2 銀行でない者は、その商号中に銀行であることを示す文字を使用してはならない。
3 銀行は、その商号を変更しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(取締役の兼職の制限)
第七条
 銀行の常務に従事する取締役は、大蔵大臣の認可を受けた場合を除くほか、他の会社の常務に従事してはならない。
(営業所の設置等)
第八条
 銀行は、支店その他の営業所の設置、位置の変更(本店の位置の変更を含む。)、種類の変更又は廃止をしようとするときは、大蔵省令で定める場合を除き、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の認可を受けなければならない。代理店の設置又は廃止をしようとするときも、同様とする。
(削除)
第九条
 削除
第二章 業務
(業務の範囲)
第十条
1 銀行は、次に掲げる業務を営むことができる。
一 預金又は定期積金等の受入れ
二 資金の貸付け又は手形の割引
三 為替取引
2 銀行は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務その他の銀行業に付随する業務を営むことができる。
一 債務の保証又は手形の引受け
二 有価証券(第五号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するものを除く。第六号において同じ。)の売買、有価証券指数等先物取引、有価証券オプション取引又は外国市場証券先物取引(投資の目的をもつてするもの又は顧客の書面による注文を受けてその計算においてするものに限る。)
三 有価証券の貸付け
四 国債、地方債若しくは政府保証債(以下この条において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い
五 金銭債権(譲渡性預金証書その他の大蔵省令で定める証書をもつて表示されるものを含む。)の取得又は譲渡
六 有価証券の私募の取扱い
七 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託
八 銀行その他金融業を行う者の業務の代理(大蔵省令で定めるものに限る。)
九 国、地方公共団体、会社等の金銭の収納その他金銭に係る事務の取扱い
十 有価証券、貴金属その他の物品の保護預り
十一 両替
十二 金融先物取引等
十三 金融先物取引等の受託等
3 前項第二号の「有価証券指数等先物取引」、「有価証券オプション取引」又は「外国市場証券先物取引」とは、それぞれ証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十四項から第十六項まで(定義)に規定する有価証券指数等先物取引、有価証券オプション取引又は外国市場証券先物取引をいう。
4 第二項第四号の「政府保証債」とは、政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
5 第二項第五号に掲げる業務には、同号に規定する証書をもつて表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、証券取引法第二条第八項各号(定義)に掲げる行為を行う業務を含むものとする。
6 第二項第六号の「有価証券の私募の取扱い」とは、有価証券の私募(証券取引法第二条第八項第六号(定義)に規定する私募をいう。)の取扱いをいう。
7 第二項第十二号の「金融先物取引等」又は同項第十三号の「金融先物取引等の受託等」とは、それぞれ金融先物取引法(昭和六十三年法律第七十七号)第二条第七項又は第八項(定義)に規定する金融先物取引等又は金融先物取引等の受託等をいう。
第十一条
 銀行は、前条の規定により営む業務のほか、同条第一項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、証券取引法第六十五条第二項各号(金融機関の証券業務の特例)に掲げる有価証券又は取引について、同項各号に定める行為を行う業務(前条第二項の規定により営む業務を除く。)を営むことができる。
第十二条
 銀行は、前二条の規定により営む業務及び担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)その他の法律により営む業務のほか、他の業務を営むことができない。
(同一人に対する信用の供与)
第十三条
1 銀行の同一人に対する信用の供与(当該同一人と政令で定める特殊の関係のある者に対する信用の供与を含む。以下この条において同じ。)は、政令で定める区分ごとに、当該銀行の資本及び準備金(準備金として政令で定めるものをいう。)の合計額に政令で定める率を乗じて得た額(以下この条において「信用供与限度額」という。)を超えてしてはならない。ただし、信用の供与を受けている者が合併をし又は営業を譲り受けたことにより銀行の同一人に対する信用の供与の額が信用供与限度額を超えることとなる場合その他政令で定めるやむを得ない理由がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2 銀行が第十六条の二第一項の認可を受けて他の銀行の株式を所有する場合には、当該銀行及び当該他の銀行(以下この条において「子銀行」という。)の同一人に対する信用の供与の合計額は、政令で定める区分ごとに、次に掲げる金額の合計額(第四項において「合計信用供与限度額」という。)を超えてはならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
一 当該銀行の信用供与限度額
二 当該子銀行の資本及び準備金(準備金として政令で定めるものをいう。)の合計額から、当該合計額のうち当該銀行の持分に相当する金額として大蔵省令で定める額を控除した残額に、政令で定める率を乗じて得た金額
3 前二項の規定は、国及び地方公共団体に対する信用の供与、政府が元本の返済及び利息の支払について保証している信用の供与その他これらに準ずるものとして政令で定める信用の供与については、適用しない。
4 第二項の場合において、同項に規定する同一人に対する信用の供与の合計額が合計信用供与限度額を超えることとなつたときは、その超える金額は、子銀行の株式を所有する銀行の信用の供与の額とみなす。
5 前各項に定めるもののほか、第一項及び第二項に規定する資本及び準備金の合計額並びに信用供与限度額の計算方法その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
(取締役に対する信用の供与)
第十四条
1 銀行の取締役が当該銀行から受ける信用の供与については、その条件が、当該銀行の信用の供与の通常の条件に照らして、当該銀行に不利益を与えるものであつてはならない。
2 銀行の取締役が当該銀行から信用の供与を受ける場合における商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百六十五条第一項(取締役と会社間の取引)の規定による取締役会の承認は、同法第二百六十条ノ二第一項(取締役会の決議方法)の規定にかかわらず、取締役の過半数が出席しその取締役の三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
(経営の健全性の確保)
第十四条の二
 大蔵大臣は、銀行の業務の健全な運営に資するため、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかその他経営の健全性を判断するための基準を定めることができる。
(休日及び営業時間)
第十五条
1 銀行の休日は、日曜日その他政令で定める日に限る。
2 銀行の営業時間は、金融取引の状況等を勘案して大蔵省令で定める。
(臨時休業等)
第十六条
1 銀行は、大蔵省令で定める場合を除き、天災その他のやむを得ない理由によりその営業所又は代理店において臨時にその業務の全部又は一部を休止するときは、直ちにその旨を、理由を付して大蔵大臣に届け出るとともに、公告し、かつ、当該営業所又は代理店の店頭に掲示しなければならない。銀行が臨時にその業務の全部又は一部を休止した営業所又は代理店においてその業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。
