- 法令名 抵当証券業の規制等に関する法律
- 法令番号 (昭和六十二年十二月十五日法律第百十四号)
- 施行年月日 昭和六十三年十一月一日
- 最終改正 平成七年五月一二日法律第九一号
- 目次
- 第一章 総則(第一条・第二条)
- 第二章 登録(第三条―第十一条)
- 第三章 業務(第十二条―第十九条)
- 第四章 監督(第二十条―第二十六条)
- 第五章 抵当証券保管機構(第二十七条―第三十七条)
- 第六章 抵当証券業協会(第三十八条―第四十三条)
- 第七章 雑則(第四十四条―第四十七条)
- 第八章 罰則(第四十八条―第五十五条)
- 附則
- 第一章 総則
- (目的)
- 第一条
- この法律は、抵当証券業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営を確保し、もつて抵当証券の購入者の保護を図ることを目的とする。
- (定義)
- 第二条
- 1 この法律において「抵当証券業」とは、抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券(以下「抵当証券」という。)の販売(販売の代理又は媒介を含む。以下同じ。)で業として行うものをいう。ただし、他の法律の規定でこれにより抵当証券の購入者の保護が図られるものの適用を受ける者として政令で定める者が行うものを除く。
- 2 この法律において「抵当証券業者」とは、次条の登録を受けて抵当証券業を営む法人をいう。
- 第二章 登録
- (登録)
- 第三条
- 抵当証券業は、大蔵大臣の登録を受けた法人でなければ、営んではならない。
- (登録の申請)
- 第四条
- 1 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。
- 一 商号又は名称
- 二 営業所又は事務所の名称及び所在地
- 三 資本又は出資の額、役員の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
- 四 業務の種類及び方法
- 五 他に事業を行つているときは、その事業の種類
- 六 その他大蔵省令で定める事項
- 2 前項の登録申請書には、第六条第一項各号に該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。
- (登録の実施)
- 第五条
- 1 大蔵大臣は、第三条の登録の申請があつたときは、次条第一項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を抵当証券業者登録簿に登録しなければならない。
- 一 前条第一項各号に掲げる事項
- 二 登録年月日及び登録番号
- 2 大蔵大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
- 3 大蔵大臣は、抵当証券業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
- (登録の拒否)
- 第六条
- 1 大蔵大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
- 一 法人でない者
- 二 資本又は出資の額が抵当証券の購入者を保護するため必要かつ適当と認められる金額として政令で定める金額に満たない法人
- 三 他の抵当証券業者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の抵当証券業者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
- 四 第二十四条第一項の規定により第三条の登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
- 五 この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)又は貸金業の規制等に関する法律(昭和五十八年法律第三十二号)の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない法人
- 六 役員又は政令で定める使用人のうちに次のいずれかに該当する者のある法人 イ 禁治産者又は準禁治産者 ロ 破産者で復権を得ないもの
- ハ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者 ニ この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律若しくは貸金業の規制等に関する法律の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者 ホ 抵当証券業者が第二十四条第一項の規定により第三条の登録を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその抵当証券業者の役員であつた者で、その処分の日から三年を経過しないもの
- 七 抵当証券業を適確に遂行するに足りる財産的基礎及び人的構成を有しない法人
- 2 大蔵大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
- (登録の有効期間)
- 第七条
- 第三条の登録の有効期間は、登録の日から起算して三年とする。
- (有効期間の更新の登録)
- 第八条
- 1 第三条の登録の有効期間(この項の規定による有効期間の更新の登録を受けた場合における当該有効期間の更新の登録に係る同条の登録の有効期間を含む。以下同じ。)の満了の後引き続き当該登録に係る抵当証券業を営もうとする者は、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の行う有効期間の更新の登録を受けなければならないものとする。
- 2 第四条から前条までの規定は、有効期間の更新の登録について準用する。この場合において、第五条第一項中「登録年月日及び登録番号」とあるのは、「有効期間の更新の旨及び有効期間の更新の登録の年月日」と読み替えるものとする。
- 3 第三条の登録の有効期間の満了の日までに有効期間の更新の登録の申請があつた場合において、その申請について前項において準用する第五条第二項又は第六条第二項の通知があるまでの間は、当該申請に係る第三条の登録は、同条の登録の有効期間の満了後も、なおその効力を有する。
- 4 前項の場合において、有効期間の更新の登録がなされたときは、当該有効期間の更新の登録に係る第三条の登録の有効期間は、従前のその登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
- (変更の届出)
- 第九条
- 1 抵当証券業者は第四条第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、その日から二週間以内に、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
- 2 大蔵大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があつた事項を抵当証券業者登録簿に登録しなければならない。
- (廃業の届出等)
- 第十条