2 前項の規定にかかわらず、無人の営業所又は代理店その他の大蔵省令で定める営業所又は代理店については、同項の規定による公告は、することを要しない。
第二章の二 子会社
(証券会社等の株式の所有)
第十六条の二
1 銀行は、証券取引法第二条第九項(定義)に規定する証券会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務を営む銀行その他の銀行(大蔵省令で定めるものに限る。)の株式(議決権のあるものに限る。以下この章において同じ。)については、大蔵大臣の認可を受けて、その発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数の百分の五十を超える数の株式を取得し、又は所有することができる。
2 前項の場合において、銀行が取得し、又は所有する株式には、当該銀行が担保権の実行により取得し、又は所有する株式その他大蔵省令で定める株式を含まないものとし、信託財産である株式で、当該銀行が委託者又は受益者として議決権を行使し、又は議決権の行使について指図を行うことができるものを含むものとする。
(子会社との間の取引等)
第十六条の三
 銀行は、その子会社等(当該銀行が前条第一項の認可を受けて株式を所有する同項に規定する証券会社又は信託業務を営む銀行その他の当該銀行と政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)又は顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき公益上必要がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一 子会社等との間で、その条件が当該銀行の取引の通常の条件に照らして当該銀行に不利益を与えるものと認められる取引をすること。
二 子会社等との間又は子会社等に係る顧客との間で行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該銀行の業務の健全かつ適切な遂行に支障を及ぼすおそれのあるものとして大蔵省令で定める取引又は行為
(海外現地法人の株式等の所有)
第十六条の四
1 銀行は、次に掲げる会社の株式又は持分(以下この条において「株式等」という。)については、大蔵大臣の認可を受けて、その発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額の百分の五十を超える数又は額の株式等を取得し、又は所有することができる。
一 銀行業を営む外国の会社
二 証券業(証券取引法第二条第八項各号(定義)に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。)を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
2 前項の規定は、銀行が同項の認可を受けて同項各号に掲げる会社の株式等を所有している場合において、当該会社が当該各号のうち他の号に掲げる会社になるときに当該銀行が所有する当該株式等について準用する。
3 第十六条の二第二項の規定は、前二項の場合において銀行が取得し、又は所有する株式等について準用する。
第三章 経理
(営業年度)
第十七条
 銀行の営業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(特定取引勘定)
第十七条の二
1 銀行は、特定取引(銀行が次に掲げる目的で自己の計算において行う取引であつて、第十条第二項第十二号に規定する金融先物取引等その他大蔵省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)及び特定取引の対象となる財産をその他の取引及び財産と区別して経理するため、大蔵大臣の認可を受けて、大蔵省令で定めるところにより特別の勘定(以下この条において「特定取引勘定」という。)を設けることができる。
一 金利、通貨の価格、有価証券市場における相場その他の指標に係る短期的な変動、市場間の格差等を利用して利益を得ること。
二 前号の目的で行う特定取引により生じ得る損失を減少させること。
2 前項の認可を受けて特定取引勘定を設けた銀行は、特定取引勘定に属するものとして経理された有価証券その他大蔵省令で定める財産について、商法第二百八十五条ノ二(流動資産の評価)、第二百八十五条ノ四(金銭債権の評価)及び第二百八十五条ノ五(社債の評価)の規定にかかわらず、大蔵省令で定めるところにより時価を付さなければならない。
3 第一項の認可を受けて特定取引勘定を設けた銀行は、特定取引のうち大蔵省令で定めるもので営業年度終了の時において決済されていないものがあるときは、当該特定取引を当該営業年度終了の時において決済したものとみなして、当該営業年度の損益の計算をしなければならない。この場合において、当該特定取引について当該営業年度の利益又は損失とすることを相当とする額(次項において「利益相当額」又は「損失相当額」という。)は、大蔵省令で定めるところにより算定するものとする。
4 第一項の認可を受けて特定取引勘定を設けた銀行において、第二項の評価換えによる利益の額と前項の算定による利益相当額との合計額が第二項の評価換えによる損失の額と前項の算定による損失相当額との合計額を超える場合には、当該銀行に対する商法第二百四条ノ三ノ二(同法第二百四条ノ五(譲渡制限株式取得者からの承認の請求)において準用する場合を含む。)(売渡請求時の自己株式の取得)、第二百十条ノ二(使用人に譲渡するための自己株式の取得)、第二百十条ノ四(取締役の買受けの制限)、第二百十二条ノ二(自己株式の消却)、第二百九十条(利益の配当)及び第二百九十三条ノ五(中間配当)の規定の適用については、これらの規定中「純資産額」とあるのは「純資産額(評価利益額(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十七条の二第二項ノ評価換ニ因ル利益ノ額及同条第三項ノ算定ニ因ル利益相当額ノ合計額ヨリ同条第二項ノ評価換ニ因ル損失ノ額及同条第三項ノ算定ニ因ル損失相当額ノ合計額ヲ控除シタル額ヲ謂フ)ガアルトキハ之ヲ控除シタル額)」と、同法第二百十条ノ四第二項、第二百十二条ノ二第六項及び第二百九十三条ノ五第五項中「同項ノ合計額」とあるのは「第二百九十条第一項各号ノ金額ノ合計額」とする。
(利益準備金の積立て)
第十八条
 銀行は、その資本の額に達するまでは、毎決算期に利益の処分として支出する金額の五分の一以上を、商法第二百九十三条ノ五第一項(中間配当)の金銭の分配を行うごとにその分配額の五分の一をそれぞれ利益準備金として積み立てなければならない。
(業務報告書等)
第十九条
1 銀行は、営業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、大蔵大臣に提出しなければならない。
2 中間業務報告書及び業務報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
(貸借対照表等の公告)
第二十条
 銀行は、営業年度ごとに、大蔵省令で定めるところにより、貸借対照表及び損益計算書を作成して、当該営業年度経過後三月以内に公告しなければならない。ただし、やむを得ない理由により当該三月以内にこれらの書類の公告をすることができない場合には、大蔵大臣の承認を受けて、当該公告を延期することができる。
(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧)
第二十一条
 銀行は、営業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類を作成して、主要な営業所に備え置き、公衆の縦覧に供するものとする。ただし、信用秩序を損なうおそれのある事項、預金者その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項及び銀行の業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項並びにその記載のため過大な費用の負担を要する事項については、この限りでない。
(営業報告書等の記載事項)
第二十二条
 銀行が商法第二百八十一条第一項(計算書類の作成)の規定により作成する営業報告書及び附属明細書の記載事項は、大蔵省令で定める。
(株主の帳簿閲覧権の否認)
第二十三条
 商法第二百九十三条ノ六(株主の帳簿閲覧権)の規定は、銀行の会計の帳簿及び書類については、適用しない。
第四章 監督
(報告又は資料の提出)
第二十四条
1 大蔵大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行(代理店を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 大蔵大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行の子会社に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 銀行の子会社は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
4 前二項において「子会社」とは、銀行がその発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分(次項において「株式等」という。)を所有する会社のうち大蔵省令で定めるものをいう。
5 第十六条の二第二項の規定は、前項の場合において銀行が所有する株式等について準用する。
(立入検査)
第二十五条
1 大蔵大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に銀行(代理店を含む。)の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 大蔵大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に銀行の子会社(前条第四項に規定する子会社をいう。第五項において同じ。)の施設に立ち入らせ、銀行に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 前条第三項の規定は、第二項の規定による銀行の子会社に対する質問及び検査について準用する。
(業務の停止等)
第二十六条
1 大蔵大臣は、銀行の業務又は財産の状況に照らして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であつて、銀行の自己資本の充実の状況によつて必要があると認めるときにするものは、大蔵省令で定める自己資本の充実の状況に係る区分に応じ大蔵省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第二十七条
 大蔵大臣は、銀行が法令、定款若しくは法令に基づく大蔵大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役若しくは監査役の解任を命じ、又は第四条第一項の免許を取り消すことができる。
第二十八条
 大蔵大臣は、前二条の規定により、銀行に対し、その業務の全部又は一部の停止を命じた場合において、その整理の状況に照らして必要があると認めるときは、第四条第一項の免許を取り消すことができる。
(資産の国内保有)
第二十九条
 大蔵大臣は、預金者等の保護その他公益のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、政令で定めるところにより、銀行に対し、その資産のうち政令で定めるものを国内において保有することを命ずることができる。
第五章 合併又は営業等の譲渡若しくは譲受け
(合併又は営業等の譲渡若しくは譲受けの認可等)
第三十条
1 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併後存続する会社又は当該合併により設立される会社が銀行であるものに限るものとし、金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号)第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。以下この章において「合併」という。)は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 銀行を当事者とする営業の全部又は一部の譲渡又は譲受けは、政令で定めるものを除き、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 銀行は、信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(これらの法人をもつて組織する連合会を含む。以下この章において「信用金庫等」という。)から事業の全部又は一部を譲り受けることができる。ただし、当該事業の全部又は一部の譲受けは、政令で定めるものを除き、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 前項の規定により銀行が信用金庫等から事業の全部又は一部を譲り受ける場合においては、当該信用金庫等を会社とみなして、商法第二百四十五条及び同条に係る同法の規定並びに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第十六条(営業の譲受け等の制限)及び同条に係る同法の規定を適用する。
第三十一条
 大蔵大臣は、前条の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 前条の規定による合併、営業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受け又は事業の全部若しくは一部の譲受け(以下この条において「合併等」という。)が、当該合併等の当事者である銀行等(第四条第五項に規定する銀行等をいう。以下同じ。)又は信用金庫等が業務を行つている地域(営業の一部の譲渡若しくは譲受け又は事業の一部の譲受けに係る場合にあつては、当該一部の営業又は事業が行われている地域に限る。)における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、適当なものであること。
二 合併等が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないものであること。
三 前条の認可の申請をした銀行又は合併により設立される銀行が、合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
(みなし免許)
第三十二条
 第三十条第一項の認可を受けて合併により設立される銀行業を営む会社は、当該設立の時に、第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。
(合併の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条
 銀行が合併の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する商法第百条第一項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
(営業等の譲渡又は譲受けの場合の債権者の異議の催告等)
第三十四条
1 銀行を当事者とする営業の全部の譲渡若しくは譲受け又は銀行の信用金庫等からの事業の全部の譲受けについて株主総会の決議がされたときは、当該銀行は、当該決議の日から二週間以内に、当該決議の要旨及び当該営業の全部の譲渡若しくは譲受け又は事業の全部の譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 債権者が第一項の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該営業の全部の譲渡若しくは譲受け又は事業の全部の譲受けを承認したものとみなす。