- 1 抵当証券業者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、その日から三十日以内に、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
- 一 合併により消滅したとき。 その法人を代表する役員であつた者
- 二 破産により解散したとき。 その破産管財人
- 三 合併及び破産以外の理由により解散したとき。 その清算人
- 四 抵当証券業を廃止したとき。 抵当証券業者であつた法人を代表する役員
- 2 抵当証券業者が前項各号のいずれかに該当することとなつたときは、当該抵当証券業者の第三条の登録は、その効力を失う。
- (登録免許税及び手数料)
- 第十一条
- 第三条の登録を受けようとする者は、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の定めるところにより登録免許税を、第八条第一項の有効期間の更新の登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を、それぞれ納めなければならない。
- 第三章 業務
- (標識の掲示)
- 第十二条
- 1 抵当証券業者は、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、大蔵省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
- 2 抵当証券業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
- (名義貸しの禁止)
- 第十三条
- 抵当証券業者は、自己の名義をもつて、他人に抵当証券業を営ませてはならない。
- (広告の規制)
- 第十四条
- 抵当証券業者は、その行う抵当証券業に関して広告をするときは、その者の信用、抵当証券に記載された債権の元本及び利息の支払の確実性その他の大蔵省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
- (契約締結前の書面の交付)
- 第十五条
- 抵当証券業者は、抵当証券の販売に係る契約(抵当証券の販売並びにこれに伴う抵当証券に記載された債権の元本及び利息の弁済の受領、抵当証券の保管その他の大蔵省令で定める事項を内容とする契約をいう。以下同じ。)を締結しようとするときは、大蔵省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにする書面を事前に顧客に交付しなければならない。
- 一 抵当証券業者の商号又は名称及び住所
- 二 抵当証券の販売に係る契約の内容及び履行に関する事項であつて大蔵省令で定めるものについての当該契約の概要
- 三 前二号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項
- (契約締結時の書面の交付)
- 第十六条
- 抵当証券業者は、抵当証券の販売に係る契約を締結したときは、遅滞なく、大蔵省令で定めるところにより、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を抵当証券の購入者に交付しなければならない。
- 一 抵当証券業者の商号又は名称及び住所
- 二 契約年月日
- 三 抵当証券に記載された事項のうち、証券の番号、登記所の表示、証券作成の年月日、債権の元本及びその弁済期その他の大蔵省令で定める事項
- 四 抵当証券に記載された債権の元本及び利息の弁済の受領に関する定めがあるときは、その内容
- 五 抵当証券の保管に関する定めがあるときは、その内容
- 六 前各号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項
- (書類の閲覧)
- 第十七条
- 抵当証券業者は、大蔵省令で定めるところにより、当該抵当証券業者の業務及び財産の状況を記載した書類並びに販売を行つた抵当証券に関する書類を、営業所又は事務所ごとに備え置き、顧客の求めに応じ、閲覧させなければならない。
- (抵当証券の保管の禁止等)
- 第十八条
- 1 抵当証券業者は、抵当証券の購入者の保護に欠けるおそれが少ない場合として大蔵省令で定める場合を除き、販売を行つた抵当証券を自ら保管し、又は第二十七条第二項に規定する抵当証券保管機構以外の者をして保管させてはならない。
- 2 抵当証券業者が販売を行つた抵当証券について第三十条に規定する保管証を受領したときは、当該保管証を遅滞なく抵当証券の購入者に引き渡さなければならない。
- (禁止行為)
- 第十九条
- 抵当証券業者又はその代表者若しくは代理人、使用人その他の従業者は、その行う抵当証券業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一 抵当証券の販売に係る契約の締結又は解除に関し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をすること。
- 二 その他抵当証券の購入者の保護に欠けるものとして大蔵省令で定める行為
- 第四章 監督
- (業務に関する帳簿書類)
- 第二十条
- 抵当証券業者は、大蔵省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
- (事業報告書の提出)
- 第二十一条
- 抵当証券業者は、事業年度ごとに、大蔵省令で定める様式により、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを大蔵大臣に提出しなければならない。
- (立入検査等)
- 第二十二条
- 1 大蔵大臣は、この法律の施行に必要な限度において、抵当証券業者に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、抵当証券業者の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
- (業務改善命令)
- 第二十三条
- 大蔵大臣は、抵当証券業者の業務の運営に関し、抵当証券の購入者の利益を害する事実があると認めるときは、購入者の保護のため必要な限度において、当該抵当証券業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
- (登録の取消し等)
- 第二十四条
- 1 大蔵大臣は、抵当証券業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 一 第六条第一項第二号、第三号、第五号又は第六号に該当することとなつたとき。
- 二 不正の手段により第三条の登録又は第八条第一項の有効期間の更新の登録を受けたとき。
- 三 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
- 2 大蔵大臣は、抵当証券業者の営業所若しくは事務所の所在地を確知できないとき、又は当該抵当証券業者を代表する役員の所在を確知できないときは、大蔵省令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該抵当証券業者から申出がないときは、当該抵当証券業者の第三条の登録を取り消すことができる。
- 3 前項の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。
- (登録の抹消)