4 債権者が第一項の期間内に異議を述べたときは、当該銀行は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む他の銀行若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。
第三十五条
1 銀行を当事者とする営業の一部の譲渡若しくは譲受け又は銀行の信用金庫等からの事業の一部の譲受けについて株主総会又は取締役会の決議がされたときは、当該銀行は、当該決議の日から二週間以内に、当該決議の要旨及び当該営業の一部の譲渡若しくは譲受け又は事業の一部の譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告することができる。ただし、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下つてはならない。
3 前条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定によりされた公告及び催告に係る債権者の異議について準用する。
(営業の譲渡の公告等)
第三十六条
1 銀行は、営業の全部又は一部を譲渡したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
2 前項の規定による公告がされたときは、当該公告をした銀行の債務者に対して民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があつたものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもつて確定日付とする。
第六章 廃業及び解散
(廃業及び解散等の認可)
第三十七条
1 次に掲げる事項は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 銀行業の廃止に係る定款の変更についての株主総会の決議
二 銀行を全部又は一部の当事者とする合併(第三十条第一項に規定する合併及び金融機関の合併及び転換に関する法律第三条(合併)の規定による合併に該当するものを除く。)
三 銀行の解散についての株主総会の決議
2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該銀行業の廃止、合併又は解散が当該銀行の業務及び財産の状況に照らしてやむを得ないものであること。
二 当該銀行業の廃止、合併又は解散が、当該銀行が業務を営んでいる地域における資金の円滑な需給及び利用者の利便に支障を及ぼすおそれのないものであること。
3 大蔵大臣は、第二十六条第一項又は第二十七条の規定による業務の全部又は一部の停止の命令をした銀行から第一項の認可の申請があつた場合においては、当該銀行に対し、同項の認可をしてはならない。これらの命令をすること又は同条の規定により第四条第一項の免許を取り消すことが必要であると認める銀行から第一項の認可の申請があつた場合も、同様とする。
(廃業等の公告等)
第三十八条
 銀行は、前条第一項の認可を受けたときは、大蔵省令で定めるところにより、直ちに、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告するとともに、一月を下らない期間、すべての営業所及び代理店の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
(定款の解散原因の規定の効力)
第三十九条
 銀行は、商法第四百四条(解散の原因)の規定にかかわらず、同法第九十四条第一号(解散の原因)に掲げる事由によつては、解散しない。
(免許の取消しによる解散)
第四十条
 銀行は、第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の大蔵大臣の免許を取り消されたときは、解散する。
(免許の失効)
第四十一条
 銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、第四条第一項の大蔵大臣の免許は、効力を失う。
一 銀行業の全部を廃止したとき。
二 営業の全部を譲渡したとき。
三 解散したとき(設立又は合併(当該合併により銀行を設立するものに限る。)を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 当該免許を受けた日から六月以内に業務を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ大蔵大臣の承認を受けたときを除く。)。
(免許の取消し等の場合のみなし銀行)
第四十二条
 銀行が第二十七条若しくは第二十八条の規定により第四条第一項の大蔵大臣の免許を取り消された場合又は前条の規定により当該免許が効力を失つた場合においては、当該銀行であつた会社は、第三十六条、第三十八条及び第四十六条第一項の規定の適用については、なお銀行とみなす。
(他業会社への転移等)
第四十三条
1 銀行が第四十一条第一号の規定に該当して第四条第一項の大蔵大臣の免許が効力を失つた場合において、当該銀行であつた会社に従前の預金又は定期積金等の債務が残存するときは、政令で定める場合を除き、大蔵大臣は、当該会社が当該債務を完済する日又は当該免許が効力を失つた日以後十年を経過する日のいずれか早い日まで、当該会社に対し、当該債務の総額を限度として財産の供託を命じ、又は預金者等の保護を図るため当該債務の処理若しくは資産の管理若しくは運用に関し必要な命令をすることができる。
2 前項の規定は、銀行等以外の会社が合併により銀行の預金又は定期積金等の債務を承継した場合について準用する。
3 第二十四条第一項並びに第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、前二項の規定の適用を受ける会社について準用する。
(清算人の任免)
第四十四条
1 銀行が第四条第一項の大蔵大臣の免許の取消しにより解散した場合には、裁判所は、利害関係人若しくは大蔵大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
2 前項の場合を除くほか、裁判所は、利害関係人若しくは大蔵大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を解任することができる。この場合においては、裁判所は、清算人を選任することができる。
(清算の監督)
第四十五条
 裁判所は、銀行が解散した場合において、当該銀行であつた会社の清算事務及び財産の状況を検査するとともに、当該会社に対し、財産の供託を命じ、その他清算の監督に必要な命令をすることができる。
(清算手続等における大蔵大臣の意見等)
第四十六条
1 裁判所は、銀行の清算手続、破産手続、和議手続、整理手続又は更生手続において、大蔵大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 大蔵大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により大蔵大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第七章 外国銀行支店
(外国銀行支店の免許等)
第四十七条
1 外国の法令に準拠して外国において銀行業を営む者(銀行等を除く。以下「外国銀行」という。)が日本に支店又は代理店を設けて日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は、大蔵省令で定めるところにより、当該支店又は代理店の代表者を定めて、当該支店又は代理店ごとに、第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けなければならない。