- 第二十五条
- 大蔵大臣は、第三条の登録の有効期間(第八条第三項に規定する場合にあつては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき、第十条第二項の規定により第三条の登録がその効力を失つたとき、又は前条第一項若しくは第二項の規定により第三条の登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。
- (監督処分の公告)
- 第二十六条
- 大蔵大臣は、第二十四条第一項又は第二項の規定による処分をしたときは、大蔵省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
- 第五章 抵当証券保管機構
- (指定)
- 第二十七条
- 1 大蔵大臣は、次の各号に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条第一項各号に掲げる業務の全部(以下「保管等事業」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、この章の定めるところにより保管等事業を行う者として、指定することができる。
- 一 申請者が民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であること。
- 二 申請者が第三十六条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。
- 三 申請者の役員のうちに、第六条第一項第六号イからホまでのいずれかに該当する者がないこと。
- 2 大蔵大臣は、前項の指定をしたときは、指定した者(以下「抵当証券保管機構」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
- 3 抵当証券保管機構は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
- 4 大蔵大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
- (抵当証券保管機構の業務)
- 第二十八条
- 1 抵当証券保管機構は、この章の定めるところにより、次に掲げる業務を行うものとする。
- 一 抵当証券業者の販売に係る抵当証券の保管に関すること。
- 二 抵当証券保管機構の保管に係る抵当証券に記載された債権の元本及び利息の弁済の受領に関すること。
- 三 抵当証券に関する取引の健全な発展を図るための調査及び研究を行うこと。
- 2 抵当証券保管機構は、大蔵省令で定めるところにより、その業務の一部を、大蔵大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。
- (業務規程)
- 第二十九条
- 1 抵当証券保管機構は、保管等事業の実施に関する規程(以下この条及び第三十二条第二項において「業務規程」という。)を定め、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
- 2 業務規程には、抵当証券の保管に関する事項その他大蔵省令で定める事項を定めなければならない。
- 3 大蔵大臣は、第一項の認可をした業務規程が保管等事業の適正かつ確実な運営上不適当なものとなつたと認めるときは、その変更を命ずることができる。
- (保管証の発行)
- 第三十条
- 抵当証券保管機構は、抵当証券の保管をするときは、大蔵省令で定めるところにより、当該抵当証券の保管を証する書面(第五十一条第四号において「保管証」という。)を発行しなければならない。
- (事業計画等)
- 第三十一条
- 1 抵当証券保管機構は、毎事業年度開始前に(第二十七条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、事業計画及び収支予算を作成し、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
- 2 抵当証券保管機構は、毎事業年度経過後三月以内に、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、大蔵大臣に提出しなければならない。
- (役員の選任及び解任)
- 第三十二条
- 1 抵当証券保管機構の役員の選任及び解任は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 2 大蔵大臣は、抵当証券保管機構の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは業務規程に違反する行為をしたとき、又はその在任により抵当証券保管機構が第二十七条第一項第三号に掲げる要件に適合しなくなるときは、当該抵当証券保管機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
- (秘密保持義務等)
- 第三十三条
- 1 抵当証券保管機構の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、保管等事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2 保管等事業に従事する抵当証券保管機構の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
- (立入検査等)
- 第三十四条
- 1 大蔵大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、抵当証券保管機構に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、抵当証券保管機構の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2 第二十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
- (監督命令)
- 第三十五条
- 大蔵大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、抵当証券保管機構に対し、監督上必要な命令をすることができる。
- (指定の取消し)
- 第三十六条
- 1 大蔵大臣は、抵当証券保管機構が次の各号のいずれかに該当するときは、第二十七条第一項の指定を取り消すことができる。
- 一 保管等事業を適正かつ確実に運営することができないと認められるとき。
- 二 この法律、この法律に基づく命令又は第二十九条第一項若しくは第三十一条第一項の規定により認可を受けた事項に違反したとき。
- 三 第二十九条第三項、第三十二条第二項又は前条の規定による処分に違反したとき。
- 2 大蔵大臣は、前項の規定により第二十七条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
- (指定を取り消した場合等における経過措置)
- 第三十七条
- 前条第一項の規定により第二十七条第一項の指定を取り消した場合又は抵当証券保管機構が解散した場合における第二十八条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に関する所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。