2 前項の規定により、外国銀行が第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたときは、当該免許に係る支店又は代理店を銀行とみなし、当該銀行とみなされた支店又は代理店(以下「外国銀行支店」という。)の代表者を当該外国銀行支店の取締役とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、第五条、第六条、第十三条第二項及び第四項、第十四条第二項、第十六条の二、第十六条の四、第十七条の二、第二十二条、第二十三条、第二十四条第二項から第五項まで、第二十五条第二項及び第五項、第三十条第一項、第三十二条、第三十三条、第三十七条第一項第二号及び第三号、第三十九条、第四十条、第四十一条第三号、第四十三条、第四十四条並びに第五十三条第二号及び第四号の規定を除く。
3 外国銀行に対する第四条第一項の大蔵大臣の免許に係る特例、外国銀行支店に対しこの法律の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(外国銀行支店の資料の提出等)
第四十八条
1 大蔵大臣は、一の外国銀行に対し複数の第四条第一項の免許を与えている場合には、当該免許に係る外国銀行支店のうち一の外国銀行支店を指定して、大蔵省令で定める事項について、当該免許に係る外国銀行支店の全部につき連結して記載した帳簿書類その他の資料の提出を求めることができる。
2 大蔵大臣は、外国銀行支店の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行支店に対し、外国銀行支店に係る外国銀行(当該外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(外国銀行支店の届出)
第四十九条
 外国銀行支店は、当該外国銀行支店に係る外国銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、大蔵省令で定めるところにより、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 資本又は出資の額を変更したとき。
二 商号又は本店の所在地を変更したとき。
三 合併をし、又は営業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四 解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五 銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六 破産したとき。
七 その他大蔵省令で定める場合に該当するとき。
(外国銀行支店に係る免許の失効)
第五十条
 前条第三号から第六号までのいずれかに該当して同条の規定による届出(同条第三号に係る届出にあつては当該合併後当該外国銀行支店に係る外国銀行が消滅することとなる合併及び営業の全部の譲渡に係る届出に限るものとし、同条第四号に係る届出にあつては銀行業の一部の廃止に係る届出を除く。)があつたときは、当該届出をした外国銀行支店に係る第四条第一項の大蔵大臣の免許は、効力を失う。
(外国銀行支店の清算)
第五十一条
1 外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本にある財産の全部について清算をしなければならない。
一 第二十七条又は第二十八条の規定により当該外国銀行支店に係る第四条第一項の大蔵大臣の免許を取り消されたとき。
二 第四十一条第一号又は前条の規定により当該外国銀行支店に係る第四条第一項の大蔵大臣の免許が効力を失つたとき。
2 前項の規定により外国銀行支店が清算をする場合には、裁判所は、利害関係人若しくは大蔵大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
3 商法第四百二十一条から第四百二十四条まで及び第四百三十条から第四百五十六条まで(株式会社の清算及び特別清算)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による外国銀行支店の清算について準用する。
(外国銀行の駐在員事務所の設置の届出等)
第五十二条
1 外国銀行は、次に掲げる業務を行うため、日本において駐在員事務所その他の施設を設置しようとする場合(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)には、あらかじめ、当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他大蔵省令で定める事項を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 銀行の業務に関する情報の収集又は提供
二 その他銀行の業務に関連を有する業務
2 大蔵大臣は、公益上必要があると認めるときは、外国銀行に対し、前項の施設において行う同項各号に掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
3 外国銀行は、その設置した第一項の施設を廃止したとき、当該施設において行う同項各号に掲げる業務を廃止したときその他同項の規定により届け出た事項を変更したときは、遅滞なくその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
第八章 雑則
(届出事項)
第五十三条
 銀行は、次の各号のいずれかに該当するときは、大蔵省令で定めるところにより、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 営業を開始したとき。
二 資本の額を増加しようとするとき。
三 この法律の規定による認可を受けた事項を実行したとき(第十六条の四第二項において準用する同条第一項の規定による認可にあつては、同項各号に掲げる会社が当該各号のうち他の号に掲げる会社になつたとき)。
四 外国において駐在員事務所を設置しようとするとき。
五 その他大蔵省令で定める場合に該当するとき。
(認可等の条件)
第五十四条
1 大蔵大臣は、この法律の規定による認可又は承認(次項において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
(認可の失効)
第五十五条
 銀行がこの法律の規定による認可を受けた日から六月以内に当該認可を受けた事項を実行しなかつたとき(第十六条の四第二項において準用する同条第一項の規定による認可にあつては、銀行が当該認可を受けた日から六月以内に、同項各号に掲げる会社が当該各号のうち他の号に掲げる会社にならなかつたとき)は、当該認可は、効力を失う。ただし、やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(大蔵大臣の告示)
第五十六条
 次に掲げる場合には、大蔵大臣は、その旨を官報で告示するものとする。
一 第二十六条第一項又は第二十七条の規定により銀行の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
二 第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の免許を取り消したとき。
三 銀行が第四十一条第四号の規定に該当して第四条第一項の免許が効力を失つたとき。
四 第五十条の規定により外国銀行支店に係る第四条第一項の免許が効力を失つたとき。
(公告)
第五十七条
 銀行がこの法律の規定により行う公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載してしなければならない。
(大蔵省令への委任)
第五十八条
 この法律に定めるもののほか、この法律の規定による免許、認可又は承認に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この法律を実施するため必要な事項は、大蔵省令で定める。
(権限の委任)
第五十九条
 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、この法律による権限の一部を財務局長又は財務支局長に行わせることができる。
(経過措置)
第六十条
 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第九章 罰則
第六十一条