- 第六章 抵当証券業協会
- (抵当証券業協会)
- 第三十八条
- 1 抵当証券業者は、抵当証券の購入者の保護を図るとともに、抵当証券業の健全な発展に資することを目的として、抵当証券業者を会員とし、その名称中に抵当証券業協会という文字を用いる民法第三十四条の規定による法人を設立することができる。
- 2 前項に規定する法人(以下この章において「協会」という。)は、会員の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
- (名称の使用制限)
- 第三十九条
- 1 協会でない者は、その名称中に抵当証券業協会という文字を用いてはならない。
- 2 協会に加入していない者は、その名称中に抵当証券業協会会員という文字を用いてはならない。
- (協会の業務)
- 第四十条
- 協会は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
- 一 抵当証券業を営むに当たり、この法律その他の法令の規定を遵守させるための会員に対する指導、勧告その他の業務
- 二 会員の営む抵当証券業に関し、契約の内容の適正化その他抵当証券の購入者の保護を図るため必要な指導、勧告その他の業務
- 三 会員の営む抵当証券業の業務に対する抵当証券の購入者等からの苦情の解決
- 四 抵当証券の購入者に対する広報その他協会の目的を達成するため必要な業務
- (苦情の解決)
- 第四十一条
- 1 協会は、抵当証券の購入者等から会員の営む抵当証券業の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
- 2 協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
- 3 会員は、協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
- 4 協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
- (大蔵大臣に対する協力)
- 第四十二条
- 大蔵大臣は、第二章から第四章までの規定の円滑な実施を図るため、大蔵省令で定めるところにより、これらの規定に基づく資料の提出、届出その他必要な事項について、協会に協力させることができる。
- (立入検査等)
- 第四十三条
- 1 大蔵大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、協会に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、協会の事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2 第二十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
- 第七章 雑則
- (登録の取消し等に伴う取引の結了)
- 第四十四条
- 抵当証券業者について、第三条の登録の有効期間(第八条第三項に規定する場合にあつては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき、第十条第二項の規定により第三条の登録が効力を失つたとき、又は第二十四条第一項若しくは第二項の規定により第三条の登録が取り消されたときは、当該抵当証券業者であつた者又はその一般承継人は、当該抵当証券業者が締結した抵当証券の販売に係る契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお抵当証券業者とみなす。
- (権限の委任)
- 第四十五条
- 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、この法律による権限の一部を財務局長又は財務支局長に行わせることができる。
- (大蔵省令への委任)
- 第四十六条
- この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、大蔵省令で定める。
- (経過措置)
- 第四十七条
- この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
- 第八章 罰則
- 第四十八条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一 第三条の登録を受けないで抵当証券業を営んだ者
- 二 不正の手段により第三条の登録又は第八条第一項の有効期間の更新の登録を受けた者
- 三 第十三条の規定に違反して、他人に抵当証券業を営ませた者
- 四 第十九条の規定に違反して、同条第一号に掲げる行為をした者
- 第四十九条
- 第二十四条第一項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 第五十条
- 第三十三条第一項の規定に違反して、保管等事業に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
- 第五十一条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一 第十四条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をした者
- 二 第十五条又は第十六条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者
- 三 第十八条第一項の規定に違反して、販売を行つた抵当証券を自ら保管し、又は抵当証券保管機構以外の者をして保管させた者
- 四 第十八条第二項の規定に違反して、保管証を抵当証券の購入者に引き渡さなかつた者
- 第五十二条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一 第四条第一項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の登録申請書又は第四条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の書類に虚偽の記載をして提出した者
- 二 第九条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
- 三 第十二条第一項の規定に違反して、大蔵省令で定める様式の標識を掲示しなかつた者
- 四 第十二条第二項の規定に違反して、同条第一項の規定による標識又はこれに類似する標識を掲示した者
- 五 第十七条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは顧客の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは顧客に閲覧させた者
- 六 第二十条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
- 七 第二十一条の規定による事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした事業報告書を提出した者