 第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けないで銀行業を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第六十二条
 第四条第四項の規定により付した条件に違反した者又は第二十六条第一項若しくは第二十七条の規定による業務の全部若しくは一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第六十三条
 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の規定による中間業務報告書若しくは業務報告書の提出をせず、又はこれらの書類に記載すべき事項のうち重要な事項を記載せず、若しくは重要な事項につき虚偽の記載をしてこれらの書類の提出をした者
二 第二十四条第一項(第四十三条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
三 第二十五条第一項(第四十三条第三項及び第四十六条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二十五条第二項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
四 第四十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第四十五条の規定による命令に違反した者
五 第四十五条の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第六十四条
1 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により法人でない団体を処罰する場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第六十五条
 次の各号の一に該当する場合には、その行為をした銀行(銀行が第四十一条第一号から第三号までのいずれかに該当して第四条第一項の大蔵大臣の免許が効力を失つた場合における当該銀行であつた会社を含む。)の取締役、監査役、支配人、代理店(代理店が法人であるときは、その業務を執行する社員、取締役その他の法人の代表者)若しくは清算人又は外国銀行の代表者、代理人若しくは支配人は、百万円以下の過料に処する。
一 第五条第三項、第六条第三項、第八条、第十六条の二第一項若しくは第十六条の四第一項の規定による大蔵大臣の認可を受けないでこれらの規定に規定する行為をしたとき又は同条第二項において準用する同条第一項の規定による大蔵大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる会社が当該各号のうち他の号に掲げる会社になつた後において、同項に規定する数若しくは額の当該会社の株式若しくは持分を所有したとき。
二 第七条の規定に違反して他の会社の常務に従事したとき。
三 第十二条の規定に違反して他の業務を営んだとき。
四 第十六条、第三十四条第一項、第三十六条第一項、第三十八条、第四十九条、第五十二条第一項若しくは第三項若しくは第五十三条の規定による届出、公告若しくは掲示をせず、又は虚偽の届出、公告若しくは掲示をしたとき。
五 第十八条の規定に違反して利益準備金を積み立てなかつたとき。
六 第二十条の規定による公告をせず、又は当該公告をしなければならない書類に記載すべき事項のうち重要な事項を記載せず、若しくは重要な事項につき虚偽の記載をして公告をしたとき。
七 第二十六条第一項の規定に違反して改善計画の提出をせず、又は同項の規定による命令(業務の全部又は一部の停止の命令を除く。)若しくは第二十九条の規定による命令に違反したとき。
八 第三十四条第四項(第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して営業又は事業の譲渡又は譲受けをしたとき。
九 第四十八条第一項の規定による資料の提出をせず、又は当該資料に記載すべき事項のうち重要な事項を記載せず、若しくは重要な事項につき虚偽の記載をして当該資料の提出をしたとき。
十 第四十八条第二項若しくは第五十二条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
十一 第五十四条第一項の規定により付した条件(第八条、第十六条の二第一項、第十六条の四第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項から第三項まで又は第三十七条第一項の規定による認可に係るものに限る。)に違反したとき。
第六十六条
 第六条第二項の規定に違反して商号中に銀行であることを示す文字を使用した者は、百万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第九条第一項及び第二項の規定は、公布の日から施行する。
(営業の免許に関する経過措置)
第二条
 この法律の施行の際現に改正前の銀行法(以下「旧法」という。)第二条の主務大臣の免許を受けている者(旧法第三十九条第二項又は旧法以外の法律若しくはこれに基づく命令の規定により旧法第二条の主務大臣の免許を受けたものとみなされる者を含み、旧法第三十二条第一項の規定により旧法第二条の主務大臣の免許を受けている者を除く。)は、この法律の施行の際に改正後の銀行法(以下「新法」という。)第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。
(資本の額に関する経過措置)
第三条
 新法第五条第一項の規定は、前条の規定により新法第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなされる銀行(以下「旧法の免許を受けた銀行」という。)で、この法律の施行の際現にその資本の額が新法第五条第一項の規定に基づく政令で定める額を下回つているものについては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して五年を経過する日までの間は、適用しない。
(海外現地法人に係る認可に関する経過措置)
第四条
1 この法律の施行の際現に旧法の免許を受けた銀行が新法第九条第一項に規定する外国の会社の発行済株式の総数又は出資の総額に同項の規定に基づく大蔵省令で定める率を乗じて得た数又は額を超えて当該外国の会社の株式又は持分を保有しているときは、当該旧法の免許を受けた銀行は、施行日から起算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
2 この法律の施行の際旧法の免許を受けた銀行が第一号に掲げる許可を受け又は第二号に掲げる届出をしている株式又は持分の取得が新法第九条第一項の規定に該当するものであるときは、当該旧法の免許を受けた銀行は、施行日から記算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第二十一条第二項(大蔵大臣の許可を要する資本取引)の規定による許可
二 外国為替及び外国貿易管理法第二十二条第一項第四号(居住者による対外直接投資に係る届出)の規定による届出(当該届出につき、同法第二十三条第二項(資本取引に係る内容の審査及び変更勧告等)の規定による大蔵大臣の勧告を受けることなく同条第一項の規定により当該届出に係る当該株式若しくは持分の取得を行つてはならない期間を経過している場合又は当該勧告を受け同条第四項の規定により当該勧告を応諾する旨の通知がされている場合に限る。)
3 前二項の規定により届出をした旧法の免許を受けた銀行は、当該届出に係る株式又は持分の取得につき新法第九条第一項の認可を受けたものとみなす。
(国債等に係る業務に関する経過措置)
第五条
1 銀行が新法第十一条の規定により同条に規定する業務を営もうとする場合には、当該銀行は、当分の間、不特定かつ多数の者を相手方とする当該業務については、その内容及び方法を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた業務の内容及び方法を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の認可に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