- 八 第二十二条第一項、第三十四条第一項又は第四十三条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、これらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
- 九 第二十三条の規定による命令に違反した者
- 十 第三十九条第二項の規定に違反して、その名称中に抵当証券業協会会員という文字を用いた者
- 第五十三条
- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十八条、第四十九条及び前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
- 第五十四条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
- 一 第十条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
- 二 第三十五条の規定による命令に違反した者
- 三 第三十八条第二項の規定に違反して、同項の会員の名簿を公衆の縦覧に供しない者
- 第五十五条
- 第三十九条第一項の規定に違反して、その名称中に抵当証券業協会という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。
- 附則
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して六月を超え一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第五章(第三十条を除く。)の規定は、公布の日から施行する。
- (経過措置)
- 第二条
- 1 この法律の施行の際現に抵当証券業を営んでいる法人は、この法律の施行の日から六月間(当該期間内に第六条第一項の規定による登録の拒否の処分があつたとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第二十四条第一項の規定により抵当証券業の廃止を命じられたときは、当該処分のあつた日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第三条の規定にかかわらず、引き続き抵当証券業を営むことができる。その法人がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
- 2 前項の規定により引き続き抵当証券業を営むことができる場合においては、その者を抵当証券業者とみなして、第十四条から第二十三条まで、第二十四条第一項(第二号を除く。)及び第三項、第二十八条第一項第一号並びに第四十四条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第二十四条第一項中「第三条の登録を取り消し」とあるのは「抵当証券業の廃止を命じ」と、「第六条第一項第二号、第三号、第五号又は第六号」とあるのは「第六条第一項第五号又は第六号」と、第四十四条中「第三条の登録の有効期間(第八条第三項に規定する場合にあつては、同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき、第十条第二項の規定により第三条の登録が効力を失つたとき、又は第二十四条第一項若しくは第二項の規定により第三条の登録が取り消されたときは」とあるのは「この法律の施行の日から六月間を経過したとき、第六条第一項の規定による登録の拒否の処分があつたとき、第十条第一項各号のいずれかに該当することとなつたとき、又は附則第二条第二項の規定により読み替えて適用される第二十四条第一項の規定により抵当証券業の廃止を命じられたときは」と、第四十八条第一号中「第三条の登録を受けないで」とあるのは「附則第二条第二項の規定により読み替えて適用される第二十四条第一項の規定による抵当証券業の廃止の命令に違反して」とする。
- 3 前項の規定により読み替えて適用される第二十四条第一項の規定により抵当証券業の廃止が命じられた場合における第六条第一項の規定の適用については、当該廃止を命じられた法人を第二十四条第一項の規定により第三条の登録を取り消された法人と、当該廃止を命じられた日を第二十四条第一項の規定による第三条の登録の取消しの日とみなす。
- 第三条
- 第十六条の規定は、この法律の施行前に締結された抵当証券の販売に係る契約については、適用しない。
- 第四条
- 第十八条第一項の規定は、この法律の施行前に販売が行われた抵当証券の当該販売に係る保管については、適用しない。
- (貸金業の規制等に関する法律の一部改正)
- 第五条
- 貸金業の規制等に関する法律の一部を次のように改正する。 02
- 第二十四条第一項中「この項の規定(」の下に「抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券に記載された債権については第十七条の規定を除き、」を加え、同条第二項中「前項の規定」の下に「(抵当証券法第一条第一項に規定する抵当証券に記載された債権については、第十七条の規定を除く。)」を加える。
- (登録免許税法の一部改正)
- 第六条
- 登録免許税法の一部を次のように改正する。 02 別表第一第二十四号の二の次に次の一号を加える。 二十四の三 抵当証券業者の登録 抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)第三条(登録)の抵当証券業者の登録 登録件数 一件につき十五万円
- (大蔵省設置法の一部改正)
- 第七条
- 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。 02 第四条第九十七号の次に次の三号を加える。 03九十七の二 抵当証券業(抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)に規定する抵当証券業をいう。次条第三十五号の二において同じ。)を営む者の登録及び監督に関すること。九十七の三 抵当証券保管機構の指定及び監督に関すること。九十七の四 抵当証券業協会の監督に関すること。 02 第五条第三十五号の次に次の一号を加える。 03三十五の二 抵当証券業を営む者を登録し、これを監督すること。
- 附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
- (諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
- 第二条
- この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- (罰則に関する経過措置)
- 第十三条
- この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- (聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
- 第十四条
- この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
- (政令への委任)
- 第十五条
- 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
- 附則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