(同一人に対する信用の供与に関する経過措置)
第六条
1 新法第十三条第一項本文の規定は、この法律の施行の際現に同一人に対する同項本文に規定する信用の供与が同項本文に規定する信用供与限度額を超えている旧法の免許を受けた銀行の当該信用の供与については、施行日から記算して三月間は、適用しない。
2 新法第十三条の規定は、外国銀行支店については、施行日から起算して五年間は、適用しない。
(取締役に対する信用の供与に関する経過措置)
第七条
 新法第十四条の規定は、施行日以後に銀行の取締役が商法第二百六十五条の規定による取締役会の承認を受ける新法第十四条第一項に規定する信用の供与について適用し、施行日前に商法第二百六十五条の規定による取締役会の承認を受けた当該信用の供与については、なお従前の例による。
(臨時休業等に関する経過措置)
第八条
 新法第十六条の規定は、施行日以後に銀行がその営業所又は代理店において臨時にその業務の全部又は一部を休止する場合について適用し、施行日前に旧法の免許を受けた銀行が臨時に休業し、又は預金の払戻しを停止した場合については、なお従前の例による。
(経理に関する経過措置等)
第九条
1 昭和五十六年四月から開始する銀行の営業年度については、大蔵大臣の定めるところにより、同月から昭和五十七年三月までとすることができる。
2 昭和五十六年四月から開始する銀行の営業年度を前項の規定によることとした場合における銀行法(昭和二年法律第二十一号)第八条の規定の適用については、同条中「毎決算期」とあるのは「、当該営業年度ニ係ル決算期」と、「利益準備金」とあるのは「、当該営業年度中ニ商法第二百九十三条ノ五第一項ノ金銭ノ分配ヲ為ストキハ其ノ分配額ノ五分ノ一ヲ夫々利益準備金」とする。
3 前項の規定中「銀行法(昭和二年法律第二十一号)第八条の規定の適用」とあるのは、施行日以後においては、「次条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる旧法第八条の規定」と読み替えるものとする。
第十条
1 新法第十七条及び第十八条の規定は、昭和五十七年四月一日以後に開始する営業年度及び当該営業年度に係る利益準備金の積立てについて適用し、同日前に開始した営業年度及び当該営業年度に係る利益準備金の積立てについては、なお従前の例による。
2 新法第十九条から第二十二条までの規定は、昭和五十七年四月一日以後に開始する営業年度に係るこれらの規定に規定する書類について適用し、同日前に開始した営業年度に係る旧法第十条から第十二条ノ二までに規定する書類については、なお従前の例による。
(免許の取消し等に関する経過措置)
第十一条
 新法第二十七条の規定は、施行日以後にした行為に係る銀行の業務の停止、取締役又は監査役の解任及び新法第四条第一項の大蔵大臣の免許の取消しについて適用し、施行日前にした行為に係る旧法の免許を受けた銀行の業務の停止、取締役又は監査役の改任及び主務大臣の免許の取消しについては、なお従前の例による。
(営業等の譲渡又は譲受けの認可に関する経過措置)
第十二条
 新法第三十条第二項又は第三項の規定は、施行日以後にされる株主総会又は取締役会の決議に係る営業の譲渡若しくは譲受け又は事業の譲受けについて適用する。
(合併の異議の催告に関する経過措置)
第十三条
 新法第三十三条の規定は、施行日以後に銀行が同条に規定する合併の決議をした場合における同条に規定する催告について適用し、施行日前にした合併の決議に係る催告については、なお従前の例による。
(営業等の譲渡又は譲受けに伴う手続に関する経過措置)
第十四条
1 新法第三十四条及び第三十五条の規定は、施行日以後にされる株主総会又は取締役会の決議に係る公告及び催告並びに債権者の異議について適用する。
2 新法第三十六条の規定は、施行日以後にされる株主総会又は取締役会の決議に係る営業の譲渡について適用する。
(廃業等の公告等に関する経過措置)
第十五条
 新法第三十八条の規定は、施行日以後に新法第三十七条第一項の規定による認可を受けた場合について適用し、施行日前に旧法第二十五条の規定による認可を受けた場合については、なお従前の例による。
(免許の取消しによる解散等に関する経過措置)
第十六条
 附則第十一条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧法の免許を受けた銀行に係る主務大臣の免許の取消しは、新法第二十七条又は第二十八条の規定による新法第四条第一項の大蔵大臣の免許の取消しとみなして、新法第四十条、第四十二条及び第五十六条第二号の規定を適用する。
(免許の失効に関する経過措置)
第十七条
 新法第四十一条第四号の規定は、施行日以後に銀行が受けた新法第四条第一項の大蔵大臣の免許について適用し、施行日前に旧法の免許を受けた銀行に係る旧法第二条の主務大臣の免許については、なお従前の例による。
(他業会社への転移等に関する経過措置)
第十八条
 新法第四十三条の規定は、施行日以後に銀行が新法第四十一条第一号の規定に該当して新法第四条第一項の大蔵大臣の免許が効力を失つた場合及び施行日以後に銀行等以外の会社が合併により銀行の預金又は定期積金の債務を承継した場合について適用し、施行日の前日において旧法第二十六条の規定の適用を受けている会社に対する主務大臣の監督については、なお従前の例による。
(清算人の任免及び清算の監督に関する経過措置)
第十九条
 新法第四十四条及び第四十五条の規定は、施行日以後に銀行が解散した場合について適用し、施行日前に開始された清算に係る旧法第二十七条第二項及び第二十八条並びに第二十九条に規定する清算人の解任及び選任並びに監督については、なお従前の例による。
(清算手続等における大蔵大臣の意見等に関する経過措置)
第二十条
 新法第四十六条の規定は、施行日以後に開始される銀行(銀行が解散した場合における当該銀行であつた会社を含む。)の清算手続、破産手続、和議手続、整理手続又は更生手続について適用し、施行日前に開始された旧法第三十条及び第三十一条に規定する清算、破産又は強制和議については、なお従前の例による。
(外国銀行支店に係る営業の免許に関する経過措置)
第二十一条
1 この法律の施行の際現に旧法第三十二条第一項の規定により旧法第二条の主務大臣の免許を受けている者は、この法律の施行の際に新法第四十七条第一項の規定により新法第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。
2 前項の規定により新法第四条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなされる者は、施行日から起算して三月以内に当該免許に係る外国銀行支店の代表者の氏名を大蔵大臣に届け出なければならない。
(外国銀行支店の資料の提出等に関する経過措置)
第二十二条
 新法第四十八条第一項の規定は、昭和五十七年四月一日以後に開始する営業年度に係る同項に規定する資料の提出について適用する。
(外国銀行の駐在員事務所の設置の届出等に関する経過措置)
第二十三条
 この法律の施行の際現に新法第五十二条第一項の施設を設置している外国銀行は、施行日から起算して三月以内に当該施設について同項に規定する業務の内容、施設の所在地その他大蔵省令で定める事項を大蔵大臣に届け出なければならない。この場合において、当該届出は、同項の規定によりされた届出とみなす。
(認可の失効に関する経過措置)
第二十四条
 新法第五十五条の規定は、施行日以後に銀行が受ける新法の規定による認可について適用し、旧法の免許を受けた銀行が施行日前に受けた新法に相当の規定のある旧法の規定による認可については、なお従前の例による。
(旧法等の規定に基づく処分又は手続の効力)
第二十五条
 施行日前に旧法又はこれに基づく命令の規定によつてした認可、承認その他の処分又は申請その他の手続で新法又はこれに基づく命令に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新法又はこれに基づく命令の相当の規定によつてした認可、承認その他の処分又は申請その他の手続とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十六条
 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十七条
 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (昭和五六年六月九日法律第七五号) 抄01 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日(昭和五十七年十月一日)から施行する。
附則 (昭和五八年一二月二日法律第七八号)
1 この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則 (昭和六三年五月三一日法律第七五号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(銀行法の一部改正に伴う経過措置)
第四十条
 この法律の施行の際現に前条の規定による改正前の銀行法附則第五条第一項の規定により業務の内容及び方法を定めて大蔵大臣の認可を受けている銀行は、この法律の施行の際に当該業務の内容及び方法と同一の業務の内容及び方法を定めて前条の規定による改正後の銀行法附則第五条第一項の大蔵大臣の認可を受けたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第四十二条
 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第四十三条
 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (昭和六三年五月三一日法律第七七号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成四年六月二六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(銀行法等の一部改正に伴う経過措置)
第二条
1 この法律の施行の際現に一の銀行等(第一条の規定による改正後の銀行法(以下「新銀行法」という。)第四条第五項に規定する銀行等をいう。以下この条において同じ。)が新銀行法第十六条の四第一項第二号(第二条の規定による改正後の長期信用銀行法(以下「新長期信用銀行法」という。)第十七条又は第三条の規定による改正後の外国為替銀行法(以下「新外国為替銀行法」という。)第十一条において準用する場合を含む。次項において同じ。)に掲げる会社の発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額(以下「発行済株式等」という。)の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分(以下「株式等」という。)を所有しているものは、当該銀行等は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
2 この法律の施行の際銀行等が第一号に掲げる許可を受け、又は第二号に掲げる届出をしている株式等の取得(施行日において実行していないものに限る。)が、新銀行法第十六条の四第一項第二号に掲げる会社の発行済株式等の百分の五十を超える株式等の取得となるときは、当該銀行等は、施行日から起算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
一 外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第二十一条第二項の規定による許可
二 外国為替及び外国貿易管理法第二十二条第一項第四号の規定による届出(当該届出につき、同法第二十三条第二項の規定による大蔵大臣の勧告を受けることなく同条第一項の規定により当該届出に係る当該株式等の取得を行ってはならない期間を経過している場合又は当該勧告を受け同条第四項の規定により当該勧告を応諾する旨の通知がされている場合に限る。)
3 新銀行法第十六条の四第三項(新長期信用銀行法第十七条又は新外国為替銀行法第十一条において準用する場合を含む。)において準用する新銀行法第十六条の二第二項の規定は、前二項の場合において銀行等が取得し、又は所有する株式等について準用する。
4 第一項又は第二項の規定により届出をした銀行等は、当該届出に係る株式等に取得又は所有につき、施行日において新銀行法第十六条の四第一項(新長期信用銀行法第十七条又は新外国為替銀行法第十一条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の認可を受けたものとみなす。
5 施行日前に第一条の規定による改正前の銀行法(以下「旧銀行法」という。)第九条第一項(第二条の規定による改正前の長期信用銀行法(以下「旧長期信用銀行法」という。)第十七条若しくは第三条の規定による改正前の外国為替銀行法(以下「旧外国為替銀行法」という。)第十一条において準用する場合又は旧銀行法第九条第二項(旧長期信用銀行法第十七条又は旧外国為替銀行法第十一条において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定によって認可、当該認可に付した条件、当該認可に係る承認又は当該認可に係る申請は、新銀行法第十六条の四第一項の規定によってした認可、当該認可に付した条件、当該認可に係る承認又は当該認可に係る申請とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第三十二条
 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三十三条
 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成五年六月一四日法律第六三号)01 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則 (平成八年六月二一日法律第九四号) 抄
(施行期日)
第一条
 この法律は、平成九年四月一日から施行する。ただし、次条第一項及び第二項、附則第三条第九項及び第十項、附則第九条第七項及び第八項、附則第十条第二項及び第三項並びに附則第十一条の規定は、公布の日から施行する。
(銀行法の一部改正に伴う経過措置)
第二条
1 銀行、長期信用銀行又は外国為替銀行は、施行日前においても、第一条の規定による改正後の銀行法(以下「新銀行法」という。)第十七条の二第一項(第二条の規定による改正後の長期信用銀行法(以下この条において「新長期信用銀行法」という。)第十七条又は第三条の規定による改正後の外国為替銀行法(以下この条において「新外国為替銀行法」という。)第十一条において準用する場合を含む。)の規定の例により、大蔵大臣の認可を受けることができる。
2 前項の大蔵大臣の認可を受けた者は、施行日において新銀行法第十七条の二第一項(新長期信用銀行法第十七条又は新外国為替銀行法第十一条において準用する場合を含む。)の認可を受けたものとみなす。
3 新銀行法第二十六条第二項(新長期信用銀行法第十七条、新外国為替銀行法第十一条、第四条の規定による改正後の信用金庫法(以下「新信用金庫法」という。)第八十九条、第五条の規定による改正後の労働金庫法(以下「新労働金庫法」という。)第九十四条及び第七条の規定による改正後の協同組合による金融事業に関する法律(以下「新協金法」という。)第六条において準用する場合を含む。)の規定は、平成十年四月一日以後に新銀行法第二十六条第一項(新長期信用銀行法第十七条、新外国為替銀行法第十一条、新信用金庫法第八十九条、新労働金庫法第九十四条及び新協金法第六条において準用する場合を含む。)の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)をする場合について適用する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十二条
 この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。